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この感染症の時における総長から信者の皆様への手紙

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この感染症の時における総長から信者の皆様への手紙

2020年3月18日 FSSPX.NEWSサイト

聖ピオ十世会総長ダヴィデ・パリャラーニ神父から、コロナウイルス感染症のために、家に閉じこめられ、もはやご聖体に近づくことのできないすべての信者の皆様に宛てた手紙。

愛する信者の皆様、

皆様全員にとって間違いなく困難であるこの試練のとき、私はこの機会をとらえて、皆様に内省のポイントをいくつかお送りしたいと思います。

現在の状況がいつまで続くのか、また最も重要なのは、今後数週間にわたって事態がどのように進展していくのか、私たちには分かりません。この不確実な状況に直面すると、最も自然な誘惑は、最も学識のあるとされる「専門家」の言説や仮説の内に、保証や説明を必死に探し求めることです。しかし、多くの場合、これらの仮説は——そこには様々な意見のものがあふれていますが——、互いに矛盾し、人々に安心をもたらす代わりに混乱を増大させるものです。間違いなく、この闘いにおいては不確実性は避けられない部分です。そしてそれをどのように利用するかは、私たちにかかっています。

御摂理が何らかの災難や悪が生じるのを許されるときはいつも、それは直接的または間接的に私たちの霊魂に関わる、より大きな善をもたらすという目的を達成するためなのです。この本質的な前提を理解しないならば、感染症や他の災い、あるいは他の困難が私たちを襲うとき、私たちはいつも不十分な準備しかできていないため、絶望してしまう恐れがあります。

今の段階で、天主は私たちに何を理解するように望んでおられるのでしょうか? 私たちがどんな犠牲を払わなければならないかを天主がすでに決めておられるような、この本当に特別な四旬節の間、天主は私たちに何を期待しておられるのでしょうか?

あるちっぽけな微生物が、人類を屈服させることができるのです。偉大な技術的、科学的進歩の時代に、この微生物に屈服させられているのは、何よりも人間のプライドです。海の底に光ファイバーケーブルを敷設し、空母や原子力発電所、超高層ビル、コンピューターをつくり出し、月に足を踏み入れた後、火星への征服を続けるという成果を最も誇りに思っている現代人、この人類が目に見えない微生物の前には無力なのです。ここしばらくのメディアの大騒ぎと私たち自身の恐怖のために、私たちはこの深く、かつ理解しやすい教訓を見逃してはなりません。これは、信仰をもって現代に立ち向かうことのできる、純粋で素朴な心を持つ人々のための教訓です。御摂理は今でも、私たちの時代においてさえも、出来事を通して私たちに教えてくださいます。人類、そして私たち一人一人は、夢や神話、幻想で構成されたバーチャルなリアリティではなく、本当のもの、現実というものに立ち戻る歴史的な機会に遭遇しているのです。

聖書の言葉に当てはめてみるならば、このメッセージはイエズスの次のみ言葉に対応します。イエズスは、私たちが可能な限りイエズスのお側に一致したまま留まるようにお求めになります。なぜなら、イエズスがおられなければ、私たちは何もできず、何の問題も解決することができないからです(ヨハネ15章5節参照)。この不確実な時代においては、解決への期待、私たちの無力感、私たちの脆弱感があるからこそ、私たちはますます主を求め、主に嘆願し、主の御赦しを求め、もっと熱心に主に祈り、そして何よりも主の御摂理に私たち自身をおまかせしなくてはなりません。

これに加えて、聖なるミサに自由に参列することが困難に、さらには不可能にさえなっています。このことが、この試練をさらに過酷なものとしています。しかし、私たちは、このコロナウイルスの危機が引き起こすことのできる不安、不確実性、あるいはパニックよりも、もっと強力な武器、特別な手段を手にしています。それは、私たちをいとも聖なる童貞と天国に結びつける聖なるロザリオのことです。

私たちが家庭で、いつもよりもっと組織的に、もっと熱心にロザリオを祈るときがやって来ました。私たちの時間をテレビやパソコン、スマートフォンの画面の前で無駄にせず、メディアの騒ぎに踊らされないようにしましょう。もし私たちに隔離の必要があるなら、これを利用して「自宅軟禁」を喜びに満ちたいわば家族の黙想の家に変え、その間、祈りが、それにふさわしい場所、時間、そして重要性を取り戻すようにしましょう。福音書全体を読み、福音について静かに黙想し、安らかに福音を聞きましょう。主のみ言葉は、知性と心に簡単に届きますから、最も効果的なものです。

今の情勢や行政当局の措置が私たちをこの世から切り離したからには、今はこの世を私たちの家に入れる時ではありません! この状況を利用しましょう。どんな微生物も攻撃できない霊的な善を優先させましょう。虫もしみもつかない天の宝を積みましょう。私たちの宝のあるところには、私たちの心もあるからです(マテオ6章20-21節参照)。

私たちは、天主の御摂理に自分自身をおまかせしなければならないことを知り、この機会を利用して、私たちの生き方を変えましょう。そして、今苦しんでいる人々のために祈ることを忘れないようにしましょう。裁きの日が近づいているすべての人々を、私たちの主に対する祈りの意向に含めなければなりません。また、現在の出来事から自分の霊魂のための有益な教訓を引き出すことができない非常に多くの私たちの同時代人たちをあわれんでくださるよう、主に願わなければなりません。この試練が克服されたとき、彼らが何も変えることなく以前と同じ生き方をすることのないよう、祈ってください。感染症はいつも、ぬるま湯に浸かった人たちを、宗教を守り、天主のことを思い、罪を憎むよう導いてきました。私たちには、同胞である全ての市民に、例外なく、とりわけ、信仰の精神に欠け、もはや天主のご意志を汲み取ることのできない司牧者たちにも、この恩寵を主に願う義務があります。

落胆しないようにしましょう。天主は決して私たちをお見捨てにはなりません。私たちの聖なる母である教会が、感染症の時、司祭に唱えさせる言葉を、全面的な信頼をもって黙想しましょう。「罪びとの死を望み給わず、罪びとの回心を望み給う天主よ、御身に立ち返る御民に御あわれみをもって御顔を向け給え。彼らが御身に奉献されているがゆえに、御あわれみをもって御怒りの鞭より彼らを救い給え」。

私は、祭壇で皆様すべてのために祈り、皆様すべてを聖ヨゼフの父なるご保護のもとに置きます。皆様に天主の祝福がありますように!

ダヴィデ・パリャラーニ神父+

(Source : MG - FSSPX.Actualités - 17/03/2020)

 

 


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