アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様、
2017年7月15日(土)に大阪で聖伝のミサを捧げました。そのときの説教をご紹介いたします。
2017年7月15日(土)証聖者聖ヘンリコ王皇帝のミサ
小野田神父 説教
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2017年7月15日、皇帝証聖者聖ヘンリコ二世の祝日を祝っています。
今日この御ミサの後にはいつものように、ミサの後の感謝の祈りの後に公教要理があります。今日はこの前の続きの、聖書の時代の背景について、特にヘロデ大王とその子供たちについてお話したいと思っています。
明後日の海の日には、東京で国会議事堂の方へと日比谷公園の方まで、築地教会から日比谷公園まで、午後の16時から17時頃まで3キロの道を、マーチ・フォー・ライフというものがあります。もしも東京の方に行かれるのであれば参加なさって下さい。
特にファチマの100周年でもありますし、特に日本に祝福がありますように、また罪の償いの為に、堕胎や不潔の罪の償いの為に、このマーチができればと思っています。
もしも東京にいらっしゃる方があれば、いらして下さい。もしも距離的に難しいという方は、どうぞお祈りを以って日本の為に、子供たちの為にお祈り下さい。
聖ヘンリコ、我らの為に祈り給え。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日はローマ皇帝聖ヘンリー二世(ラテン語で聖ヘンリコ)の祝日ですので、この王様がこの皇帝がどのような人だったのかという事を黙想して、そして私たちも一体この聖人から学ぶ事はどのようなものがあるか、という結論を立てる事に、引き出す事に致しましょう。ですからまず、聖ヘンリコの生涯を垣間見る事に致します。
聖ヘンリコは王家に生まれました。最初はババリアの王、次にドイツのゲルマニアの王、次にローマの皇帝となりました。
聖ヘンリコは、自分が王家の嫡子として王権を受けるという事を知っていながらも、一時はベネディクト会に入会して修道士として、清貧と貞潔と従順の生活をしようとさえも望んでいた事がありました。聖ヘンリコはこの地上の王冠よりも、地上の王位の笏よりも、更に天上の王冠の方をより多く求めていました。地上の王であるという事よりも、永遠の王に仕える事を望んでいました。永遠の王のしもべとしていつも行動していました。ですから永遠の王のイエズス・キリストのしもべとして、イエズス・キリストの名誉の為に、その王権の為に、自分の持てる全てを捧げようと思いました。
一体どうしたかというと、まず自分の持っている権力と力と財産を使って、遺産を使って、それをイエズス様の家を飾る為に、修道院を建てたり、教会を建てたり、それをきれいにしたりしました。ある時にはクリュニーの修道院には、自分の持っていた宝石を、「イエズス様の為に」と言って捧げたほどでした。
いつも聖ヘンリコは何かをする時には、必ずお祈りをしてから始めました。お祈りをせずに始めなかった仕事はありませんでした。その為にヘンリコがした事業は全て祝福されました。
実はその当時、イタリアの南部はギリシャ人が占領していました。そこでその為にローマを守る為に、ヘンリコは軍隊を出す事を要請されました。その時にもちろん、祈りを以ってその軍を指導、指揮しましたけれども、その時にヘンリコは、多くの守護の天使たちが、或いは殉教者たちが、代わって戦ってくれているのを何度も目撃していました。そしてヘンリコは剣によってよりはむしろ、祈りによって勝利を収めたと言われています。実に、主に仕えるという事は、統治する事であります。
ヘンリコは今のハンガリア、当時はパンドニアという名前でしたが、当時その今のハンガリーの所はカトリックの信仰を受けていませんでした。そこで、「その王様が、もしもステファノが、もしもカトリックの信仰を受けて洗礼を受けるならば、という条件で、自分の妹を嫁に与える。」そしてその事によって、王ステファノをカトリックの信仰に導いた事さえもあります。
その妻は聖クレゴンティアであって、聖ヘンリコも聖人でしたが、妻のクレゴンティアも聖女でした。二人とも結婚の時に婚姻の時に、「貞潔を守る」という約束を立てて、そして、「共に、天の王国のイエズス・キリストに仕える」という約束を立てました。聖ヘンリコが病気になって、モンテ・カシーノでその病に苦しんでいた時に、妻を結婚する前のその同じ状態で、何も傷付けずに両親に返したと言われています。そのように返しました。
こうして聖ヘンリコは1024年に、遂に天の王国の中に霊魂を呼ばれて、天での戴冠式を受ける事になります。その遺体はバンベルクという所に建てられた、聖ペトロパウロ使徒の教会に、カテドラルに埋葬されました。そのお墓に於いて、ものすごいおびただしい数の奇跡が起こった為に、教皇エウゼビオ三世によって1145年に列聖されました。
もしも私たちがミサの時に、使徒信教を唱えたり歌ったりする事があるとしたら、それは聖ヘンリコのおかげです。聖ヘンリコが教皇様にお願いして、「是非ミサの時に、例えば主日に、或いは大祝日に、使徒信教を私たちが唱える事ができるようにして下さい」とお願いしたので、それが認められました。
聖ヘンリコの人生をこうやって垣間見ると、私たちに一体何を教えてくれるでしょうか?
1つは、聖ヘンリコがこの地上の物事よりも、この地上での利益よりも、この地上で何か財産を、或いは名誉を、或いは権力を高く貯めるよりも、むしろ永遠の王に仕える、永遠の王国の中に入る、永遠の王冠を求める、朽ちない宝を積む、という事をより大切にしていました。まさに聖ヘンリコは、「私たちの人生の本当の目的がどこにあるか」という事を身を以って教えていました。たとえ王の身であっても、「それは本当に儚いものであって、それを道具に使って天国に行かなければならない」という事を教えていました。
考えてもみて下さい。日本の天皇陛下が、日本の国内を、或いは皆がこう手を振って歓迎したとしても、その「この地上でのものは全く儚い。全てはイエズス・キリスト様の為にある」と公言して、そしてその事を実践した、という事を。日本の天皇陛下は日本の国だけでしたけれども、聖ヘンリコはヨーロッパの全ての王の上に立つ皇帝でした。その皇帝が自らの模範を示して、「この地上のものは、全ての名誉と財産は儚い」と私たちに教えています。
第2は、聖ヘンリコの清い心でした。主を純粋な心で求めるが為に、遂には婚姻という事さえも、貞潔に、清いまま、完壁に過ごしたという事です。そうする事によって、「この地上の楽しみというものも全て、主の為にある」という事を身を以って示しました。
では私たちは、この聖ヘンリコの良い偉大な模範に従って、ますます天の国を求めるように致しましょう。そして清い心を私たちが持つ事ができますように。特にこの現代世界は、「この地上での快楽、地上でのお金さえあれば、この地上での面白おかしく過ごせば全てだ」という考えが非常に広まっています。聖ヘンリコの模範は私たちに燦然と輝いています。またこの肉体を汚すような、貞潔に背くような模範があまりにもたくさんありますが、聖ヘンリコは私たちにそれを、「そうではない」と教えています。
最後に天の女王である、そして聖ヘンリコがやはり愛し、その母として仕えていた、その女王と、自らの女王として仕えていた、元后として仕えていたマリア様にお願い致しましょう。マリア様が聖ヘンリコを守ったように、聖クレゴンティアと共に守ったように、私たちも、私たちを守って天の王国にまで清く導いて下さいますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄弟姉妹の皆様、
2017年7月15日(土)に大阪で聖伝のミサを捧げました。そのときの説教をご紹介いたします。
2017年7月15日(土)証聖者聖ヘンリコ王皇帝のミサ
小野田神父 説教
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2017年7月15日、皇帝証聖者聖ヘンリコ二世の祝日を祝っています。
今日この御ミサの後にはいつものように、ミサの後の感謝の祈りの後に公教要理があります。今日はこの前の続きの、聖書の時代の背景について、特にヘロデ大王とその子供たちについてお話したいと思っています。
明後日の海の日には、東京で国会議事堂の方へと日比谷公園の方まで、築地教会から日比谷公園まで、午後の16時から17時頃まで3キロの道を、マーチ・フォー・ライフというものがあります。もしも東京の方に行かれるのであれば参加なさって下さい。
特にファチマの100周年でもありますし、特に日本に祝福がありますように、また罪の償いの為に、堕胎や不潔の罪の償いの為に、このマーチができればと思っています。
もしも東京にいらっしゃる方があれば、いらして下さい。もしも距離的に難しいという方は、どうぞお祈りを以って日本の為に、子供たちの為にお祈り下さい。
聖ヘンリコ、我らの為に祈り給え。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日はローマ皇帝聖ヘンリー二世(ラテン語で聖ヘンリコ)の祝日ですので、この王様がこの皇帝がどのような人だったのかという事を黙想して、そして私たちも一体この聖人から学ぶ事はどのようなものがあるか、という結論を立てる事に、引き出す事に致しましょう。ですからまず、聖ヘンリコの生涯を垣間見る事に致します。
聖ヘンリコは王家に生まれました。最初はババリアの王、次にドイツのゲルマニアの王、次にローマの皇帝となりました。
聖ヘンリコは、自分が王家の嫡子として王権を受けるという事を知っていながらも、一時はベネディクト会に入会して修道士として、清貧と貞潔と従順の生活をしようとさえも望んでいた事がありました。聖ヘンリコはこの地上の王冠よりも、地上の王位の笏よりも、更に天上の王冠の方をより多く求めていました。地上の王であるという事よりも、永遠の王に仕える事を望んでいました。永遠の王のしもべとしていつも行動していました。ですから永遠の王のイエズス・キリストのしもべとして、イエズス・キリストの名誉の為に、その王権の為に、自分の持てる全てを捧げようと思いました。
一体どうしたかというと、まず自分の持っている権力と力と財産を使って、遺産を使って、それをイエズス様の家を飾る為に、修道院を建てたり、教会を建てたり、それをきれいにしたりしました。ある時にはクリュニーの修道院には、自分の持っていた宝石を、「イエズス様の為に」と言って捧げたほどでした。
いつも聖ヘンリコは何かをする時には、必ずお祈りをしてから始めました。お祈りをせずに始めなかった仕事はありませんでした。その為にヘンリコがした事業は全て祝福されました。
実はその当時、イタリアの南部はギリシャ人が占領していました。そこでその為にローマを守る為に、ヘンリコは軍隊を出す事を要請されました。その時にもちろん、祈りを以ってその軍を指導、指揮しましたけれども、その時にヘンリコは、多くの守護の天使たちが、或いは殉教者たちが、代わって戦ってくれているのを何度も目撃していました。そしてヘンリコは剣によってよりはむしろ、祈りによって勝利を収めたと言われています。実に、主に仕えるという事は、統治する事であります。
ヘンリコは今のハンガリア、当時はパンドニアという名前でしたが、当時その今のハンガリーの所はカトリックの信仰を受けていませんでした。そこで、「その王様が、もしもステファノが、もしもカトリックの信仰を受けて洗礼を受けるならば、という条件で、自分の妹を嫁に与える。」そしてその事によって、王ステファノをカトリックの信仰に導いた事さえもあります。
その妻は聖クレゴンティアであって、聖ヘンリコも聖人でしたが、妻のクレゴンティアも聖女でした。二人とも結婚の時に婚姻の時に、「貞潔を守る」という約束を立てて、そして、「共に、天の王国のイエズス・キリストに仕える」という約束を立てました。聖ヘンリコが病気になって、モンテ・カシーノでその病に苦しんでいた時に、妻を結婚する前のその同じ状態で、何も傷付けずに両親に返したと言われています。そのように返しました。
こうして聖ヘンリコは1024年に、遂に天の王国の中に霊魂を呼ばれて、天での戴冠式を受ける事になります。その遺体はバンベルクという所に建てられた、聖ペトロパウロ使徒の教会に、カテドラルに埋葬されました。そのお墓に於いて、ものすごいおびただしい数の奇跡が起こった為に、教皇エウゼビオ三世によって1145年に列聖されました。
もしも私たちがミサの時に、使徒信教を唱えたり歌ったりする事があるとしたら、それは聖ヘンリコのおかげです。聖ヘンリコが教皇様にお願いして、「是非ミサの時に、例えば主日に、或いは大祝日に、使徒信教を私たちが唱える事ができるようにして下さい」とお願いしたので、それが認められました。
聖ヘンリコの人生をこうやって垣間見ると、私たちに一体何を教えてくれるでしょうか?
1つは、聖ヘンリコがこの地上の物事よりも、この地上での利益よりも、この地上で何か財産を、或いは名誉を、或いは権力を高く貯めるよりも、むしろ永遠の王に仕える、永遠の王国の中に入る、永遠の王冠を求める、朽ちない宝を積む、という事をより大切にしていました。まさに聖ヘンリコは、「私たちの人生の本当の目的がどこにあるか」という事を身を以って教えていました。たとえ王の身であっても、「それは本当に儚いものであって、それを道具に使って天国に行かなければならない」という事を教えていました。
考えてもみて下さい。日本の天皇陛下が、日本の国内を、或いは皆がこう手を振って歓迎したとしても、その「この地上でのものは全く儚い。全てはイエズス・キリスト様の為にある」と公言して、そしてその事を実践した、という事を。日本の天皇陛下は日本の国だけでしたけれども、聖ヘンリコはヨーロッパの全ての王の上に立つ皇帝でした。その皇帝が自らの模範を示して、「この地上のものは、全ての名誉と財産は儚い」と私たちに教えています。
第2は、聖ヘンリコの清い心でした。主を純粋な心で求めるが為に、遂には婚姻という事さえも、貞潔に、清いまま、完壁に過ごしたという事です。そうする事によって、「この地上の楽しみというものも全て、主の為にある」という事を身を以って示しました。
では私たちは、この聖ヘンリコの良い偉大な模範に従って、ますます天の国を求めるように致しましょう。そして清い心を私たちが持つ事ができますように。特にこの現代世界は、「この地上での快楽、地上でのお金さえあれば、この地上での面白おかしく過ごせば全てだ」という考えが非常に広まっています。聖ヘンリコの模範は私たちに燦然と輝いています。またこの肉体を汚すような、貞潔に背くような模範があまりにもたくさんありますが、聖ヘンリコは私たちにそれを、「そうではない」と教えています。
最後に天の女王である、そして聖ヘンリコがやはり愛し、その母として仕えていた、その女王と、自らの女王として仕えていた、元后として仕えていたマリア様にお願い致しましょう。マリア様が聖ヘンリコを守ったように、聖クレゴンティアと共に守ったように、私たちも、私たちを守って天の王国にまで清く導いて下さいますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。