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2018年3月24日(土)  枝の主日の前日 「棕櫚の枝、枝の主日の典礼の意味」

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2018年3月24日(土)枝の主日の前日の土曜日のミサ 大天使聖ガブリエルの記念
小野田神父 説教

聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。今日は2018年3月24日、枝の主日の前日の土曜日のミサです。
今日はこの御ミサの後で、いつもの感謝の祈りの後に、御聖体の前で聖時間を過ごしたいと思います。なぜかというと、今月の初金曜日には残念ながら聖時間をする事ができなかったからです。聖週間を迎える前の直前に、この聖時間を捧げる事によって良い聖週間と、そして復活祭の準備となりますように、お祈り致しましょう。

来たる金曜日は聖金曜日です。20歳以上の満59歳までの健康なカトリック信者の男女は、大小斎を守らなければなりません。この機会にぜひ、イエズス様の御受難を思い出して、この日には何も召し上がる事ができなかった、苦い酢のみをなめさせられたイエズス様を思い出して、大小斎を捧げる事に致しましょう。

来たる復活祭は、4月1日、夕方の18時からミサがあります。復活の月曜日にもここで御ミサがあります。いらして下さい。



“Benedictus qui venit in nomine Domini, Rex Israel.”
「主の御名によりて来たる者、イスラエルの王は祝せられよ。」

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟の皆さん、今日の典礼では、イエズス様が枝の主日の、荘厳にエルサレムに入城をされた事の話が少し福音で読まれています。残念ながら私たちのこの御聖堂では、今年は枝の主日を祝う事ができませんが、この枝の主日の意味を黙想する事を提案します。そしてそうする事によって、良い聖週間の準備を決心を立てる事に致しましょう。

枝の主日は、3つの部分に分かれています。

教会のいつも使っている御聖堂の教会の外に、あるいは小さな聖堂に、あるいは教会の庭に、仮の祭壇が立てられます。これはオリベトの山を意味しています。そこでピオ十二世教皇様がなさった典礼改革の少し前までは、実はあたかもミサが2つあったかのようでした。最初のミサは、あたかも聖変化の代わりにミサがすべてそのまま行われて、Sanctusがあって、そして今からミサの典文があって、聖変化をする、というその時に、枝の祝別がありました。この枝の祝別はまさに、この枝が棕櫚の枝が、イエズス様を意味しているかのようです。

ちょうどローソクの、2月2日の御潔めの日にローソクを受けた時には、私たちは「ローソクがイエズス様のシンボルである」という事を理解しました。そして私たちがローソクに接吻をして、そして世の光であるイエズス様を灯って行列をしました。

それと同じように教会は、この棕櫚の枝をイエズス様のシンボルとして、信徒たちに配布します。この時に信徒たちは跪いて、イエズス様のシンボルであるこの棕櫚の枝に接吻をします。そしてこのイエズス様のシンボルであるその棕櫚を持って、教会へと向かって行進します。先頭に立つのはイエズス様の十字架、そしてイエズス様の代理者である司祭、そして棕櫚の枝を持った勝利の枝を持った信徒たちです。イエズス様と共に歩く、イエズス様の後に従って歩く、という意味を持っています。

「聖伝の祭壇が東を向いているのも、全く同じ意味がある」と典礼学者は言います。「十字架に向かって司祭を代表して、あたかも天国への巡礼であるかのように行列をして、天国に向かってい行く、という意味だ、東の方に向かって行く、歩んで行く、復活へと歩んで行く、という意味だ」と説明しています。

棕櫚の枝を配布するのは、イエズス様のシンボルを配布するという意味だけではありません。なぜかというと、イエズス様の後をイエズス様と共に従って行く、というには覚悟が必要であるからです。単なる子供にできる仕事ではありません。

もちろん枝の主日には、ヘブライの子供たちが棕櫚の枝を持ってイエズス様を歓迎しました。私たちもこの時にはヘブライの子供たちと、本当のヘブライの子供たちとならなければなりません。イエズス・キリストを「イスラエルの王」と「本当のイスラエルの王」と宣言する子供たちにならなければなりません。

しかし、私たちが最後まで宣言し続ける事ができるように、単なる子供ではなくて、私たちを騎士として、また殉教者として、特別の騎士として位を授ける式を捧げようと思っています。殉教者としての栄光の棕櫚の葉を与えようと思っています。ですから私たちが跪ずいて司祭から棕櫚の枝を頂く時には、実は「これからイエズス・キリストの、王たるキリストの為に戦う騎士としての位を授けられる叙勲式」という意味もあり、そして「勝利の棕櫚の枝として、殉教者として準備を覚悟せよ」という意味もあります。

そうして騎士として、イエズス・キリストの王に従う軍人として、その位を授けられ、殉教者としての勝利の棕櫚の枝を与えられた私たちが、イエズス・キリストに従って行列の行進を進みます。

中世のヨーロッパにおいては、町の門を更に出て、「イエズス・キリストが王である」という事を宣言して、また村の教会に戻りました。教会の近くに着くと、今まで一緒に歌を歌っていた聖歌隊は、一足先に教会の中に入ります。教会は聖歌隊を受け入れると門を閉めます。この聖歌隊はあたかも天使たちを表しているかのようです。一足先に入った門の閉じられた教会へと、十字架を先頭にした信徒たちの行列が、司祭を先頭に近付いて行きます。

ヨーロッパではよく教会の入り口に、「最後の審判」の彫刻が入り口に正面に書かれています。王たるキリストが悪人と善人を裁いて、マリア様もその横におられて、そして呪われた者は地獄に、そして選ばれた者は天国に行く、というその最後の審判のある正面の大きな正門の前に、十字架を持って、そして司祭と共に、棕櫚の枝を持った信徒の大群がやって来ます。この教会は、「天国」を意味しています。

現代の典礼では、枝の配布の間に詩編の23番が歌われます。「さぁ門よ、扉を開け。框を上げよ。永遠の王が入る。」
「永遠の王とは誰か?」「永遠の王とは、イエズス・キリストである。」

ピオ12世の改革の前には、天国の中と、到着した一群が相互に聖歌を歌い合いました。
「贖い主なる王たるキリストよ、御身に栄光と讃美と栄光あれ、この方に美しき子供たちが敬虔なホザンナを歌った。」
Glória, laus et honor tibi sit, Rex Christe, Redémptor : Cui pueríle decus prompsit Hosánna pium.

教会の中からは聖歌隊の声が聞こえます。
「御身はイスラエルの王、ダヴィドの気高き末、祝福された王よ御身は主の聖名によりて来たり給う。」

教会の外で群衆が歌います。「贖い主なる王たるキリストよ、御身に栄光と讃美と栄光あれ・・・!」

また教会の中では歌います。「いと高き天では全ての天の大群が御身を讃美する。死すべき人間と全ての被造物は一緒に御身を讃美する。」

教会の外で群衆が歌います。「贖い主なる王たるキリストよ、御身に栄光と讃美と栄光あれ・・・!」

教会の中「ヘブライの民は枝をもって迎えに来た。見よ、私たちは御身のために祈りと懇願と聖歌をもってここに参ずるなり。」

教会の外「贖い主なる王たるキリストよ、御身に栄光と讃美と栄光あれ・・・!」

この歌はまだ続き、最後に十字架を持っていた助祭が、その十字架の足で門を3度叩きます、ドン、ドン、ドン。

十字架のその力によって、天国の門はもう一度開かれます。今までアダムとエヴァの罪によって閉ざされていたこの天の門は、十字架の力によってのみ、初めて開かれる事ができます。そしてそのイエズス様を先頭に、イエズス様を持った棕櫚の枝を持った勝利のシンボルを持った、そしてキリストの騎士となった信徒たちが教会の中に入って行きます。これは、私たちがもう一度天国に入る事ができる、という事のシンボルです。

このイエズス様の、王であるイエズス様のこの讃美歌は非常に有名です。その王であるキリストと共に天国に入るという事を思い出させつつ、枝の主日のミサが始まる事になります。その時には一転して、福音ではイエズス様の御受難が読まれます。しかしこの御受難こそが、私たちを天国へと導くその勝利の源である、という事を私たちは確信しているわけです。

人の子が上げられた時、私は全てを私の元に呼び寄せよう。もしも麦がそのまま落ちて死ななければそのまま残るが、しかし落ちて死ねば100倍の実を結ぶ。イエズス・キリスト様は私たちを永遠の命に導く為に、御自分の御血を全て流そうとされています。

2000年前は、イエズス様は御一人でこの御受難の道を歩きましたが、今では私たちを全て天国に連れて行く為に、その神秘の中に一緒に入ろうとしています。どうぞ良い聖週間を迎える事ができますように、お祈り致しましょう。

特にマリア様にお祈りしなければなりません。なぜかというと、マリア様がいなければ私たちは十字架から逃げてしまうかもしれないからです。もしも聖ヨハネが十字架のもとに踏み留まる事ができたとしたら、マリア様のおかげでした。私たちはマリア様と共に留まる事によって、キリストの軍人、そして殉教者、と共に、マリア様の良き子供とならなければなりません。では、このミサを続けていく事に致しましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。


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