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Channel: Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた
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今、世界は、非常に難しい、厳しい時代に直面しています。しかし私たちには大きな希望があります。天主の御母が私たちの傍に寄り添って下さって、助けて下さるからです。

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2022年7月9日(土)聖母の土曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教(修道院)

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

今日はマリア様のミサを行なっています。
今、この世界は、非常に重大な岐路に立っています。日本もそうです。皆様もご存知の通り、おそらく日本のリーダーの中で、おそらく最も影響力があると思われる方が、昨日暗殺されました。私たちはどのように考えたらいいのか、私たちは何をすることができるのか、私たちの最も大切なものは何なのか、ということを、私たちは思わざるを得ません。

そして今日はぜひ、上智の座であるマリア様に御助けを願って、私たちが一体何をすべきかを乞い願いましょう。

私たちは二つのことが必要です。

一つは、祈らなければなりません。私たちが、天主の助けなくて問題を解決することができる、というのはあまりにも思い上がっていることだからです。私たちは自分の力で、あるいはお金で、あるいは能力で、あるいは影響力で、あるいは武器で、あるいは軍隊で、あるいは経済力で、あるいはコネで、才能で、解決できると思った、そして天主に頼まなかったその瞬間、私たちは全く何もできなかった、と理解せざるに違いないからです。ですから私たちは祈らなければなりません。天主の全能の御力と導きを乞い求めなければなりません。ですから、マリア様に祈りましょう。

聖母に祈って何が起こったかを示す例があります。教皇様は、この前の3月25日、御告げの日に、ロシアをマリア様の汚れなき御心に奉献して下さいました。世界中の司教様たちを招いて、そして一緒にマリア様の奉献をするように、ファチマのマリア様のご要求のようなことをされました。多くのアメリカの司教様たちはこれに応えて、名前がリストが挙げられました。そして一緒にロシアを奉献しました。

すると、最近の6月24日のイエズスの聖心の祝日には、アメリカでは今まで、憲法に堕胎の権利があるということを認めたような判例があったのですけれども、「それは間違いだった」という、誰も想像したことがなかったような判決が行なわれました。マリア様がこの堕胎に、赤ちゃんたちの堕胎に対する戦争をストップさせてくれたのかもしれません、それの第一歩だったのかもしれません。

これによって、この判決によって、多くの方々が希望を持って、「私たちは祈れば、命を守ることができる」ということに気が付きました。今、世界で大きなうねりとなっています。命を守ろうという動きが、特に若い人々が立ち上がっています。

これを見ると、祈りが大切である、マリア様にお願いすることが大切である、ということが分かります。しかしそれだけでは足りません。もちろん祈りは最も大切ですけれども、祈ればそれで終わりだ、というのではありません。私たちは何かをしなければなりません。できるだけのことをしなければなりません。

例えば、初土に対する信心であったり、あるいはロシアの奉献であったり、私たちをマリア様に奉献することであったり、あるいはマーチ・フォー・ライフに参加することであったり、何かをしなければなりません。おそらく明日の選挙も私たちができることかもしれません。もちろん、私たちがすることはあまりにも小さいので、多くのことは期待することはできませんけれども、しかし、私たちが何かをする、ということは非常に大切です。

現代、例えば、私たちはもしも選挙をするとしたら、一体何をしなければならないのでしょうか?私たちの理想とするような政治家はどこにいるのでしょうか?投票するような候補者がいなかったら、私たちはどうしたら良いのでしょうか?

マリア様にお祈り致しましょう、良い知恵を下さいますように。もしも誰かが殴ってきたら、私たちは、手でよけると手が痛くなるから、手が傷付くから、一部だけでも傷付けてはいけないから、何もしないので良いのでしょうか?もしも私たちが小さな船に乗っていて、そして荷物があって、荷物の中には貴重なものがたくさんあったとしても、波が荒くなって台風が吹いてきたので、この船を軽くしなければならない、そうしなければ船がそのまま沈没してしまう、という場合には、大切なものだったかもしれないけれども、この荷物を船から海の中に捨てて、それで船と命だけでも助かる方が良いのではないでしょうか?

イエズス様も、「もし目が罪をつくる機会となるなら、抜き出して捨てよ。片目で命に入るほうが、両目あって火のゲヘナに投げこまれるよりも良い」(マテオ18:9)と、仰ったのではないでしょうか?

ですから私たちも、一体何を守るべきなのか、どんなものが善なのか、ということをよく考えて、全てが揃っていないからと諦めずに、何とか良い方法を考えるべきではないでしょうか?

私たちは一体何を注意すべきでしょうか? 多くの政治家たちが、同性の間で結婚ができるということを法律化しよう、とそれに賛成していますが、私たちはそれについて、日本の国の滅びに繋がることだと懸念しています。アメリカやあるいはヨーロッパでは、そのようなものが今導入されて、特に子供たちは混乱しています。

埼玉県では、自民党がそのような条例を、つい数日前に可決しました。自民党が行った意見公募では4700件以上の意見が集まり、約90%が反対でした。しかし、自民党の多数決で、条例になったそうです。昨日から有効なのだそうです。主観的な判断での「性自認」が導入されました。きわめて曖昧で、それによると、自分が男か女か決めることができる、自分が男だと思ったならば男だし、女だと思ったら女だ。そして皆もそれを認めなければならないことになります。ですから、今日朝になったら「僕は、私は女だ」と思ったら、女としてトイレも、あるいは銭湯にも行く権利がある。誰かが反対したら、それは差別だ、ということになってしまいます。

ですから「自分は女だと思う」だから、女性として競技に出る、参加する。もちろん男が勝つに決まっています。それに疑問を挟むことは「差別」とされます。生物学的な女性たちは、心も体も傷つきます。

そしてそのようなことで、私が今、口にするのも恥ずかしいような、あるいは恐ろしいような出来事が起こっています。女性の方が、女性を自称するような人の為によって妊娠をさせられてしまったりとかいうことがアメリカやヨーロッパで現実に起こっています。そのようなことが今、日本で起ころうとしています。

子供たちも、そのような教育を受けなければなりません。アメリカやヨーロッパでそのような教育を受けた子供たちは混乱しています。アメリカではそのようなことが、子供たちに強制的に教えられ、それも反対することができなくなっています。もしもそのようなことを避けるならば、学校に子供を行かせないしかないのです。そして多くの人々がホームスクーリングをしています。

今、ウォーキズム(wokeism)というものが世界であります。ウォーク(woke)というのは何かというと、例えば、ヨーロッパの白人の女性が、移民をしてきた人に性的にいたずらをされたとします、レイプをされたとします。すると普通でしたら、「そのようなことをした人が悪い!」と、もちろん犯罪です、普通でしたら。しかしウォーク主義と言うのであれば、「いや、悪いのは白人の女性だ!なぜかと言うと、そのような移民した人たちは、白人の人にそういうことをすることによって、自分の有色人種であるという価値を認めているから。だから正しいことをした!」という、全ての、「真理とは何か」ということが無くなってしまって、「善とは、悪とは何か」ということが全く無くなってしまって、自分の思い通りのイデオロギーが支配する世界が今、到来しつつあります。

これは今、本当に起こっていることです。そして今、それの波が日本にも来ようとしています。

しかし何も心配しないで下さい。真理がないところに、本当の権利もありません。私たちには救いの手段があります。それは「マリア様がおられる」ということです。マリア様はファチマで言いました、「私だけが、あなたたちを助けることができる」と。もしも私たちが聖母に助けを求めるならば、マリア様は助けることができます。もしもそうでななければ、私たちは何をしても駄目でしょう。

しかし私たちが聖母に祈りつつ、行動を起こすならば、マリア様は助けて下さることができます。それが例えば、つい最近アメリカでの最高裁の判決です。

今、特に若い世代の人たちが、聖伝のミサに目覚めてきています。そしてこのマリア様への信仰に目覚めてきています。そして今世界中で多くの人々が、マリア様を通して、聖伝のミサ、カトリックの昔ながらのミサに与りつつあります。そしてそのことによって多くの人々が今、勝利へと、正常な世界へと立ち戻りつつあります。今のおかしな世界の間違いに気付きつつあります。

ですから今日、このミサを是非マリア様に捧げて、私たちの家族の為に、日本の為にも、そして世界の為にもお祈り致しましょう。

今、世界は、非常に難しい、厳しい時代に直面しています。しかし私たちには大きな希望があります。天主の御母が私たちの傍に寄り添って下さって、助けて下さるからです。私たちに憐みの眼を以って、御恵みを下そうとしておられるからです。ですから私たちはマリア様に祈り続けましょう。そしてマリア様と共に歩き続けましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。


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