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カスパー枢機卿による結婚への新しい司牧的提案について、フェレー司教による声明

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アヴェ・マリア・インマクラータ!


愛する兄弟姉妹の皆様、
「カスパー枢機卿による結婚への新しい司牧的提案について、聖ピオ十世会総長・ベルナール・フェレー司教による声明」の日本語訳をご紹介いたします。ご紹介をするまでに時間が掛かってしまい、申し訳ありません。

天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)


原文はこちらです

カスパー枢機卿による結婚への新しい司牧的提案について、聖ピオ十世会総長・ベルナール・フェレー司教による声明

二〇一四年四月十二日

 二〇一四年十月五日から十九日まで開催予定の「福音宣教との関連から見た家庭の司牧的問題」に捧げられた「世界代表司教会議臨時総会」で、何が起きるのでしょうか? この疑問は重大な懸念とともに投げかけられます。なぜなら、二〇一四年二月二十日に行われたこの前の枢機卿会議の間、ウォルター・カスパー枢機卿は、教皇フランシスコとその強烈な支援による要請を受けて、次回の司教会議のテーマとして司牧的な解放案を表明しており、この案は教義的には恥ずべきものだからです。


 この提案は、当初は公表されないままのはずでしたが、マスメディアに報道され、枢機卿会議のメンバーたちの間で火花を散らす議論を巻き起こし、暴露される結果となりました。カスパー枢機卿が「離婚したのち "再婚" したカトリック信者たち」は、たとえ最初の婚姻に無効宣言が出されなくても、聖体拝領ができる ---- これは、「離婚が出来ないというイエズスの非常に厳しい・明確な言葉に基づいて、今現在はそうではない」(サンドロ・マジステル)------- と提案した事実を、ある大学教授は、本物の「文化的革命」 (ロベルト・デ・マテイ) であると言ってのけ、あるジャーナリストは「パラダイム・シフト」だと描写しました。

 一部の高位聖職者たち、例えばボローニャ大司教カルロ・カファラタ (Carlo Caffara) 枢機卿は、この変更に声を上げて反対し、次のように問いかけました。「では、最初の承認され完全なものとされた結婚についてはどうなるのか? 教会が[離婚したのち "再婚" した信者たちに]聖体拝領を認めるなら、二度目の結びつきの合法性について、教会はどうにかして判断を下さなければならない。論理的にこうならざるを得ない。だが──私がさきほど問いかけたように──最初の結婚はどうなるのか? 彼らが言うには、二度目のは、本当の二度目の結婚ではあり得ない、なぜなら重婚は天主のみことばに反するからだ、と。それなら、最初の結婚はどうなるのか? それは解消されるのか? だが過去の教皇たちは常に教えてきた、教皇の権力はそこまでは及ぶことができない、と。つまり、教皇には、承認され完全なものとされた結婚を覆す権威はない、ということである。(カスパー枢機卿によって)提案された解決策は、"最初の結婚は有効なまま残る、しかし、教会が正当なものと認める二度目の同棲の形もまた存在する、と考えさせることになる。従ってもっとも基本的な疑問は、いとも単純である。すなわち、"最初の結婚はどうなるのか?" これだ。だが、回答できるものは誰もいない」(Il Foglio 二〇一四年三月十五日)

 また、ゲルハルト・ミュラー(Gerhard Ludwig Müller)枢機卿、ヴァルター・ブラントミュラー(Walter Brandmüller)枢機卿、アンジェロ・バニャスコ(Angelo Bagnasco)枢機卿、ロバート・サラ(Robert Sarah)枢機卿、ジョヴァンニバッティスタ・レ(Giovanni Battista Re)枢機卿、マウロ・ピアチェンツァ(Mauro Piacenza)枢機卿、アンジェロ・スコラ(Angelo Scola)枢機卿、カミッロ・ルイニ(Camillo Ruini)枢機卿たちによって述べられた深刻な反論の数々も付け加えることができます……。ですが、これらの反論にも答えが与えられないままです。

 カスパー枢機卿が、破壊的精神において今年の十月に開催予定の司教会議で回答したいと望んでいる答えを、私たちは声を上げないまま待つことはできません。「カスパー枢機卿による結婚への新しい司牧的提案」と題された次に掲載する研究は、枢機卿の表明には重大な誤謬があると教えています。これらを非難せずにいることは、カファラタ(Caffarra)枢機卿が次のように指摘した危険へとドアを開け放つ結果となるでしょう。「従って、教会が合法であるとみなす婚外の性交渉といったものが存在することになるだろう。だが、これは教会の性に関する教えの中心となる柱を否定している。この時点で不思議に思う人も出てくるだろう。すなわち『では、婚外の同棲はなぜ認められないのか? あるいは同性愛の関係については?』と」

 ここ最近の数ヶ月間に、多くの家族たちが勇気をもって、自然なキリスト教的な家庭を蝕んでいる社会の法律に、いたるところで抗議の声を上げています。その一方で、このような法律が聖職者たちによって密かに支持されており、彼らが霊魂たちの回心を探し求める代わりに、カトリック教義と道徳を、非キリスト教的社会と同じ立場で考えるのを見るのは、不面目そのものです。結婚の非解消性についての明確なキリストの教えを嘲笑う「司牧的提案」なるものは、慈悲深さであるどころか、すべての人々に十分な恩寵をお与えになる天主への侮辱です。また、これは、困難な状況に置かれた時、キリスト教的生活を送るため、また、英雄的と言えるほどにまで徳を高めるために必要な恩寵をいただく霊魂たちに対しても、残酷なことなのです。


二〇一四年四月十二日、メンツィンゲンにて

+ベルナール・フェレー
聖ピオ十世会総長


【訳者注:フェレー司教様が文中で言及している「カスパー枢機卿による結婚への新しい司牧的提案」と題された研究」の日本語訳は、後ほどご紹介いたします。

以下のリンクは、あくまでも参考資料です。
ローマ教皇庁公文書:第3回シノドス臨時総会 準備文書(2013年10月)【カトリック中央協議会の公式訳】

シノドス事務局による同「準備文書」【真生会館「学び合いの会」による私訳】

準備文書への日本司教団回答(日本語)【2014年1月15日】

カスパー枢機卿、離婚・再婚者の聖体拝領への道筋示す 【CNS記事の真生会館「学び合いの会」による訳】

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