【書評5】谷口幸紀神父の書評「『LGBTとキリスト教―20人のストーリー』を読んで」を読んで(5)
アヴェ・マリア・インマクラータ!
【天主の愛の計画】
婚姻という枠組みの中だけに子供の出産とそれに関する全ての行為を認めるというのが天主の計画だ。人間はそれに逆らうことができない。逆らえば不幸になり死に直面するだけだからだ。人間の子供の出産には男性と女性が必要だ。子供の教育には、父親と母親が必要だ。全ての子供たちは、自分の父親と母親とが一緒に愛し合って生活することを望んでいる。平和な家庭を望んでいる。私たちは愛し愛されつづけることを望んでいる。天主によってそのように造られたからだ。
【キリストとサタンとの最後の戦い】
人間が本当に幸せであるためには天主の御旨(みむね)に従うことが必要だ。何故なら、私たちは被造物だからだ。堕天使は、天主に逆らって、永遠の幸せを失い、地獄に堕ちた。
ファチマの聖母を見た子供たちのうちの一人、シスター・ルチア・ドス・サントスは、死ぬ前にキリストとサタンとの間で繰り広げられる最後の戦いについて預言していた。最後の戦いは、婚姻と家族に関することである、と。シスター・ルチアは、このことをボローニャの大司教であったカルロ・カファラ枢機卿に手紙で書いていた。2017年、カファラ枢機卿は、ローマ生命フォーラム2017(Rome Life Forum 2017)で、次のように発言した。
「こう書いてありました。婚姻と家族についてのキリストとサタンの王国との決定的な対立の時が来るでしょう。婚姻と家族のために働く人々は艱難と迫害を被るでしょう。しかし、恐れないでください。聖母はすでにサタンの頭を踏み砕いたからです。」
Esse dicevano: verrà un tempo in cui lo scontro decisivo fra Cristo e il regno di satana sarà il matrimonio e la famiglia ; che loro che lavoreranno per il matrimonio e la famiglia subiranno tribolazioni e persecuzioni; ma, Padre, lei non abbia paura, perche Nostra Signora gli ha già schiacciato la testa.
カファラ枢機卿は言葉を続けて、今日、シスター・ルチアの言葉はすでに成就していると断言した。特に、それは堕胎と同性婚の合法化のためだ。
Fatima visionary predicted 'final battle' would be over marriage, family
(Exclusive) Cardinal Caffarra: “What Sr. Lucia wrote to me is being fulfilled today”
17世紀にはエクアドルのキトーで「善き出来事の聖母」が次のようなメッセージを告げている。カトリック教会はこの御出現を正真正銘だと認可した。
「19世紀の終わりから20世紀の中葉のおわりまで、悪しき情念が爆発し、道徳の完全な混乱があるでしょう。キリストとその教会との一致を意味する婚姻の秘跡は、攻撃を受け深く世俗化させられるでしょう。フリーメーソンはその時権力を持ち、この秘跡を消滅させ、誰でも簡単に罪のうちに生活し、教会の祝福なしに私生児たちをつくらせようという目的で邪悪な法律を制定するでしょう。教会のとって緊急のもっとも厳しい時に、声を上げなければならない人が沈黙を守るでしょう。」
(この項 了)
LGBTQ+運動などの性革命については、書評ではなく、機会を見つけて別の記事を書きたいと思っています。
天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)