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聖グリニョン・ド・モンフォールの『聖母マリアに対する真の信心』:イエズス・キリストの御恵みと聖霊の働きを受ける最も素晴らしい方法:8つの理由

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

2020年5月10日(主日)御復活後第4主日
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教


聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟の皆さん、今日、主の御復活後第4主日、福音書では私たちの主はこう言われます、「だが私は、あなたたちに真理を語る。私が去るのはあなたたちの益である。私が去らないならば、あなたたちには援護者が来ないであろう。行けばそれをあなたたちに送ろう。」

イエズス様は、「聖霊」について語っています。聖霊の働きが私たちの中に送られて、そして私たちが聖となる、聖なる者となる、私たちの中にイエズス・キリストを形造る、という真理です。私たちがイエズス・キリストの命を生きる。

イエズス様は、聖霊が私たちの霊魂に降る為に、特別な運河を、チャンネルを、特別の道を作って下さいました。それは七つの秘跡です。特に、「洗礼」によってこの運河が開かれ、日々「御聖体」によって聖霊の働きが私たちに染み通るように、また傷付いた私たちにとって、悔悛の秘跡「告解の秘跡」は、多くの益を与えてくれます。

ところで、この七つの運河のこの聖寵の道を私たちは使って、イエズス様を、イエズス・キリストの命を生き生きとするのですけれども、聖人たちが昔から、もっとその運河をもっと利用する事ができるように、もっとその御恵みを受ける事ができるように、秘密を大発見しましたが、その秘密があります。
その秘密というのは、「マリア様」です。聖霊の浄配であるマリア様です。特に5月、マリア様の聖なる月、そして5月13日はファチマのマリア様の御出現の記念日でもありますから、私たちはこのマリア様に対する信心を黙想致しましょう。

ぜひ詳しくは、聖ルイ・マリ・グリニョン・ド・モンフォールが書いた、『聖母マリアに対する真の信心』をお読み下さい。この聖人は私たちに、「イエズス・キリスト、永遠の知恵であるイエズス・キリストにマリア様を通して、私たちの持っているもの全てを、私たちがその奴隷であるかのように、奴隷としてお捧げする」という事を提案しています。

これこそが過去、大聖人たちが見つけ出した、発見した、そして教えられた特別な、イエズス・キリストの御恵みを生きる、聖霊の働きを受ける、最も素晴らしい方法であると教えています。

その理由は8つあります。簡単に紹介させて下さい。

1つは、最も偉大な王の下に働くという者は、その一番下っ端にいるしもべであっても、王が偉大であれば偉大であるほど、このしもべの力は大きいという事です。

イエズス・キリストはマリア様を通して、私たちの元に来られて、全てを与えられました。そのイエズス様にマリア様を通して、全てを与え尽くす、そのイエズス様に尽くす、という事は、どれほど偉大な事でしょうか、どれほど名誉のある事でしょうか。

第2の理由は、イエズス様の模範です。
イエズス・キリストは、三位一体の第二のペルソナ、永遠の知恵は、全ての可能性を御存知でした。もちろんイエズス様が望んでいたのは、聖父に対する最大の栄光、栄誉、名誉を、讃美を捧げる事であって、そしてできる限りの事をして、私たちの霊魂を救う事でした。その為に、その目的に達成する為に、一番素晴らしい方法は何かという事を、無限の可能性の中から、たった1つ選びました。

それは、「御自分がマリア様を通して、私たちの元にやって来て、マリア様の下に30年間従順に従って、隠れて生活する」という事でした。もちろんそれ以外の事もできましたが、天主聖父に対して最高の栄光と、霊魂の救いの為の最も良い方法として、これを選ばれました。

私たちも、この永遠の知恵のやり方を真似しなければなりません。天主が私たちの元にやって来たこの道を私たちも通って、天主の元に行かなければなりません。マリア様を通して。

第3の理由は、聖母が、私たちの優しい、甘美な、そして憐れみの御母であるという事です。私たちの惨めさ、弱さ、情けなさ、あまりにも小ささ、という事をよく御存知です。そこで、マリア様を通して捧げる事によって、マリア様は私たちを憐んで、母の心に動かされて、私たちをきれいにして、美しくして、そして何とか形造らさして、そして強めて、イエズス様に捧げて下さるという事です。

マリア様に捧げるだけで充分です。どんなに私たちが子供のような、私たちが子供の年端のいかない者が、ちょっとした果物を見つけて、「あぁ、これは偉いどこかの王様に、天皇陛下にあげたい」と言ったら、天皇陛下がそんな、そんな汚らしい果物を受け取るだろうか、と思うようなものでも、それをきれいにして下さる人が、そして自分の持っている、皇后陛下がその自分の持っている他のものと一緒に捧げたら、きっと拒む事ができないのではないでしょうか。

私たちのみすぼらしい捧げ物も、マリア様の手を通せば美しくなって、イエズス様は決して拒む事がありません。

第4の理由は、マリア様を通す事によって、マリア様は一体どのように使ったら、天主の最高の栄光になるかを知っているので、私たちが捧げる祈り、功徳、全ては、マリア様の手を通す事によって、「マリア様の最も素晴らしいお計らいによって、天主の最大の栄光の為に使って下さる」という事です。

第5の理由は、このマリア様を通るという道は、最も簡単で、最も短くて、そして完璧で、安全な道だからです。

なぜ最も簡単かというと、マリア様は私たちの良い先生であるからです、良き教師であるからです。どんなに難しい事でも、良い先生が優しく教えて下さるからです。

マリア様は私たちの良い母であるからです。私たちが十字架を簡単に担ぐ事ができるように、お母様としていつも助けて下さるからです。聖グリニョン・ド・モンフォールは、「マリア様は、十字架というパンに付けるジャムのようだ。マリア様がいらっしゃればこそ、私たちは簡単にそれを食する事ができる。」

「マリア様は最も短い道である。」イエズス様は第2のアダムです。ところで第1のアダムは、旧約聖書によると長く生きました、900歳位まで生きました。ところで、イエズス様はマリア様と一緒にいて、そして33歳で既に、その人生の最高に達しました。成聖の頂点に達しました。あっという間にマリア様を通すならば、最短距離で聖徳に達する、という事です。

また聖グリニョン・ド・モンフォールによると、このマリア様というのは、「完璧な道」という事です。何故かというと、イエズス様がこの道を確立したからです。

イエズス様はこの世に来られた時、マリア様を通って来ましたが、またもう一度この世に来られます、再臨されます。その時もやはり、マリア様を通ってこられます。ただ違いは、第1の時には隠れて、ひっそりと、誰も知らない間に来られましたけれども、もう一度その再臨の時には、マリア様を通って、誰の目にも分かるように、公然といらっしゃる事でしょう。

この「マリア様を通る」という道は、イエズス様に行く為に、昔から大聖人たちが通り固めた、最も確実な、そして経験を積んである、聖徳の道です。ですから聖グリニョン・ド・モンフォールは私たちに、「この道こそ、最も安全な道だ」と言います。

もしも私たちが果実を得たいと言うのならば、一番確実に得るのは、この果実の木を頂く事です。「この木は僕のものだから、この実も私のものだ。」

ところで、「イエズス様」という果実を受けるのには、イエズス様を生んだお母様、マリア様を持つのが一番です。もしも私たちが聖徳に満ちて、聖霊の働きを受けて、聖霊の恵みをたくさん受けたいと思うのならば、聖霊と一致している聖霊の浄配マリア様を頂くのが、マリア様を通るのが一番です。マリア様がいらっしゃるところには、悪霊サタンはおりません。マリア様は全く汚れの無い御方であり、無原罪の御宿りであるからです。マリア様はたった一人で全ての、世界中の全ての異端を撲滅させました。

第6に、聖グリニョン・ド・モンフォールは、「マリア様を通す信心は、マリア様に全てを捧げて、マリア様を通して全てをイエズス様に捧げるこの信心は、天主の子供として、内的な自由を与える」からと言います。

第7に、「またこの信心は、隣人に対するより大きな愛徳である」からと言います。

何故かというと、もし私たちが隣人の為に善徳を善業をする、お祈りをする、苦業をする等、心を使うとしても、私たちのそれだけの力では、到底隣人の為にはとても不足だ、というものも、マリア様が自分の効果を付けて、一緒にマリア様によって強められたものであれば、イエズス様にとってますます心を動かすものとなって、隣人により大きな影響を与える事ができる、良い影響を与える事ができるからです。

最後に第8に、聖マリ・グリニョン・ド・モンフォールは言います、「これは、『堅忍』の為に、最後まで耐え忍ぶ事ができる為の、確実な手段である」と。

何故かというと、多くの、かつては「聖人のようだ」と思われた方でも、遂には終わりまで耐え忍ばなかった、という例を時々聞きます。何故でしょうか?

何故かというと、この人たちは、残念ながら、「自分の力で、最後までできる」と思っていたからです。でも本当はそうではありませんでした。「自分ならやれる。あぁ、俺には力がある」と思っていながら、でもその道は険しく、難しく、到底辿り着く事はできませんでした。

ところで私たちは、その力のない、惨めで、もう不足だらけの者ですけれども、マリア様の愛徳と、マリア様の御恵みと、マリア様の忠実さと、マリア様の御優しさがあってそれに助けられるので、最後まで、マリア様の御優しさによって、助けによって、最後まで耐え忍ぶ事ができる、堅忍する事ができる御恵みを特別に頂くからです。

愛する兄弟の皆さん、ぜひ聖グリニョン・ド・モンフォールの『聖母マリアへの真の信心』をお読み下さい。そしてどうぞこの聖母聖月、良い月として、良い5月をお過ごし下さい。

5月13日はファチマの記念日です。どうぞ私たち自身も、マリア様の汚れなき御心に奉献致しましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。


イエズス様の御恵みを生きるために、聖霊の働きを受けるために最も素晴らしい方法 御復活後第4主日の説教 Sermon for 4th Sunday

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