アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様、
今日は灰の水曜日です。東京のミサ会場では、午後6時から灰の祝別・灰を受ける式があります。(その前にはいつもの通りロザリオがあります。)
灰の水曜日の聖伝のミサの固有文をご紹介いたします。
天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)
[四旬節]
四旬節の意義をもつ季節は、復活の大祝日の準備の期間として、復活の大祝日と同じ時代からはじまったものであろう。しかし、この苦業の季節は、復活前日に洗礼をうけるために、祈りと断食とを行って準備していた洗礼志願者の準備と結びついて行われたものと思われる。「苦業の洗礼」という考え方は、現在の四旬節の典礼にも残されている。厳密な意味での六週間の四旬節は、四世紀ごろから定まったらしい。
大聖グレゴリオ教皇(五九〇-六〇四年在位)のころの四旬節の断食は、四旬節の第一主日の次の月曜日からはじめることになっていたが、こうすると、主イエズスの四十日の断食と比較して四日足りないので、七・八世紀ごろから、五旬節の水曜日からはじめることになった。
この日、公の罪人に、苦業のしるしとして灰をつける行事を行った。昔の教会の規則では、公けの大罪をおかしてそのゆるしを願う信者は、四旬節がはじまるとき、司教又は司祭のもとに行って、灰をかけてもらい、毛衣をうけ、適宜に苦業を定めてもらうことになっていた。この人たちは聖木曜日まで、教会の人々と交ることが出来なかった。聖木曜日になって、ふたたび教会の人々と交ることがゆるされる式があった。
そこで、現在の四旬節の典礼をよく理解するには、昔、日々の典礼にあずかっていた三種の人があったことを考えねばならぬ。すなわち、一つは、一般の信者である、かれらにとって四旬節は復活の祝日の準備であって、今の言葉でいえば、黙想会のようなものであった。また、もう一つは、復活前日に洗礼をうける許可を得た洗礼志願者。そして三つめは、公けの大罪を犯して公教会を破門され、再び公教会にうけ入れられるために赦免を願っていた人々である。
四旬節の典礼文は、洗礼志願者、苦業する人々を暗示しており、また、書簡や聖福音にも、そういう人々を教育するための文が多い。そこで、四旬節の平日の書簡の殆んどは、旧約聖書からとって朗読している。聖パウロ(ガラツィア、3ノ24)がいっているように、人々をキリストにみちびく教師は「旧約聖書」である。
四旬節の特色は、断食によって行われる苦業である。昔の教会では、この期間、日が暮れてのち一度だけ食事をとることを許していた。この苦業の目的は、大聖レオによると、内的な浄化と成聖とである。この期間には、また、断食だけではなく、善業と祈りを特に行わねばならぬ。要するに、四旬節は、十字架の光栄に向って徐々に上っていく姿にたとえてよい。最初の四週間には、人間の救主であるイエズスを、人間の師として紹介し、その御言葉を教える。第五週目は、枝の主日をもって、天主の羔でありメシアである使命を最後まで完遂し給うキリストの御心を知らせ、この期間、一日一日、キリストの受難の日々に生きるようにと信者に教える。
四十日という数は、聖なる準備の数と考えれていて、元来は、旧約時代のいろいろの出来事から出ている。すなわち、大洪水の四十日、選ばれた民が沙漠で生活した四十年、モイゼの祈りと断食の四十日、また新約に入っては、主イエズスが荒野ですごし給うた四十日がある。
初代教会から六世紀まで、四旬節中には聖人の祝日を行わなかった。例外的に最初に行われたのは、トゥルロ教会会議(六九二年)によって決定されたもので、お告げの祝日である。現在でも、出来るだけ、聖人の祝いを行わずに、四旬節の典礼を行う方針である。四旬節の主日はいずれも一級主日であって、これと重なるいかなる祝日にも優先する。四旬節の「平日」には、祝日を行うことができるが、その時は、「平日」を記念しなければならない。
[灰の水曜日](一級平日 紫)
本日、四旬節の断食節がはじまる。初代教会では、聖木曜日まで教会に入ることをゆるされない公の罪人にだけ、灰をつけるようになっていた。
ところが、十一世紀に入ると、公の罪人の償いの習慣がなくなったので、信者全部に灰をつけることになった。人間のみじめさを反省させるこの灰の式には、昔は教皇から一信者に至るまで裸足であずかることになっていた。
灰をかけるのは、復活の準備としてのこの時期に、どのような精神をもってあたらなければならないかをあらわしている。
昔はまた、四旬節に入るとき、告白を行うことになっていた。それは、四旬節を清い心ですごさねばならないからである。
Bénédiction des Cendres
灰の祝別式
Feria Quarta Cinerum
灰の水曜日
I Classis
1級
Statio ad S. Sabinam
指定巡礼聖堂 聖女サヴィナの聖堂
【ミサ聖祭を執行する前に司祭は、前年の枝の主日に用いた「かんらん」または、その他の木の灰を祝別する。】
【聖灰は、小さな器に入れて、祭壇の前に置いてある。聖歌隊が、次の交誦を歌う。】
Antiphona. Ps. 68, 17.
交誦 詩編 68ノ17
Exáudi nos, Dómine, quóniam benígna est misericórdia tua : secúndum multitúdinem miseratiónum tuárum réspice nos, Dómine.
主よ、我らの願いを聴き入れ給え。御身の憐れみは優しいものなればなり。御身の憐れみの多さに従い、主よ、我らを見給え。
Ps. ibid., 2.
詩編 68ノ2
Salvum me fac, Deus : quóniam intravérunt aquæ usque ad ánimam meam.
天主よ、私を救い給え。多くの水は我が霊魂まで入り来たればなり。
V/.Glória Patri. Repetitur Exáudi nos.
V/.願わくは、聖父と…(栄誦) 交誦を繰り返す
Exáudi nos, Dómine, quóniam benígna est misericórdia tua : secúndum multitúdinem miseratiónum tuárum réspice nos, Dómine.
主よ、我らの願いを聴き入れ給え。御身の憐れみは優しいものなればなり。御身の憐れみの多さに従い、主よ、我らを見給え。
【司祭は、祭壇の右(書簡側)に立ち、祭壇の方を向き手を合わせていう】
V/. Dóminus vobíscum.
V/. 主は、あなたたちとともに、
R/. Et cum spíritu tuo.
R/. また、あなたの霊とともに。
Orémus.
祈願
Omnípotens sempitérne Deus, parce pæniténtibus, propitiáre supplicántibus : et míttere dignéris sanctum Angelum tuum de cælis, qui bene+ dícat et sanctíficet hos cíneres, ut sint remédium salúbre ómnibus nomen sanctum tuum humilíter implorántibus, ac semetípsos pro consciéntia delictórum suórum accusántibus, ante conspéctum divínæ cleméntiæ tuæ facínora sua deplorántibus, vel sereníssimam pietátem tuam supplíciter obnixéque flagitántibus : et præsta per invocatiónem sanctíssimi nóminis tui ; ut, quicúmque per eos aspérsi fúerint, pro redemptióne peccatórum suórum, córporis sanitátem et ánimæ tutélam percípiant. Per Christum, Dóminum nostrum.
全能永遠の天主よ、改悛する者たちを容赦し、こい願う者らに憐れみを垂れ給え。主の聖なる天使を天より使わし給え、願わくは天使がこの灰を祝✠福し、聖✠ならしめんことを。へりくだってきよい御名を呼び奉る全ての者にとって、また良心に自分の罪を告発し、主の御前に熱心に天主の御寛仁をこい願う者たちにとって、或いは御身の爽快な優しさを懇願する者たちにとって、この灰が救いの霊薬とならんためなり。そして、主の至聖なる御名を呼び求めつつ、この灰をうけた者は誰であれ、自分の罪の贖いのため、身体の健康と霊魂の保護とをうけんことを願い奉る。我らの主キリストによって、【R/.アメン。】
Orémus.
祈願
Deus, qui non mortem, sed pæniténtiam desíderas peccatórum : fragilitátem condiciónis humánæ benigníssime réspice ; et hos cíneres, quos, causa proferéndæ humilitátis atque promeréndæ véniæ, capítibus nostris impóni decérnimus, bene + dícere pro tua pietáte dignáre : ut, qui nos cínerem esse, et ob pravitátis nostræ deméritum in púlverem reversúros cognóscimus ; peccatórum ómnium véniam, et prǽmia pæniténtibus repromíssa, misericórditer cónsequi mereámur. Per Christum, Dóminum nostrum.
天主よ、御身は、罪人らの死ではなくその改悛を望み給う。願わくは、人間の壊れやすき条件を、いとも大いなる憐みをもって見給え、謙遜をあらわし、赦しをうけるために我らの頭にうけようとするこれらの灰を、御身の優しさによって祝✠福し給え、そは、灰である我らが、また、我らの邪悪さの報いとして塵に帰るべきことを認め奉る我らが、全ての罪の赦しと、改悛する者らに約束された報いと憐れみによりて受けうるためなり。我らの主キリストによりて、【R/.アメン。】
Orémus.
祈願
Deus, qui humiliatióne flécteris, et satisfactióne placáris : aurem tuæ pietátis inclína précibus nostris ; et capítibus servórum tuórum, horum cínerum aspersióne contáctis, effúnde propítius grátiam tuæ benedictiónis : ut eos et spíritu compunctiónis répleas et, quæ iuste postuláverint, efficáciter tríbuas ; et concéssa perpétuo stabilíta et intácta manére decérnas. Per Christum, Dóminum nostrum.
天主よ、御身はへりくだりによって折れ給い、償いによって宥められ給う。御身の優しさの耳を我らの祈りに傾け給え、まかれたこれらの灰を触れた御身の下僕たちの頭に、御身の祝福の恩寵を快く注ぎ給え。そはかれらを痛悔の精神で満たし給い、且つかれらが正しく祈り願ったことを効果的に与え給うためなり。また、あたえ給うたる[聖寵]を絶えず揺るぎないものとし、傷無く留まるように保たせ給え。我らの主キリストによりて。【R/.アメン。】
Orémus.
祈願
Omnípotens sempitérne Deus, qui Ninivítis, in cínere et cilício pæniténtibus, indulgéntiæ tuæ remédia præstitísti : concéde propítius ; ut sic eos imitémur hábitu, quaténus véniæ prosequámur obténtu. Per Dóminum.
全能永遠の天主よ、御身は、灰と[着ると痛い]毛衣とによって改悛したニニヴェの人々に、御身の宥(なだ)め霊薬を与え給えり、願わくは、我らが行いにおいて彼らに真似るごとく、同じく我らが赦しを得んことを与え給え。天主として(…)。
【司祭は、香を香炉に入れ入れ、聖水を三度灰にかけ、“私を浄めよ”のAspérgesの交誦をとなえ、三度撒香する】
(灰をかける式)
【もう一人の高位の司祭が、祭壇に上り、ミサを挙げる司祭に灰をかける。司祭が一人の場合は、ミサを挙げる司祭が、祭壇の前にひざまずいて、自分で自分の額に灰をかける。】
Antiphona. Iœl. 2, 13.
交誦 ヨエル書 2ノ13
Immutémur hábitu, in cínere et cilício : ieiunémus, et plorémus ante Dóminum : quia multum miséricors est dimíttere peccáta nostra Deus noster.
衣を替えよ、灰と毛衣とに。断食をしよう、そして主に御前で泣こう。何故なら我ら天主は、我らの罪を赦そうと極めて憐れみ深い方であるが故なり。
Alia Antiph. Ibid., 17.
他の交誦 ヨエル書 2ノ17
Inter vestíbulum et altáre plorábunt sacerdótes minístri Dómini, et dicent : Parce, Dómine, parce pópulo tuo : et ne claudas ora canéntium te, Dómine.
主の奉仕者たちなる司祭らは、[神殿の]入口と祭壇との間で泣きつつ言うだろう、赦し給え、主よ、御身の民を赦し給え、主よ、御身に[讃歌を]歌う人々の口を閉じさせ給う勿れ。
Responsorium. Esther 13 ; Iœl. 2.
答誦 エステル書13。 ヨエル書 2。
Emendémus in mélius, quæ ignoránter peccávimus : ne, subito præoccupáti die mortis, quærámus spátium pæniténtiæ, et inveníre non póssimus.
より良くなりて、無知により我らが犯した[罪]を償わん。我らが突然死の日にとらえられ、償いの時を求めるとするが、それを得ること能わざることなからんがため。
Atténde, Dómine, et miserére : quia peccávimus tibi.
主よ、御耳を傾け、憐れみ給え、何故なら、我らは御身に罪をおかせしなれば。
V/. Ps. 78, 9. Adiuva nos, Deus, salutáris noster : et propter honórem nóminis tui, Dómine, líbera nos.
V/. 詩編 78ノ9. 天主よ、われらが救いよ、我らを助け給え。御名の御栄えのために我らを解放し給え。
Atténde, Dómine et miserére : quia peccávimus tibi.
主よ、御耳を傾け、憐れみ給え、何故なら、我らは御身に罪をおかせしなれば。
V/.Glória Patri. Atténde, Dómine.
V/.願わくは、聖父と…(栄誦)
Atténde, Dómine et miserére : quia peccávimus tibi.
主よ、御耳を傾け、憐れみ給え、何故なら、我らは御身に罪をおかせしなれば。
【交誦の間、司祭は、高位の聖職者から信者に至るまで、一人ずつ、灰をかける。十字架を記し、灰をかけて司祭はいう】
Genesis 3, 19. Memento, homo, quia pulvis es, et in púlverem revertéris.
創世記、3ノ19. 人よ、おぼえよ、汝は塵であって、また、塵に帰るであろう。
【灰をさずけ終わって、司祭はいう】
V/. Dóminus vobíscum.
V/. 主は、あなたたちとともに、
R/. Et cum spíritu tuo.
R/.また、あなたの霊とともに。
Orémus.
祈願
Concéde nobis, Dómine, præsídia milítiæ christiánæ sanctis inchoáre ieiúniis : ut, contra spiritáles nequítias pugnatúri, continéntiæ muniámur auxíliis. Per Christum, Dóminum nostrum.
主よ、キリスト者の軍隊の隊列が聖なる断食を始めるを得させ給え。そは、悪の霊に反対して戦おうとする我らが節制の助けを装備せんがためなり。我らの主キリストによりて、
【R/. アメン。】
ミサ聖祭
我らがこの季節に行う苦業は、一つの恩寵である〈入祭文・集祷文・昇階誦〉。しかし、まことの苦業は、けんそんに痛悔する心から出る。その苦業は、外部の態度ではなく、心の愛から出なければならぬ。〈書簡・聖福音〉
Ant. ad Introitum. Sap, 11, 24, 25 et 27.
入祭文 智書、11ノ24, 25, 27
Miseréris ómnium, Dómine, et nihil odísti eórum quæ fecísti, dissímulans peccáta hóminum propter pæniténtiam et parcens illis : quia tu es Dóminus, Deus noster.
主よ、御身はすべてを憐れみ給い、主のつくり給うたものを一つとして御身は憎み給わず。改悛の故に人々の罪をおぼえ給わず、彼らを赦し給う。何故なら、御身は主なる我らの天主なればなり。
Ps. 56, 2.
詩篇、56ノ2
Miserére mei, Deus, miserére mei : quóniam in te confídit ánima mea.
天主よ、私を憐れみ給え、我を憐れみ給え。我が霊魂は、御身によりたのみ奉る。
V/.Glória Patri.
V/.願わくは、聖父と…(栄誦)
Miseréris ómnium, Dómine, et nihil odísti eórum quæ fecísti, dissímulans peccáta hóminum propter pæniténtiam et parcens illis : quia tu es Dóminus, Deus noster.
主よ、御身はすべてを憐れみ給い、主のつくり給うたものを一つとして御身は憎み給わず。改悛の故に人々の罪をおぼえ給わず、彼らを赦し給う。何故なら、御身は主なる我らの天主なればなり。
Oratio.
集祷文
Præsta, Dómine, fidélibus tuis : ut ieiuniórum veneránda sollémnia, et cóngrua pietáte suscípiant, et secúra devotióne percúrrant. Per Dóminum.
主よ、御身の信者らが、[この]尊敬すべき荘厳な断食を、ふさわしい敬虔の念もて受け入れ、確固とした信心もて走り終えんことを与え給え。天主として(…)。
Léctio Ioélis Prophétæ.
ヨエル預言書の朗読
Iœl. 2, 12-19.
ヨエル 2ノ12-19
Hæc dicit Dóminus : Convertímini ad me in toto corde vestro, in ieiúnio, et in fletu, et in planctu. Et scíndite corda vestra, et non vestiménta vestra, et convertímini ad Dóminum, Deum vestrum : quia benígnus et miséricors est, pátiens, et multæ misericórdiæ, et præstábilis super malítia. Quis scit, si convertátur, et ignóscat, et relínquat post se benedictiónem, sacrifícium et libámen Dómino, Deo vestro ? Cánite tuba in Sion, sanctificáte ieiúnium, vocáte cœtum, congregáte pópulum, sanctificáte ecclésiam, coadunáte senes, congregáte parvulos et sugéntes úbera : egrediátur sponsus de cubíli suo, et sponsa de thálamo suo. Inter vestíbulum et altare plorábunt sacerdótes minístri Dómini, et dicent : Parce, Dómine, parce pópulo tuo : et ne des hereditátem tuam in oppróbrium, ut dominéntur eis natiónes. Quare dicunt in pópulis : Ubi est Deus eórum ? Zelátus est Dóminus terram suam, et pepércit pópulo suo. Et respóndit Dóminus, et dixit populo suo : Ecce, ego mittam vobis fruméntum et vinum et óleum, et replebímini eis : et non dabo vos ultra oppróbrium in géntibus : dicit Dóminus omnípotens.
主はこういい給う、お前たちは、心をつくし、断食と涙と悲嘆とによって私に立ち戻れ。お前たちの衣ではなく心を引き裂き、天主なる主に立ち戻れ。主は、恵み多く、憐れみ深く、忍耐強く、慈悲深く、罰を思いとどまることを好み給う御者にて在す。主が、御心を変え給い、赦し給い、天主なる主におまえたちが供物(そなえもの)と献物(ささげもの)とをするに役立つものを祝福し給わないと、誰がいえよう。シオンでラッパをふきならせ、断食を聖化せよ。集会を招集せよ、民を集めよ、集会を聖化せよ、老人らを一つにまとめ、子供と乳吞子(ちのみご)らを集めよ。花婿は寝室から、花嫁は閨(ねや)から出よ。主の奉仕者たる司祭らは、[神殿の]入口と祭壇との間で泣き、いうだろう、赦し給え、主よ、御民を赦し給え。主の遺産をして異邦の国々に支配される恥を与え給うな。何故異邦人らは御民にかく言うのか「彼らの天主はどこにいるか」と。主は、御自分の地に熱心であられ、御民を赦し給うた。主は答えて、御民にいい給うた。見よ、私はおまえたちに、小麦とぶどう酒と油とをおくるだろう、おまえたちはそれらに満たされるだろう。私は、もはやおまえたちに異邦人において恥を与えないであろう、と全能の主はいい給う。
Graduale. Ps. 56, 2 et 4.
昇階誦 詩編、56ノ2, 4
Miserére mei, Deus, miserére mei : quóniam in te confídit ánima mea.
私を憐れみ給え、天主よ、憐れみ給え。我が霊魂は、主によりたのみ奉るなり。
V/. Misit de cælo, et liberávit me, dedit in oppróbrium conculcántes me.
V/. 主は、天より[救いを]送り、私を解放し給うた。[主は]私をふみにじる人々に恥を与え給うた。
Tractus. Ps. 102, 10.
詠誦 詩編 102ノ10
Dómine, non secúndum peccáta nostra, quæ fécimus nos : neque secúndum iniquitátes nostras retríbuas nobis.
主よ、我らのおかした罪に従ってでも、我らの邪悪に従ってでも、我らに報いを与え給うな。
V/.Ps. 78, 8-9. Dómine, ne memíneris iniquitátum nostrarum antiquarum : cito antícipent nos misericórdiæ tuæ, quia páuperes facti sumus nimis.
V/. 詩編 78ノ8-9 主よ、我らのいにしえの邪悪をおぼえ給うな。すみやかに御身の慈悲が我らに来たらんことを。我らはあまりにも貧しい者となり果てたがゆえに。
(Hic genuflectitur) V/. Adiuva nos, Deus, salutáris noster : et propter glóriam nóminis tui, Dómine, libera nos : et propítius esto peccátis nostris, propter nomen tuum.
(ひざまずいて)V/.我らを助け給え、天主よ、我らの救いよ。御名の光栄のために、主よ、我らを解放し給え。御名のために、我らの罪を容赦し給え。
+ Sequéntia sancti Evangélii secundum Matthǽum.
マテオによる聖福音の続誦
Matth. 6, 16-21.
マタイ 6ノ16-21
In illo témpore : Dixit Iesus discípulis suis : Cum ieiunátis, nolíte fíeri, sicut hypócritæ, tristes. Extérminant enim fácies suas, ut appáreant homínibus ieiunántes. Amen, dico vobis, quia recepérunt mercédem suam. Tu autem, cum ieiúnas, unge caput tuum, et fáciem tuam lava, ne videáris homínibus ieiúnans, sed Patri tuo, qui est in abscóndito : et Pater tuus, qui videt in abscóndito, reddet tibi. Nolíte thesaurizáre vobis thesáuros in terra : ubi ærúgo et tínea demólitur : et ubi fures effódiunt et furántur. Thesaurizáte autem vobis thesáuros in cælo : ubi neque ærúgo neque tínea demólitur ; et ubi fures non effódiunt nec furántur. Ubi enim est thesáurus tuus, ibi est et cor tuum.
そのとき、イエズスは弟子たちにおおせられた。「断食をする時には、偽善者のように、悲しい面持ちをしてはならない。偽善者は、他人に断食を見てもらおうと思って、くらい顔つきをしている。まことに、私はいう。かれらはすでにむくいを得たのである。あなたが断食する時には、頭に油をぬり、顔を洗え。それは、断食しているのだと他人に知らせず、かくれておいでになるあなたの父にだけ、見せるためである。そうすれば、かくれたことをごらんになるあなたの父が、むくいてくださる。自分のために、この世に、宝をつんではならない。ここでは、しみと虫とがくい、盗人が穴をあけて、盗み出す。あなたたちは、自分のために、天に宝をつめ。そこでは、しみも虫もつかず、盗人が穴をあけて、盗み出すこともない。あなたの宝のある所には、あなたの心もある。」
Ant. ad Offertorium. Ps. 29,2-3.
奉献文 詩編 29ノ2-3
Exaltábo te, Dómine, quóniam suscepísti me, nec delectásti inimícos meos super me : Dómine, clamávi ad te, et sanásti me.
主よ、我は、主をあがめ奉る。何故なら御身は我を受け入れ給い、我が敵が我の上にあるを御身は嘉し給ざりしが故に。主よ、御身に向かいて我は叫べり、そして御身は我を癒やし給えり。
Secreta.
密誦
Fac nos, quǽsumus, Dómine, his munéribus offeréndis conveniénter aptári : quibus ipsíus venerábilis sacraménti celebrámus exórdium. Per Dóminum.
主よ、願わくは、これらの捧げ物を奉献する我らをしてそれにふさわしく適わしめ給え。それによりて我らは崇敬すべき秘蹟の季節を祝い奉る。天主として(…)。
Præfatio de Quadragesima
序誦 四旬節の序誦
Ant. ad Communionem. Ps. 1, 2 et 3.
聖体拝領誦 詩編 1ノ2-3
Qui meditábitur in lege Dómini die ac nocte, dabit fructum suum in témpore suo.
昼も夜も、主の掟に黙想する者は、ふさわしい時に実を結ぶであろう。
Postcommunio.
聖体拝領後の祈
Percépta nobis, Dómine, prǽbeant sacraménta subsídium : ut tibi grata sint nostra ieiúnia, et nobis profíciant ad medélam. Per Dóminum nostrum.
主よ、願わくは、我らの授かった秘蹟が助けを与えんことを、そは、我らの断食が御身に寵愛され、かつ、我らにとりて薬として役立たんためなり。天主として(…)。
【祈願 (人民のため)(四旬節の平日ミサには、特別な祈願を行う)】
Orémus.
【司祭】 祈願しよう
Et Diaconus (si in officio Diaconatus serviat) versus ad populum, iunctis manibus, dicit : Humiliáte cápita vestra Deo.
【助祭】〈会衆に向って合掌して言う〉天主の御前にへりくだって頭(こうべ)を垂れよ。
Inclinántes se, Dómine, maiestáti tuæ, propitiátus inténde : ut, qui divíno múnere sunt refécti, cæléstibus semper nutriántur auxíliis. Per Dóminum.
主よ、御身の御稜威に身をかがめ奉る者らの祈りを快く聞き給え、天主の捧げ物によって養われた者たちが、天の助けによって常に栄養を受けんことを。天主として(…)。