2021年4月9日(金)御復活の金曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄弟姉妹の皆様、御復活のお喜びを申し上げます。
ちょうど一週間前の聖金曜日、これは今年は初金曜日でした。
聖金曜日には、イエズス様が聖心を開いて、御死去の後に、その聖心から私たちの為に、御血とその水を流されました。
この水は、洗礼の象りです。あたかも、洗礼を受けると同時に、イエズス様の天主の御血が私たちの中に流れ始める、天主の血を、家系を、血筋を受け継ぐ、天主の子供になる、養子相続ができる、という事を意味しているかのようです。
ですから、今日、一週間後の金曜日に、教会は、洗礼について語ります。
書簡では聖ペトロがこう言います。「ノアの時代、全世界は水によって清められた。そして方舟に入った8人だけが助かった。」
つまり、「洗礼を受けて、新約のノアの方舟であるカトリック教会の中に入る人だけが、イエズスの脇腹から神秘体の中に入る人だけが、救われる。」
福音の中では、今日イエズス様は「全世界に行って、聖父と聖子と聖霊との御名によりて洗礼を授けよ。私の教えた事を教えよ」と命じられました。
「私は世の終わりまで、お前たちと共にいる。私には、天と地との全ての力が与えられている」と宣言されたのを読みました。
復活されたイエズス様は私たちに、特別の「洗礼」という秘跡を下さいました。外見は非常に簡単ですけれども、その効果は想像をはるかに超えるもの、言葉で言い尽くせない宝です。
天主の子供となり、私たちの罪の負債はすべてチャラにされて、今流行りの言葉によればグレート・リセット😉されて、そして私たち人間の本性が、超自然の命に生き始める、という大計画です。
そうする事によって、イエズス・キリストの神秘体の一部となる、新しい購われた人類となる、というその計画の中に、私たちは招かれた、という事です。
この御恵みを今日、感謝致しましょう。
残念ながら、第二バチカン公会議後、洗礼の秘跡を蔑ろにするような人もいます。「洗礼も大切だけれども、もっとこの世の事を」等と言う人々が、聖職者がいる事を思って、私たちはこの洗礼の大切さを今日、もう一度確認致しましょう。
イエズス様は、私たちが洗礼を受ける事によって、永遠の命を受ける事を御望みになりました。それ以外には道がありません。
この御恵みを多くの人が受けますように、そして永遠の命に導かれますように、その為に、聖金曜日にイエズス様がなさった御苦難、そして復活された栄光が無駄にならないように、お祈りしましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。