アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様、
幼きイエズスの聖テレジア(1873 - 1897)の詩「愛に生きる」 Vivre d'Amour をご紹介いたします。
幼きイエズスの聖テレジアは、ほとんどの詩を従順によって書きましたが、この詩については1895年2月26日自発的に心からわき起こったものです。三日間これを暗記していましたが、灰の水曜日になる前日の火曜日にこれを書き留めました。
これを読むと、リジューの聖テレジアの模範は、全てイエズスへの愛に基づいていることがわかります。「インテグラル・エコロジー」などではなく、ただイエズス・キリストだけ、それだけを熱烈に愛し求めていることがひしひしと伝わってきます。
Vivre d’amour 愛に生きる Au soir d’Amour, parlant sans parabole 愛[なる主の人生]の夕べ、たとえを使わずに話されて、 Jésus disait : "Si quelqu’un veut m’aimer イエズスは言われた。「もしも誰かが私を愛したいのなら、 Toute sa vie qu’il garde ma Parole 一生の間、私の御言葉を、守ること。 Mon Père et moi viendrons le visiter. 私の御父も私も彼を訪れに来るだろう。 Et de son cœur faisant notre demeure その心を私たちの住処とし、 Venant à lui, nous l’aimerons toujours !… 彼のところに来て、私たちは彼をいつまでも愛するだろう! Rempli de paix, nous voulons qu’il demeure 平和で満たし、私たちは彼に留まる、 En notre Amour !…" 私たちの愛のうちに! Vivre d’Amour, c’est te garder Toi-Même 愛に生きる、それは御身を守ること Verbe incréé, Parole de mon Dieu, 創られない御言葉、我が天主の言葉を。 Ah ! tu le sais, Divin Jésus, je t’aime ああ、天主なるイエズス、御身は知り給う、私が御身を愛することを。 L’Esprit d’Amour m’embrase de son feu 愛の霊は、ご自分の火で私を包む C’est en t’aimant que j’attire le Père 御身を愛しつつ、私は御父を引き寄せる。 Mon faible cœur le garde sans retour. 私の弱い心は、後戻りせずに、これを守る。 O Trinité ! vous êtes Prisonnière ああ、三位一体よ!御身は囚われの身、 De mon Amour !… 私の愛の囚人! Vivre d’Amour, c’est vivre de ta vie, 愛に生きる、それは御身の命を生きること、 Roi glorieux, délice des élus. 栄光の王よ、選ばれた者たちの喜びよ。 Tu vis pour moi, caché dans une hostie 御身は私のために、ホスチアに隠れて生きておられる。 Je veux pour toi me cacher,ô Jésus ! おお、イエズスよ、私は御身のために身を隠したい! A des amants, il faut la solitude 愛する二人には、孤独が必要、 Un cœur à cœur qui dure nuit et jour 心と心で、昼も夜も、 Ton seul regard fait ma béatitude 御身の眼差しだけで、私は至福になる、 Je vis d’Amour !… 私は愛に生きる! Vivre d’Amour, ce n’est pas sur la terre 愛に生きる、それはこの地上で Fixer sa tente au sommet du Thabor. タボル山の頂に自分の幕屋を作ることではない。 Avec Jésus, c’est gravir le Calvaire, むしろイエズスとともにカルワリヲを登ること、 C’est regarder la Croix comme un trésor !… 十字架を宝のように眺めること! Au Ciel je dois vivre de jouissance 天国では、私は喜びを生きるに違いない、 Alors l’épreuve aura fui pour toujours その時は、試練は永遠に逃げ去ってしまうことだろう。 Mais exilée je veux dans la souffrance でも、逐謫(ちくたく)の身なる私は苦しみのうちに Vivre d’Amour. 愛に生きたい! Vivre d’Amour, c’est donner sans mesure 愛に生きる、それは程度なく与えること Sans réclamer de salaire ici-bas この世での報いを求めず、 Ah ! sans compter je donne étant bien sûre ああ、計算せずに私は与える、もちろん Que lorsqu’on aime, on ne calcule pas !… 愛するときには計算などしないから! Au Cœur Divin, débordant de tendresse 優しさのあふれ出る天主の聖心に、 J’ai tout donné… légèrement je cours 私はすべてを与えた… 身軽になって私は走る。 Je n’ai plus rien que ma seule richesse 私にはもう何も残っていない、ただ私の唯一の宝は Vivre d’Amour. 愛に生きることだけ。 Vivre d’Amour, c’est bannir toute crainte 愛に生きる、それは全ての恐れを追い払うこと、 Tout souvenir des fautes du passé. 過去の過ちの数々の全ての記憶も。 De mes péchés je ne vois nulle empreinte, 私の罪は、何の跡形も私は見ない。 En un instant l’amour a tout brûlé….. 瞬間に、愛はすべてを焼き尽くした…、 Flamme divine, ô très douce Fournaise ! 天主の炎よ、おお、いとも甘美なかまどよ! En ton foyer je fixe mon séjour 御身の家に、私は住処を定める、 C’est en tes feux que je chante à mon aise : 御身の火において、私は安心して歌う、 « Je vis d’Amour !… » 「私は愛に生きる!」と。 Vivre d’Amour, c’est garder en soi-même 愛に生きる、それは自分において Un grand trésor en un vase mortel 死すべき器において、偉大な宝を守ること、 Mon Bien-Aimé, ma faiblesse est extrême 私の愛する方よ、私の弱さはあまりにもひどく、 Ah je suis loin d’être un ange du ciel !… ああ、私は天の天使からは程遠くにいる! Mais si je tombe à chaque heure qui passe しかし、毎時間、私が倒れても、 Me relevant tu viens à mon secours, 御身は私を助けに、私を起こしに来てくださる。 A chaque instant tu me donnes ta grâce 各瞬間、御身は私に恵みを下さり、 Je vis d’Amour. 私は愛に生きる。 Vivre d’Amour, c’est naviguer sans cesse 愛に生きる、それは航海すること、絶えず Semant la paix, la joie dans tous les cœurs 平和、喜びを全ての心に種まきながら、 Pilote Aimé, la Charité me presse 愛する水先案内人よ、愛徳は私を急がせる Car je te vois dans les âmes mes soeurs 私の姉妹たちの霊魂に御身を見るから。 La Charité voilà ma seule étoile 愛徳、それが私の唯一の星 A sa clarté je vogue sans détour その光で私は後戻りせずに旅する。 J’ai ma devise écrite sur ma voile : 私の帆の上には私のモットーが書かれている、 « Vivre d’Amour. » 「愛に生きる」と。 Vivre d’Amour, lorsque Jésus sommeille 愛に生きる、イエズスが眠られているとき。 C’est le repos sur les flots orageux それは、嵐の波の上でのお休み Oh ! ne crains pas, Seigneur, que je t’éveille ああ、主よ、心配し給うな、私は御身を起こしません。 J’attends en paix le rivage des cieux… 私は平和のうちに天国の岸を待つ…。 La Foi bientôt déchirera son voile 信仰は、もうすぐそのベールを破るだろう、 Mon Espérance est de te voir un jour 私の希望は、ある日、御身を見奉ること、 La Charité enfle et pousse ma voile 愛徳は膨らみ、私のベールを取る Je vis d’Amour !… 私は愛に生きる! Vivre d’Amour, c’est, ô mon Divin Maître 愛に生きる、おお、天主なる師よ、それは Te supplier de répandre tes Feux 御身の火を広げてくださるように懇願すること、 En l’âme sainte et sacrée de ton Prêtre 御身の司祭の聖なる神聖な霊魂において、 Qu’il soit plus pur qu’un séraphin des cieux !… 願わくは、司祭が天国のセラフィムよりももっと純潔であるように! Ah ! glorifie ton Eglise Immortelle ああ、不死の公教会に栄光を与え給え! A mes soupirs, Jésus ne sois pas sourd 私の懇願に、イエズスは聾者ではない、 Moi son enfant, je m’immole pour elle 私はその子供、教会のために自分を屠る、 Je vis d’Amour. 私は愛に生きる。 Vivre d’Amour, c’est essuyer ta Face 愛に生きる、それは御身の御顔(みかお)を拭(ぬぐ)うこと、 C’est obtenir des pécheurs le pardon それは罪びとたちに赦しを得ること O Dieu d’Amour ! qu’ils rentrent dans ta grâce 愛の天主よ!願わくは彼らが聖寵に入り、 Et qu’à jamais ils bénissent ton Nom…. とこしえに御身の聖名を祝せんことを…。 Jusqu’à mon cœur retentit le blasphème 私の心にまで、冒涜が響く Pour l’effacer, je veux chanter toujours : それを消し去るために、私は永久に歌いたい、 Ton Nom Sacré, je l’adore et je l’AimeJe vis d’Amour !… 「御身の聖名を私は礼拝し、愛し奉る Je vis d’Amour !…" 私は愛に生きる!」と。 Vivre d’Amour, c’est imiter Marie, 愛に生きる、それはマリアをまねること、 Baignant de pleurs, de parfums précieux, 涙にずぶ濡れとなり、貴重な香水で、 Tes pieds divins, qu’elle baise ravie 恍惚と接吻した天主の御足を Les essuyant avec ses longs cheveux… その長い髪で拭く… Puis se levant, elle brise le vase 次に立ち上がって器を壊す Ton Doux Visage elle embaume à son tour. 御身の甘美な御顔に、香油を塗る。 Moi, le parfum dont j’embaume ta Face 私が、御身の御顔に塗る香水は、 C’est mon Amour !… 私の愛! « Vivre d’Amour, quelle étrange folie ! » 「愛に生きるなんて、何と逸脱した愚かなこと!」 Me dit le monde, " Ah ! cessez de chanter, この世は私にこう言う、「さあ、歌うのをやめなさい、 Ne perdez pas vos parfums, votre vie, あなたの香水を、あなたの一生を無駄にしなさるな、 Utilement sachez les employer !…" もっと有益にお使いなさい!」と。 T’aimer, Jésus, quelle perte féconde !… イエズスよ、御身を愛するとは、何と実りの豊かな損失か! Tous mes parfums sont à toi sans retour, 私の香水は、お返しなく、みんな御身のもの、 Je veux chanter en sortant de ce monde : 私はこの世を出るとき、こう歌いたい、 « Je meurs d’Amour ! » 「私は愛に死ぬ!」と。 Mourir d’Amour, c’est un bien doux martyre 愛に死ぬ、それは本当に甘美な殉教 Et c’est celui que je voudrais souffrir. それこそ私が苦しみたいこと。 O Chérubins ! accordez votre lyre, おお、ケルビムよ、あなたたちの竪琴をください、 Car je le sens, mon exil va finir !… 何故なら、私の逐謫(ちくたく)がもう終わりそうだから! Flamme d’Amour, consume-moi sans trêve 愛の炎よ、手加減することなく私を燃やし尽くし給え、 Vie d’un instant, ton fardeau m’est bien lourd ! 一瞬の命、御身のくび木は私にはとても重い! Divin Jésus, réalise mon rêve : 天主なるイエズスよ、私の夢を実現させ給え Mourir d’Amour !… 愛に死ぬ夢を! Mourir d’Amour, voilà mon espérance 愛に死ぬ、それが私の希望 Quand je verrai se briser mes liens 私が鎖を断ち切るのを見るだろう時、 Mon Dieu sera ma Grande Récompense 私の天主は、偉大な報いとなるだろう、 Je ne veux point posséder d’autres biens. 私はその他のものを所有したいと全く思わない De son Amour je veux être embrasée 私は、天主の愛に燃え上がりたい、 Je veux Le voir, m’unir à Lui toujours 私は天主を見たい、とこしえに天主に私を一致させたい Voilà mon Ciel… voilà ma destinée : これが私の天国… 私の運命 Vivre d’Amour !!!… 愛に生きる!!!
以下は、私の自由な日本語訳です。
愛の主は、秘密を明かす。「愛すとは、主のみことばを、守る者なり。」
「愛ゆえに、また聖父も聖子と共に来て、愛し給いて、慈しむなり。」
「合い共に住処を定め、聖父と聖子は、平和をのこし、恵みを与ゆ。」
愛に生く、主の御言葉を守る時、三位は我に留まり給う。
愛に生く、我を愛してホスチアに隠れ留まる御身のために。
愛に生く、御身と共に、十字架を宝の如く担い苦しむ。
愛に生く、この世に生きるその間、御身のために愛に生きたい。
愛に生く、報い求めず惜しみなく、主の聖心に全て与える。
愛に生く、過ぎし過ち、罪、とがは、主の愛の火に焼き尽くされて。
愛に生く、無限の宝、胸に秘め、いつも恵みに助けられつつ。
愛に生く、慶び平和まき散らし、隣り人らに、主を見いだして。
「愛に生く」、帆に書かれたる合い言葉、愛の星へと航路一途に。
愛に生く、嵐の海に休む主よ、眠り続けよ!主に信頼す。
愛に生く、御身をまみゆその日には、信仰は失せ、希望は消える。
愛に生く、天使らよりも司祭らが愛に燃ゆるを祈り求める。
愛に生く、主の教会が栄ゆため、いけにえとして我を捧げる。
愛に生く、御顔をぬぐい、罪人の罪の赦しを、ただこいねがう。
愛に生く、主のあざけりを思いつつ、我、主の聖名をとわに愛さん。
愛に生く、香油を捧ぐマグダラをまねて御足に口づけをせん。
愛に生く、御顔に捧ぐ、わが香油、それはわが愛、主にのみ捧ぐ。
愛に生く、この世は叫ぶ、さげすみて「愚かなことよ、時間の無駄だ」と。
愛に生く、なんと豊かな損失か!ついに歌わん「我、愛に死す!」
愛に死す、焼き尽くしませ、愛の火よ、わが夢に見るは愛に死すこと。
愛に死す、主こそ報いよ、わが希望、主を見る日まで、我、愛に生く。