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聖ヨゼフがこの修道士を安全に導いてくださったように、聖ヨゼフが聖ピオ十世会とその活動を現代の教会の危機から安全に導いてくださる

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ドモルネ神父様のミサの後のお話し

今日は、聖ヨゼフに関する、或る短い物語について、お話ししたいと思います。
スペインのモンセラートにあるベネディクト会修道院の、とある修道士は、エジプトに避難する聖家族への特別の信心を持っていました。その修道士はいつも、とりわけ、聖ヨゼフの様々な悲しみを黙想していました。ヘロデ王の兵士たちが、幼子イエズスを亡き者にしようと探していたための、聖ヨゼフの苦悩。突然あらゆる持ち物を捨てねばならず、また知らない国に行き、そこで外国人としての扱いを受けざるを得ないがゆえの、聖ヨゼフの窮乏。マリアとイエズスに、どのようにして満足な衣食住を確保できるかについての、聖ヨゼフの心配。エルサレムの神殿や聖地から離れ、異教で偶像崇拝を行う国に住むことに対する、聖ヨゼフの嫌悪。エジプトへの逃避行がどのくらいの期間に及ぶかを知らないがゆえの、聖ヨゼフの苦悩。しかし、このベネディクト会の修道士はまた、聖ヨゼフの持つ信仰と、天主の御旨への絶対的な信頼も、黙想していました。聖ヨゼフは、天主の御旨のご指示が自分にひとつづつ示されるたびに、完璧にそれに従ったのです。
ある日、このベネディクト会の修道士は長旅に出ていました。ところが、修道院に戻る道の途中、まだ修道院まで遠いところで、日が暮れてしまいました。あたりが暗くなり、修道士は道に迷ってしまったのです。そのあたりには危険な崖があり、また恐ろしい獣たちがいることを思い、修道士の心配はつのりました。
すると突然、修道士の前に、ロバを手綱で引く男が現れたのです。ロバの背には、大変美しく、気高く、おごそかな身なりの婦人が乗っていました。婦人の腕の中では、幼子が眠っていました。そこで、修道士はこの男のところに行き、自分が道に迷ったことを話し、助けを求めました。男は、修道士を修道院まで送ってくれると言いました。二人は歩きながら楽しく話しあったので、修道士の心は、喜び、安心、優しさで満たされました。
ところが、一行が修道院の門に着くや否や、この男とその家族は跡形もなく、消えてしまったのです。その時、ベネディクト会の修道士は悟りました。自分を修道院まで導いてくれたこの男こそ、聖ヨゼフ御自身であったことを。エジプトに逃げた時の、御自分の様々な悲しみに同情してくれたこの修道士に対して、聖ヨゼフは報いを与えられたのです。
ちょうど聖ヨゼフがこの修道士を、夜の崖や獣の危険から安全に導いてくださったように、聖ヨゼフが聖ピオ十世会とその活動を、現代の教会の危機という危険から安全に導いてくださることを信じています。
聖ピオ十世会の状況には、聖家族のエジプトへの逃避行と似ているところがあります。
1 ヘロデは、幼子イエズスを亡き者にすることを望んでいました。第二バチカン公会議を推進する人たちは、カトリック信仰を破壊してしまう宗教の自由、エキュメニズム、司教団体主義などの近代主義的誤謬を、聖ピオ十世会に認めさせることを望んでいます。
2 イエズスを救うために、聖家族は、聖地からエジプトへと逃げなければなりませんでした。カトリック信仰を守るために、ルフェーブル大司教と聖ピオ十世会は、正義に反する教会法上の制裁を耐え忍ばなければならず、またカトリックの教会から追い払われてしまいました。
3 国外に逃げ、あらゆるものを失った聖ヨゼフは、将来どのように生き延びることができるのか、心配されていました。教会当局からあらゆる支援を奪われた聖ピオ十世会は、将来どのように生き延びて、信仰をのべ伝えてゆくことができるのか、心配していました。
4 ヘロデのために、聖家族は、エルサレムの神殿に行って天主に祈りを捧げることができませんでした。近代主義的な司教たちのために、聖ピオ十世会は、司教たちの教区の教会ではミサを捧げることが禁じられています。
5 聖ヨゼフと聖マリアは、自分たちの物質的な持ち物を全て失ってしまわれましたが、イエズスと共にいるという深い幸福に包まれておられました。聖ピオ十世会は、教会法上の地位を不当に奪われてしまいましたが、カトリック信仰の全てをのべ伝え続けられるという深い幸福を感じています。
6 結局、聖家族が、聖地に安全に戻れるよう導かれたのは、聖ヨゼフご自身でした。 聖ピオ十世会が、カトリックの信仰についていかなる妥協もすることなく、公的な地位の承認を再び得られるよう導いてくださるのは、聖ヨゼフであると、私たちは信じています。
ですから、私たちは自らを、聖ヨゼフにおゆだねいたします。アーメン。



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