2022年2月19日(土)聖母の土曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教(修道院)
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
まず皆さんに、感謝の気持ちを申し上げたいと思います。4ヶ月の間留守をしておりましたが、皆さんがドモルネ神父様を助けて下さって、一生懸命ミサに与ってくださり、そして私の為にも、ミッションの為にもお祈りして下さった事を深く感謝しております。…
今日はマリア様の、土曜日のマリア様のミサをしています。詠唱の中にはこういう一言があります。
“Gaude Maria Virgo, cunctas haereses sola interemisti.”
「喜べ、童貞マリアよ。御身は、たった一人で、全ての異端を滅ぼし給うた。」
まさに今日、このマリア様の力が必要とされている時です。なぜかというと、去年の10月から、ローマではシノドスについての教会会議というものが始まりました。これは、今までになかった新しいやり方の、名前の付いていないいわば「第三バチカン公会議」です。教会における革命、教会を根本から変えてしまおうとする会議が今開かれています。
まず最初に、各地方でそのような会議、シノドスを開いて、つぎには大陸のレベルで開いて、そして最後にはローマで、2023年最終のシノドスを開く、という事です。これはどのようになるかというのはドイツのシノドスをみれば分かります。
ドイツでは、ローマに先だって似たような会議が今行われています。2月に、つい最近、採決しました、聖職者や平信徒たちの集まりが投票しました。コロナの中で皆、教会を閉じて、お祈りもやめて、という中でも、ドイツではシノドスがずっと続けられたのでした。
それによると、色々ありますが、特に「女性の司祭を認めよう」、「司祭の独身制を廃止しよう」、それから「同性愛を認めよう」あるいは「大罪の状態にある霊魂たちにも、御聖体拝領を授けよう」、などというものが、賛成多数で可決されました。
教会の聖伝の教え、使徒継承の教えとは離れています。カトリックの一・聖・公・使徒継承の教えからは離れていることが可決されてしまいました。これはとどのつまり、ミサ聖祭を攻撃するものです。
女性の司祭は聖伝に反しています。使徒継承の教えに反しています。イエズス・キリストの制定された司祭職によって、旧約時代から新約時代に至るまで、全て男性が受け継ぐものです。そしてヨハネ・パウロ二世が言った通り、ラッツィンガー枢機卿が言った通り「女性は司祭になる事が決して出来ない」のです。
司祭の独身性も、使徒継承のものです。特に西方教会ではいつも守られてきた事で、東方教会でも司教になる為には必ず、つまり司祭職の最高のものであるためには必ず、独身でなければなりません。
同性愛というのも、自然に反するものです。また大罪の状態にある罪の状態にある霊魂が御聖体を拝領する事ができるというのも、これもイエズス・キリストの教えに反するものです。
これらの異端の説に、教会は巻き込まれてしまうのでしょうか?そのような考えが今後、世界中で投票されて、可決されて、そしてついには来年の10月にローマでも可決されるようになってしまうのでしょうか?私たちはどうしたら良いのでしょうか?
マリア様にお祈り致しましょう。このすべては、マリア様が解決する事ができるからです。
なぜかというと、マリア様は、最高司祭イエズス・キリストを生んだ御方だからです。マリア様があたかも香部屋のように、マリア様の胎内で、イエズス・キリスト、天主の御言葉が人間となって、イエズス・キリストとなって、大司祭となりました。ですからマリア様が一番、誰が司祭になるべきか、という事を知っている方です。
マリア様は童貞です。そしてそれを生涯守られた方です。ですからこそ、イエズス・キリストを孕す事ができたし、イエズス・キリストの御体を触る事ができました。イエズス様はまさに御聖体において真にましますので、マリア様のような司祭が必要です。つまり童貞の司祭が必要です。
マリア様は全く罪の汚れのない無原罪の御孕りでありました。ですからこそマリア様はイエズス様を孕す事ができました。御聖体はイエズス・キリストの御体、天主の御体ですから、聖なるかな、聖なるかな、聖なる方で、全く罪の影もそこにあってはならない方です。ですから私たちは、成聖の状態で、罪の無い状態で御聖体を拝領しなければなりません。ですから御聖体拝領をする方は、マリア様を倣わなければなりません。
今日、土曜日の聖母のこのミサを捧げながら、マリア様に是非お祈り致しましょう。汚れなき御心にお祈り致しましょう。
教会を守って下さいますように、特に日本の教会を守って下さいますように、私たちの信仰を汚れなく守って下さいますように、そしてミサ聖祭を必ず守って下さいますように。教会の伝統を破壊して、ミサに対する攻撃をするようなものは長く続きません。イエズス・キリストに打ち勝つ事はできません。マリア様がそれら全てを、足で噛み砕く事でしょう。
ですから私たちは、その日が一刻も早く来るように、そしてこのマリア様の最も大切にするミサが守られて、多くの方々に与えられますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。