2022年4月2日(初土)聖母の汚れなき御心の随意ミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教(修道院)
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄弟姉妹の皆様、あと二週間を残すばかりで復活祭に近づいてきます。
これから教会は、最も荘厳な時に入ります。天主が十字架に付けられて、私たちの身代わりとなって、苦しみを受けて亡くなられます。命を創造した方が死を受けられるのです。全て、私たちを愛する為に。
ここに、天主の愛の、無限の愛の神秘があります。この神秘を深く理解することができますように、これを少しでも私たちの確信とすることができますように、教会の精神に従って受難の節に入ることにしましょう。
イエズス様はどんなことも、どんな苦しみも、辱めも、苦しみも、厭おうとしませんでした。呪いの十字架を、祝福の十字架に変えようと御望みです。流血の覚悟ができていました。苦しみを全て捧げる覚悟ができていました。遂には、「我が天主よ、私をなぜ見放されたのですか?」と仰るほど、その苦しみは壮大なものでした。この愛の神秘の前に、私たちは今入ろうとしています。
今日は初土曜日でもあります。皆様もご存知の通り、一週間ほど前に、教皇様は全ての世界中の司教と共に、ロシアとウクライナをマリア様の汚れなき御心に特別に奉献しました。これはマリア様が、特に世界の平和の為に、私たちに平和を与える為に、霊魂の救いの為に、特別にファチマで、100年前お望みになったものでした。ようやくそれが叶えられたかのようです。
マリア様はその時に同時に、「天主は、この地上に私の汚れなき御心に対する信心を確立することを望んでいる」と仰いました。あと私たちに残された課題は、この汚れなき御心に対する信心を確立することです。私たちが実践することです。
「教皇様がロシアを奉献したから、私たちはだからもう全てが終わった。関係ない」のではなくて、私たちに残された課題として、「マリア様の汚れなき御心に対する信心をする」ということがあります。
ですから今日、皆さん初土曜日にこのミサに与り、御聖体降福式に与ろうとしています。マリア様の御心にとても、とても適うことだと固く信じています。イエズス様の愛が、イエズス様の天主の命をかけた愛が、あまりにも無視されているので、マリア様の汚れなき御心は御悲しみになっています。十字架の下で天主の愛を目撃された、立ち留まって目撃されたマリア様の御心、悲しみに満ちた汚れなき御心を、私たちも今日お慰め致しましょう。罪の償いを果たしましょう。
ウクライナで民間人や子供たちが殺害されていると大きく報道されています。とても悲しいことです。しかし日本で罪のない赤ちゃんたちが毎日、殺害されています。日本の統計によると、2017年に16万4621人の赤ちゃんが、2016年には16万8015人が堕胎で殺害されました。毎日451人から460人が殺害され続けたのです。つまり、日本の赤ちゃんたちのうちの7人に1人が殺されています。新聞やテレビでは報道されない戦争犯罪です。だれも赤ちゃんたちを助けようとしていません。マリア様はどれほどお悲しみのことでしょうか!
悲しみに満ちた汚れなき御心に対して犯される罪の償いをすることによって、マリア様の御心を通してイエズス様の聖心から愛が、私たちに憐れみが、特に聖霊の恵みが、平和の恵みが、私たちの霊魂にまず、そして私たちの家族に平和が、そして私たちの世界に平和が、溢れるばかりに流れ出ると信じています。では、このミサを続けていきましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。