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一九九六〜二〇一四 アジア管区長クチュール神父より、最後の手紙

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 2014年8月15日付けで、聖ピオ十世会アジア管区長は、クチュール神父様からシュテーリン神父様に交代しました。

 聖ピオ十世会アジア管区のApostles誌 第38号に「クチュール神父の別れの言葉」が掲載されています。今日は、愛する兄弟姉妹の皆様にその日本語訳をご紹介します。クチュール神父様、長い間、ありがとうございました。深く感謝します。クチュール神父様の新しい任地において、天主様が祝福し給いますように!
 クチュール神父様と共に、アジア管区の管区長となられたシュテーリン神父様のためにも、たくさんのお祈りをいたしましょう!

 愛する兄弟姉妹の皆様に天主様の祝福が豊かにありますように!


「クチュール神父の別れの言葉」の原文はこちらです。


クチュール神父の別れの言葉

一九九六〜二〇一四 アジア管区長クチュール神父より、最後の手紙

私とともに主をたたえ、ともにそのみ名をあがめよう(詩編33:4)

 親愛なる友人と恩人の皆さん、

 世界の片隅から、皆さん全員と、すべての読者の皆さんに別れの挨拶を述べる時が来ました。私たちが十八年間に渡って、植え、水を注ぎ続けた場所に、代わりのさらに勇敢な司祭に収穫を刈り取らせるよう、そして水を注ぐ別の場所に、私たちのすなどりの網をもたらすようにと命令が下ったからです。聖主が「それと同じことで、あなたたちも、命ぜられたことをみななし終えたら、"私たちはとるに足らぬしもべである、すべきことをしたにすぎない" といえ」(ルカ17:10)と仰せられたみことばは、天主としてふさわしいものです。私たちは実際、役に立たないしもべです。超自然の恩寵は私たちから来るのではなく、ただ私たちを通り過ぎていくだけです。私たちは「キリストのしもべ、天主の恩寵の管理者」(コリント1 4:1)に過ぎません。

 この十八年、世界中からの、特にアジア管区のために捧げられた霊魂たちからの祈りのおかげで、すべての私たちの司祭たちの両手を通して絶えざる恩寵が流れ出ていくのを私は見続けており、このことを確かに証言できます。庭師にできるのは、庭の雑草を抜き、刈り取り、水を注ぐことだけですが、庭師はその後、創造主のおん力を通して成長する花々の美しさを心から喜ぶのです。

 私たちはすべての栄光を、あらゆる聖寵の仲介者である方に帰し、そのけがれなき御心は過去の偉大な英雄たちが足跡を残した東洋において、天主のみ国を広げるために私たちをお使いになるよう計画されました。A Domino factum est istud! これをなされたのは主です! 「これは主のみ業で、われらの目には不思議なことである」(詩編117:23)私たちが切に乞い願うただ一つのことは天主のあわれみです。というのは、私たち自身の「数えきれない罪、無礼、怠慢」は、多かれ少なかれ、まことに「収穫の用意ができている」この国に恩寵が降り注がれるのを台無しにし、 衰えさせるからです。

 次に述べる出来事の数々は、アジアの国々の庭より咲いた生ける霊魂たちからなる霊的花束として、女王である聖母の足元に置かれています。Non nobis, Domine, non nobis, sed nomini tuo da gloriam. 「主よ、光栄を帰せよ、われらにではなく、われらにではなく、あなたのみ名に」(詩編113:9)「あなたたちが見たことを見る目は、しあわせである」(ルカ10:26)事実、私たちは、奇跡を起こされる天主の恩寵の選びの証人、カトリック聖伝の隠された宝、その尊敬すべき古いラテン・ローマ典礼で征服の領土を広げていく選びの証人であり続けています。

 アジア管区は、インド(一九八六年)とフィリピン(一九九二年)の自治修道院の統合によって、一九九六年八月十五日に設置されました。まさにその日の朝、私は、一八五八年に聖ベルナデッタに十七回に渡って無原罪のおん宿りがお現れになった有名なグロトー(洞窟)の足元にひざまずく栄誉に浴していました。そして、聖母が私に世話するよう命じておられるこの巨大な領土を彼女に奉献し、委ねました。

 信じ難い任務……世界の人口の半分です。一人当たりの所得が豊かな国々(シンガボール、日本)から貧しい国々(インド、スリランカ)に至るまで、現在も八十二パーセントのカトリック信者を擁する国(フィリピン)からカトリック信仰がごくごくわずかしか存在していない国々(日本とタイにはそれぞれ0.4パーセントしかいません)に至るまで、人口のほぼ百パーセントがイスラム教徒の国々(インドネシア)、八〇パーセントがヒンズー教徒の別の国(インド)、大多数が仏教徒の他の国々(スリランカ、中国、韓国、日本)。この任務は、人間の能力を超えるものでしたし、今なおそうです。ですが、無原罪のおん宿り、インマクラータにとってはそうではありません。Monstra te esse Matrem! 幸いなるおん母よ、願わくは御身の母たるを我らに示し給え!

 アジア! アフリカとともに、宣教師たちの大地、とりわけ、百年以上に渡る宣教の歴史を紐解いて知る、殉教者たちの大地なるアジア。私は「聖母の乗客」そして伝達者として、運転席の聖母にお任せしていましたから、聖母のおん力、祈りのおん力、諸聖人の通功のおん力を証言できますし、至るところに示された恩寵をこの眼で見ました。その中でも最大の喜びは、霊魂のうちに働く天主の恩寵を勘定に入れなければなりません。私たちの管轄下にあるすべての国々で同じ聖性の実りを生みだす同じ聖霊のみわざです。「すべての国と、民族と民と、ことばとの、数えきれない、おびただしい大群衆が、玉座のみ前と子羊のみ前とに立っていた」(黙示録7:9)

 同じ質問を問いかけ、同じ聖伝の秘跡を熱望し、同じ説教と公教要理に感動する人々。私たちを自由にし、心を清める真理を聞くことで、いくつもの顔が生き生きと輝き、恩寵を受け取ったために喜びの涙が頬をつたりました。かつて中央ベトナムの辺鄙な片田舎でミサを捧げた後、人々は私が現実に存在するのかどうかを見ようと、私に触るためにやって来ました! 彼らは黒のスータンを来ている司祭を四十年間見たことがなかったのです。

 一九九六年にマニラに到着すると、新たに聖伝へと回心したサルバドール・L・ラゾ司教様がいらっしゃいました。私たちの三名の信者から渡された本を二年間読み続けた後、二十六年間に渡って新しいミサを唱え続けた誤りを悟る謙遜をお持ちであった、第二バチカン公会議以来の唯一の司教様です。司教様は現在、マニラにある私たちの勝利の聖母教会に埋葬されています。フィリピンでの最初の数年間に、神学校と男女の修道生活への召命(三十名以上)の素晴らしい実りがありました。彼らは現在、ニュージランドからイギリス、アルゼンチン、メキシコ、ジンバブエからヨーロッパに至る聖主のぶどう畑のさまざまな場所で働いています。インドでの私たちの最高の喜びの一つは、天主のご意志に全面的に明け渡した謙遜な霊魂のうちに働く、聖母の恩寵を証言することです。天主のみ摂理への信頼に満ちたこのような委託の結果は、今や私たちのインドの使徒職の真珠です。五名のシスターからなる共同体、児童養護施設、ゆうに百名は収容可能な老人施設があり、現在、四〇パーセントが埋まっています。

 一九九六年九月十一日、私はフィリピンの土を踏み、四名の司祭たちがいる小さな修道院を一つと、約五百名の信者たちを持つ巡回教会を作りました。二〇一四年八月十五日現在、九名の司祭たちを持つ三つの修道院があり、そこにはブラザーのための修練院と、五名の奉献女(オブレート)と召命を探し求める若い女性たちのためのベタニアの家と、小学校と中学校(二〇一四年六月で六十三名の生徒を持つ勝利の聖母学校)と、二十七の定期巡回教会に散らばっている二五〇〇名の信者達が付属しています。

 その後、スリランカにも二名の司祭と五十名の信者たちを持つ修道院を作りました。この修道院は、シンガポールで修道院が開かれたのち、二〇〇〇年に閉鎖されました。スリランカには今も、月に一回、シンガポールの司祭たちが訪問するチャベルがあり、約四十名の信者たちがいます。

 一九九六年にできた三つめの修道院はインドにあり、三名の司祭たちがおり、八つの巡回教会と約三百名の信者たちがいました。現在も三名の司祭たちがおりますが、ブラザーが一人とシスターたちの二つの共同体があり(慰め手なる修道女会と償いの修道女会、総勢十名のシスターたち)、三十五名の男の子の孤児たちと寄宿生たちがいる修道院、四十九名の女の子たちと十名の老女たちがいる児童養護施設と老人ホーム、学校が一つ(今のところ六十九名の生徒たちがいるヴェリタス・アカデミー)、そして約八二〇名の信者たちのための十七の巡回教会があります。

 一九九六年には、東京(二十五名の信者)と韓国(四十名)へ行き、同じく香港(十五名)、マレーシアのクアラルンプール(二十名)、そしてシンガポール(三十名)へも行きました。現在では、東京(四十名)、ソウル(五十名)、クアラルンプール(五十名)は少しずつ大きくなっており、修道院のあるシンガポールは一五〇名にまで数を増やしました。日本の大阪(二十五名)、韓国の全州(二十名)、ジャカルタ、インドネシア(十五名)、マレーシアのコタキナバル(三十五名)、ドバイ(八名)、そしてアラブ首長国連邦のアブダビ(二十五名)、最後に大事なことを言い忘れていました、中国(七十名)も加わっています。

 つい先日、中国へ三日間の旅行で、私たちの司祭は十五人の通常の告解を含む、七時間に及ぶ告解を聞く大いなる喜びを得ました。そのほとんどは通訳を通してでした! 謙遜とはまさにこのことです! ほとんどが若者であるこの霊魂たちが、この偉大な価値を持つ真珠を得るために払おうとしている代価がどれほどのものかを皆さんが見るなら、告解のこのような偉大な秘跡対して、ごくわずかな不愉快しか感じないでしょう。

 二〇〇五年から二〇一二までの七年間、ニュージランドとその近海の太平洋の宣教地(ニュー・カレドニア、バヌアツ、一時的にサモア)もまた、アジア管区の管轄下にあったことを忘れてはなりません。しかしながら、いくつかの国々では、さまざまな理由により、私たちが望んだように種が育つことはありませんでした。タイ、ベトナム、台湾です。天主のみが知る神秘です。

 また、ローマを通して、ローマ的信仰、ローマ的道徳、ローマ的典礼、言語、典礼暦と聖歌を通して、真実に普遍的な、霊魂たちを主イエズス・キリストへと結びつける、唯一のローマ・カトリック教会のための宣教師の職務の喜びをも、私は付け加えねばなりません。このすべての真ん中で、インカルチュレーション、エキュメニズム、司教団体主義を武器とする、まごうことなきローマ的伝統の破壊を押し進めている人々によって、私たちは離教者と呼ばれる皮肉に直面しています。

 例を挙げましょう。一九九八年、ローマで開かれたアジア・シノドの日本人司教たちは、教皇ヨハネ・パウロ二世に「私たちは東洋人だから、聖トマス・アクィナスの西洋哲学と神学を望まない」と公に言ったことを思い出します。また、数年後にタイの唯一の大神学校の校長神父が、神学生たちがタイ語以外の言語を知らないので、一九六〇年以前の聖トマスの著作物、トリエント公会議の公教要理や回勅に触れる術がないと私に言ったことも。私は彼に尋ねずにはいられませんでした。若者たちにとってカトリック教会は一九六〇年に始まったに過ぎないのだから、あなたは彼らをまことの離教的精神のうちに育てているのだとわかっているのですか、と。答えはありませんでした。

 A Domina factum est istud! これをなされたのは聖母です! 「これは聖母のみ業で、われらの目には不思議なことである」(詩編117:23参照) Fecit mihi magna qui potens est 「全能のお方が私に偉大なことをなさいました」(ルカ1:49)この数年間の間に、私たちは実際に sicut sagittae in manu potentis──「つわものの手にある矢のような」あちらこちらに飛び回る諸天使の元后を感じていました。

 涙のうちに種を蒔き、いつの日か喜びのうちに刈り取るでしょう。なすべきことは今なおたくさんあり、「おぼしめしのままにおのおのに分け与えられる」(コリント1 12:10)善き主は、この広大な東洋の国々に「赤々と火を燃え上がらせる」ために、間違いなくふさわしい人物を私の後継者としてお選びになりました。ドイツ人のカール・シュテーリン神父様です。神父様は二十年間ポーランドと東欧諸国におられました。神父様は十四名の司祭、七名のブラザー、十五名のシスター、力強い「レジオ・マリエ」と多くのカテキスタたち(フィリピン南部のミンダナオのみに六十九名)からなる素晴らしいチームの支援を受けるでしょう。ですが、とりわけ、シュテーリン神父様もご存知なことは、無原罪のおん宿り、インマクラータは戦闘隊形における一軍団のようなお方であり、地獄の全勢力を合わせたよりも力強いお方であり、イエズスの聖心の勝利以外のものをお求めにならない、ご自分のけがれなき御心の凱旋をもたらすため、あらゆる手段をお使いになることに熱心なお方だということです。「目をあげて国々を見よ、もう刈り入れを控えて白んで来ている」(ヨハネ4:35)

 刈り入れは多けれども働く者は少ないがゆえに、皆さんすべての祈りと支援によって神父様を支え続けて下さい。同時に、我が親愛なるカナダ、新たな使徒職の畑における私を、どうぞ忘れないで下さいと懇願します。

 そうです、私とともにマグニフィカトを唱えて下さい。そして主のみ名をともにあがめましょう。聖母はまことに私たちの母であることを示して下さいました!

 「それは、イエズス・キリストによってすべてについて神に光栄を帰するためである。光栄と力とは世々にかれの上にあれ。アメン」(ペトロ1 4:11)
 
 天主が祝福し給わんことを!

 管区長 ダニエル・クチュール神父

聖伝のミサ(いわゆる「トリエント・ミサ」と呼ばれているローマ式典礼様式のミサ)にようこそ!

ローマ・カトリックの聖伝のミサ vs エキュメニカルな新しいミサ(第二バチカン公会議のミサ)




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