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「シノドスの過程はパンドラの箱 : 100の質問と回答」第五章 E―家族の破壊 第六章 でこぼこ道

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「シノドスの過程はパンドラの箱 : 100の質問と回答」

The Synodal Process Is a Pandora’s Box: 100 Questions & Answers

ホセ・アントニオ・ウレタとフリオ・ロレド・デ・イズクエ著

第五章 ドイツの「Synodaler Weg」【シノドスの道】

E - 家族の破壊
81.教会の教理によれば、家族とは何でしょうか。
82.「Synodaler Weg」は家族にどのような変更をしようと意図しているのでしょうか。

第六章 でこぼこ道
A 「Synodaler Weg」に反対する反応
83.枢機卿や司教は「Synodaler Weg」に対して抗議しましたか。
84.シノドスについて欧州の司教たちのコンセンサスは得られているのでしょうか。
85.  米国の教会は、いかがですか。
86.信者による「Synodaler Weg」の拒絶、そしてより広い意味で言えば「シノダリティに関するシノドス」の拒絶と言えるのでしょうか。
87.進歩的少数派だけでなく、全信者が意見を聞かれていたらどうなっていたでしょうか。
88.すべてのドイツ司教が「Synodaler Weg」を支持していますか。
89.教皇フランシスコは「Synodaler Weg」に困惑を表明しましたか。
90.バチカンの各部署は「Weg」に反応しましたか。
91.ドイツ司教団はローマの批判にどう反応しましたか。

E―家族の破壊

81.教会の教理によれば、家族とは何でしょうか。

カトリック教会のカテキズムはこう教えています。「結婚によって結ばれた男女は、子供たちと一つの家族を作ります」(2202番)。洗礼を受けた者にとっては、結婚もまた秘跡です(2225番)。

82.「Synodaler Weg」は家族にどのような変更をしようと意図しているのでしょうか。

「Weg」の文書は「結婚」に言及することもありますが、もっと一般的なのは「Partnerschaftsformen」(パートナーシップの形)、「包摂的」で差別のない方式です。また、「Paare, die sich lieben」(愛し合うカップル)という表現もあります。これらの婉曲表現は、同性カップルを含む自由なシビル・ユニオンを意味します。いかなるロマンチックな感情でも、そのような結合を合法化するには十分なのです。

また、バチカンは承認していませんが、いわゆる「Segensfeiern für Paare, die sich lieben」(愛し合うカップルのための祝福)も増えています。「Weg」の文書の説明によれば、このような祝福は、「愛、献身、相互責任という点で、カップルの関係にすでに存在するものを強化して、天主が支持するという約束を求め、天主が支持するという約束とするものです」(140)。

第六章 でこぼこ道

A―「Synodaler Weg」に反対する反応

83.枢機卿や司教は「Synodaler Weg」に対して抗議しましたか。

はい。デンバー司教のサミュエル・アクィラ大司教がゲオルク・ベッツィング司教に送った18ページの公開書簡をはじめとして、多くの枢機卿や司教が「Synodaler Weg」に抗議しています。公開書簡はこう述べています。「シノドスの道は、単に『構造的な』懸念に対処するものではなく、信仰の遺産に挑戦し、場合によってはそれを否認するものです。シノドスの道の文書は、天主の啓示の性質と拘束する権威、秘跡の性質と効力、そして人間の愛と性に関するカトリックの教えの真理について、最も深刻な問題を提起しているとしか読めません」(141)。

おそらく最も適切な反応は、世界中の103人の高位聖職者による「ドイツの兄弟なる司教への兄弟としての公開書簡」だったでしょう。アリンゼ枢機卿、バーク枢機卿、ネーピア枢機卿、ペル枢機卿、ルイーニ枢機卿、陳枢機卿がその中に含まれています。これらの司牧者たちは、次のように思い起こしています。「急速なグローバル・コミュニケーションの時代において、ある国の出来事は必然的に他の国の教会生活に影響を与えます。ですから、ドイツのカトリック信者が現在追求している『シノドスの道』の過程は、世界中の教会に影響を与えるものです。これには、私たちが司牧している地方教会や、私たちが責任を負っている多くの忠実なカトリック信者が含まれます」。

同書簡はこう糾弾しています。

2.ドイツのシノドスの道の文書は、宗教的な考えや語彙の色合いを見せてはいますが、その大部分は、第二バチカン公会議にとって「天主の言葉の単一の聖なる遺産」である聖書や聖伝からではなく、社会学的分析やジェンダーを含む現代の政治的イデオロギーから着想を得ているように見えます。その文書は、教会とその使命を、聖書と教会の権威ある聖伝などにおいて啓示された真理というレンズを通してではなく、むしろこの世というレンズを通して見ています。
5.シノドスの道の過程は、ほぼすべての段階において、専門家と委員会の作業です。つまり、官僚主義的で、批判的で、内向きです。そのため、それ自体が教会の硬化症が広がっていることを反映しており、皮肉なことですが、書き方が反福音的になっています。その効果として、シノドスの道は、主にして救い主であるイエズス・キリストよりも、この世やイデオロギーへの服従と従順を示しています(142)。

元教理省長官のゲルハルト・ミュラー枢機卿もまた、はっきりと批判しています。枢機卿にとって、「Weg」は論争の的であり、カトリック信者から「福音の真理」を奪って、それを「ドイツのシノダリズムの真の重心である同性愛化のイデオロギー」に置き換える決議を承認することにつながりました。ミュラー枢機卿によれば、このイデオロギーは、「その粗雑な唯物論において、人間を男性と女性としてご自身のかたどりに創造された天主をあざ笑うような、非難されるべきイデオロギーです」。枢機卿は、こう締めくくっています。「『Synodaler Weg』は、天主の言葉へと方向づけられた開かれた議論では全くなく、教会の秘跡的構造の中には何の根拠もありません」(143)。

このドイツ人枢機卿(ミュラー枢機卿)は、シノドスの道に関する異端的なテーゼを支持する司教の解任を求めています。「裁判が行われなければならず、彼らは断罪されなければならず、回心せず、カトリックの教理を受け入れないのであれば、解任されなければなりません」(144)。

元最高裁判所長官であるレイモンド・バーク枢機卿もまた、同性愛者の結婚を祝福することに賛成票を投じた司教を制裁するようバチカンに求めました。

それが逸脱であれ、異端的な教えであれ、信仰の教理の一つを否定することであれ、単にキリストと教会におけるキリストの教えから離れて他の宗教を受け入れるという意味での背教であれ、これらは罪です。…
これらはキリストご自身に対する罪であり、明らかに最も重大な性質のものです。ですから、教会法典は適切な制裁を規定しています(145)。

注目すべき批評は、イリノイ州スプリングフィールドの司教、トーマス・パプロキ司教によるエッセイ「Imagining a Heretical Cardinal」です。この高位聖職者は、マッケルロイ枢機卿のテーゼに対して、彼自身には触れずに、長く、学識ある反論を書いています。パプロキ司教は次のように書いています。「残念ながら、今日、カトリックの指導者たちが、少し前までは異端者だけが信奉していたような異端的見解を肯定するのを耳にするのは珍しいことではありません。『異端的』や『異端』は強い言葉ですが、現代の教会的な礼儀正しさは、『分かれた兄弟たち』や『カトリック教会と完全な交わりにないキリスト信者』といった優しい表現に和らげています。しかし、現実には、『分かれ』、『完全な交わりにない』人々が、分かれて完全な交わりにないのは、信仰の本質的な真理を拒否しているからです」(146)。

84.シノドスについて欧州の司教たちのコンセンサスは得られているのでしょうか。

いいえ。欧州大陸におけるシノドス準備(協議)段階の結果を分析するために招集された2023年2月9-11日のプラハ会議では、作業文書「あなたの天幕の場所を広く取りなさい」に対して深刻な異論が出されました。

カトリック・ニュース・エージェンシーのバチカン記者、コートニー・マレスはこう書いています。

欧州のカトリック信者は木曜日の朝、秋にバチカンで開かれる司教シノドスの討議に影響を与える最終文書の内容について討議した。…
その文書には…多くの欧州代表団が、「シノドタリティに関するシノドス」が「弱められた」(watering down)カトリック教理という結果になりかねないとの懸念を表明したことに言及しました。…
「何人かは、このような過程では、この世の精神に服従する危険性があると強調しました。これらの懸念が、…表明され、…また、教理が弱められる可能性や、作業部会で社会学的な表現が使われることへの懸念も表明しました」(147)。

シノドス総括報告者のオロリッシュ枢機卿自身も、ドイツ代表団の提案に「ショックを受けた」代表団がいたことを認めています(148)。

85.  米国の教会は、いかがですか。

米国カトリック司教協議会も大きく分裂しています。

米国カトリック司教協議会の元専務理事のジェイド・ヘンリックスはこう書いています。

多くの司教、司祭、修道者、そして米国で関心を寄せる信者にとって、ドイツのカトリック教会がシノダリティに関して行っていることには深い疑念があります。同時に、これは絶望に近いものです。なぜなら、ドイツの司教たちが普遍教会の意見に耳を傾ける気がなく、ドイツ人が自らを正すという希望はほとんど残されていないことはあきらかなのですから。その印象は、彼らには教会を変えようとする意向があり、自分たちのビジョンを普遍教会に押し付けようとしている、ということです。…
また、米国の270人以上の司教の誰一人として、ドイツの司教団への支持を表明していないことも物語っています。北欧の少数の例外を除けば、全世界の司教団も何の励ましもしていません(149)。

86.信者による「Synodaler Weg」の拒絶、そしてより広い意味で言えば「シノダリティに関するシノドス」の拒絶と言えるのでしょうか。

事実は、「Weg」と普遍シノドスの推進派が予想した以上の拒絶を示しています。他のケースでは、拒否反応というより、むしろ無関心です。耳を傾ける過程には、ほとんど誰もわくわくしていません。このことは、シノドス推進派をも悩ませています。このような大規模な教会改革プロジェクトを少数の信者の支持だけで実行することは難しいからです。

ジョージ・ペル枢機卿が、亡くなる数日前に「スペクテイター」誌に寄稿し、死後に出版された記事の中で、教会の上層部も、世界中の実践的カトリック信者の圧倒的多数も、シノドスの耳を傾ける過程から得られた成果には同意していないと述べています(150)。

そのため、シノドス推進派は、時間と忍耐を必要とする「認識されていないイデオロギーの積み替え」(151)戦術に頼らざるを得ないのです。

87.進歩的少数派だけでなく、全信者が意見を聞かれていたらどうなっていたでしょうか。

進歩的少数派だけでなく、すべての信者が意見を聞かれていたらどうなっていたかを知ることは不可能です。反対派の声(通常は保守的)を黙らせるために多くの場所で用いられた威圧的な戦術は、シノドス推進派が真の多数派の声を聞くことを恐れていることを示している、という分析もあります。従って、もしすべての信者が意見を聞かれていたならば、出来上がった文書はもっと聖伝の教導権に沿ったものになっていただろうと推測できます。

例えば、聖伝のミサ(いわゆるトリエント・ミサ)にあずかる共同体から提起された懸念のうち、いたるところで増えているものが何一つ耳を傾けられなかったのは驚くべきことです。彼らこそは「疎外された少数派」であり、「包摂される」べき存在ではないのでしょうか。

88.すべてのドイツ司教が「Synodaler Weg」を支持していますか。

いいえ。状況は微妙です。ほとんどのドイツ司教が「Synodaler Weg」を無条件で支持し、あるいは黙認することで推進派に自由裁量権を与えている一方で、疑念を表明し、論争を巻き起こしている司教もいます。逆説的なことに、「共に旅する」ことに関するはずの「Weg」は、ドイツ司教協議会を分裂させています。ヒルデスハイムの司教であり、「Weg」の強力な推進者であるハイナー・ウィルマー司教は、この共通の道が団結をもたらすのではなく、分裂をもたらすものであることを認めざるを得ないと感じています。「ある者にとっては、決議文は十分に踏み込んだものではなく、またある者にとっては、教会の教えと矛盾するものでした。シノドスのメンバー間の溝はますます深まったように見えました。ある者は早くから苛立ち、ある者は興奮が高まり、またある者は肉体的、精神的に苦しんでいるのが分かりました」(152)。

ヴュルツブルクのフランツ・ユング司教は、「Weg」の集会での過剰な議論と時に扇動的な論調を批判し、「満身創痍の部屋」のようだと述べました(153)。

長らく多数派だった進歩派は、批判を受け入れようとせず、実質的に蒸し返すように振る舞います。「昨日、会議が終わり、私は苛立ちながら夕方の講堂を出ました。多数派の意見に反対する人々は、またしても言葉巧みに顔をひっぱたかれた」と、アイヒシュテットのグレゴール・マリア・ハンケ司教は不満を述べました(154)。このため、ジャーナリストのアンナ・ディウフは、「シノドスの道はカトリックの信仰を虐待」と題する記事を書きました(155)。

89.教皇フランシスコは「Synodaler Weg」に困惑を表明しましたか。

はい。教皇は「ドイツ巡礼中の天主の民への手紙」の中で、「時代の兆し」に耳を傾ける必要があるとしながらも、これは「賢明な集団」の仕事ではないと警告しています。同年9月、教皇は、シノドスは議会ではないと思い起こしました。AP通信とのインタビューで、教皇は同様に「Weg」を「イデオロギー的」で「エリート主義的」と批判しました。AP通信はこう報じています。「『ドイツの経験は助けにならない』と教皇は指摘し、これまでのドイツでの過程が『エリート』によって主導されてきたことを指摘している。危険なのは、非常に、非常にイデオロギー的なものが入り込むことです。イデオロギーが教会のプロセスに関与するとき、イデオロギーは聖霊に勝つため、聖霊は帰ってしまいます」(156)。【訳者注:聖霊の優しいささやきに対して、イデオロギーは耳をふさがせる、ということを言いたいのでしょう。】

90.バチカンの各部署は「Weg」に反応しましたか。

はい。前述のように、パロリン枢機卿、ラダリア枢機卿、ウエレット枢機卿は、ドイツのシノドスの道が提案した常設のシノドス評議会の設置は、各教区の司教の権威を損なうものであるとして、これを拒否する書簡を書きました。

2023年1月26日、全世界の司教に宛てた書簡の中で、聖座は、現職の教区司教にある統治の役割に関するカトリックの教理を改めて強調しました。この書簡には、司教シノドス事務総長のマリオ・グレック枢機卿と、第16回司教シノドス通常総会の総括報告者であるジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿が署名しています。

書簡は、ローマ司教の最高権威の下での団体主義における司教の役割を強調する一方で、活動的少数派の役割を批判しています。「実際、シノドス総会の結論がどうなるかをすでに知っていると思い込んでいる人々がいます。また、シノドスに議題を押し付け、議論の舵取りをし、その結果を決定しようとする人々もいます」。

しかし、この書簡はシノドスの基本的概念を繰り返し述べています。「『キリストの預言職も分け与えられている』(157)天主の民に『耳を傾ける』ことの困難を克服すること」。


91.ドイツ司教団はローマの批判にどう反応しましたか。

ドイツ司教団の一部から節度を求める声が上がったにもかかわらず、それは即座に黙殺されました。たとえローマと衝突することになったとしても、シノドスの道に沿って前進しようとする傾向が優勢です。マルクス枢機卿が2015年に発表した「Wir sind keine Filiale Roms」(私たちはローマの子会社ではない)というフレーズは、ライトモチーフとなっています(158)。この言葉は、16世紀にマルティン・ルターが唱えた「Los von Rom」(ローマから離れよ)という言葉との類似性を指摘する声も多くあります。

この反抗的な態度の典型的な例が、2023年3月に開催された第5回シノドス会議で承認された「Segensfeiern für Paare, die sich lieben」(愛し合うカップルのための祝福)と題された文書です。この文書は賛成176票、反対14票、棄権12票で可決されました。司教団は賛成38票、反対9票、棄権11票でした。この文書は、バチカンが2021年2月22日に発表した「教会は同性間の結合を祝福する権能を有しておらず、また有しえない」という回答に真っ向から反するものです。実のところ、無記名投票の動議は否決されました。その投票は、点呼によって行われました。「Weg」指導部はドイツの司教団を一人ずつ確実に制圧していきました。

また、「Synodaler Weg」を締めくくったこの総会が、フランクフルト司教座聖堂の主祭壇の周りで行われた「verantwort:ich」(159)と題された非常に奇妙で不穏な「パフォーマンス」で幕を閉じたことも、明らかになりました。それには、黒い服装をした登場人物や、地獄に落ちた霊魂のような人物がロープや鎖で床を引きずられるという奇妙な儀式が含まれていました。シノドスの道が導入しようとしている新しい典礼のサンプルだったのでしょうか。


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