2022年10月22日(土)修道院での説教
トマス小野田神父
聖父と聖子と聖霊の御名によりて、アーメン。
今日は土曜日の聖母のミサを行っております。
最近のニュースによると、元教理聖省のミュラー枢機卿がアメリカでのインタビューに答えて 、今シノドス性のためのシノドスが行われているけれどもこれは教会に対する敵対的な乗っ取り行為である、教会を新しいものに変えようとしている、教会は天主の御言葉を聞かなければならない、人間の声に耳をすますのではない、シノドスは特にこれは同性愛を認めさせるためのそれを目的としたものだ、と強く警告しています。
この世界は、イエズス・キリストを失いつつあります。イエズス・キリストの教会の敵は、2033年のイエズス様の贖いの業の二千年を祝うことをどうしても阻止したいかのような印象を受けます。その前に教会を何とかして弱体化させて、別の物にさせようとしているかのようです。その時、私たちはイエズス様を失うということがどれほど苦しいことかを私たちは体験することでしょう。
しかし、カトリック教会は天主の建てた教会ですから、人間の手によって滅ぼされることはありえません。聖伝のミサは必ず勝利します。どのようなことがあっても生き延びます。
教会も全く同じです。苦しむことはあっても、必ず特別の保護があります。これからもしかすると一見この地上から姿を消してしまったかのように見える時があるかもしれませんが、しかし必ず復活があります。
今、そのために私たちは何をしなければならないでしょうか。ロザリオをお祈りいたしましょう。ロザリオの祈りは私たちに主の神秘を深く教えてくれるからです。
喜びの玄義の第一は、天主が謙遜になって、マリア様の御胎内に宿られるほど謙遜になられたことを教えています。そしてそれは十字架の上で苦しみを受けて私たちの代わりに贖いを果たすためでした。マリア様もその天主のご謙遜にならって全てを協力する、どのような苦しみも全てみ旨のままに受け入れる、ということを答えました。
マリア様がその答えをした瞬間天主の御言葉は人となって私たちの内に住み給いました。永遠が時のうちに、全能の力がかよわさの小さなご胎内に、お留まりになりました。
喜びの玄義の第二は、マリア様はこのイエズス様を、すぐに聖エリザベトのもとにお運びになったことを教えています。
マリア様の挨拶の声を聞くと、聖エリザベトはすぐにマリア様がどんな方かを、お分かりになりました。天主の御母、真(まこと)の主の契約の櫃、旧約時代に預言されてきた現実が、今この目の前にあるとわかりました。
そのマリア様の声を聞くと、胎内の御子・胎内の子ども・洗者聖ヨハネも喜び踊りました。
喜びの玄義の第三は、マリア様はイエズス様をお産みになりますが、その時には第二のエヴァとして 第二のアダムをお産みになったことを教えています。
第一のエヴァは、原罪の汚れなき第一のアダムの脇腹から、原罪の汚れもなく痛みもなく生まれてきました。第二のアダムは、今度は、原罪の汚れなき第二のエヴァの胎内から痛みもなく産まれてきます。
イエズス様はマリア様の初子(ういご)でしたが、しかしマリア様が霊的に生むイエズス・キリストの兄弟たちは、つまり私たちは、十字架のもとの痛みのうちに霊的に生まなければなりません。
イエズス様は、マリア様のもとにまったく全てを与えになりました、委ねました。私たちにもそれを真似るように教えています。
喜びの玄義の第四は、マリア様は、受けたイエズスさまも全て天主にお返しになったことを教えています。神殿でイエズス様を奉献されます。マリア様は、私たちをもイエズス様とともに奉献してくださいます。
喜びの玄義の第五は、マリア様は罪のない方でしたが、しかしイエズス様を失うということがどれほど苦しいことかを、ご体験になりました。ですから罪びとの、イエズス様を失ってしまった罪びとの気持ちがよく理解できます。私たちがイエズス様を見出すことができるように祈ってくださる方です。この世界が、イエズス様を失った世界が、イエズス様を見出すことができるように祈りましょう。
2033年にはイエズス様の贖いの二千年を祝うことができますように。教会の敵にマリア様の御保護のもとに私たちが信仰を守り続けるように、お祈りいたしましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。