六日 契 約 の 方 舟
汝と汝の家、皆箱舟に入るべし。 (創世記七。一)
ノエの時代人々は堕落(だらく)してあらゆる罪悪(ざいあく)に溺(おぼ)れ、ノエが改心(かいしん)をすすめても一向(いっこう)に聴き入れぬのみならず、却(かえ)ってこれに冷罵(れいば)嘲笑(ちょうしょう)を浴(あ)びせかけるばかりなので、天主は大洪水を起こして悪人を滅ぼそうと思(おぼ)し召(め)し、正しいノエ一家だけを救う為、彼に箱舟を作れと命じ給うた。
ノエが早速仰せをかしこみ幾十年の歳月を費(つい)やして大きい箱舟を作ると、天主は「汝と汝の家、皆箱舟に入るべし」と仰せになってこれを避難せしめ、やがて恐るべき災禍(わざわい)の天罰(てんばつ)を下し給うた。即ち四十日間昼と云わず夜と云わず、暗澹(あんたん)たる空から小(こ)止(や)みもなく降り注ぐ大雨は、さながら滝津(たきつ)瀬(ぜ)の如く、見る見る内に水量は増し、山も丘も忽ちに沈み、世界は唯、濁水(だくすい)の湧き返る大海原と化したのである。
その時の悪人共の恐怖(おそれ)と惨状(みじめさ)はどれ程であったろう!唯、箱舟に入ったノエとその一家のみは天主の御加護に依って無事なるを得(え)たのである。
此の大洪水の有様は、叉、我等がこの世に於ける生活の象徴(かたどり)ではあるまいか我等も日々恐ろしい誘惑(いざない)の暴風(あらし)に吹きまくられ、罪悪の大波に呑まれようとしている。尋常では中々滅亡を免れる事が出来ない。
然し天主は我等にも「汝と汝の家、皆、箱舟に入るべし」と命じ給うのである。その箱舟とは何か?我等の避難所なる聖マリアである。この箱舟に入るべしとは彼女を尊敬し、彼女に縋(すが)り、その御保護や御助力を求めよとの意味である。
そうすればかのノエの一族が救われた如く、我等も激しい誘惑(ゆうわく)の暴風(あらし)や罪悪の大濤(おおなみ)にも安全なるを得(え)るに相違ない。
それに反して聖母崇敬(すうけい)を軽んずる者は、様々な危険に出(で)逢(あ)っても助け船がない。恰度(ちょうど)ノエが箱舟を作っているのを嘲笑(あざけ)った、愚(おろ)かな人々のように滅びてしまう外(ほか)はないのである。
なおノエは箱舟を作る為に幾十年を要した。同様に我等の聖母に対する尊敬も、一朝(いっちょう)一夕(せき)のものであってはならぬ。矢張り数年ないし数十年の久しきに亘って変わらざる赤(ま)誠(こと)を尽くさねばならぬ。そうでなければ、危険に際して俄(にわか)に助け舟を求めても、舟が未だ出来上がっていないのと等(ひと)しく、空(むな)しく罪の大濤(おおなみ)に巻き込まれる外(ほか)はあるまい。
洪水(こうずい)が引いた時、天主はノエに向かって「我、雲を地の上に起こす時、虹を雲の上に現すべし。しかして我は再び総(すべ)ての生(い)ける物を打ち滅ぼさじ」と新たに約束し、且つその契約の印(しるし)として空に美しい虹を現し給うた。
キリストも我等の為に救(すく)霊(い)の契約(けいやく)をお立てになり、我等は洗礼によって各自それに加わる事が出来る。しかし大空に度々(たびたび)黒雲の漲(みなぎ)る如く、我等の生涯にも屡々(しばしば)危険や心配の雲が沸(わ)き起こる。
けれどもその上に高くかかる美しい虹を仰ぐ人は決して滅びに陥(おちい)る事はあるまい。その虹も聖母の象徴(かたどり)である。虹の七色は聖母の七つの御徳を現す。
それは信(しん)望(ぼう)愛(あい)の三つの対(たい)神(じん)徳(とく)と、賢(けん)義勇(ぎゆう)節(せつ)の四つの枢要(すうよう)徳に他(ほか)ならぬ。その麗(うるわ)しい虹は暗澹(あんたん)たる生涯の大空に、どれほど我等の慰めとなり、力となる事であろう。
更に虹は太陽の反映(はんえい)であり、虹の見える時、必ず太陽も出ているように虹なる聖母マリアを仰ぎ尊(とうと)ぶ人は、太陽なるキリストにも決して見離(みはな)される事がない。「聖母を熱心に尊敬した者で、地獄に堕(おと)された者は一人もない」と云われた聖アルフオンゾの言葉は真実である。故に我等は今月中、否、生涯を通じて「汝と汝の家、皆箱舟に入るべし」と云う御言葉を深く心に銘(めい)じ、聖母に対する愛と尊敬と信頼とを増して、且(か)つは御恩(ごおん)を報(むく)い、且つは御助力(おたすけ)を戴くように努(つと)めよう。
祈 願
ああ救(たす)霊(かり)の箱舟なる聖母マリアよ、我等が誘惑の嵐(あらし)に悩(なや)み罪悪(ざいあく)の波に溺(おぼ)れんとする時には、常に慈悲(いつくしみ)に充(みち)満(み)てる御懐(おんふところ)を思い出さしめ給え。
叉、不幸にして大罪に傷(きず)つきたる時には、我等を庇(かば)い、主の御怒(おいか)りをなだめ、契約の虹の証(あかし)となり給わん事を、恭(うやうや)しく天使祝詞(しゅくし)三度繰(く)り返して願い奉る。
(天使祝詞 三度)
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汝と汝の家、皆箱舟に入るべし。 (創世記七。一)
ノエの時代人々は堕落(だらく)してあらゆる罪悪(ざいあく)に溺(おぼ)れ、ノエが改心(かいしん)をすすめても一向(いっこう)に聴き入れぬのみならず、却(かえ)ってこれに冷罵(れいば)嘲笑(ちょうしょう)を浴(あ)びせかけるばかりなので、天主は大洪水を起こして悪人を滅ぼそうと思(おぼ)し召(め)し、正しいノエ一家だけを救う為、彼に箱舟を作れと命じ給うた。
ノエが早速仰せをかしこみ幾十年の歳月を費(つい)やして大きい箱舟を作ると、天主は「汝と汝の家、皆箱舟に入るべし」と仰せになってこれを避難せしめ、やがて恐るべき災禍(わざわい)の天罰(てんばつ)を下し給うた。即ち四十日間昼と云わず夜と云わず、暗澹(あんたん)たる空から小(こ)止(や)みもなく降り注ぐ大雨は、さながら滝津(たきつ)瀬(ぜ)の如く、見る見る内に水量は増し、山も丘も忽ちに沈み、世界は唯、濁水(だくすい)の湧き返る大海原と化したのである。
その時の悪人共の恐怖(おそれ)と惨状(みじめさ)はどれ程であったろう!唯、箱舟に入ったノエとその一家のみは天主の御加護に依って無事なるを得(え)たのである。
此の大洪水の有様は、叉、我等がこの世に於ける生活の象徴(かたどり)ではあるまいか我等も日々恐ろしい誘惑(いざない)の暴風(あらし)に吹きまくられ、罪悪の大波に呑まれようとしている。尋常では中々滅亡を免れる事が出来ない。
然し天主は我等にも「汝と汝の家、皆、箱舟に入るべし」と命じ給うのである。その箱舟とは何か?我等の避難所なる聖マリアである。この箱舟に入るべしとは彼女を尊敬し、彼女に縋(すが)り、その御保護や御助力を求めよとの意味である。
そうすればかのノエの一族が救われた如く、我等も激しい誘惑(ゆうわく)の暴風(あらし)や罪悪の大濤(おおなみ)にも安全なるを得(え)るに相違ない。
それに反して聖母崇敬(すうけい)を軽んずる者は、様々な危険に出(で)逢(あ)っても助け船がない。恰度(ちょうど)ノエが箱舟を作っているのを嘲笑(あざけ)った、愚(おろ)かな人々のように滅びてしまう外(ほか)はないのである。
なおノエは箱舟を作る為に幾十年を要した。同様に我等の聖母に対する尊敬も、一朝(いっちょう)一夕(せき)のものであってはならぬ。矢張り数年ないし数十年の久しきに亘って変わらざる赤(ま)誠(こと)を尽くさねばならぬ。そうでなければ、危険に際して俄(にわか)に助け舟を求めても、舟が未だ出来上がっていないのと等(ひと)しく、空(むな)しく罪の大濤(おおなみ)に巻き込まれる外(ほか)はあるまい。
洪水(こうずい)が引いた時、天主はノエに向かって「我、雲を地の上に起こす時、虹を雲の上に現すべし。しかして我は再び総(すべ)ての生(い)ける物を打ち滅ぼさじ」と新たに約束し、且つその契約の印(しるし)として空に美しい虹を現し給うた。
キリストも我等の為に救(すく)霊(い)の契約(けいやく)をお立てになり、我等は洗礼によって各自それに加わる事が出来る。しかし大空に度々(たびたび)黒雲の漲(みなぎ)る如く、我等の生涯にも屡々(しばしば)危険や心配の雲が沸(わ)き起こる。
けれどもその上に高くかかる美しい虹を仰ぐ人は決して滅びに陥(おちい)る事はあるまい。その虹も聖母の象徴(かたどり)である。虹の七色は聖母の七つの御徳を現す。
それは信(しん)望(ぼう)愛(あい)の三つの対(たい)神(じん)徳(とく)と、賢(けん)義勇(ぎゆう)節(せつ)の四つの枢要(すうよう)徳に他(ほか)ならぬ。その麗(うるわ)しい虹は暗澹(あんたん)たる生涯の大空に、どれほど我等の慰めとなり、力となる事であろう。
更に虹は太陽の反映(はんえい)であり、虹の見える時、必ず太陽も出ているように虹なる聖母マリアを仰ぎ尊(とうと)ぶ人は、太陽なるキリストにも決して見離(みはな)される事がない。「聖母を熱心に尊敬した者で、地獄に堕(おと)された者は一人もない」と云われた聖アルフオンゾの言葉は真実である。故に我等は今月中、否、生涯を通じて「汝と汝の家、皆箱舟に入るべし」と云う御言葉を深く心に銘(めい)じ、聖母に対する愛と尊敬と信頼とを増して、且(か)つは御恩(ごおん)を報(むく)い、且つは御助力(おたすけ)を戴くように努(つと)めよう。
祈 願
ああ救(たす)霊(かり)の箱舟なる聖母マリアよ、我等が誘惑の嵐(あらし)に悩(なや)み罪悪(ざいあく)の波に溺(おぼ)れんとする時には、常に慈悲(いつくしみ)に充(みち)満(み)てる御懐(おんふところ)を思い出さしめ給え。
叉、不幸にして大罪に傷(きず)つきたる時には、我等を庇(かば)い、主の御怒(おいか)りをなだめ、契約の虹の証(あかし)となり給わん事を、恭(うやうや)しく天使祝詞(しゅくし)三度繰(く)り返して願い奉る。
(天使祝詞 三度)
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