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2019年5月26日(主日)御復活後第5主日のミサ キンボル神父様御説教 二つ目に古いマリア様への信心「茶色のスカプラリオ」

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2019年5月26日(主日)御復活後第5主日のミサ
キンボル神父様御説教
同時通訳:東京信徒会長


聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

皆さん、今日は私たちの聖母に対する、二つ目に古い信心についてお話したいと思います。

一番古い信心というのは、もう皆さんやっていらっしゃると思いますけれども、それは「ロザリオ」というものです。ロザリオというのは、毎日家族と祈るものです。

二つ目に古いマリア様への信心というのは、「茶色のスカプラリオ」です。教会によって認可されたスカプラリオというのは色んな種類がありますけれども、一番大事なのは茶色のスカプラリオです。

この「茶色」というのは「カルメル会の服」を意味しています。茶色の四角いこういう服で、茶色の布が前と後ろに下がっています。カルメル会というのは、マリア様に捧げられた修道会としては一番古い修道会です。

この修道会の伝説によりますと、預言者エリアがこれを創設したと言われています。このエリアというのはカルメル山に住んでいたのですけれども、そこで飢饉がありまして、水が足りなくなりまして、その時に使いの者を山の一番上に登らせて、7回登らせて、水の為に祈るという事をします。この7回目にお祈りに行きますと、白い雲が、人の足の形で海の方から来るのが見えました。

そして彼がこの弟子たちに説明したのは、これが「マリア様の象徴だ」と言うのです。なぜかと言いますと、旧約に、「『彼女の足が悪魔の頭を砕く』というのがあったから」という事です。そして「この白い雲の『白さ』というのは、『マリア様が罪がない』という事を示している」という事です。

それでエリアが言ったのは、「贖い主の事を待たなければいけないけれども、贖い主の母の事も待たなければいけない」という風に言いました。

そして新約の時代になりまして、使徒がこの人たちに説教をしたところ、この人たちもキリスト教徒になりました。そしてこの人たちは、「カルメル山の聖母の隠士」という名前になりました。そしてこの彼らがカルメル山に住んでいるというのは、イスラムの人たちが聖地を占領するまで続きました。そして十字軍が聖地に行った時に、「そこは危険なので、ヨーロッパに是非来て、安全な所でお祈りして下さい」というように招待しました。そしてこのグループは特に今のイギリスに移りました。そしてこの時のこの修道会の長上という方は、シモン・ストックという方でした。

ところがこのカルメル会の人たちというのは、あまり歓迎されませんでした。なぜかと言うと、ユダヤ人のような服に見えたからです。それから食べ物に関しては物乞いをするという習慣がありました。ですからこのシモン・ストックという方は、「このように歓迎されていないので、私たちのこの修道会の服を変えて下さい」というお祈りをしました。

そこでマリア様が現れて、腕の上にこのスカプラリオをかけてお現れになりました。そしてマリア様が仰ったのは、「あなたたちの修道会の服を受けなさい」と仰いました。そして「この服を着て死ぬ者は、誰も永遠の火を受けない」というようにマリア様が仰いました。

プロテスタントの方は、これはカトリックの迷信であると言うかもしれません。しかし教父たちによりますと、「聖母にずっと信心を続ける、という事がもしできたら、私たちの霊魂を天主様の所に持っていく事ができる」という風に言っています。

このスカプラリオというのは、私たちの聖母マリア様の事を崇敬するのに非常に簡単な方法です。そして天主様はこれについてどういう風にされたかと言いますと、奇跡を表す事によってこれを承認されます。

例えば、ある人がこのスカプラリオを着けたまま溺れてしまったのですけれども、スカプラリオが水の上に浮いて行って助かった、という事があります。

これからちょっと本で読んだお話を説明したいと思いますけれども、これについてはオーストラリア出身の方が、アメリカに住んでいらっしゃる家族の方なのですけれども、その方から聞いた話です。この方はカンザス州の聖マリア大学という所で学生さんでした。そしてその方に聞いたのですけれども、「あなたの苗字は、偶然その奇跡の方と同じ苗字ですけれども、知っていますか?」という風に聞きました。そしてこの方が仰るには、「その話が一般に広まっているとは知らなかったけれども、家族の間では聞いている」という風に言いました。これは、ジョン・マコーリフという方で、アイルランドの水夫さんのお話です。

この方は、オーストラリアまで船で行ったのですけれども、非常に大きい嵐に遭いました。プロテスタントの家族の方が、「これは大変だ!」という事で、ご家族とお子さんでお祈りしたのですけれども、何も起こりませんでした。

そこでこの水夫さんは、「大変だ!」という事で、スカプラリオを、持っていたその着けていたスカプラリオを、十字架の印をして、海に投げ入れました。そうすると海が静かになったのですけれども、一つだけ波が起こって、そのスカプラリオが彼の所に戻ってくるような波だけやって来ました。

これを見た、この乗っていたプロテスタントの家族の方は、オーストラリアに着いた時に、カトリックに改宗しました。

これは奇跡ですけれども、もっと大事なのは、この茶色のスカプラリオを着ている時の「霊魂への効果」という事です。

ある若い女性がいたのですけれども、あまり熱心に信仰していらっしゃらない方でした。あまり秘跡を受けには行きませんでした。そこでこの神父様がこの女性に対して、「もっと敬虔な人になりたいですか?」と聞いてみました。そしてこの女性が仰ったのは、「敬虔にはなりたいのですけれども、あまり難しい事はできません」と答えました。そうするとこの神父様が仰ったのは、「いや、難しい事ではありません。茶色のスカプラリオを着けて下さい。」

そうすると、この女性の方はもっとお祈りをするようになって、もっと秘跡を受けに来るようになります。そしてだんだん信仰が進んだので、この女性は「修道女になりたい」と言い出すほどになりました。

そしてこの修道女になる儀式の時に、この「天主様から頂いた御恵みの印を何か見せて下さい」とお祈りしました。そうすると、この昔スカプラリオを勧めた神父様が、お祈りをしている時にとてつもない喜びを感じたという事です。そして神父様はよく事情が分かりませんので、「天主様は何で私にこんなに今、喜びを下さるのですか?」という風に聞きました。

そして次の日になってから、この新しくシスターが入った修道会から手紙が届きます。この手紙を書いた人というのは、その新しくシスターになった方のお友達でした。このお友達が書いていたのは、「この新しくシスターになった女性は、もう嬉しくてしょうがなくて、手紙も書けなかった」という事です。「しかし、とにかく神父様の為にお祈りしていますので、その事を知って下さい」というのが、このお友達の手紙に書いてありました。

この茶色のスカプラリオの「地獄に行く事がない」という特権の他に、もう一つ別の特権があります。このシモン・ストックが受けた50年後に、ヨハネ二十三世も何かメッセージを受けたように感じました。“サバティン・ブル”(Sabbatine Bull)というのですが、この手紙に書類に記録が残っています。

それによると、「マリア様が、どなたかが亡くなられた時に、その次の土曜日に、煉獄からマリア様がその方を救って下さる」という事です。その条件というのは、このスカプラリオを着ける事に加えて、水曜日と土曜日に肉を食べないという事だそうです。

それからその自分の身分に従った貞潔を守るという事です。それから聖マリア様の小聖務日課を唱えるという事です。しかしこの条件というのは難しいかもしれませんので、神父がもっと簡単なものに変える事ができます。

もし生地でできたスカプラリオを着けるのが難しいという事であれば、メダイにする事ができます。なぜかと言うと、聖ピオ十世教皇が、このメダイに関しても同じ贖宥を与えたからです。しかし元のこの精神から考えますと、メダイよりその生地のスカプラリオを着けた方がもっとよろしいと思います。

そしてこのスカプラリオのお話を今日しているのには、現代的な意味があります。ローマに聖ドミニコと聖フランシスコが会った教会というのがあります。この教会は、この二人の聖人が会った記念をした教会です。アンジェリカ修道士もここにいました、これはカルメル会の方です。そして聖フランシスコに対しては、「聖痕を受けるだろう」というメッセージがありました。そして聖ドミニコの方には、「あなたの修道会には、このロザリオの信心が与えられる」というメッセージがありました。しかしもっと大事な事は、「いつか、このスカプラリオとロザリオを通して、天主様はこの世をお救いになるだろう」というメッセージでした。

そしてファチマにお現れになったマリア様が仰るのは、「この一番古い二つの信心をしなさい」という事を私たちにお命じになりました。シスタールチア、ファチマのルチアに質問されたのですけれども、「マリア様はどうして、この太陽の奇跡の時に、カルメル会の服を着てお現れになったのですか?」という質問がありました。そしてルチアの言ったのは、「もちろんこれは、聖母が皆にこのスカプラリオを着けてほしいからである」という風に言いました。そして彼女にまた、「どうしてですか?」という質問がありました。そしてシスタールチアが答えたのは、「それは、そのスカプラリオというのは、私たちが汚れなき聖母への奉献の印であるからだ」という風に答えました。

ご存知だと思いますけれども、長崎の原爆の時には、8人の司祭が命を救われたという事がありました。このうちの一人のアメリカ人の司祭の話を聞いた事があります。

「爆心に非常に近かったので、普通ならもう死んでいるはずだ」とお医者さんが言っていたという事です。しかしこのアメリカ人の神父様が仰っていたのは、「そうなのですけれども、私は非常に健康である」と、「それは多分、このファチマのマリア様のメッセージに従った信心をしていたからだろう」と仰いました。

ですから私は、皆さんにこの茶色のスカプラリオを着けて、他の方にもこのメッセージを広げて頂きたいという風に思います。なぜなら、聖母マリア様は最後に勝利されるのですけれども、それまでに私たちに、私たち一人一人に、それに協力するように仰ったからです。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。


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