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ユディトは童貞聖マリアのかたどりでした。天におられる私たちの御母の力と栄光を、少しでもよく理解できるように、ユディトの栄光について考えてみましょう。

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

明日の9月8日は、聖母の御誕生の祝日です。聖母にちなんで、ドモルネ神父様の聖母被昇天のお説教をご紹介いたします。

聖母の被昇天についての説教 2021年8月15日

ドモルネ神父

はじめに

今日は、童貞聖マリアの被昇天の祝日です。聖母マリアが、天国において栄光を受けられたことをお祝いします。今日の福音では、童貞聖マリアが天主に対して言われた次の言葉を、教会は私たちに読ませます。「私の魂は主をあがめ、私の精神は、救い主である天主により喜びおどります。主が、卑しいはしために御目をとめられたからです。これからのち、代々の人々は私を幸いな女(ひと)と呼ぶことでしょう。全能のお方が私に偉大なことをなさったからです」(ルカ1章46-48節)。

書簡では、教会は、旧約のユディトの物語を参照します。ユディトが民を死から救った後、そのユディトに向けられた賛美を、教会は私たちに読ませます。「天主は今日、あなたの名を高められたので、あなたへの賛美は、主の力をいつも心に留める人々の口から消えることがない」(ユディト13章25節)。

童貞聖マリアの言葉と、ユディトに向けられた賛美の言葉が似ているのは、偶然ではありません。ユディトは童貞聖マリアのかたどりでした。天におられる私たちの御母の力と栄光を、少しでもよく理解できるように、ユディトの栄光について考えてみましょう。

1.ユディトの物語

アッシリアの王ナブコドノゾルは、世界を征服することを決意しました。しかし、イスラエル王国は、ナブコドノゾルの奴隷となることを拒否しました。そこで、ナブコドノゾルは、将軍ホロフェルネスをイスラエルに送りました。ホロフェルネスは、強力な大軍を率いて、山の中にあるベトゥリアの町を包囲しました。するとすぐに、ベトゥリアの人々は、食べ物も水も尽きてしまいました。ベトゥリアの指導者たちは、もし天主が自分たちを救ってくださらなければ、5日後に降伏する、と決めました。ところで、ベトゥリアには、ユディトという名の、真に美しい女性が住んでいました。彼女は未亡人で、とても裕福な人でした。「彼女は、すべての人の間で名声が高かった。彼女は大いに主を恐れ、彼女をとがめることを言う人は一人もいなかった」(ユディト8章8節)。

ユディトは、ベトゥリアの指導者たちが天主を信じないことを非難しました。償いをし、天主の御前にへりくだり、御あわれみを請うよう、彼女は彼らに促しました。そして、ユディトは、将軍ホロフェルネスを殺して、人々を救う計画を立てました。ユディトは自らを美しく飾り、「天主が彼女の美しさを増してくださったので、彼女はすべての人の目に、この上なく美しく映った」(ユディト10章4節)のです。ユディトはベトゥリアを出ました。するとユディトはアッシリア兵に捕らえられ、ホロフェルネス将軍のもとに連れて行かれました。ホロフェルネスはユディトの美しさに魅惑され、彼女を誘惑しようと考えました。ユディトがホロフェルネスの部屋に連れて行かれたとき、ホロフェルネスは泥酔して、眠っていました。そこで、ユディトは力を求めて天主に祈ると、ホロフェルネスの剣を奪ってその首を切り、それをかごの中に隠して、ベトゥリアに戻りました。

翌朝、イスラエル人たちがアッシリア軍を襲撃しましたが、アッシリア人たちは将軍が殺されていたのを見て、恐怖に襲われて逃げ帰りました。ユディトの英雄的な勇気と天主の御あわれみのおかげで、ベトゥリアの人々は救われたのです。このときから、「ユディトはベトゥリアで偉大なものとなり、イスラエルの全地で最も高い名声を得た」(ユディト16章25節)と、聖書に記されています。

2.童貞聖マリアのかたどりであるユディト

ユディトが、いかにして、童貞聖マリアのかたどりであったかを見てみましょう。山の上に住むベトゥリアの人々は、この地上での生活の間、天主の掟に従って生きようと努力するすべての信者を表します。高慢で残酷なホロフェルネスは、悪魔を表します。ホロフェルネスの強力な大軍は、悪魔の手下たちを表します。ホロフェルネスがベトゥリアの人々を包囲したことは、悪魔が、信者を、大罪によって奴隷にして、死後に地獄に落とすために、あらゆる方面から、あらゆる方法で攻撃することを表します。ベトゥリアに住む、真に美しいユディトは、すべての女性の中で、恩寵に満ち、祝福された童貞聖マリアを表します。ホロフェルネスを殺したユディトは、悪魔を踏み砕く使命と力を天主から受けた童貞聖マリアを表します。「私は、おまえと女との間に、またおまえのすえと女のすえとの間に、敵対を置く。女のすえはおまえの頭を踏み砕き、おまえのすえは女のかかとをねらうであろう」(創世記3章15節)。

ユディトが、ホロフェルネスがその寝室にいるところを討ち取ったように、マリアは、完全な謙虚さによって、悪魔が最も気をゆるめるところ、すなわち、その高慢のところを討ち取ったのです。ユディトが剣を使ってホロフェルネスを殺したように、マリアは自分の心を貫いた剣、つまりキリストの御苦しみに共感する心によって、悪魔を打ち負かしたのです。ベトゥリアの人々が、ユディトのおかげでホロフェルネスの軍隊に勝つことができたように、信者は、マリアの助けによって、悪魔とその手下たちに打ち勝つことができるのです。「ユディトはベトリアで偉大なものとなり、イスラエルの全地で最も高い名声を得た」(ユディト16章25節)ように、童貞聖マリアは、被昇天の日に、すべての天使たちや聖人たちの上に立つ、天と地の元后とされたのです。

結論

親愛なる信者の皆さん、聖書のユディトの物語を全部読んでください。これは美しい物語で、短くて読みやすく、霊的生活のための教えに満ちており、皆さんの心に童貞聖マリアへの大きな愛と信頼を起こすものです。

では、この短い説教の締めくくりとして、次のことを覚えておいてください。ユディトは、行動を起こす前に、ベトゥリアの人々に対して、天主の御前にへりくだり、 罪の償いをし、御あわれみと、ホロフェルネスに対する作戦の成功を求めて、熱心に、忍耐強く、天主に祈るように言いました。同様に、童貞聖マリアが、悪魔とその手下たちに対して行動を起こされる前に、私たちは、私たちの主イエズスから、へりくだり、罪の償いをし、御あわれみと、マリアの汚れなき御心の勝利を求めて、熱心に、忍耐強く祈るように、求められています。

もし私たちがそれをしなければ、私たちの生ぬるさへの罰として、私たちの主イエズスは、私たちの心の中にそのような態度をご覧になるまで、マリアの勝利を遅らせられることでしょう。

被昇天の聖母が悪魔を打ち負かし、私たちの主イエズス・キリストの御国を全世界に、特に日本に、広げてくださいますように。


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