復活徹夜祭―恩寵の水(大阪)
ワリエ神父 2024年3月30日
親愛なる信者の皆さま、
この聖なる夜、教会は、水を、恩寵の水として強調します。
洗礼水の祝別と、洗礼の約束の更新から抜粋しましょう。
「主の霊が水の上を舞っておられた。それは、その時でも、聖化する力を水の本性が受けるためであった」(祝別)。
【水に、人を聖とする力を与えるために、…主の霊は、水の上を覆い給うた=毎日のミサ典書】
「天主は、悪徳の終わりと徳の始まりであることを示すために、…水によって、(洪水を通して)汚れた世の罪を洗い給うた」(祝別)。
【汚れた世の罪を、水によって洗うことにより、その同じ水をもって、人の罪を除き、徳に立ち返らせるために、洪水をもって、再生のかたどりを示し給うた天主よ。=毎日のミサ典書】
「天主は、荒れ野において、(水の)苦みを甘みに変え、水を飲めるものとし、のどの渇いた民をいやすために、水を岩より湧き出させ給うた」(祝別)。
【天主は、砂漠においては、水の苦みを取り去り、飲めるよい水とし、人々ののどを潤すために、岩より湧き出させ給うた。=毎日のミサ典書】
「(われらは)キリストの死において洗礼を受け、キリストとともに葬られた。…キリストは、死者からよみがえり給うたが、われらも、…新しい人生を歩まねばならぬ」(更新)。
【われらは、洗礼によって、キリストとともに死に、かつ葬られたのである。キリストは、死者からよみがえり給うたが、われらは、…新しい生活の道を歩まねばならぬ。=毎日のミサ典書】
旧約で、天主は、私たちの霊魂を清めるために、どのように水を用いるかを告知されました。
「私は、おまえたちの上に、清い水を注ごう。こうして、おまえたちは、汚れを清められる。
私は、おまえたちに新しい心を与え、おまえたちのうちに新しい霊を置こう。
私は、おまえたちの肉から、石の心を取り除き、肉の心を与えよう。
私は、おまえたちのうちに私の霊を置こう」(エゼキエル36章25-27節)。
「さあ、渇く者はみな、水に近よれ。金のない者も、喜んで近よって飲め」(イザヤ55章1節)。
キリストによって与えられる霊的な水は、「永遠の命に湧き出る水の泉」(ヨハネ4章14節)です。
復活節には、歌ミサの「アスペルジェス」は、「ヴィディ・アクアム」に変わります。
「ヴィディ・アクアム。私は、神殿の右の脇から流れ出る水を見た、アレルヤ。その水が到達した人々は、みな救われた」。
恩寵の水は、聖金曜日に刺し貫かれたキリストの脇腹から流れ出るのです。
親愛なる兄弟の皆さま、この聖なる夜、そしてこの復活節の間、私たちの洗礼の恩寵を思い起こし、罪の死から恩寵の復活の命へと移った者の人生を生きましょう。アーメン。