2022年5月13日(金)司教証聖者教会博士聖ロベルト・ベラルミノのミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日は、ファチマのマリア様がここ、祭壇の横にいらっしゃる通り、5月13日、ファチマでマリア様が最初にお現れになった日です。
マリア様はとても美しく、3人の子供たちにお現れになりました。あまりにも美しい方でした。一番年長だった少女ルチアがマリア様にお尋ねします。「あなた様は一体どこからいらしたのですか?」マリア様は答えました。「私は天から来ました。」
マリア様は私たちに、天国があるということを、天主がまします、ということを教えておられます。永遠の命があるということ、永遠の為に私たちが生きている、ということを教えて下さっています。私たちが行くべき所を教えて下さっています。「私は天国から来ました。」
今日、私たちの前でこうやって手を合わせて立っていらっしゃるマリア様は、私たちにも同じことを仰っているかのようです。「私は天から来ました。」また、「毎月13日ここに来て下さい」と「来てくれることはできますか?」と私たちに招いているかのようです。
65年前に、シスター・ルチアは、フエンテスと神父様とインタビューをしました。その時にシスター・ルチアは、マリア様の仰りたいことを神父様に伝えました。
シスター・ルチアが教えているのは、「この世に起こるべきことというよりはむしろ、私たちの永遠の命に係ることを、永遠の救いのことを警告する為にマリア様が来られた」と言います。つまり、「地獄の永遠の火に私たちも落ちてしまうという危険がある、ということを警告する為だ。だから私たちは祈りと犠牲を払わなければ、償いをしなければならない」と言います。
実際に、7月13日にマリア様は仰いました。悲しい面持ちで仰いました。
「天主は、あまりにも冒辱されているので、罪があまりにもあるので、この地上を、この世界に罰を与えざるを得なくなっている。その時には、もしも私たちがロシアの回心を祈らなければ、もしもその前にロシアが回心しなければ、教会に対する迫害や、戦争や、飢饉、食べ物がないことによって多くの人々は苦しむだろう」と、そして「この地上から姿を消してしまう多くの国々がある」と警告されました。
それをさけるために、それから私たちを救う為にマリア様はいらしたのです。聖母の汚れなき御心に対する信心をすること。ロザリオの祈りをすることが最も効果のある私たちへの解決策だということを教えるために、それをするように招く為に来られました。
マリア様は私たちの母です。優しい母です。もしも聖モニカがかつて自分の子供が不良に走ってしまって、どこかの女性と駆け落ちしてしまった、逃げてしまった、マニ教というおかしな新興宗教を信じている、その彼の為にお祈りをして、お祈りをして、お祈りをして、その自分の子供の回心を祈りによって勝ち取ったのならば、人類があまりにも天主から離れて不良になって、この世界を自分の手で破壊しようとしているこの時に、マリア様はどれほど涙ながらに天主に、イエズス様に、聖父に、聖霊に、乞い願って、どうかお願いだから憐れんで欲しい。憐れんで下さい。どうぞこの人類が回心するように、特別の御恵みをお願いします、と祈っておられることでしょうか。一生懸命に、一生懸命にお願いをして、私たちの母親としてお祈りして下さっていないわけがあるでしょうか。
そして、もしも私たちに少しでも回心の兆しのようなものが、印のようなものが見えたならば、「さぁ!」と言って、取り次いで下さって、「特別の恵みを、今、是非お願いします!どうぞ今、容赦してあげて下さい!どうかもう少し伸ばして待って下さい!」と、懇願して、懇願して、懇願していらっしゃるに違いありません。
このマリア様のこの訴えにあくまでも耳を閉ざすならば、そしてマリア様の必死の訴えももはやその力が、もうこれ以上は無理だ、という時がもしかしたら来るかもしれません。
今の世界の情勢や、ロシアとかウクライナでの戦争とか、あるいはその他の世界の今までの全ての動きが、ファチマで警告されたことが、もう寸前起こってもおかしくないような状況にますますなっているかのようです。ますますジグソーパズルのたとえで言えば、「まさか」というように思ったものが何か今、像が見えてきているかのようです。
何とかしてマリア様はこれを避けたいと、何とかしてこれを私たちの為に取り次いで下さっています。ですから私たちはこれに応えることに致しましょう。
今日、このマリア様がいらして下さるのは、私たちの為、また全世界の救いの為です。マリア様に、ファチマのマリア様の汚れなき御心に対して犯される罪を償う為にも、このミサを、御聖体拝領を、ロザリオをお捧げ致しましょう。そして御憐れみを乞い求めましょう。
そしてマリア様の祈りに合わせて私たちも、拙い祈りを、犠牲を、日々の苦しみを、償いを、ほんの少しですがマリア様にお捧げして、マリア様の大きな悲しみと合わせて捧げて下さいますようにお祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。