アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様、
ステイ・アット・ホーム(不要不急の外出自粛)の機会を利用して、フランシスコ教皇の思想(在位2013 - 現在)をよく理解するように努めましょう。
昨年は、教皇の訪日以外にも、アマゾン・シノドスやパチャママ、ドイツのシノドスの道、などの報道が大きくなされました。では、私たちの現教皇であるフランシスコは、これからカトリック教会をどのようにしようとするのでしょうか?
教皇フランシスコは、ヨハネ・パウロ二世とは違った道を行こうとするのでしょうか?それとも、同じ方向に動いているのでしょうか?
私たちは、教皇フランシスコは、第二バチカン公会議の路線を忠実に歩んでいる、と主張します。ただし、その進み方が加速度的に早まり、第二バチカン公会議の中に種子として小さく潜んでいたものが、花を咲かせ、実を付けつつあるという意味で「新しさ」も生じています。
これまでの7年にわたる在位期間での活動や発言を振り返り、フランシスコ教皇に対する理解を深めたいと思います。
第二バチカン公会議以後の教皇たちの行動の指針となる原理は、人間中心主義です。第二バチカン公会議が訴えた新しいヒューマニズムです。
「近代」の特徴は、世界が天主から離れること、この世を聖なるものと切り離すこと、世界の世俗化です。市民社会から教会とキリストと天主とを引き離すことです。聖なるもの(宗教)が、世俗の市民社会(政治)を指導することがないように、それ以前は両者のうちにあった調和を否定して、分離させることです。これは革命によってなされました。
新しいヒューマニズムは、革命によって引き起こされてしまった教会と国家の分裂を乗り越えようと、世俗のことがら(環境問題、移民政策、など)に言及し、それを聖なるものとしようとするかのようです。世俗と宗教の混同です。
もはや教会は、天主から啓示された超自然の真理を、世界や世俗の政治指導者たちに教えようとはしません。そうではなく、教会は世俗と対話し、世俗に聴従します。
人間中心主義の原理がどのように適応されるかについては教皇によって違いがあるとはいえ、しかし、公会議後の教皇たちは皆、同じ原理に従って動いています。
ここでは、図式的に第二バチカン公会議の思想の流れを見てみましょう。
【第二バチカン公会議:現代世界憲章 Gaudium et spes, 22】
「事実、天主の子は受肉によって、ある意味で自分自身をすべての人間と一致させた。」
Ipse enim, Filius Dei, incarnatione sua cum omni homine quodammodo Se univit.
(スペイン語訳:El Hijo de Dios con su encarnación se ha unido, en cierto modo, con todo hombre.)
それが👇こうなる
【教皇ヨハネ・パウロ二世の回勅『人間の贖い主』 REDEMPTOR HOMINIS, 8 & 13】
「キリストは自分自身をすべての人間と一致させた。」
【カトリック教会の公教要理 432】
「キリストは、御托身を通して、自分自身をすべての人間と一致させた。」
それが👇こうなる
【教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ』LAUDATO SI, mi Signore, 245】
「天主は自分自身を私たちの大地と決定的に一致させた。」
「主はご自身をわたしたちの地球と決定的に結ばれた」(カトリック中央協議会訳)
245. ((Dios) se ha unido definitivamente a nuestra tierra.
お気づきになられたでしょうか?
ヨハネ・パウロ二世の「キリストは自分自身をすべての人間と一致させた」ということを乗り越えて、
フランシスコは「天主は自分自身を私たちの大地と決定的に一致させた」と主張しています。
これが教皇フランシスコの新しさであり、それと同時に、第二バチカン公会議の中にあった種子が成長した部分です。
これについて、さらに考察を続けましょう。
(続く)
愛する兄弟姉妹の皆様、
ステイ・アット・ホーム(不要不急の外出自粛)の機会を利用して、フランシスコ教皇の思想(在位2013 - 現在)をよく理解するように努めましょう。
昨年は、教皇の訪日以外にも、アマゾン・シノドスやパチャママ、ドイツのシノドスの道、などの報道が大きくなされました。では、私たちの現教皇であるフランシスコは、これからカトリック教会をどのようにしようとするのでしょうか?
教皇フランシスコは、ヨハネ・パウロ二世とは違った道を行こうとするのでしょうか?それとも、同じ方向に動いているのでしょうか?
私たちは、教皇フランシスコは、第二バチカン公会議の路線を忠実に歩んでいる、と主張します。ただし、その進み方が加速度的に早まり、第二バチカン公会議の中に種子として小さく潜んでいたものが、花を咲かせ、実を付けつつあるという意味で「新しさ」も生じています。
これまでの7年にわたる在位期間での活動や発言を振り返り、フランシスコ教皇に対する理解を深めたいと思います。
第二バチカン公会議以後の教皇たちの行動の指針となる原理は、人間中心主義です。第二バチカン公会議が訴えた新しいヒューマニズムです。
「近代」の特徴は、世界が天主から離れること、この世を聖なるものと切り離すこと、世界の世俗化です。市民社会から教会とキリストと天主とを引き離すことです。聖なるもの(宗教)が、世俗の市民社会(政治)を指導することがないように、それ以前は両者のうちにあった調和を否定して、分離させることです。これは革命によってなされました。
新しいヒューマニズムは、革命によって引き起こされてしまった教会と国家の分裂を乗り越えようと、世俗のことがら(環境問題、移民政策、など)に言及し、それを聖なるものとしようとするかのようです。世俗と宗教の混同です。
もはや教会は、天主から啓示された超自然の真理を、世界や世俗の政治指導者たちに教えようとはしません。そうではなく、教会は世俗と対話し、世俗に聴従します。
人間中心主義の原理がどのように適応されるかについては教皇によって違いがあるとはいえ、しかし、公会議後の教皇たちは皆、同じ原理に従って動いています。
ここでは、図式的に第二バチカン公会議の思想の流れを見てみましょう。
【第二バチカン公会議:現代世界憲章 Gaudium et spes, 22】
「事実、天主の子は受肉によって、ある意味で自分自身をすべての人間と一致させた。」
Ipse enim, Filius Dei, incarnatione sua cum omni homine quodammodo Se univit.
(スペイン語訳:El Hijo de Dios con su encarnación se ha unido, en cierto modo, con todo hombre.)
それが👇こうなる
【教皇ヨハネ・パウロ二世の回勅『人間の贖い主』 REDEMPTOR HOMINIS, 8 & 13】
「キリストは自分自身をすべての人間と一致させた。」
【カトリック教会の公教要理 432】
「キリストは、御托身を通して、自分自身をすべての人間と一致させた。」
それが👇こうなる
【教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ』LAUDATO SI, mi Signore, 245】
「天主は自分自身を私たちの大地と決定的に一致させた。」
「主はご自身をわたしたちの地球と決定的に結ばれた」(カトリック中央協議会訳)
245. ((Dios) se ha unido definitivamente a nuestra tierra.
お気づきになられたでしょうか?
ヨハネ・パウロ二世の「キリストは自分自身をすべての人間と一致させた」ということを乗り越えて、
フランシスコは「天主は自分自身を私たちの大地と決定的に一致させた」と主張しています。
これが教皇フランシスコの新しさであり、それと同時に、第二バチカン公会議の中にあった種子が成長した部分です。
これについて、さらに考察を続けましょう。
(続く)