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私たちの主イエズスの犠牲のかたどりとしての旧約の犠牲についての短い説教

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私たちの主イエズスの犠牲のかたどりとしての旧約の犠牲についての短い説教

ドモルネ神父様
はじめに
聖パウロは、今日のミサの書簡の中で、旧約のモーゼの律法の下でユダヤ人たちが捧げた動物の犠牲と、私たちの主イエズスの犠牲とを比較します。今日は、旧約のユダヤ人たちの様々な犠牲が、いかに私たちの主イエズスの犠牲を告知するものであったか、についてご説明したいと思います。
1.一般的な犠牲
一般的に言えば、モーゼの律法の犠牲には、血を流すものと、血を流さないものがありました。血を流す犠牲とは、動物の犠牲でした。血を流さない犠牲とは、小麦粉、油、ぶどう酒などの食べ物の犠牲でした。同様に、私たちの主イエズスの十字架上の犠牲が血を流す犠牲だったのは、イエズスが十字架上で肉体的に血を流して、亡くなられたからでした。また、ミサの中でパンとぶどう酒の外観の下に、肉体的に血を流すことなく更新されますから、それは血を流さない犠牲でもあります。
では、旧約の各種の犠牲それぞれについて簡単に考察し、イエズスの犠牲との関係を見てみましょう。
2.燔祭の犠牲
燔祭の犠牲(ホロコースト)とは、汚れのない雄の動物の犠牲でした。その動物は天主に捧げられた後、殺されます。その血は完全に流し尽くされ、その動物は完全に焼き尽くされました。このような犠牲は、天主がこの世と人間を絶対的に支配しておられることを認めるためでした。これは礼拝の犠牲だったのです。
私たちの主イエズスは人間でいらっしゃいました。肉体的には欠陥が全くなかったため、肉体的に汚れのないお方でした。イエズスの霊魂には罪による汚れが全くなかったため、霊的にも汚れのないお方でした。イエズスは、天主がこの世を絶対的に支配しておられることを公に宣言するために、十字架の死に至るまで、ご自身を完全に天主に捧げ尽くされました。私たちの主イエズスは、その心臓(聖心)が槍で貫かれたとき、最後の一滴に至るまで、すべての血を流し尽くされました。私たちの主イエズスは完全に焼き尽くされました。つまり、あらゆる種類の、最も強いお苦しみを受けられたのです。イエズスご自身も、十字架上で亡くなられる直前に、「すべてはなしとげられた」(ヨハネ19章30節)とおっしゃって、ご自分の犠牲が、礼拝の燔祭の完全な犠牲であることをお示しになりました。
3.罪の赦しのための犠牲
別の旧約の犠牲は、罪の赦しのための犠牲でした。民は自分の罪を動物に負わせるように、その動物に手を置いたのです。その後、その動物は殺されました。その血はいろいろな所に振りかけられました。その肉は都市の外で焼かれました。このような犠牲は、民の罪の償いを意味するものでした。
同様に、大司祭カヤファが最高法院に、「あなたたちには、なに一つわかっていない。一人の人が人民のために死ぬことによって、全国民が滅びないほうが、あなたたちにとってためになることだとは考えないのか」(ヨハネ11章49節)と言ったときには、イエズスは、実際に人類の罪を担っておられたのです。そして、ユダヤ人たちが「その血は、われわれとわれわれの子孫との上に[かかれ]](マテオ27章25節)と叫んだとき、イエズスの御血は、実際に人類の上に振りかけられたのです。イエズスは、エルサレムの都市の外にあるカルワリオ山で十字架につけられ、亡くなられました。十字架上の犠牲によって、私たちの主イエズスは、人類のすべての罪をまことに贖われたのです。
4.和解の犠牲
さらに別の旧約の犠牲は、和解の犠牲でした。食べ物が天主に捧げられ、その後、それを人々が食べました。このような食事は、民の天主との友情を意味するものでした。
私たちの主イエズスは、十字架上の犠牲によって、私たちを天主と和解させてくださいました。天国に行く可能性を、イエズスが私たちに与えてくださいました。ミサの犠牲によって、イエズスはご自身の御体と御血を、私たちが食べるよう与えてくださいました。聖体拝領の主要な効果は、私たちと天主との友情を深めることなのです。
結論
今日から御受難節が始まりました。私たちの主イエズスの完全な犠牲に、私たちも加わりましょう。自分自身と自分の持つもの全てを完全に天主にお捧げすることによって、主の燔祭の犠牲に加わりましょう。自分の生活を改めるという固い決心をもって、良い告解をすることで、私たちの主イエズスの、罪の償いのための犠牲に加わりましょう。天主の栄光と天主との友情を心から願ってご聖体を受けることで、私たちの主イエズスの和解の犠牲に加わりましょう。
イエズスの犠牲と一致することによって、私たちは救われ、天国に行くのです。





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