2021年5月1日(初土)証聖者、童貞聖マリアの浄配、勤労者聖ヨゼフの大祝日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父説教(修道院にて)
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日は、勤労者聖ヨゼフの祝日です。この5月の最初の勤労者聖ヨゼフの日はちょうど、今年は初土曜日にも当たっています。
ですから、このミサの直後に、いつもやっていますように、御聖体降福式を行ないましょう。初土の信心を行ないましょう。どうぞ今日のミサ聖祭と、御聖体拝領を、マリア様の汚れなき御心を御慰めする為にも御捧げ下さい。
今日の聖ヨゼフの祝日は私たちに、3つの事を黙想を提案しているように思います。
1つは、聖ヨゼフの全生涯が、勤労者としての生涯が、もちろん素晴らしい職人としての技をした事でしょう。その素晴らしい作品、傑作の数々があったに違いありませんが、それは私たちには知られていません、残っていません。
しかし、聖ヨゼフがなぜこれほどまでに勤労者として素晴らしいかというと、それは、「イエズス・キリストとマリア様の為に」お仕事をなされたからです。
そこで聖ヨゼフは私たちに、「私たちの毎日の目立たない、あるいはこの世の人にとってはつまらないように思えるような仕事を、イエズス様とマリア様の為に御捧げする時に、それは偉大な価値を持つ。永遠の価値を持つ。全世界のあらゆる傑作や、芸術品に勝る栄光を受ける」という事を教えています。
ですから聖ヨゼフの模範に倣って、私たちの日常の生活を、イエズス様の為に、マリア様の為に、御捧げ致しましょう。
第2には、これは、イエズス様とマリア様を愛する為に、聖ヨゼフは全てを尽くした。このイエズス様とマリア様は、教会の神秘体のいわば頭と首ですから、イエズス様とマリア様の為に働く事によって、実は聖ヨゼフ様は、神秘体全ての為に働いていた事になります。
聖ヨゼフ様は今でも天国で、私たちの為に、私たちの命を守ろうと、私たちの為に、私たちが成長するように守っておられる、という事です。今でも心を配っておられる、という事です。
ですから今日、聖ヨゼフ様の特別の保護の元に参りましょう。
第3に最後に、今現代世界は、特にキリストの神秘体は、これから恐ろしい時代が始まるかのような事が、印があります。
日本ではまだそれほどではないのですけれども、アイルランドとかカナダとか、あるいはヨーロッパ、アメリカでは、教会が閉じられたり、「娯楽施設や他の所は、レクリエーションの所は別に問題はないのだけれども、しかし教会だけは開いてはいけない。疫病があるから」などと矛盾した政策や方針が、法律でますます酷くなっていると伝えられています。
教会がもしかしたら、このまま更なる迫害を受けるという事が感じられます。現代のヘロデがもう一度、教会の神秘体を狙おうとしているかのようです。
このような時代に、私たちがいつもイエズス様のミサに与り、秘跡に与り、そして私たちの健康や命が守られる為にも、聖ヨゼフ様に是非特別の保護をお祈り致しましょう。
私たちの未来の子供たちや、私たちの共同体が特別に守られますように、お祈り致しましょう。その為の力と、知恵と、特別の御恵みが、聖ヨゼフ様から与えられるようにお祈りしましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
喜びの玄義 第5玄義黙想
2021年5月1日(初土)御聖体降福式
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父(修道院にて)
『喜びの玄義:第5玄義 この一連を捧げて、聖母が主を聖殿に見出し給いたるを黙想し、その御取り次ぎによりて、主を愛する徳を乞い願わん。』
御聖体の内に真に在し給うイエズスの聖心の御前で、初土の信心として15分間、ロザリオの玄義の1つを黙想致しましょう。
今日は、喜びの玄義の第5玄義、聖母が御子を神殿に見出し給いたるを、その神秘を黙想する事を提案します。
聖ヨゼフは確かに、イエズス様の御受難、十字架の道行と御死去、そして御復活の神秘を直接目の当たりにはしませんでしたけれども、そのリハーサルを、マリア様と共になさいました。
3日間、イエズス様を失い、マリア様と共に、イエズス様がもう一度現れるのを探されました。
イエズス様が12歳の時のこの3日間の苦しみ、聖家族の長が、その存在の目的であるイエズス・キリストを失ってしまった、その苦しみと悲しみ、その責任、ご自分の過失ではなかったのですけれども、イエズス様の、幼きイエズス様のこの苦しみや、あるいはその一人でおられた時の事を思った、聖ヨゼフの心配と同情、それを黙想致しましょう。
聖ヨゼフにとって、イエズス様を見失ったマリア様の苦悩を見るのは、自分の悲しみよりも更に苦しい事でした。マリア様を悲しませてしまった、辛い思いをさせてしまった、それこそが、聖ヨゼフにとって大きな苦しみでした。イエズス様を失い、マリア様をお悲しませしてしまった。
私は、罪を犯して、イエズス様を失い、成聖の状態を失い、マリア様を悲しませてしまいました。それにもかかわらず、どれほど平気でいた事でしょうか。
マリア様と共に聖ヨゼフは、3日間、イエズス様を呼び求めます。
マリア様は聖ヨゼフと共に、イエズス様を遂に、3日目に神殿で見出されます。
「我が子よ、一体なぜこんな事をしたのですか?あなたのお父さんと私は、あなたを探していたのですよ。」
「私が、聖父の仕事をしなければならないという事を知らなかったのですか?」
イエズス様は御生涯の最後に、聖父の仕事を、復活を以って達成されました。御受難によって。
聖ヨゼフとマリア様の御取次ぎによって、私たちも主の神秘に深く与る事ができますように。