最大のリセット、グレーテスト・リセット:パトリック・コフィンによるカルロ・マリア・ヴィガノ大司教とのインタビュー
復興が行われるためには、国家においても教会においても、福音に一致して生き、天主への愛と隣人への愛に突き動かされ、自分に対して行われる暴力に受け身で耐えるのではなく、進んで戦い、自分の意見を伝える、誠実で忠実な市民が必要なのです。この歴史的な戦いは、妥協することなく、人の評価を気にすることなく、恐れることなく、キリストの側に立つ場合に勝利します。なぜなら、恩寵、祈り、償いの生活を通して私たちの主に近づけば近づくほど、主が私たちに与えてくださる霊的武器が効果的になるからです。「勇気を出せ、私はこの世に勝ったのだ」(ヨハネ16章33節)。
2022年5月23日
The Greatest Reset. Interview with Archbishop Carlo Maria Viganò by Patrick Coffin
ブログ掲載:アルド・マリア・ヴァッリ
まえがき
以下は、2021年11月に私がパトリック・コフィンに対して行ったビデオインタビューの書き起こしです。これは、「The Greatest Reset Movie」(https://www.greatestresetmovie.com/)と題する膨大なドキュメンタリーの一部でした。残念ながら、私には分からない理由で、このドキュメンタリー映画の公開はこれまで妨げられてきました。しかし、特にロシア・ウクライナ危機やパンデミック・イベントの進展に照らして、今日的な問題を扱っているため、パトリック・コフィンの許可を得て、この書き起こしをオンラインで公開することが適切だと私には思われました。
国連が「アジェンダ2030」という名称で推進する「世界経済フォーラム」の「グレート・リセット」は、国家の主権、国民の繁栄、市民の自由、キリスト教徒の権利に対する具体的かつ直接的な脅威です。これを手段として、冷酷で不誠実な技術官僚(technocrat)たちの一団が、現在数十年にわたって告知されてきた犯罪計画を実行しようと望んでいるのです。
この「グレート・リセット」の立役者たちは、私たちが生まれ育った世界の代わりに、トランスヒューマニズムの世界を望んでいます。それは、霊魂のない、信仰のない、記憶のない、歴史のない、ルーツのない、父も母もいない世界です。愛もありません。なぜなら、愛、とりわけ天主において始まり、天主において成就する、愛徳(カリタス)と呼ばれる超自然の愛は、アダムの堕落を埋め合わせるために、御父に自らを犠牲として捧げ、私たちのために十字架上で死のうと望まれたお方を映し出すものであるからです。そして、これこそ、真の「最大のグレート・リセット」(Greatest Reset)であり、これによって「主の御右手は御徳能(みちから)を示したり」(dextera Domini fecit virtutem)[詩篇117篇16節]、サタンが私たちの最初の父祖を誘惑することで破壊した天主の秩序を回復させ、洗礼によって私たちを、天主の子にしてキリストの兄弟とするのです。
親愛なる友人の皆さん、天主に立ち返りましょう。天主に立ち返って、そして、互いに語り合いながら、真の愛徳の関係を築きつつ、疑う人に助言を与えて、明日に絶望している人を慰めることによって、戦う人を励ましながら、この地獄のようなグローバリストのリヴァイアサンに対して共同戦線を張ることによって、天主に立ち返りましょう。
+大司教カルロ・マリア・ヴィガノ
2022年5月23日
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パトリック・コフィン
【訳注】パトリック・コフィンは、カトリックのラジオショーのホストを経て、ポッドキャストによるインターネット放送で、カトリックの著名人とのインタビューを配信しているカナダ出身の作家。
2021年11月
【問い(パトリック・コフィン)】グレート・リセットと新世界秩序を陰謀論として片付けることは不可能になりつつあります。グレート・リセットは新世界秩序とどのように関係し、それを計画した者たちは、いつからそれを企んでいたのでしょうか?
【カルロ・マリア・ヴィガノ大司教】「グレート・リセット」は、グローバル・エリートが新世界秩序を打ち立てるために用いる社会的手段です。これは、金融界の複数の大家族と彼らの関連機関に属する経済的・イデオロギー的権力による干渉を意味しており、社会工学の手法と行政介入(彼らの命令の下で政府が発表する)を駆使して、グレート・リセットが実施される国々の社会・経済・政治・宗教システム全体を根本的に変えようとするものです。クラウス・シュワブが会長を務める「世界経済フォーラム」が中心になって推進した「グレート・リセット」は、国連によって「アジェンダ2030」という名称で採択され、貧困、飢餓、疾病の撲滅といった崇高な意図で、それを覆い隠しています[1]。しかし、実際には、いわゆる「リプロダクティブ・ヘルス」(性と生殖に関する健康)、いわゆる「ジェンダー平等」、労働者の保護の抑制と労働力の削減、保健や国家に関わるその他のサービスの民営化、大衆統制手段の導入、電子通貨の採用、市民や中小企業に不利益をもたらす銀行・保険システムの大規模な改革、世界経済システムや個人の生活に影響を及ぼすグリーン・アジェンダの押し付け、最後ですが大事なことは、金融、財政、軍事分野における国家主権が目を見張らせるほど移転されていることです。
【問い】しかし、メディアは、数十年にわたる国家の浪費の後では、現在進行中の改革は避けられないと主張しています。
【ヴィガノ大司教】このクーデターの立役者たち(彼らこそ、真の「陰謀論者」と呼ばれるにふさわしいでしょう)は、グレート・リセットの基盤を置き、ここ数十年で一つの世界的危機を作り出し、その危機から自分たちのために可能な限り最大の利益を引き出してきました。そして、悲惨な政策で各国の国民経済を信じられないほど圧迫して、戦略的大企業を民間の個人に売却した後、今日、彼らは、この「アジェンダ2030」を押し付けて、地域社会(コミュニティー)の費用で、さらなる利益を引き出すことを可能にしようと望んでいるのです。いつも犠牲者は、地域社会(コミュニティー)です。
そして、「グレート・リセット」が実現させようと望む革命は、多大な犠牲――通常の状況では正当性を持たなかったであろう犠牲――で大衆を巻き添えにしますから、彼らは、巧みに引き起こされたパンデミック緊急事態を使い、都市封鎖や、それに起因する経済危機、増税、そして欧州連合や欧州中央銀行、欧州委員会が個々の国に与えた融資によって押し付けられた予算削減によって、社会的・経済的な基本構造を破壊したのです。基金(いわゆる「復興基金」)の支出に関する協定で、各国は以前に自分が出資したお金を借りることを約束し、すべて「グレート・リセット」と一貫性のある特定の介入に、基金の支出を結びつけました。したがって、各国がジェンダー平等やエコロジーへの移行に数十億ドルを充てる一方で、とりわけパンデミックという破滅的な物語(ナラティブ)に関連した、保健あるいは仕事の世界には、明らかに不十分な額しか割り当てていないのは、驚くには当たらないでしょう。
明らかなことですが、国家が負った債務――繰り返しますが、これらの国家が最初に(欧州連合に)支払った資金から借りだした借金の債務――の支払いを怠れば、その国は債務不履行に陥り、最近ギリシャで見られたように、いわゆる「トロイカ」(欧州委員会、欧州中央銀行、国際通貨基金)の一時的管財人の下に置かれることになるのです。これは、次には、国の戦略的資産である港湾、財貨、不動産の売却につながります。
欧州諸国の実情をよく知らない人々にとって、覚えておく価値があるのは、通貨主権を欧州中央銀行に移譲し、国家の憲法に均衡予算を導入してしまえば、政府の独立性と、保健、インフラ、サービス、教育などに関連する経費を賄うための通貨発行能力は、事実上奪われてしまうということです。もし国家が企業のように均衡のとれた予算を持たなければならないなら(考えられないことですが)、もし国家が「民間」銀行である欧州中央銀行からお金を借りなければならないなら、本質的に欧州の官僚、つまり、誰からも選出されず主に自分たちに融資するロビーに報告をする官僚の命令に縛られることになります。実際には、国家を会社(カイシャ)に変えてしまうこと―このプロセスは1990年代にさかのぼります―が、現在の状況を引き起こすための遠隔的な前提を作り出すために必要でしたし、これが現在の状況にまで至らせたのです。
この文脈で、専門技能の低下―弁護士やエンジニアの専門技能から職人や農民までの専門技能が低下すること―は、個人の労働自立を阻害するものとなります。さらには、いわゆる市民所得【2019年から始まったイタリアの福祉制度による生活保護所得 Reddito di cittadinanza】(つまり、ベルゴリオの支援による「グレート・リセット」が望むユニバーサル・インカム)もあり自立を阻害します。
自分の労働で生計を保証することができない上に、この「主人である国家」への依存という状況を固定化する所得を持つことは、市民を事実上脅迫されやすい奴隷にします。グローバリストの「モデル倫理」に従わない者は、(例えば、イタリアや他の地域の労働者に義務付けられている「グリーンパス」を考えてみると)代替案がないまま生計を立てる手段を奪われます。要するに、国家は市民の選択の自由を妨げるために、職業的な無能力のための条件を作り出しているのです。
特に私有財産や家についても同じことが言えます。「グレート・リセット」は「私たちの」財産を廃止しようとしています――エリートの財産は明らかにどんな脅威からも守られています――なぜなら、家と雇用を一緒に持っていることは、自分と家族のための基本的な安全を保証しているからです。自分の家を持たないまま、「グレート・リセット」の提唱者とつながりのある大規模な不動産グループの手に財産を握られて、市民は自分の雇用主が決定するがままにされるでしょう。雇用主たちは、市民たちに、保証も保護もなく一時的な雇用を与え、一種の永久の、非人間的な、不毛の、環境面で持続可能な「エアビーアンドビー」(AirBnb)[2]のような仮住まいを付与することでしょう。
これが、「レンガ」、――つまり持ち家――が普及しているイタリアで、銀行家マリオ・ドラギの政府が不動産への課税と同様に増税を行う理由です。その目的は、国民が生き延びるために家を売り払い、その後、ばかばかしいほど安い価格で家を買った投機家によってその家が貸し出されるように仕向けるのです。
こうして、疑似パンデミックを口実にした都市封鎖による貧困化、賃金の引き下げ、従業員の労働の規制緩和、規制されない移民によって促進された安価な(しばしば不法な)外国人労働力の導入、2020年から2021年の2年間に40万以上のイタリア企業の倒産による失業率の上昇といったことはすべて、個人の持ち家の消滅と、市民所得または常に少なくなっていく給与で支払われる賃貸住宅へと持ち家が置き換わっているのに役立っていることが証明されています。
この無菌的で、懸念を起こさせる図式には、伝統的な家族が存在する余地がないことは明らかです。なぜなら、伝統的な家族は、従業員の流動性や、契約の不安定性、人間関係の暫定性を妨げるからです【伝統的な家庭観は労働者をも含み、恒常的な家族の一員のように見なす】。
【問い】この問題に関するカトリック教会の教えは、どのようなものでしょうか?
【ヴィガノ大司教】教会の社会教理は、私有財産を自然法の一部として常に擁護してきました。ベルゴリオが今、カトリックの教理のうち、この明らかに目立たない点[3]にさえ疑問を呈しているという事実は、「グレート・リセット」の計画に、第二バチカン公会議の教会がイデオロギー的に協力しているという憂慮すべき兆候です。
これにユニバーサル・インカムを加わえるならば、私たちはその危険を理解します。この「教皇職」は、教会と全人類にとって、ディストピアの悪夢にどっぷりとつかり込んでいることを象徴しています。自由主義と共産主義とが同盟して、人間と天主との両者に対立するというディストピアです。
また、世界人口の大幅な削減は、グローバリストのアジェンダ(行動計画)の本質的なポイントです。これは、中絶や避妊(マルサス主義者はこれを「リプロダクティブ・ヘルス」(性と生殖に関する健康)と欺瞞的に呼びます)、大量ワクチン接種、同性愛やジェンダー・イデオロギーの促進を奨励する政治手段によって達成されることを述べておかなければなりません。遺伝子血清の副作用の犠牲者、いわゆるワクチンによって誘発された不妊化、不妊のライフスタイルを正常化することはすべてこの文脈で見るべきで、中国で以前から行われている出産抑制政策の世界レベルでの適用を意味します。
ベルゴリオの悪名高い「裁こうとするとは、私は一体誰なのか?」は、彼の「教皇職」[4]の始まりで発せられ、カトリックの道徳を体系的に解体するという栓を抜き、使徒的憲章「アモーリス・レティチア」(Amoris Laetitia)と、「使徒座公報」(Acta Apostolicae Sedis)[5]で発表されたその「真正な」解釈によって、「教理的な」定式化に翻案されました。そしてここ数日で、このアルゼンチン人は、教皇庁社会科学アカデミーの一般会員として、経済学者のジェフリー・デヴィッド・サックス[6]を任命しました。サックスは国連の持続可能な開発ソリューションネットワークの代表で、世界人口削減や、気候変動に対する戦いの支持者です[7]。
【問い】「グレート・リセット」の主な立役者、つまり指導者、黒幕、インフルエンサー、組織とは?
【ヴィガノ大司教】この世界的なクーデターは、実質的に無尽蔵の経済力を持つ非常に力のある少数によって、支配者、メディア、そして残念ながら宗教指導者の共犯のもとに実行されました。主な立役者は、先ほども述べたように、ロスチャイルド家、ウォーバーグ家、ロックフェラー家などの金融界の複数の一族です。これにビル・ゲイツやジョージ・ソロスのような億万長者の自称慈善財団が加わり、さらに国連やその機関、世界保健機関(WHO)、ユニセフ、ユネスコ、国連食糧農業機関(FAO)があります。世界経済フォーラム、三極委員会、ビルダーバーグ・グループ、ローマクラブ、そしてもちろん世界中のフリーメーソンロッジのような権力者集団があります。
これらの一族や権力者集団は、世界の公的債務の一部を所有する投資ファンドや、無限と言えるほどの数の多国籍企業を支配下に置いています。そして、それら多国籍企業は、銀行、保険会社、通信会社、ネット企業、そして――これは言うまでもないことですが、――製薬会社のみならず、伝統的メディアからインターネット上のソーシャルメディア・プラットフォームまで、情報産業のほぼすべてを支配しています。最近、私たちは、メディアが、パンデミックの物語(ナラティブ)や差し迫った環境問題の緊急事態に、いかに貢献してきたかを目の当たりにしました。
宗教指導者たちは、実質的に全員、新世界秩序のイデオロギーと足並みを揃えており、結果として、新世界秩序の道具となるグレート・リセットとも同じく足並みを揃えています。中には、ある種のプロテスタントの宗派あるいは創価学会インターナショナルの仏教のように、メーソンのような主張をする宗教的な発散物があり、そのようなものとしてグローバリズムを絶対的に望ましいものとみなし、そのため、その確立に積極的に協力しているものもあります。その他の宗教は内部分裂しており、例えば、正教会では、総主教の中にはロッジに所属していることを隠さない者もいれば、グローバリストの計画を本質的に反キリスト教的なものとして非難する者もいます。
最後に、カトリックの位階階級は最も深刻な矛盾の時を生きています。なぜなら、位階階級は60年前から進歩的でグローバリストの意味に完全に足並みを揃えてきているからであり、また、ホルヘ・マリオ・ベルゴリオの「教皇職」のもとで、位階階級は新世界秩序のイデオロギーを自らのイデオロギーとし、フリーメーソンが提唱する「普遍宗教」のトップの候補として自らを提案しているからです。
【問い】いつ、どのようにして共産主義の潜入者がカトリック教会の位階階級に足場を築いたのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】敵の第五列【スパイ】を教会に潜入させるという計画は、19世紀にさかのぼることが分かっています。近代主義とは、教会という団体を道徳的に傷つけるための第一の組織的な攻撃でした。その攻撃は、特定の異端によって行われたのではなく、一つの哲学的なシステムによって、あらゆる教義、あらゆる道徳原理を堕落させ、あらゆる超自然的なものの痕跡を宗教から消し去らせて、宗教を単に人間的で内在的な反応に過ぎないものとし、人類学的な意味における、人間が神聖なものをもとめるという曖昧な必要性に、宗教を還元するのです。
聖ピオ十世が行った近代主義との戦いは、数十年間はその広がりを防ぎましたが、この近代主義に対する抵抗は次第に弱くなっていきました。近代主義者たちは、自分たちの本心を隠したまま動き続け、教皇庁、教区、ローマの大学や神学校の重要なポストに復帰することに成功しました。アンジェロ・ジュゼッペ・ロンカリ【ヨハネ二十三世】は多くの近代主義者の友人を持ち、また何人かのフリーメーソン員と内通していました(おそらくロッジに加入していたのでしょう)。彼が、彼らを位階階級の位に登用し、そして、そのうち、パウロ六世が、その仕事を完成させて、彼らを教える任務に復帰させ、ピオ十二世やヨハネ二十三世の下で科された教会法上の問責を取り消しました。そして、第二バチカン公会議の相談役や専門家として、その人々を呼び集めましたが、彼らこそが、教会史上初の「キャンセル文化」作戦のために、また怪しげな教理あるいは異端の教理を、権威をもって押し付けるために、――公会議の権威という理由をつけて――公会議を利用することになるのです。これは、間違いなく、教会に対する第二の攻撃であり、今度は、新しい方法で、また信じられないほど効率的な組織に依存して行われました。
すでに別のところで指摘していますが、今にして思えば、教会の権威を、contra mentem legis――つまり、法の意向に反して、立法者の法制定動機の目的に反して――公会議のときに利用したことは、今日も続いており、サイコ・パンデミックの間に世俗の権威が違憲にして非合法的な規範に頼った方法に相当することは明らかでしょう。
【問い】そうすると、聖座が左翼や共産主義者と関係を築き始めたのは、第二バチカン公会議と相まってのことだったのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】第二次世界大戦中、近代主義者が潜入するときは、左翼およびソビエト共産主義との関係を確立することが伴って行われました。この作戦は、イエズス会とその共犯者たちによって実行されました。共犯者たちの中には、当時の国務長官代理であり、米国人やイタリア、ロシアの共産党の活発な協力者だったジョヴァンニ・バッティスタ・モンティーニ【パウロ六世】が含まれています。彼が、鉄のカーテンの向こうに送られた司祭たちのリストを、その司祭たちを殺すことになる共産党に提供したという関与は、多くの憂慮すべき問題を提起しています。確かに、最初にヨハネ二十三世が追求し、次にパウロ六世が追求した「東方外交」(ostpolitik)は、他の領域でも起こったように、多くの共産党の工作員の潜入を助けたのです。私が思い浮かべているのは、例えば、有名な「ミトロヒン文書」にあるように、モスクワや共産党にから金をもらっていることが判明したジャーナリストたちのことです。
1952年に尊者フルトン・シーンによってカトリックに改宗した戦闘的な共産主義者ベラ・ドッドは、教会に共産主義者が潜入し、教会を思想的にも道徳的にも内部から崩壊させる計画があったことを明らかにしており、このことは聖職者の教理的漂流と道徳的腐敗によって証明されています。一方、社会の同性愛化で、必然的に教会にそれに相当する者を持たざるを得なくなりました。それは、教会からその信頼性を奪い、スキャンダラスな行動の見本とするためです。サンタマルタ館の住人は、自分の周囲に見苦しい人物を多く置いている一方で、牧者たちの不道徳や新秩序の要求に屈することを容認しない「硬直した」カトリック信者に対しては、冷酷な態度を示すのです。
【問い】ヨハネ・パウロ二世とベネディクト十六世の教皇職の方針は、この面では、特に北京の独裁政権に関しては【フランシスコによって】継続しませんでした。ラッツィンガーは、司教の任命における聖座の排他的権限を問うような中国政府との協定に絶対反対していました。協定はどのようにして結ばれたのですか?
【ヴィガノ大司教】もし、中国共産党の独裁政権と合意に達したとすれば、それはイエズス会の行動と、彼らの「外交的」行動をベルゴリオが承認したことに負うところが大きいでしょう。【聖職をはく奪された】ミスター・マカリックがベルゴリオの依頼で中国に出張したことを思い出します。ベルゴリオはミスター・マカリックに関する性犯罪をすでによく知っていたにもかかわらず、です。この合意は、中国共産党がローマに忠実な地下教会のカトリック信者を無差別に迫害し、教会や神学校を閉鎖し、司祭や司教を国外追放し、典礼の挙行に党の礼拝を押し付け、党が選んだ教区長たちの任命をバチカンに承認させることを可能にするという悲惨な決定であったことが証明されています。
これは前例のない重大なスキャンダルであり、陳枢機卿が何度も非難しましたが、ベルゴリオは、(2020年に)この88歳の枢機卿がまさにこの目的のために中国からはるばるローマに来たにもかかわらず、謁見を拒否したほどです。今日、イエズス会の雑誌「チヴィルタ・カットリカ」は中国語版も発行されています。イエズス会のこの「勝利」が、人権侵害とキリストの教会の譲れない自由の侵害に関する聖座の沈黙と引き換えに物々交換の取引されたという事実は、このアルゼンチン人の目には絶対に無視できる些細なものです。特に彼の沈黙が(中国政府による)バチカンへの寛大な寄付で埋め合わされているとするならば、です。
中国共産党との外交関係に加え、ベルゴリオは、最近開催された第4回「民衆運動に関する世界会議 World Meeting of Popular Movements」のように、明らかに社会主義や共産主義の影響を受けた運動を承認し、支援することも必ず行います。そのバズワード(buzzword)【もっともらしいが意味のない用語】は、統合的人間開発、環境、統合的エコロジー、人権、軍縮、統合的健康、持続可能性など、要するにグローバリストのすべての演目です。参加者へのビデオメッセージの際に、ベルゴリオは、最低賃金とユニバーサル・インカム、医薬品特許の自由化、偽ニュースの検閲、そして陰謀論について、すべてテクノロジー大手の代弁者として語りました。彼は、ブラック・ライブズ・マターの抗議活動を「良きサマリア人」に例えることさえしていました[8]。以上のように、ベルゴリオの教会が支援する理由には超自然的なものは何もなく、政治的、経済的、労働組合的性質の主張に限定されているのです。
【問い】しかし、カトリックの個人の人格を第一とする考え方は、共産主義イデオロギーと、どのように調和させることができるでしょうか?共産主義イデオロギーは、【個人ではなく】全体としての大衆や人民に特権を与えるのですから。
【ヴィガノ大司教】これは、共産主義的イデオロギーが教会に浸透していることを極めて明らかにするもう一つの要素であると私は考えています。集団主義的なメンタリティーとは、個人は結局、集団に吸収され、今度はその集団が、党、委員会、集会、評議会といった、一種のほとんど人格と言えるものを獲得してしまうというものです。この観点からは、集団の目標が個人の目標よりも優先されます。公会議は――特にその典礼改革において――、洗礼を受けた者と司式司祭の両者が持つキリストとの人格的な関係を損なうところまで共同体を強調することによって、集団主義の考え方を吸収したのです。公会議の考え方では、司祭はもはや聖なる行為の役務者ではなく、単なる司式者、顔のない集会の代表者なのです。
このことは、世俗の分野でも起こっています。パンデミックの緊急事態とワクチン接種キャンペーンは、個々の市民を損なうところまで共同体をより重要視し、例えば、遺伝子血清を拒否する者や新型コロナウイルス感染症の物語(ナラティブ)に疑問を持つ者を非合法化し、犯罪者にするまでになりました。そしてまさに、社会における個人の関係に対するこの典型的な毛沢東主義的アプローチを支持して、数日前、ベルゴリオは「自由の非個人的な次元を再発見」しなければならないと述べており[9]、個人は全体の一部としてのみ考えられ、自分の行為は大衆の多数――明らかに操られている大衆の多数――に適合するほど道徳的に正しいとされるという、このパラダイムシフトを裏付けています。
このため、ベルゴリオにとって、自由で自律的な選択をする意識的な個人的人格が、例えば、第二バチカン公会議の異端的な定式化に対する批判を表明することなど考えられないのです。反対者は、党に従わない中国人を見るのと同じような疑惑の目で見られます。繰り返しになりますが、この考え方には権力の非人格化も含まれます。かつて権力は、権限を与えられた個人に帰属していました。今ではほとんど自らの意志を授けられたかのような抽象的な存在に権力が移されています。
この観点からすれば、このアルゼンチン人の主張する「シノドス性」(synodality)は、あたかも民主的な議論の結果であるかのように見せかけ、上から決定を押し付けるための手法にすぎません。それはちょうど、EUなど、自らが民主的だと言い張る独裁国家でそうであるようなのと同じです。ここでもまた、ディープ・ステートとディープ・チャーチは、同じような結果を得るために同じような手段を用いていることが分かります。
共産主義イデオロギーとの関連性を示す最後の要素は、「デジタル移行」、つまり、技術的に高度なツールを使って毛細管のように人々をコントロールすることであり、これはすでに中国の独裁政権によって実施され、トランスヒューマン思想に沿った「グレート・リセット」によって大きく支援されているものです。トランスヒューマニズム【人間改造主義】には、人間と機械のハイブリッド化、皮下チップの埋め込み、モノとヒトのインターネット化(IoTとIoP)、さらにはフェイスブックがブランド変更したもの【メタ】の対象である「メタバース」という仮想現実を普及させる、といったものがあります。
欧州委員会が最近、「市民のために生活を簡素化する欧州デジタルID」[10],「銀行のローンや大学への入学を申請することからレンタカーを借りることまで,公共・民間サービスを迅速に利用するために,すべての個人文書を集めることができる単一のITポートフォリオ」を要求していることも指摘しておきたいと思います。「グリーンパス」が一つの実験、「2022年までに」私たちを待ち受けているものの総合リハーサルであり、2014年から中国で運用されている「社会信用」システムの採用に役立つものであることは明らかです。当然のことながら、つい数日前、中国のある当局者は、「グリーンパス」に反対するトリエステの港湾労働者の抗議行動は、社会信用システムの下では起こり得なかったと指摘しました。なぜなら、デモ参加者は直ちにサービスをはく奪され、旅行や買い物ができないように罰せられただろうからです。
ですから、まさに反キリストの支配に関する黙示録の言葉が、私たちの目の前にあります。「獣の名をしるされていない者のほかは、誰も売買することができなかった」(黙示録13章17節)。
【問い】そして、バチカンもまた、この人間と機械のハイブリッド化に熱中しています…。
【ヴィガノ大司教】バチカンでトランスヒューマニズムとメタバースに関する会議[11]を開催し、また人工知能のためのバチカンの財団「RenAIssance」を設立するほど、ベルゴリオの教会がこれらの非人間的なプロジェクトを歓迎しているのを見ると、失望します。ルネサンス(Renaissance)というグローバリストとメーソンのイデオロギーに極めて大切な言葉を使っていることに、私たちは気が付かないわけにはいきません。
この財団が、サイコ・パンデミックの緊急事態が始まった2020年2月28日の「AI倫理のためのローマ呼びかけ」会議の際に構想され、2021年4月16日に聖座の国務省によって正式に設立されたことは重要です。[12]最初の署名者の中には、(このイニシアチブを後援する)教皇庁生命アカデミー会長のヴィンチェンツォ・パリア大司教、マイクロソフト社長のブラッド・スミス、IBM取締役副社長のジョン・ケリー三世、FAO事務局長のドンユ・ク、イタリア政府担当大臣のパオラ・ピサノがいます。また、欧州議会議長であるダヴィド・サッソリの存在も軽視すべきではありません。
言うまでもないことですが、このようなイデオロギー的な錯乱のただ中で、キリストの教会の救いの使命は、メーソン的かつ悪魔的な母体によるエキュメニカルなポスト・ヒューマニズムの名によって、完全にキャンセルされました。
【問い】世界的な新型コロナウイルス感染症マニアは、恩寵の代わりに恐怖に駆られて、秘跡の代わりのワクチンと、啓示の代わりのイデオロギーで、事実上の(de facto)偽宗教に急成長しています。コメントをお願いします。
【ヴィガノ大司教】社会学や心理学に関する基本的な知識を持つ人なら、聖なるものという要素が人間の内面に属するものであることを知っています。信じている信仰を社会的に表現する典礼行為は、信者を集め、信者が告白している信仰を確認し、自分たちが生きていて活力のある一つの体であることを信者に実感させるために不可欠なものです。どの宗教にも司祭、位階階級、教義、典礼、戒律があり、したがって異端者や異教徒、罪や破門も存在します。
御摂理が教会のために確立したものは、今や、サイコ・パンデミックの典礼化の中に、グロテスクな猿まね物を見いだします。これは、健康の教義、免疫付与(予防接種)を約束する秘跡、白衣をまとった司祭など、科学的な(そして反科学的な)宗教となっているのです。しかし、私が他の機会で述べたように、これが可能だったのは、カトリック位階階級による意識的かつ積極的な協力があったからです。つまり、ベルゴリオを、実験的な薬のために最も効果的な「証言者」とし、司教たちを、世俗当局の不合理な健康規定の忠実な実行者としたのです。さらに、これだけではありません。遺伝子血清の接種を「道徳的義務」とすることは、絶対的に不適切なこの作戦全体に教理上の根拠を与えました。ですから、またしても、ディープ・ステートとディープ・チャーチが一体となって動いているのです。
もし教皇の声が、陰謀家たちの地獄の計画を非難するためにしっかりと勇気をもって上がっていたならば、新型コロナウイルス感染症の茶番劇は惨めに失敗したであろうと言わざるを得ません。現位階階級は、この裏切りに対して、天主と教会と歴史とに回答しなければならないでしょう。
【問い】教皇フランシスコとして知られるホルヘ・マリオ・ベルゴリオは、自分がグレート・リセットの代理人たちにとって信頼できる助言者でありインスピレーションであることを隠していません。彼は、操り人形でしょうか、あるいは人形を操る者なのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】私たちは、カトリックの教導権が新秩序の要求とまったく両立しないこと、そしてグレート・リセットの意向がいかに教会の社会教理と相反するものであるかをよく理解しています。それにもかかわらず、教会の最高レベルの背教は、ベルゴリオが、キリストが地上における代理者に与えられた天主の使命に絶対的に反して、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド夫人が率いる「包括的資本主義のための評議会」の「道徳的案内人」に指名されることを許したのです。そして、ベネディクト十六世の強制退位とイエズス会のベルゴリオの選出にまつわる大変な疑惑が、ここでもさらに裏付けられたことを理解します。
一方、このアルゼンチン人は、新世界秩序の「預言者」としての役割を公言し、やがて国際的な名声を得て報われることを望んでいます。普遍的兄弟愛、エキュメニズム、環境持続可能性、不法移民の無差別受け入れ、ジェンダー・イデオロギー、ユニバーサル・インカムといった教義は、すでにベルゴリオの「教導権的」介入によって繰り返される、ほとんど単調なテーマとなっています。私はイエズス会の志を失望させたくありませんが、彼の主人たちは、彼が自分たちに都合のいい限り彼を利用し、自分の任務を果たすや否や、私たちの主の裏切りの後にユダに起こったように、彼を切り捨てるのではないかと恐れています。ベルゴリオもグローバリストの最高法院(サンヘドリン)から銀貨30枚を受け取った後、ある種の心変わりをして、「極悪なる商人」(mercator pessimus)【裏切者ユダ】と同じ結末を迎えないように願いましょう[13]。
現時点では、フランシスコの役割は、まさにパンデミックの物語を支え、集団予防接種を推進するために切り開かれたものであり、最も過剰に露出されたものの一つです。それ以上に、彼がグローバリストのイデオロギーと完全に同調していること、そして彼が自分の主な仕事をキリストの教会の解体、エリートに従属する慈善的かつエキュメニカルなNGOへの変貌と考えていることは否定できません。この課題は、教理、道徳、典礼、規律を組織的に破壊し、革命に従わない聖職者や修道者を冷酷に迫害することによって実現されます。司教協議会の主題である評判の高い「シノドス性」が、一方では司教から統治権を奪うためのグロテスクなアリバイ【言い訳】であることが証明され、世俗の領域で課せられたものと同様のもう一つの重要な「主権移譲」が、それを集中化し自らのものとすることを目的としているのには当惑させられます。他方、使徒座は、「母にして教師」(Mater et Magistra)としての本来の役割を放棄して、「de rebus fidei ac moribus」(信仰と道徳に関する)問題を司教協議会に委任しています。こうした問題は、天主の命令によって、教皇とローマ教皇庁の各部署に独占的に関係しているにもかかわらず、です。
多くの司教や司祭への迫害、特定の枢機卿について信用を落としたり嘲ったりすること、観想生活の宗教共同体に対する破壊的な怒りは、教会という団体に絶えず新しい打撃を与えているベルゴリオのアジェンダ(行動計画)のほんの一部の表れに過ぎません。司教たちや司祭たちが、あたかも耳が聞こえないかのような沈黙をまもる中で追求されるこの残酷な破壊を目撃するのは深く悲しむべきことです。一方で、イデオロギーにあまり染まらない信者の中に、特にカトリックらしいすべてのものに対する彼の露骨な嫌悪のために、本能的にベルゴリオを一種の反教皇として考えるようになっている反対意見が見られることは心強いことでもあります。
【問い】キリストの約束を考慮しなければ、キリストの敵(フリーメーソン、ザンクトガレン・マフィア、偽牧者、近代主義者など)は、カトリック教会を完全に破壊することにどれだけ近づいているのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】教会を破壊することは、キリストの約束に反対してこれを打ち砕くという狂気の妄想ですが、しかしながら、それは天主とサタンの衝突の最終結果にかかわるものです。キリストの勝利は最も確実であり、存在論的に必要なものです。それにもかかわらず、闇の子らによって行われている進行中の戦争は、本当に憂慮すべき段階に達しているように思われます。なぜなら、新世界秩序の前触れであるグローバリストの計画が進んでいるためだけでなく、世俗と宗教の両分野で確固たる勇気ある反対がないためでもあります。
一方、世俗的・教会的権威を持つ人々の裏切りは、支配者と被支配者の間にあるこの分裂を明らかにし、エリートの最も効率的な組織だけでなく、その弱点も明るみに出しています。
まず第一に、彼らの確信は――善に対する憎しみによって盲目になった霊魂に典型的な確信ですが――、人間は決められた法則に、巣箱の中の蜂のように、完璧に従うというものです。この確信は完全に間違っています。なぜなら、人間は血肉でできていて、弱さや恐れがありますが、情熱や理想、寛大さや利他的な行為もあります。人間は天主の像と似姿に造られたものだからです。
私たちは、「グレート・リセット」が描く世界が、多くの人々を怯えさせ、混乱させ、多くの人々の目を開かせ、差し迫った独裁に抵抗するために立ち向かい組織化するように導き、自分たちが少数ののけ者ではなく、騙されてしまった多数派であることを理解したということを発見しつつあります。この反応は自然発生的で、ますます広がっていますが、予見されていなかったため、グローバリストのアジェンダの支持者が予想した結果とは異なる結果につながる可能性があります。そしておそらくまた、教会の胎内でも、聖霊は、聖伝に立ち返る運動を起こさせてくださるでしょう。なぜなら、革新主義者たちの約束は、グレート・リセットの約束と同じかそれ以上に、欺瞞であることが示されたからです。
【問い】人類はこれまで、国家単位の専制君主に直面してきましたが、全世界の住民を対象とした世界的なシステムの全体主義はかつてありませんでした。この暗い黙示録の時代に、何か希望や励ましとなるお言葉をいただけないでしょうか?
【ヴィガノ大司教】この世界的なクーデターに直面して落胆するのは、理解できる人間的な反応です。特に、このアジェンダ(行動計画)を追求する決意と、さまざまな国による行動が同時に起こるよう調整されているのを考慮すれば、なおさらです。他の欧州諸国の実験室としてのイタリアで起こったことは、その後すぐにフランス、ドイツ、オーストリアで提案されます。給料を受け取れないという脅迫のもとで、働くためには「グリーンパス」を要求するという例は際立っています。
しかし、先ほど申し上げたように、この仕組みは、ある人々の協力が得られなければ、裏目に出ることがあります。私たちは、法執行機関や医師、ジャーナリストや政治家、裁判官や教区司祭のことを思い浮かべます。もし私たちが、非合法な法律や不合理な規範に、市民的かつ平和的な不従順によって抵抗し始めるならば、すべての物語(ナラティブ)の基礎となっている恐怖が消え、私たちから世俗的・宗教的権利を奪うように強制できると信じている人々は、引き下がって、計画を明らかにし、矛盾を示し、共犯者と犯罪を明らかにしなければならない立場にあることに気づくのです。そして、このことは、公共の問題と教会の世界で同時に起こり、ベルゴリオの「国家教会」が、その道徳的腐敗と、これまでに行われた最大の人道に対する罪に従属していたために信用を失い、背教者の一派として死に絶えることを可能にするのです。
これは、人間の力だけで共通の敵に打ち勝つことができる衝突ではありません。これは、時間においても永遠においても、人類全体の運命と私たち一人一人の運命がかかっている、歴史的な戦いです。これは、私たち自身の人生、私たちのアイデンティティー、私たちの個性に関わることなのです。そして何よりも、グレート・リセットの推進者たちは本質的に反キリスト教的であり、反キリスト的です。なぜなら、この「新秩序」は地獄の混沌にほかならず、「キリスト教の秩序」(Ordo Christianus)と対立し、また両立し得ないものだからです。
ですから、アブラハムがソドムとゴモラの住民のためにしたように、王たるイエズス・キリストとともに戦う覚悟のある少数の信者に目を留めてくださるよう、天主の御稜威に祈り、懇願する必要があるのです。「正しい人も、悪人と一緒に滅ぼそうとなさるのは本当ですか。その町には、五十人の正しい人がいるかもしれません。本当に、彼らを滅ぼそうとなさるのですか。そこにいる五十人の正しい人のことを顧みて、それをお赦しになれないのですか。そんなことを、決してなさらないでください。正しい人を悪人と一緒に滅ぼすなど、あなたのなさることではありません。地をすべて裁くお方が正義を守らないなんて、ありえようはずがありません」(創世記18章23-25節)。おそらく、私たちは四十五人も、四十人も、三十人も、二十人もいないかもしれません。しかし、次の主のみ言葉は、私たちがどんなに少なくても、私たちを慰めてくれます。「その十人のために、滅ぼすことはすまい」(創世記18章32節)。
この復興が行われるためには、国家においても教会においても、福音に一致して生き、天主への愛と隣人への愛に突き動かされ、自分に対して行われる暴力に受け身で耐えるのではなく、進んで戦い、自分の意見を伝える、誠実で忠実な市民が必要なのです。この歴史的な戦いは、妥協することなく、人の評価を気にすることなく、恐れることなく、キリストの側に立つ場合に勝利します。なぜなら、恩寵、祈り、償いの生活を通して私たちの主に近づけば近づくほど、主が私たちに与えてくださる霊的武器が効果的になるからです。「Nolite timere: ego vici mundum 勇気を出せ、私はこの世に勝ったのだ」(ヨハネ16章33節)。
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[1]参考:国連ホームページ: https://unric.org/it/agenda-2030/
[2]AirBnbは、サンフランシスコに本社を置く、オンライン住宅市場を運営する米国の企業である。AirBnbの特徴は、提供されるものが同質化されていることで、ほとんどが無個性で標準化されたイケアスタイルの家やアパートメントである。
[3] «Il diritto alla proprietà privata non è intoccabile» – Cfr. https://www.ilsole24ore.com/art/il-papa-il-diritto-proprieta-privata-non-e-intoccabile-ADIGLZ5?refresh_ce=1
[4]「もし誰かがゲイで、主を探し求めていて、善意を持っているのなら、裁こうとする私は誰さまのつもりでしょうか?」https://www.vatican.va/content/francesco/en/speeches/2013/july/documents/papa-francesco_20130728_gmg-conferenza-stampa.html
[5]Actaに掲載された教皇のアルゼンチン司教団への書簡
https://www.avvenire.it/chiesa/pagine/amoris-laetitia-si-applica-cos-via-libera-del-papa
[6] https://www.ilfattoquotidiano.it/2021/10/26/il-papa-nomina-jeffrey-sachs-nella-pontificia-accademia-delle-scienze-sociali-lattacco-dei-conservatori-ha-posizioni-pro-aborto/6368874/
[7] Cf. https://www.agensir.it/quotidiano/2021/10/25/papa-francesco-nomina-jeffrey-david-sachs-membro-ordinario-della-pontificia-accademia-delle-scienze-sociali/ また
https://www.osservatoreromano.va/it/news/2021-10/quo-243/nuovo-membro-della-pontificia-accademia-delle-scienze-sociali.html
[8] Cf. https://www.vatican.va/content/francesco/it/messages/pont-messages/2021/documents/20211016-videomessaggio-movimentipopolari.html e https://www.avvenire.it/papa/pagine/papa-francesco-quarto-incontro-mondiale-dei-movimenti-popolari
[9]2021年10月20日の一般謁見
https://www.agensir.it/quotidiano/2021/10/20/papa-francesco-udienza-riscoprire-la-dimensione-comunitaria-non-individualistica-della-liberta/
[10] Cf. https://www.linkiesta.it/2021/06/commissione-identita-digitale/
[11]情報セキュリティーの主要企業の一つであるWISeKey International Holding Ltd.は、2021年10月23日、The Transhuman Code and Artificial Humanityの著者であるDavid FergussonとCarlos Moreiraが、The Code to the Metaverse - Programming Our Future For Goodという本の紹介を[バチカンにある]Teutonic Collegeで行ったと発表した。
[12] Cf. https://www.ansa.it/osservatorio_intelligenza_artificiale/notizie/societa/2021/05/24/intelligenza-artificiale-nasce-fondazione-vaticana_50103876-656e-4bd2-a0bc-a25ec11c9708.html
また
https://www.academyforlife.va/content/pav/it/notizie/2020/intelligenza-artificiale-2020.html
[13]聖木曜日の第五応誦「In Coena Domini」より「Judas mercator pessimus(極悪なる商人ユダ)」。