聖霊降臨後第七の主日 ― 永遠の至福(2024年、大宮および大阪)
ワリエ神父 2024年7月7日
「罪の払う報酬は死である。しかし、天主の賜物は、われらの主キリスト・イエズスにおける永遠の命である」(書簡より)。
「子らよ、来て、私の言うことを聞け。私は、[子として]主をおそれることを、あなたたちに教えよう。主を見つめよ、そうすればあなたたちは喜びで輝き、あなたたちの顔は恥で赤らむことはないであろう」(昇階誦より)。
「すべての民よ、手を打って、天主に喜びの叫びを上げよ」(アレルヤ誦より)。
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親愛なる兄弟の皆さま、
至福直観のことを思うと、私たちは、真の故郷に到達したいという願いを抱きますが、それは次の三つの理由からです。
1.真の喜びという理由からです。「あなたたちは見るであろう。そうすれば、あなたたちの心は、甘く楽しい光のゆえに喜ぶであろう」(イザヤ書より)
聖母を見た後の聖ベルナデッタや、ラ・サレットのメラニーの例を挙げてみましょう。それはまるで、一目で恋に落ちるようなものでした。
2.(至福直観のことを思うと、私たちは、真の故郷に到達したいという願いを抱くのは、)多様あるいは多くの喜びからです。「そのとき、おまえは見て、豊かになり、おまえの心は高鳴り、数々の海がおまえに集まるとき、お前の心はひろがるであろう」(イザヤ書より)。
なぜなら、「私たちは天主をそのまま見る」【ヨハネ第一書3章2節】のであり、天主はすべての人にとってすべてのものとなられるからです。実際、天主は、「知性」に対しては満ちる光となられ、「意志」に対しては豊かな喜びとなられ、「記憶」に対しては継続する永遠となられるのです。
美を観想することは、絵画、建物、自然、物理的な美、道徳的な美など、実に多様です。
3.(至福直観のことを思うと、私たちは、真の故郷に到達したいという願いを抱くのは、)私たちがそこに到着したときに私たちを待っている喜びが永遠であるからです。「しもべたちは天主に仕え、天主の御顔を仰ぎ、天主とともに永遠に君臨する」(黙示録より)。
ここ地上では、私たちは、愛や繁栄…が永遠に続くという地上の楽園を夢見ます。
天国では、至福の人々は、永遠に幸福を享受することが完全に保証されています。天国のすべての聖人の霊魂を満たす思いは、何と魅惑的なことでしょうか。彼らの幸福を妨げるものは何一つないのです。永遠に、一瞬たりとも!
私たちは、永遠について、【それが何であるという】肯定的な考えを抱くことはできませんが、【何でないという】否定的な考えと呼ばれる考えを持つことはできます。永遠とは、海のように私たちの前に広がる持続する期間ですが、境界も限界もないのです。
天主の創造物を見てみましょう。
地球から月までの距離は約385,000キロです。
地球から太陽までの距離:約1億5千万キロ(地球から月の395倍以上)です。
地球から火星までの距離:約1億7500万キロです。
太陽や火星に到達するには何年もかかります。私たちは、これらの計算に驚きます。数には限界があり、宇宙には限界があります。しかし、永遠には限界がありません。
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黙示録で、聖ヨハネはこう述べています。「それから私は新しい天と地を見た。最初の天と地は過ぎ去り、海ももうない。私は、聖なる町、新しいエルサレムが、花婿のために装った花嫁のように整えられ、天主のみもとから天より下るのを見た。そのとき私は、玉座から出る大声がこう言うのを聞いた。『見よ、人とともにある天主の家がこれである。天主は、人の天主として、人とともに住まわれる。人は天主の民となり、天主ご自身が人とともにいて、人の目から涙をことごとくぬぐわれる。死はもうなく、悲しみも叫びも苦労もなくなる。最初のものが過ぎ去ったからである』」。
「父よ、あなたが私に与え給うた人々が、私のいる所に、私とともにいることを望みます。それは、あなたが私に与え給うた栄光を、彼らに見せるためであります」(聖ヨハネ福音書より)。
親愛なる兄弟の皆さま、
アヴィラの聖テレジアは、幼い子どもだったときすでに、「天主にお会いしたい」というただ一つの願いしか持っていませんでした。
聖アウグスティヌスはこう宣言します。「すべての顔が太陽のように輝くとき、聖人たちの喜びはいかに大きいことだろうか![シナイ山から下りてきたモイゼのことを考えよ!] 主が、御父の王国でご自分の民を調べ始められ、各人の功績に応じて、約束された報いを与えられるときである。主が、ご自分の聖人たちを御父の栄光の幻視へと導き、その聖人たちに天の住まいにあるそれぞれの場所を割り当てられるとき、ああ、実に、それは至高の幸福であろう。天主が永遠に、彼ら全員にとっての、すべてにおけるすべてとなられるのだから」。アーメン。