アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様、
ブログ「一カトリック信者の日々想い」にある「キリストの御体」という秀逸な記事を読みました。
キリストが足で踏まれている。私たちの救い主が、苦しんでおられる。誰も助けようとしない。見て見ぬふりをしている。
規則だから。上の命令だから。勤務優先。信仰軽視。オレ関係ないから。
それを見て苦しんでいる人々もいます。傷ついた負傷者とは「目の前で 御聖体がないがしろにされているのを見ているうちにカトリック信仰を失いそうな危険に脅かされる傷つく人々、霊的に死にゆく人々」です。
せっかくイエズスさまがくださったカトリック信仰なのに、御聖体への冒涜により 信仰が失われる危険(霊的な負傷と死)にみんながさらされているからです。「典礼の崩壊」(ラッツィンガー枢機卿)に由来する信仰の危機です。
それを見て、見て見ぬふりをすることができない人々もいます。「教会は、軌道を外れつつある。脱線している。なんとか軌道修正が必要だ!」と。彼らは自分のできることをして人命を救おうと、信仰を守ろうとするのです。
しかし、「法律」「規定」「命令」の方を信条としているファリサイ的な人々は、苦しんでいる、傷ついた負傷者たちを避けて通るのです。「規則」だから。
この記事を読み、十年以上前に起こった事故を思い出しました。
十年以上も前に、尼崎近くで電車の脱線事故がありました。
事故発生直後、近隣住民は、すぐに現場へ駆けつけて救助にあたりました。素晴らしい!
死傷者があまりにも多く救急車のみでは搬送が追いつきませんでした。
負傷者たちは、警察のパトカーや近隣住民の自家用車などでも病院に搬送されました。
ところで、普通はトラックの荷台に人を乗せて公道を走ると道路交通法違反です!しかし、一刻を争う緊急事態です!人が死のうとしているのです!早く!何とか助けなければ!
多数の負傷者を一度に搬送するため、道路交通法を「違反」してまでも、大型トラックの荷台に乗せて病院へ搬送する手段が取られました。道路交通法を目的は、人命保護にあります!道路交通法をまもったが為に人が死んだ、では元も子もないからです。そんな時、道路交通法の文言を出して、車を待たせて見殺しにすべきだ、と主張する方が狂っています。
負傷者の半数は近隣の人々がボランティア精神で、自分たちのできる手段で、医療機関に搬送しました。
特に激突したマンションから10mほど道を隔てたところに西門がある日本スピンドル製造株式会社は、異常な衝突音に気づいた社員20名がすぐに現場に急行し、救出作業を開始しました。
知らせを受けて事故現場を見た齊藤十内社長は、工場帰って、直ちに全ての操業停止を命令、全社員(約270名)を食堂に集め、全力を挙げて救助作業に当たるように指示しました。社員達は、工具や道具をもって現場に急行し、助けを求め、うめき声を上げる人たちを励まし励まししながら確実に救出していったのです。
なかなか救急車が到着しなかったところでは、日本スピンドルの社員達は、助け出した負傷者に応急手当をした後、自分たちのマイカーや、工場の大型トラックなど計15台で病院にピストン輸送しました。
負傷者には「がんばれ!」「きっと助かる、大丈夫」などと励まし、声をかけ続け130人以上を救助したのです!すごい!
一方、当該列車にJR西日本の社員2名が乗車していたのですが、この社員らが職場に連絡をしたところ、上司から出勤命令が出たため、この社員は救助活動をせずに出勤していました!
救助より出勤!人命よりも規則!法と規則が何の為にあるのかその目的を理解しないファリサイ的な態度。これはマスコミで大きく報道されました。
ところで、カトリック教会の中でも、キリストの御体がないがしろにされている時、多くの人々がみんなで一緒にないがしろにしている時、少数ですが、霊的に苦しみ信仰の息の根が止まりそうで嘆き悲しむ人々に、緊急事態を鑑みて、「がんばれ!」と言う人々がいます。
少数ですが、彼らは「きっと昔からのカトリックの教えは復活する、聖伝のミサは今でも有効だ、大丈夫、カトリック信仰を保て!」と、公式に聖伝の教えの助けが来るまで、愛徳の精神で、緊急救命作業を行っているのです。
そのような人々に、心ない人々は「法律」「規律」「命令」の字面の方が大事だ!とファリサイ的な非難を投げかけています。しかし、だからと言って、見殺しにして良いのでしょうか?!オレ知らね、と逃げればすむのでしょうか?!無関心。逃避。護身。妥協。そうすれば、カトリック教会が良くなる、信仰が守られる、信仰の生命が保全されるのですか??!?まさか!
教会法の名前によって、ほったらかしはできません!そんなことはできません!!してはなりません!!教会法の存在理由は、霊魂の救いだからです。救霊こそが最高の法だからです。
聖ピオ十世教皇、我らの為に祈り給え!
愛する兄弟姉妹の皆様の上に天主の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田神父