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2014年9月14日 聖十字架称賛の祝日、シュテーリン神父様の御説教

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、2014年9月14日 聖十字架称賛の祝日に、東京での聖伝のミサの時に、シュテーリン神父様がなさった御説教をご紹介します。

 このお説教を書き起こしてくださった方に感謝します。

 このお説教をお読みになる方々全てに、天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

2014年9月14日 聖十字架称賛の祝日、シュテーリン神父様の御説教

【写真は大阪でのミサ聖祭のものです】


【写真は大阪でのミサ聖祭のものです】


親愛なる友人の皆さん、今日私達は、私達を愛し天主が愛したその偉大なる手段である十字架を礼拝しています。
十字架は、私達がこの地上で持っている最も深い神秘の一つであって、この神秘をこの一人の方以外、これ以上深く理解した方はいません。
その方は、私達の聖母マリア様であって、そしてこのマリア様は、十字架の御下に佇み、そして十字架の深い神秘を、愛を、黙想しておられます。
ですからカトリック教会は、この二つの祝日を一緒に祝っています。今日まず十字架の称賛、そして明日は七つのマリア様の御悲しみの祝日です。
ですから、もしも私達の救いの原理の中に入って、それを理解しようとするのならば、同時にマリア様の悲しみに満ちた御心の中にも入らなければなりません。

ファチマでマリア様はこう仰いました、「私の汚れなき御心は、あなた達の避難所であって、天主様へと導く道である。」と。

このマリア様の御心は、天国へと導く道であるのみならず、私達が十字架の神秘を深く理解する為の道でもあります。その神秘を深く理解する事ができる為に、では皆さん一緒に、マリア様が十字架の下で一体何をお感じになったのか、そして何を黙想しておられたのかを考えてみる事にしましょう。

私は特に、ここにいらっしゃるお母様方に伺いたいと思います。もしもお母様方の中で、心を深く痛める、或いは辛い、悲しい、或いは苦しい思いがおありになったことがあると思います。しかしこの自分の苦しみよりも、皆さんが、お母様達が、この愛する可愛い子供がいて、その子供が自分の前で、悪い人達によって殴られたり、傷付けられたり、悪さをされたり、そしてその子供が痛がって、苦しんでいるのを見ると、自分の事よりももっと、その母の心は苦しむのではないでしょうか。
聖マリア・グリニョン・ド・モンフォールによると、「この地上にいる全てのお母さん、最高の善き母、親達の心を全て集めて、その自分の子供達を愛する全ての愛を、全ての総計をしたとしたら、マリア様が私達一人一人を愛する、その一人一人に対するマリア様の愛と比べても、まだ足りない。」と、いいます。
ところで、そのような巨大な私達に対するマリア様の愛を、全て、全人類に対する愛を全て合わせたその総計は、イエズス様に対する御自分の愛に比べると、ほんの一滴に、大海の一滴にしかすぎません。
そして、その大きなはかりも知れないような愛をもって、マリア様は十字架の下に佇んで、その御自分の御子の死を目前にしています。
マリア様はイエズス・キリストがどなたか良く知っています。この天と地よりも遥かに超えた偉大な方であって、皆さんと私よりも遥かに偉大な方である、と。
そして私達は、このマリア様の愛する御子イエズス・キリスト様から、たくさんの御恵みと、たくさんの愛と、物凄い祝福を受けて、受けて、きました。そしてこの私達が、イエズス・キリストを傷付けて、暴力を払って、そして殴り付けて、そして殺そうとしています。罪を犯す事によって、イエズス・キリストを侮辱し続けています。
そして、それを知りつつマリア様は、十字架の下に佇んで、三時間、イエズス様の御傷をずっと眺めて、そしてそれを見て、その足元から頭までその全ての傷が、どれ程イエズス様を傷付けて、傷めて、その死に至らせるかを、御覧になりながら、そして黙想しています。

もしも、皆さんが十字架の神秘を理解しようと思われるのでしたらば、同じ事をなさって下さい。
皆さんも、ご自宅に十字架の御像があると思います。そして、ご自宅にある十字架像のイエズス様をご覧になって下さい。しかも、表面的にただ眺めるだけではなく、マリア様の目を以ってご覧になって下さい。
そして、きっと皆さんはこう仰るでしょう、「あなたのこの手の御傷、そしてあなたのこの胸の御傷、足の御傷、そしてこの茨の頭の傷、そして全身の傷、全てあなたは、私の為になさった事、私達の為に苦しんで下さったのですね。」と。

そしてマリア様は、この傷から御血が滴り出て流れ出るのを見ています。
お母さんが、もしも子供が、「お母さん、傷が血が出てる。」と、やって来るのを見れば、「あぁ!さあ、大変!」と言って、これに包帯を巻いて、出血を止めるように一生懸命します。もしも、この血を止める事ができなければ、そのお母さんは本当に心配します。何故かというと、もう血が出て、流れ出ていたら、もう死が近いという事ですから。
そして、マリア様も十字架の下で、イエズス様の御傷を見て、その血が滴り出るのを見て、何とかしてこの血を止めて、そして何とかお慰めして、それをそして自分が苦しむ事を望むのですけれども、しかしそれさえもできませんでした。
そして、これは親にとって起こり得る最悪の出来事です。子供達が、自分の目の前で血を流して、今からもう出血して出血してそして今死につつある、そしてそれについて何もできない。それを見て親の心は砕かれて、もう悲しみに打ちひしがれるしかありません。

イエズス様にとって、マリア様がその同じ、イエズス様と同じ苦しみを感じておられる、そしてイエズス様と心を合わせて同情されている、というのを見るというのは非常に大きな慰めでした。
そして同じようなやり方で、私達は十字架を見て、そして黙想し感嘆しなければなりません。そして私達の心こそ、これも、イエズス様の物凄い苦しみを見て同じ苦しみを持ち、同じ心で同情の心を持たなければなりません。そして、何とかしてこのイエズス様をお慰めしよう、と願わなければなりません。
何故かというと、誰かが十字架の上で亡くなりつつある、というのは、この地上で起こり得る死の、最も残酷な、最悪の死に方であるからです。

イエズス様、この十字架を見て、私達はイエズス様にこう言うしかありません、「イエズス様、あなたはこれら全ての苦しみを、私の為になさって下さったのですね。しかし、私こそが、あなたがこうなるように挑発したし、私こそが、あなたに十字架に釘を打った者ですし、私こそが、あなたの茨の冠を押しかむらせた者でした。」

ですから、教会が何故十字架をこのように称賛する事を望んでいるか、よくご理解できた筈です。何故かというと、この十字架こそが私達を助けて、私達の救いの理由であるからです。

この十字架を見て、私達がそれに目を上げる時、私達の心の中に感嘆と、あぁ素晴らしい、という心と、そしてその興奮さえも、私達の心に満ちみちていなければなりません。この、これこそが私達を救った愛、天主様の愛だ、と。
そして十字架を見て、「これは、私がこのような事をするようにしたのだ。」と、することが理解できれば、私達には自分の犯した罪に対する、深い悔悛と、深い痛悔の念が湧き起こってきます。そして、深い深い痛悔の念が起これば起こるほど、私達は赦しを、罪の赦しを受けるに準備ができている、ということになります。

そして多くの聖人達が、「私にとってこの十字架こそ、この十字架像こそが、黙想の本だ。何故なら、十字架のイエズス様の死を見ると、私達に全ての罪への誘惑に打ち勝つ力を与えてくれるからだ。」と、言います。
そして、その黙想の本であるもう一つの理由は、この十字架像を見ると、天主様の私達に対する、はかり知れない大きな愛を知る事ができるからです、何故かというと、愛する友人の為に自分の命を与えるほど、偉大な、より大きな愛はないからです。
その愛が理解できると、私達は、もっとイエズス様をお慰めしよう、イエズス様をお愛ししよう、と、望みが湧き起ってきます。そしてそれに感動して、イエズス様が私を愛する為にこれほど大きな犠牲を捧げたのなら、私も小さな犠牲を捧げる事ができる準備ができます。

十字架は、天国へ行く為の唯一の道です。十字架によってだけ、サタンは敗北しました。十字架のイエズスに一致する事によってだけ、天主御父を喜ばせる事ができます。
この事を、十字架の下に佇んでいるマリア様は、御自分の愛する子供である私達に教えようとしています。
マリア様に、ですからマリア様の愛する子供達である私達に、十字架にいつも忠実である事ができるように教えて下さい、とお願いしましょう。

そして具体的に申し上げますと、皆さんの家には必ず、一番重要な部屋には少なくとも一つ、美しい十字架像がなければなりません。そしてそれを、私達がそれを見る事ができるのがなければなりません。
そして第二にお願いです。十字架の印をよくして下さい。これは愛と確信をもって十字架の印をなさって下さい。
そして第三にどうぞお願いです。十字架のイエズス様の苦しみを黙想して下さい。これこそが罪に打ち勝つ最も偉大な動機であって、そして聖人になるという望みの動機であるからです。

聖父と聖子と聖霊との聖名によりて、アーメン。

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