無原罪の聖母の騎士全員への指導司祭の手紙【第14号】
-ロザリオ-2020年の決心
愛する無原罪の聖母の騎士の皆さん!
102年前の本日MIが創立された記念日に、皆さんにまた言葉を伝えることができるのをうれしく思います。聖マキシミリアノ・コルベは無原罪の聖母のみを信頼したいと望んでMIを創立しました。なぜなら、聖母は、彼が自分の目の前で起きるのを見た天主と悪魔の霊的戦いすべてにおける勝利者であるからです。無原罪の聖母の騎士会が創立されてから、教会とこの世における霊魂をめぐる戦いは激しさを増してきています。悪魔は大惨事をもたらすのに残された時間をそれほど多く持っていないため、全軍を動員しており、圧倒的に優勢であるように見えます。
しかしながら、何世紀にもわたる教会の歴史、特にこの100年の歴史は、次の事実を確認しました。キリスト教の苦境が大きくなればなるほど、天の御母が地上の子どもたちにますます近づいてくださり、戦いにおいて導き、この戦闘において勇気づけ、戦いに必要な手段を与えてくださるということを。ですから、この200年において、マリアのご出現はそれまでのどの時代よりも数多く、またそれらには一つの共通点があります。それは、天の御母が眠れる子どもたちを目覚めさせ、状況の深刻さを彼らに警告し、汚れなき御心への信心をもって、「最後の薬」(ファチマ)として、「予告された艱難の時代に信者に残された唯一の武器」(秋田)として、彼らにロザリオをお与えになることです。
ロザリオは単なる人間的な祈りではなく、天主の御摂理によるご計画においては、それこそが聖母が聖ドミニコに委託なさった天の武器です。悪魔は何世紀にもわたってこの祈りが天に由来するという信仰を弱めようと、そしてロザリオの歴史の痕跡すべてを世に知られないようにしようと試みてきました。これによって、ロザリオはただ「祈りの姉妹たち」による純粋に人間的な祈りにすぎないとみなすべきだという偽りの信条に導かれた人々もいます。
それにもかかわらず、童貞聖マリアのいとも聖なるロザリオが天に由来することについての真理は、教皇たちによって幾度も強調されてきただけでなく、天によっても繰り返し強調されてきました。天はそのことをさまざまな聖人たちに明らかにし、さらにはコロンビアのラス・ラハスにある石に、その真理が消えないように「焼き付け」、すべての人がそれを見えるようにさえしました。そこでは、1754年に聖母がご出現になり、岩の上に、聖母がどのようにして聖ドミニコにロザリオをお与えになったかを示した実物大の絵が残されたのです。
いとも聖なるロザリオという武器は、キリスト教の歴史において、特に希望のないように思われる状況において、見事にその力を証明してきました。ロザリオはダヴィドの投石器にたとえられるダヴィドの武器です(ピオ十二世)。ダヴィドの投石器のように、特に困難な状況において、武器としてロザリオに信頼を置くには、カトリック信者のけんそんと天主への信頼が必要です。
私たちの保護の聖人である聖マキシミリアノは、ロザリオのことを騎士の剣と述べています。諸教皇はしばしば、いとも聖なるロザリオを「キリスト教の武器」と呼んできました。例えば、教皇ピオ十一世は、その回勅「イングラヴェシェンティブス・マリス」において、ロザリオを教会の最も力ある武器と呼びました。さらに同教皇は、ロザリオは、悪魔の力を追い払うために、聖なる生活を保持するために、聖徳の達成をしやすくするために、最後に人間の間の平和の手段として、最も力ある武器である、と確認しました。
ロザリオに心を込めて熱心に献身した数えきれないほど多くの信者たちが、ファチマで私たちに約束されたものを自ら経験してきました。それは、ロザリオが、この最後の時代において新たな効力を与えられていること、そしてロザリオがあれば解決できない問題はない、ということです。
しかしながら、しばしば使用される武器は鈍くなり得ますから、メンテナンスが必要です。この武器を「真新しく」にするためには、何回も何回も研ぎ澄まされなければなりません。私たちの多くは、疑いなく、ロザリオを祈る良き習慣を持っています。しかしながら、おそらく、気づかないうちに、ある種のルーチンワークになっているでしょう。いとも聖なるロザリオの効力にさらなる信頼と意識をもって祈るというよりも、祈らなければならないので祈っているのです。
聖ルイ・マリー・ド・モンフォールや聖マキシミリアノがロザリオについて書くとき、それは常に、十五玄義全体のことを指しています。そうでないときには、ロザリオの五玄義とか、あるいはロザリオの一部について、として書いています。聖ルイ自身は罪びとに対してロザリオ全部を祈るよう勧めていました。戦いにおいて兵卒が失われてきたとき、残された交戦中の軍隊は、数の減った兵卒の分も補うと同時に、勝利に到達するというさらに強い決意を示さなければなりません。それゆえに、私たちは、多くの人々が悪魔によって「失われ」たり、悪魔のわなに陥ったとき、勝利に到達するためにこれまで以上の熱意とこれまで以上の頻繁さをもってロザリオを祈るように呼ばれているのです。
そうは言うものの、武器が損傷を受けるだけでなく、戦士たちも弱ったり、敵の精神に染まったりすることさえあり得ます。教皇ピオ十一世は、その回勅でこう続けます。「マリアのロザリオによって、われわれは天主を嫌う者どもや宗教の敵どもをただ屈服させるだけではなく、この祈りはまた、われわれが福音の聖徳を追求するよう、われわれを激励し、元気づけるのである。ロザリオは、特にカトリック信仰を強めるであろう。なぜならば、聖なる諸玄義を黙想することは、天主によって啓示された真理へと精神を高めるからである」。
今の時代では、聖霊に関わる事柄へのある種の無関心や、キリスト教の教理を宣言することへの悲しむべき怠慢がしばしば存在するのですから、この祈りが私たちの時代にいかに有益なのかは指摘するまでもありません。ですから、ロザリオの祈りは私たちの永遠のものへの熱望を強め、またロザリオの最後の部(栄えの玄義)におけるキリストと御母の栄光を黙想は、私たちに天国を開いて示し、それによって私たちが永遠の父祖の国に到達するよう、私たちを励ますのです。
人々の心が、この地上の様々なわなに対する抑えの効かない中毒に燃え、またうつろう富と一時の楽しみに対して日ごとにますます強欲になる一方、ロザリオの祈りは、「盗人が盗むこともなく、虫もつかず」、変わらない天の宝に引き寄せるのです。
こんにち多くの人々の間でどれだけ愛が冷え、消えているかを考えてみてください。これらすべての人々は、私たちの救い主の御苦しみと死を、また苦しまれる御母マリアの御悲しみを黙想することで、愛を再び燃え立たせねばならないのではないでしょうか? この天主の愛から、隣人に対するより大いなる愛がかならず生まれるのです。なぜなら、失われてしまった子と天主との間の結びつきを回復させるために、主なるキリストがいかに御苦痛と御苦しみに耐えなければならなかったかということを黙想することは、隣人を愛する強い刺激を必ず与えるからです。
来るべき年は、特別な記念の年です。5月6日は、聖伝遵守の無原罪の聖母の騎士会が、私たちの創立者の当初の会則による再創立20周年を祝います。2020年10月の終わりには、カトリック聖伝を守る人々は、ルルドで聖ピオ十世司祭兄弟会の50周年を祝います。ですから、私は騎士の皆さん全員に、ロザリオの年を提案したいと思います。本日のMI創立記念日から一年後の聖伝の50周年記念日まで、私たちはMIにおけるロザリオの祈りを強化したいと思います。
騎士として、私たちがこの来るべき年にどのようにすればロザリオをもっと熱心に祈ることができるのかを、ここに示します。
もっと頻繁に祈ることによって:自分の職業上の義務に祈りをうまく組み入れことのできる限りにおいて、私たちは(詩編に対応する)ロザリオ全体をもっと頻繁に、すなわち十五玄義すべて[三環]を祈ろうと努めたいと思うべきです。私たちが共同体として祈るロザリオに加えて、日中に一環、または残りの部分を追加して祈ることで、これを行うことができます。ロザリオを毎日祈るという良き習慣をまだ持っていない人々は、この習慣を持つようにすべきです。
もっと意識していとも聖なるロザリオを祈るよう努力することによって:私たちは、私たちの祈るいとも聖なるロザリオを、特別な意向あるいは目的に関連づけることを常に望んでいます(一年の間に、総長が特別な意向を勧めてくださるでしょう)。この方法によって、私たちは、目的をもって自分の剣を使う騎士のようになるのです。もっと意識して祈ることということは、私たちが本当に諸玄義を黙想するということでもあります。
もっと信頼して祈ることによって:この祈りの力と聖母の多くの約束が何度もはっきりと明らかにされたことを思い出しましょう。私たちの確信を強めるために、ロザリオについて書かれたものを読みましょう。私たちにさらに強い信頼と信仰を与えてくださるよう聖母に願いましょう。
自分自身の環境の中で無原罪の聖母の騎士として:私たちには、さまざまな言語の良きちらし、パンフレット、ロザリオセットがあり、MIの事務局から取り寄せることができます。
いとも聖なるロザリオを特別に強調することによって:MIのニュースレターや雑誌において、私たちは、私たちのメンバーの中でこのいとも聖なるロザリオの祈りをより深め、新たに花開かせるよう導くため、この祈りを特別に強調していきます。
言うまでもないことですが、これらのことは、皆さんの寛大さに訴える提案に過ぎません。次のことを忘れないでください。私たちの聖性は、自分の習慣に応じて決まるのです! 騎士全員が今年、ロザリオを常に携帯し、一日の間出来る限り頻繁に自分の武器を使う習慣を身に着けることができますように。
聖なるロザリオの元后が、私たちにこれらの意向のために必要な恩寵を与えてくださり、また、この恩寵の年に皆さん全員に豊かな祝福を与えてくださいますように。
私の司祭としての祝福をもって
カール・シュテーリン神父
2019年10月16日、ワルシャワにて
【英語原文】
Letter No 14 to all Knights of the Immaculata - Rosary - Resolutions 2020
Father Director's Letter No. 14
Dear Knights of the Immaculata!
I am pleased to be able to say a few words to you again on the anniversary of the founding of the M.I. 102 years ago today. St. Maximilian Kolbe founded the M.I. because he wanted to trust in the Immaculata alone, since she is the victor in all the spiritual battles between God and the devil that he saw taking place before his eyes. Since the founding of the Militia Immaculata, the struggle for souls in the Church and in the world has intensified. As the devil does not have much time left to wreak havoc, he seems to have mobilized all his forces and to be overwhelmingly superior.
However, the history of the Church over the centuries, especially in the last 100 years, has confirmed this fact: the greater the plight of Christianity, the closer the Heavenly Mother is to her children on earth to guide them in battle, to encourage them in this combat, and to give them the necessary means with which to fight. Thus, in the last 200 years there have been more Marian apparitions than ever before, with one thing in common: the Mother of Heaven wakes her sleeping children, warns them of the seriousness of the situation and, together with the devotion to her Immaculate Heart, gives them the Rosary as their "last remedy" (Fatima), as the "only weapon that will remain for the faithful in the announced times of tribulation" (Akita).
The Rosary is not just any human prayer, but in the plan of Divine Providence, it is THE weapon of Heaven which Our Lady entrusted to St. Dominic. The devil has tried throughout the centuries to undermine faith in the heavenly origin of this prayer, to obscure all traces of its history. This has led some to the false belief that the Rosary should only be regarded as a purely human prayer of some "sisters of prayer".
Nonetheless, the truth about the heavenly origin of the Most Holy Rosary of the Blessed Virgin Mary has not only been emphasized time and again by the Popes, but by Heaven, which also revealed it to various saints and even "burned" the truth indelibly for all to see in stone, such as at Las Lajas, Colombia, where Our Lady appeared in 1754 and left a life-size picture on a rock showing how she gave the rosary to St. Dominic!
The weapon of the Most Holy Rosary has proven itself wonderfully in the history of Christianity, especially in seemingly hopeless situations. It is the weapon of David, comparable to his slingshot (Pius XII). As with David’s slingshot, it takes humility and trust in God on the part of Catholics to rely on the Rosary as a weapon, especially in difficult situations.
Our patron, Saint Maximilian, described the Rosary as the sword of the Knight. The popes have often called the Most Holy Rosary “the weapon of Christianity”. For example, Pope Pius XI in his encyclical Ingravescentibus Malis called the Rosary the most powerful weapon of the Church. Moreover, this same Pope confirmed that the Rosary is the most powerful weapon for the expulsion of diabolical powers, for the preservation of a holy life, for the easier attainment of virtue, and finally, as a means of peace among men.
Countless faithful who have devotedly and diligently adhered to the Rosary have experienced for themselves what was promised to us in Fatima: that the Rosary has been given a new efficacy for these last times and that with it, there is no problem we cannot solve.
However, a weapon that is often used can become blunt and therefore requires maintenance: this weapon must be sharpened time and time again to render it “fresh”. Many of us, undoubtedly, have a good habit of praying the Rosary. However, perhaps a certain routine has crept in imperceptibly. One prays it because it should be prayed, rather than praying the Most Holy Rosary with more trust and consciousness of the efficacy of its power.
When St. Louis and St. Maximilian write of the Rosary, they always mean all 15 mysteries. Otherwise they write of the five mysteries of the Rosary, or of the one part of the Rosary. St. Louis himself encouraged sinners to pray the whole Rosary. When the ranks are wearing out in a battle, the remaining warring forces must show an even greater commitment to attain victory while compensating for the loss of the worn-out ranks. Therefore, we are called to pray the Rosary with ever greater zeal and with ever greater frequency to attain victory when many have been “worn-out” or ensnared by the devil.
That being said, not only can the weapon suffer damage, but the fighters can also become weak or even be infected by the spirit of the enemy. Pope Pius XI continues in his encyclical: "With the Marian rosary we will not only prostrate the haters of God and enemies of religion, this prayer will also spur us on and warm us to a quest for the virtues of the Gospel. It will strengthen the Catholic faith in particular; for the contemplation of the holy mysteries raises the spirit to the truths revealed by God."
It is not necessary to point out how salutary this is in our day, when there is often a certain indifference to matters of the Holy Ghost and a regrettable boredom in the proclamation of Christian doctrine. The prayer of the Rosary will then strengthen our longing for immortal goods, and the contemplation of the glory of Christ and his Mother in the last part (the Glorious Mysteries) of the Rosary will openly reveal Heaven to us and thus spur us on to reach the eternal Fatherland.
And while the hearts of men burn with an unbridled addiction to the trappings of this earth and while they become greedier for frail riches and transient pleasures day by day, the prayers of the Rosary are drawn to the heavenly treasures "which no thief dares to possess, and which no moth consumes" and which will remain constant.
Consider the great extent to which love has become cold and extinct among many today! Shouldn't all these people be rekindled with love when they contemplate compassionately the sufferings and death of our Saviour and the sorrow of his afflicted Mother, Mary? From this love of God a greater love for one’s neighbour will necessarily follow; for the consideration of what Christ the Lord had to endure in pain and suffering in order to restore the lost filial bond with God necessarily gives a powerful impetus to love of one's neighbour.
The coming year will be a year of special anniversaries: on the 6th of May, the Militia Immaculata of Traditional Observance will celebrate the 20th anniversary of its re-establishment according to the original statutes of our Founder. At the end of October 2020, Catholic tradition will celebrate the 50th anniversary of the Priestly Fraternity of Saint Pius X in Lourdes. So I would like to propose a Year of the Rosary for all the Knights. From today’s founding day of the M.I. to the anniversary celebration of tradition in one year's time, we want to intensify the prayer of the Rosary in the M.I.
Here is how we, as Knights, can celebrate the Rosary more intensely in this upcoming year:
By more frequent prayers: as far as we can fit it in with our professional duties, we should want to try to pray the whole Rosary (Psalter) more often, that is, all 15 mysteries. We can do this by praying one or the other part during the day in addition to the Rosary which we may pray as a community. Those who do not yet have the good habit of praying the Rosary every day should acquire it.
By a more conscious effort to pray the Most Holy Rosary: we hope to always associate our Most Holy Rosary with a special intention/purpose (during the year, the Superior General will recommend special intentions to us). In this way we are like Knights who use their swords purposefully. Praying more consciously also means that we really contemplate the mysteries.
By more confident prayers: let us remember the many manifestations of the power of this prayer and the many promises of Our Lady; let us read something about the Rosary to strengthen our convictions; let us ask Our Lady for a greater trust and faith.
As Knights of the Immaculata in our own environment: we have good flyers, brochures and rosary sets in various languages, which are available from the secretariats of the M.I
By special emphasis on the Most Holy Rosary: in the newsletters and magazines of the M.I., we will give special emphasis to this prayer of the Most Holy Rosary in order to deepen this prayer in our ranks and to lead it to a new flowering.
It goes without saying that these are only suggestions that appeal to your generosity. Let us not forget: we are as holy as our habits! May every Knight this year make it a habit to always carry a rosary with him and to use his weapon as often as possible during the day.
May the Queen of the Holy Rosary grant us the necessary graces for these intentions, and may she richly bless all of you in this year of grace!
With my priestly blessing,
Fr. Karl Stehlin
Warsaw, on the 16th of October 2019
https://militia-immaculatae.info/en/literature/
-ロザリオ-2020年の決心
愛する無原罪の聖母の騎士の皆さん!
102年前の本日MIが創立された記念日に、皆さんにまた言葉を伝えることができるのをうれしく思います。聖マキシミリアノ・コルベは無原罪の聖母のみを信頼したいと望んでMIを創立しました。なぜなら、聖母は、彼が自分の目の前で起きるのを見た天主と悪魔の霊的戦いすべてにおける勝利者であるからです。無原罪の聖母の騎士会が創立されてから、教会とこの世における霊魂をめぐる戦いは激しさを増してきています。悪魔は大惨事をもたらすのに残された時間をそれほど多く持っていないため、全軍を動員しており、圧倒的に優勢であるように見えます。
しかしながら、何世紀にもわたる教会の歴史、特にこの100年の歴史は、次の事実を確認しました。キリスト教の苦境が大きくなればなるほど、天の御母が地上の子どもたちにますます近づいてくださり、戦いにおいて導き、この戦闘において勇気づけ、戦いに必要な手段を与えてくださるということを。ですから、この200年において、マリアのご出現はそれまでのどの時代よりも数多く、またそれらには一つの共通点があります。それは、天の御母が眠れる子どもたちを目覚めさせ、状況の深刻さを彼らに警告し、汚れなき御心への信心をもって、「最後の薬」(ファチマ)として、「予告された艱難の時代に信者に残された唯一の武器」(秋田)として、彼らにロザリオをお与えになることです。
ロザリオは単なる人間的な祈りではなく、天主の御摂理によるご計画においては、それこそが聖母が聖ドミニコに委託なさった天の武器です。悪魔は何世紀にもわたってこの祈りが天に由来するという信仰を弱めようと、そしてロザリオの歴史の痕跡すべてを世に知られないようにしようと試みてきました。これによって、ロザリオはただ「祈りの姉妹たち」による純粋に人間的な祈りにすぎないとみなすべきだという偽りの信条に導かれた人々もいます。
それにもかかわらず、童貞聖マリアのいとも聖なるロザリオが天に由来することについての真理は、教皇たちによって幾度も強調されてきただけでなく、天によっても繰り返し強調されてきました。天はそのことをさまざまな聖人たちに明らかにし、さらにはコロンビアのラス・ラハスにある石に、その真理が消えないように「焼き付け」、すべての人がそれを見えるようにさえしました。そこでは、1754年に聖母がご出現になり、岩の上に、聖母がどのようにして聖ドミニコにロザリオをお与えになったかを示した実物大の絵が残されたのです。
いとも聖なるロザリオという武器は、キリスト教の歴史において、特に希望のないように思われる状況において、見事にその力を証明してきました。ロザリオはダヴィドの投石器にたとえられるダヴィドの武器です(ピオ十二世)。ダヴィドの投石器のように、特に困難な状況において、武器としてロザリオに信頼を置くには、カトリック信者のけんそんと天主への信頼が必要です。
私たちの保護の聖人である聖マキシミリアノは、ロザリオのことを騎士の剣と述べています。諸教皇はしばしば、いとも聖なるロザリオを「キリスト教の武器」と呼んできました。例えば、教皇ピオ十一世は、その回勅「イングラヴェシェンティブス・マリス」において、ロザリオを教会の最も力ある武器と呼びました。さらに同教皇は、ロザリオは、悪魔の力を追い払うために、聖なる生活を保持するために、聖徳の達成をしやすくするために、最後に人間の間の平和の手段として、最も力ある武器である、と確認しました。
ロザリオに心を込めて熱心に献身した数えきれないほど多くの信者たちが、ファチマで私たちに約束されたものを自ら経験してきました。それは、ロザリオが、この最後の時代において新たな効力を与えられていること、そしてロザリオがあれば解決できない問題はない、ということです。
しかしながら、しばしば使用される武器は鈍くなり得ますから、メンテナンスが必要です。この武器を「真新しく」にするためには、何回も何回も研ぎ澄まされなければなりません。私たちの多くは、疑いなく、ロザリオを祈る良き習慣を持っています。しかしながら、おそらく、気づかないうちに、ある種のルーチンワークになっているでしょう。いとも聖なるロザリオの効力にさらなる信頼と意識をもって祈るというよりも、祈らなければならないので祈っているのです。
聖ルイ・マリー・ド・モンフォールや聖マキシミリアノがロザリオについて書くとき、それは常に、十五玄義全体のことを指しています。そうでないときには、ロザリオの五玄義とか、あるいはロザリオの一部について、として書いています。聖ルイ自身は罪びとに対してロザリオ全部を祈るよう勧めていました。戦いにおいて兵卒が失われてきたとき、残された交戦中の軍隊は、数の減った兵卒の分も補うと同時に、勝利に到達するというさらに強い決意を示さなければなりません。それゆえに、私たちは、多くの人々が悪魔によって「失われ」たり、悪魔のわなに陥ったとき、勝利に到達するためにこれまで以上の熱意とこれまで以上の頻繁さをもってロザリオを祈るように呼ばれているのです。
そうは言うものの、武器が損傷を受けるだけでなく、戦士たちも弱ったり、敵の精神に染まったりすることさえあり得ます。教皇ピオ十一世は、その回勅でこう続けます。「マリアのロザリオによって、われわれは天主を嫌う者どもや宗教の敵どもをただ屈服させるだけではなく、この祈りはまた、われわれが福音の聖徳を追求するよう、われわれを激励し、元気づけるのである。ロザリオは、特にカトリック信仰を強めるであろう。なぜならば、聖なる諸玄義を黙想することは、天主によって啓示された真理へと精神を高めるからである」。
今の時代では、聖霊に関わる事柄へのある種の無関心や、キリスト教の教理を宣言することへの悲しむべき怠慢がしばしば存在するのですから、この祈りが私たちの時代にいかに有益なのかは指摘するまでもありません。ですから、ロザリオの祈りは私たちの永遠のものへの熱望を強め、またロザリオの最後の部(栄えの玄義)におけるキリストと御母の栄光を黙想は、私たちに天国を開いて示し、それによって私たちが永遠の父祖の国に到達するよう、私たちを励ますのです。
人々の心が、この地上の様々なわなに対する抑えの効かない中毒に燃え、またうつろう富と一時の楽しみに対して日ごとにますます強欲になる一方、ロザリオの祈りは、「盗人が盗むこともなく、虫もつかず」、変わらない天の宝に引き寄せるのです。
こんにち多くの人々の間でどれだけ愛が冷え、消えているかを考えてみてください。これらすべての人々は、私たちの救い主の御苦しみと死を、また苦しまれる御母マリアの御悲しみを黙想することで、愛を再び燃え立たせねばならないのではないでしょうか? この天主の愛から、隣人に対するより大いなる愛がかならず生まれるのです。なぜなら、失われてしまった子と天主との間の結びつきを回復させるために、主なるキリストがいかに御苦痛と御苦しみに耐えなければならなかったかということを黙想することは、隣人を愛する強い刺激を必ず与えるからです。
来るべき年は、特別な記念の年です。5月6日は、聖伝遵守の無原罪の聖母の騎士会が、私たちの創立者の当初の会則による再創立20周年を祝います。2020年10月の終わりには、カトリック聖伝を守る人々は、ルルドで聖ピオ十世司祭兄弟会の50周年を祝います。ですから、私は騎士の皆さん全員に、ロザリオの年を提案したいと思います。本日のMI創立記念日から一年後の聖伝の50周年記念日まで、私たちはMIにおけるロザリオの祈りを強化したいと思います。
騎士として、私たちがこの来るべき年にどのようにすればロザリオをもっと熱心に祈ることができるのかを、ここに示します。
もっと頻繁に祈ることによって:自分の職業上の義務に祈りをうまく組み入れことのできる限りにおいて、私たちは(詩編に対応する)ロザリオ全体をもっと頻繁に、すなわち十五玄義すべて[三環]を祈ろうと努めたいと思うべきです。私たちが共同体として祈るロザリオに加えて、日中に一環、または残りの部分を追加して祈ることで、これを行うことができます。ロザリオを毎日祈るという良き習慣をまだ持っていない人々は、この習慣を持つようにすべきです。
もっと意識していとも聖なるロザリオを祈るよう努力することによって:私たちは、私たちの祈るいとも聖なるロザリオを、特別な意向あるいは目的に関連づけることを常に望んでいます(一年の間に、総長が特別な意向を勧めてくださるでしょう)。この方法によって、私たちは、目的をもって自分の剣を使う騎士のようになるのです。もっと意識して祈ることということは、私たちが本当に諸玄義を黙想するということでもあります。
もっと信頼して祈ることによって:この祈りの力と聖母の多くの約束が何度もはっきりと明らかにされたことを思い出しましょう。私たちの確信を強めるために、ロザリオについて書かれたものを読みましょう。私たちにさらに強い信頼と信仰を与えてくださるよう聖母に願いましょう。
自分自身の環境の中で無原罪の聖母の騎士として:私たちには、さまざまな言語の良きちらし、パンフレット、ロザリオセットがあり、MIの事務局から取り寄せることができます。
いとも聖なるロザリオを特別に強調することによって:MIのニュースレターや雑誌において、私たちは、私たちのメンバーの中でこのいとも聖なるロザリオの祈りをより深め、新たに花開かせるよう導くため、この祈りを特別に強調していきます。
言うまでもないことですが、これらのことは、皆さんの寛大さに訴える提案に過ぎません。次のことを忘れないでください。私たちの聖性は、自分の習慣に応じて決まるのです! 騎士全員が今年、ロザリオを常に携帯し、一日の間出来る限り頻繁に自分の武器を使う習慣を身に着けることができますように。
聖なるロザリオの元后が、私たちにこれらの意向のために必要な恩寵を与えてくださり、また、この恩寵の年に皆さん全員に豊かな祝福を与えてくださいますように。
私の司祭としての祝福をもって
カール・シュテーリン神父
2019年10月16日、ワルシャワにて
【英語原文】
Letter No 14 to all Knights of the Immaculata - Rosary - Resolutions 2020
Father Director's Letter No. 14
Dear Knights of the Immaculata!
I am pleased to be able to say a few words to you again on the anniversary of the founding of the M.I. 102 years ago today. St. Maximilian Kolbe founded the M.I. because he wanted to trust in the Immaculata alone, since she is the victor in all the spiritual battles between God and the devil that he saw taking place before his eyes. Since the founding of the Militia Immaculata, the struggle for souls in the Church and in the world has intensified. As the devil does not have much time left to wreak havoc, he seems to have mobilized all his forces and to be overwhelmingly superior.
However, the history of the Church over the centuries, especially in the last 100 years, has confirmed this fact: the greater the plight of Christianity, the closer the Heavenly Mother is to her children on earth to guide them in battle, to encourage them in this combat, and to give them the necessary means with which to fight. Thus, in the last 200 years there have been more Marian apparitions than ever before, with one thing in common: the Mother of Heaven wakes her sleeping children, warns them of the seriousness of the situation and, together with the devotion to her Immaculate Heart, gives them the Rosary as their "last remedy" (Fatima), as the "only weapon that will remain for the faithful in the announced times of tribulation" (Akita).
The Rosary is not just any human prayer, but in the plan of Divine Providence, it is THE weapon of Heaven which Our Lady entrusted to St. Dominic. The devil has tried throughout the centuries to undermine faith in the heavenly origin of this prayer, to obscure all traces of its history. This has led some to the false belief that the Rosary should only be regarded as a purely human prayer of some "sisters of prayer".
Nonetheless, the truth about the heavenly origin of the Most Holy Rosary of the Blessed Virgin Mary has not only been emphasized time and again by the Popes, but by Heaven, which also revealed it to various saints and even "burned" the truth indelibly for all to see in stone, such as at Las Lajas, Colombia, where Our Lady appeared in 1754 and left a life-size picture on a rock showing how she gave the rosary to St. Dominic!
The weapon of the Most Holy Rosary has proven itself wonderfully in the history of Christianity, especially in seemingly hopeless situations. It is the weapon of David, comparable to his slingshot (Pius XII). As with David’s slingshot, it takes humility and trust in God on the part of Catholics to rely on the Rosary as a weapon, especially in difficult situations.
Our patron, Saint Maximilian, described the Rosary as the sword of the Knight. The popes have often called the Most Holy Rosary “the weapon of Christianity”. For example, Pope Pius XI in his encyclical Ingravescentibus Malis called the Rosary the most powerful weapon of the Church. Moreover, this same Pope confirmed that the Rosary is the most powerful weapon for the expulsion of diabolical powers, for the preservation of a holy life, for the easier attainment of virtue, and finally, as a means of peace among men.
Countless faithful who have devotedly and diligently adhered to the Rosary have experienced for themselves what was promised to us in Fatima: that the Rosary has been given a new efficacy for these last times and that with it, there is no problem we cannot solve.
However, a weapon that is often used can become blunt and therefore requires maintenance: this weapon must be sharpened time and time again to render it “fresh”. Many of us, undoubtedly, have a good habit of praying the Rosary. However, perhaps a certain routine has crept in imperceptibly. One prays it because it should be prayed, rather than praying the Most Holy Rosary with more trust and consciousness of the efficacy of its power.
When St. Louis and St. Maximilian write of the Rosary, they always mean all 15 mysteries. Otherwise they write of the five mysteries of the Rosary, or of the one part of the Rosary. St. Louis himself encouraged sinners to pray the whole Rosary. When the ranks are wearing out in a battle, the remaining warring forces must show an even greater commitment to attain victory while compensating for the loss of the worn-out ranks. Therefore, we are called to pray the Rosary with ever greater zeal and with ever greater frequency to attain victory when many have been “worn-out” or ensnared by the devil.
That being said, not only can the weapon suffer damage, but the fighters can also become weak or even be infected by the spirit of the enemy. Pope Pius XI continues in his encyclical: "With the Marian rosary we will not only prostrate the haters of God and enemies of religion, this prayer will also spur us on and warm us to a quest for the virtues of the Gospel. It will strengthen the Catholic faith in particular; for the contemplation of the holy mysteries raises the spirit to the truths revealed by God."
It is not necessary to point out how salutary this is in our day, when there is often a certain indifference to matters of the Holy Ghost and a regrettable boredom in the proclamation of Christian doctrine. The prayer of the Rosary will then strengthen our longing for immortal goods, and the contemplation of the glory of Christ and his Mother in the last part (the Glorious Mysteries) of the Rosary will openly reveal Heaven to us and thus spur us on to reach the eternal Fatherland.
And while the hearts of men burn with an unbridled addiction to the trappings of this earth and while they become greedier for frail riches and transient pleasures day by day, the prayers of the Rosary are drawn to the heavenly treasures "which no thief dares to possess, and which no moth consumes" and which will remain constant.
Consider the great extent to which love has become cold and extinct among many today! Shouldn't all these people be rekindled with love when they contemplate compassionately the sufferings and death of our Saviour and the sorrow of his afflicted Mother, Mary? From this love of God a greater love for one’s neighbour will necessarily follow; for the consideration of what Christ the Lord had to endure in pain and suffering in order to restore the lost filial bond with God necessarily gives a powerful impetus to love of one's neighbour.
The coming year will be a year of special anniversaries: on the 6th of May, the Militia Immaculata of Traditional Observance will celebrate the 20th anniversary of its re-establishment according to the original statutes of our Founder. At the end of October 2020, Catholic tradition will celebrate the 50th anniversary of the Priestly Fraternity of Saint Pius X in Lourdes. So I would like to propose a Year of the Rosary for all the Knights. From today’s founding day of the M.I. to the anniversary celebration of tradition in one year's time, we want to intensify the prayer of the Rosary in the M.I.
Here is how we, as Knights, can celebrate the Rosary more intensely in this upcoming year:
By more frequent prayers: as far as we can fit it in with our professional duties, we should want to try to pray the whole Rosary (Psalter) more often, that is, all 15 mysteries. We can do this by praying one or the other part during the day in addition to the Rosary which we may pray as a community. Those who do not yet have the good habit of praying the Rosary every day should acquire it.
By a more conscious effort to pray the Most Holy Rosary: we hope to always associate our Most Holy Rosary with a special intention/purpose (during the year, the Superior General will recommend special intentions to us). In this way we are like Knights who use their swords purposefully. Praying more consciously also means that we really contemplate the mysteries.
By more confident prayers: let us remember the many manifestations of the power of this prayer and the many promises of Our Lady; let us read something about the Rosary to strengthen our convictions; let us ask Our Lady for a greater trust and faith.
As Knights of the Immaculata in our own environment: we have good flyers, brochures and rosary sets in various languages, which are available from the secretariats of the M.I
By special emphasis on the Most Holy Rosary: in the newsletters and magazines of the M.I., we will give special emphasis to this prayer of the Most Holy Rosary in order to deepen this prayer in our ranks and to lead it to a new flowering.
It goes without saying that these are only suggestions that appeal to your generosity. Let us not forget: we are as holy as our habits! May every Knight this year make it a habit to always carry a rosary with him and to use his weapon as often as possible during the day.
May the Queen of the Holy Rosary grant us the necessary graces for these intentions, and may she richly bless all of you in this year of grace!
With my priestly blessing,
Fr. Karl Stehlin
Warsaw, on the 16th of October 2019
https://militia-immaculatae.info/en/literature/