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Channel: Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた
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2019年3月1日(初金) 至聖なるイエズスの聖心の随意ミサ説教 「四旬節を超自然の精神ですごすために・・・」

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2019年3月1日(初金)至聖なるイエズスの聖心の随意ミサ
小野田神父説教

「至聖なるイエズスの聖心、我らを憐れみ給え。」

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟の皆さん、聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2019年3月1日、初金曜日のミサを捧げています。

このミサの後に、いつもの通りミサの後の感謝の祈りが終わりましたら、初金の聖時間をお捧げ致しましょう。特に、日本で聖ピオ十世会の司祭が常駐、一刻も早く常駐する事ができますように、そしてその為に必要な物が全て与えられますように、そしてカトリック教会の為に、多くの司祭・修道者の召命が出ますように、特に日本から出ますように、お祈り致しましょう。

そしてこのミサは、マリアさん(仮名)のお母様が亡くなってちょうど30周年なので、マリアさんのお母様のマルガリタさんの為に捧げられています。

「イエズス様の至聖なる聖心の随意ミサを初金で捧げている」という事と、この「ちょうどこの初金が3月の聖ヨゼフ様の月で始まっている」という事と、そして「あともう数日、来週の水曜日は、3月の最初の水曜日ですけれども、灰の水曜日で、四旬節が始まる3月6日だ」という事で、私たちは四旬節を聖ヨゼフの精神で、イエズス様の聖心の精神で過ごす事ができるように、その秘訣は何か?一番の、四旬節にとって一番私たちが心を留めなければならない点は何か?という事を黙想する事を提案します。

一言で言えば、「超自然の精神」であって、「超自然の希望、超自然の愛に根付いた四旬節を送る」という事を黙想する事を提案します。

イエズス様の聖心の信心の核心は、「天主は真理であって、愛である。真の天主は私たちを愛し給う。そして愛するがあまり、人となって、そして私たちを愛するがあまり、私たちの代わりに苦しまれた。私たちに超自然の命を与える為に。私たちはその超自然の愛を信じる。」

これこそに、カトリック教会の信仰の核心があります、“Credidimus Caritati”『私たちは天主の愛を信じた』

そして私たちが天主の愛を信じたが為に、天主を愛を以って、超自然の愛を以って愛し返す。特にこれは、「私たちの霊魂の救いと、隣人の霊魂の永遠の救いの為に生きる。愛されたそのお返しを、超自然の愛を以って返す。私たちの救霊の為に全力を尽くす。私自身と隣人の救霊の為に全力を尽くす事によって、天主を愛する。」

そして私たちの希望は、まさに「天国の福楽、超自然の幸せが私たちに約束されている」というそれを希望する、それを得るという事を希望する事にあります。この地上の善を遥かに超えるものを私たちは希望しています。

第2に、このまさに、この模範をこのこれを、イエズス様の聖心と聖ヨゼフは、私たちに実際、この地上での生活によって模範を示して下さいました。

聖ヨゼフの信仰、これは唯一の救い主、イエズス・キリストにありました。聖ヨゼフの希望も、イエズス・キリストを信じる事によって、超自然の命が与えられる事にありました。この地上での苦しみや貧困、悲しみ、辛い事は、超自然の報いと比べれば何でもないものであるからです。

そして聖ヨゼフは、超自然の愛に生きていました。イエズス・キリストを愛するが為に、この人生を捧げていました。

イエズス様も、その聖心の訴えはまさにこれです。ベネディクト十六世が書いた、『希望によりて、我々は救われた Spe Salvi』という回勅がありますが、その回勅の中にやはりある、共産主義を批判しながら、超自然の希望について言及している所があります。

それはどういう所かというと、「イエズス様は革命家ではなかった。イエズスはスパルタクスではなかった。」Iesus non erat Spartacus, nec proeliabatur pro politica liberatione, uti Barabbas vel Bar-Kochba.

たとえローマが野蛮な異教のものであったとしても、イエズス様は革命を起こそうとか、政治的な独立運動をしよう、という事を一言も仰らなかった。そうではなく、現実を天主の御旨として受け入れて、それに従っていて、それを捧げていた。イエズス様にとってこの最も大切なものは、ユダヤの民族主義ではなくて、超自然の生命で、真の宗教の、イエズス・キリストの確立する真の天主を、三位一体の天主を信じる事にあったから。」

ベネディクト十六世は、「ヨゼフ」という名前の付いた、あるスーダンで生まれたアフリカの女性に言及をします、ヨゼフィーナ・バキタ(Iosephina Bakhita)。この彼女は、つい最近列聖された女性です。

彼女は1869年頃生まれ、9歳の時に奴隷売買組織によって誘拐され、スーダンの奴隷市場で5回売り飛ばされ、流血するまで殴られたりするなど、奴隷として非常に乱暴な、残酷な取り扱いを受けました。幼かったにも関わらず、殴られ、叩かれ、暴力を受けて、そして傷だらけになって、売り飛ばされて、そして最後には、イタリア人の外交官の奴隷して、召使いとして売られました。体には生涯144の傷が付いていたそうです。

バキタというのは本当の名前ではなく、アラビア語で「運が良い」という意味の奴隷商によってつけられたニックネームでした。彼女は奴隷となった時にイスラムに改宗させられました。

しかし、このイタリアの領事はカトリックだったので、キリストの教えを教え、そしてヨゼフィーナは、「自分には、この地上の主人を超える本物の、本当の主がいる」という事を知ります。今までの恐ろしい主人たちではなく、生ける天主イエズス・キリストです。今までは自分を虐待し軽んじて、単なるモノ、奴隷としか見ていなかった主人しか知りませんでした。しかしヨゼフィーナは全ての主人を超える主を、極めて良き主を知るに至りました。自分を知り、愛し、創造された主を。

まさにここにこそ、私たちの信仰の核心があります。「この地上でどのような立場に置かれてあったとしても、私たちは、本当の主である天主、イエズス・キリストのしもべである」という事です。

そしてこの主人がイタリア人が、事情によってイタリアに帰らなければならなくなり、そして彼女もイタリアに行って、そして私の記憶が正しければ、カノッサの修道会に入会して、修道女となって、そして「イエズス様こそが真の主人である」として、そしてイエズス様に仕える者として、生涯を終え、超自然の命に生きました。

先ほども指摘したように、これもベネディクト十六世が同じ回勅で挙げた例ですが、イエズス様は革命家ではなかった、ユダヤがローマの属国であり支配下にあっても、政治的革命などや、政治的な独立運動を起こそうとはしなかった、と言及するところがあります。政治的な独立運動や民衆動員はイエズス・キリストの使命ではありませんでした。それにも関わらず、ある意味で、超自然のやり方を以って、ローマに打ち勝ったのです。

それは何かというと、遂にはイエズス様の弟子が、聖ペトロがローマで殉教して、ローマの教皇となる。そしてローマ帝国はカトリックに回心して、そして御自分の御国の、御自分が立てた教会のその首都を、その中心地をローマに置いて、そこから全世界に御自分の御国を発展させようとされた、超自然による、超自然のやり方によるどんでん返しであって、まさに天主様のなさる御業です。超自然の業です。

天主様は私たちに、「この地上のあらゆるものが手段であって、本当の目的は、超自然の生命であり、超自然の御国であって、超自然の信仰と超自然の愛を持たなければならない、そして私たちに超自然の希望を、特に永遠の生命の希望を持たすように」と招いておられます。この意味において私たちは、「共産主義や、あるいは社会主義などの社会革命などというものは、全く、カトリックの教えによれば本質的に邪悪であって、私たちのイエズス様の教えとは受け入れる事ができないものである」という事が分かります。

特にベネディクト十六世が指摘した所によると、革命家たちは、あるいは革命さえすれば、あるいは独立さえすれば、あるいは既存の社会制度を破壊さえすれば、全てはオートマチックに、全てはうまくいくと思っていたけれども、実際はそうではなかった。革命家は天主の立てたものを憎み、それを破壊しようとした、と(スペ・サルヴィ21番)。ここに革命家の核心的な、天主に対する憎しみがあります。ですから既存の社会秩序を破壊しようと、天主の残したものを取り除こうとしています。

これはイエズス様のやり方ではありません。私たちはですから、特にこの四旬節、イエズス様の聖心の教えに従って、聖ヨゼフの御生涯に倣って、イエズス様とマリア様に従ったその聖ヨゼフの謙遜な生活に倣って、償いの生活に倣って、そしてその超自然の信仰と希望と愛に基づいて、四旬節を送る事を提案したいと思います。

この超自然の生活を送れば送るほど、私たちはこの世界を、日本を、カトリック教会をますます聖なるものと、輝くものとする事ができます。そうでなければこの地上は、この世界は、混乱と苦しみだけに、あるいは幻想だけに陥ってしまう世界になってしまうからです。

マリア様に是非、この私たちがいつもこの超自然の見方を、超自然の信仰と、希望と、愛にいつも根差している事ができますように、特別の御恵みを求めましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

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