2022年3月13日(主日)四旬節第二主日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教(大阪)
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄弟姉妹の皆様、聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
二つお知らせがあります。
一つは、来たる今週の土曜日は3月19日は、聖ヨゼフの祝日です。普遍教会、全世界におけるカトリック教会の守護者の大祝日です。是非この土曜日、日本では守るべき祝日ではありませんけれども、しかし伝統的には教会法によれば、守るべき祝日の一つとなっています。日本では義務ではありませんけれども、しかし是非ミサにいらして、聖ヨゼフに特別にカトリック教会を守って下さるようにお祈り致しましょう。
また特にこのミサに与って、来たるべき聖ヨゼフのミサにおいて皆さんにお願いしたいことは、東京で聖ピオ十世会の固定した常駐の御聖堂が与えられますように、私たちの力ではとても難しいのですけれども、聖ヨゼフによって与えられますように、お願いをして頂きたいと思っています。
ぜひ皆さんのたくさんの寛大な協力を、ミサに与って下さるようにお願い致します。またもしよろしければ、多くのお友達の方も誘ってあげて下さい。
第二は、この教会の入り口にありますけれども、もしも皆さんできれば、「経口避妊薬」という毒が、薬として売られて、それははっきり言ってしまうと、「お腹に本当なら宿っている幼い赤ちゃんの命を、この薬によって殺してしまう」ということです。子供に与えるべき栄養とか、必要な全てをシャットアウトして、子供がもう生きていくことができないようにしてしまう、恐ろしい毒なのです。
ですから、もちろん赤ちゃんのみならず、お母さんにとっても、とても恐ろしい毒で、そのようなものが薬として許可されるというのは、私たちにとってはとても受け入れることができないものです。ですからもしもよろしければ、ご協力を頂ければと思っています。そしてもしもお友達の方にも、その協力を求めて下さることができれば、日本のお母さんも赤ちゃんも健康で、すくすくと与えられた命を守ることができるようにと思っております。
さて、今日は四旬節第二主日ですが、ちょうど御摂理によって、昨日は聖フランシスコ・ザベリオの列聖400周年でした。そこで今日は一緒に、聖フランシスコ・ザベリオのなさったことと、その栄光について黙想しながら、聖フランシスコ・ザベリオの御取次ぎを乞い求めましょう。
特に二つあります。
一つは、聖フランシスコ・ザベリオがこの生きている間なさったことです。それは、聖パウロが今日書簡の中で言っていたことと全く同じことでした。
「イエズス・キリストの聖名によって、あなたたちに懇願する、お願いする。どうかよく理解してほしい。天主の御旨は、あなたたちが聖となることである。神聖なものである、ということを理解してほしい。そして私たちが招かれているのは、呼ばれているのは、不潔の為ではなくて、聖となる為である。天国に行く為である」ということです。
そのことを、聖フランシスコ・ザベリオは若い時に、聖イグナチオの指導の下に理解しました。「たとえこの全世界を儲けても、霊魂を失ったら、霊魂が聖とならなかったら、一体何の意味があるだろうか?地獄に燃やされる身になってしまったら一体、この世での快楽が一体何だろうか?私たちはどうしても御旨を果たさなければならない。聖とならなければならない。」
そしてその呼びかけにまず自分が応えて、そしてその呼びかけをこだまするように、その呼びかけを全世界に行って、イエズス・キリストの元に多くの霊魂を招こう、聖なる召し出しに招こう、とされました。
遂には日本にまで来て下さいました。日本のお殿様の前で、権力者たちの前で、ものすごい財産を持った商人たちの前で、彼らがやっていたことを、その罪を、優しく、しかしはっきりと言いました、「私たちは聖なる者となる為に召し出されている。不潔の為に私たちはここに生きているのではない。だから私たちは真の天主を信じなければならない。イエズス・キリストを信じなければならない。同性愛は罪だ。堕胎は罪だ。赤ちゃんを邪魔だ、と言って殺してはならない。」
聖フランシスコ・ザベリオは勇気をもって、本当のことを包み隠さず、しかし親切に、愛徳を以って、忍耐強く教えました。
現代の人たちがもしかしたら、「一日でも進歩して、一日でも前進して、時代の先端を行って、一週間でも時代の先端を行ったことを発見したい」と言って、色々なことをマスコミやニュースや映画で、YouTubeで宣伝しているかもしれません。
しかし聖フランシスコ・ザベリオは言うでしょう、「いや、あなたたちのやっていることは、2000年遅れている。既にイエズス・キリスト様が、そんなことをしていると不幸になってしまう、ということを教えている。私たちは本当のことを知らなければならない。」今でもそのことを、そう仰って下さるに違いありません。
第二の点は、聖フランシスコ・ザベリオの栄光です。聖フランシスコ・ザベリオの使命は、上川島という中国大陸の目前にある、14kmの沖にある島で終わったのではありませんでした。そこからまだ続いています。天国で、祈りと奇跡を以って、私たちの霊魂たちの救いの為に祈ってて下さっています。宣教の守護の聖人となって下さっています。例えばどんなことがあるでしょうか?
私たちに、日本に一番関わりのある一つの奇跡がありました。それはマストリッリ神父様です。イタリアのナポリで生まれた高貴な、知性的な、そして将来はイエズス会の総長となることもできるような才能のある、能力のある、聖徳の高い、偉大なイエズス会の司祭でしたが、日本でフェレイラ神父が、イエズス会の代表であった彼が転んだ時、そのまさにその時に、致命傷を負って、もう死ぬ直前でした。
その死の直前にいるマストリッリ神父様に現れて、巡礼者の光輝く姿で現れて言うのです、「マルチェッロ!お前は、私が何年も働いて、何年も願ったにも関わらず、それを得ることができなかった『殉教の恵み』を求めよ!自分の血を全てイエズス・キリストの為に流す、その特別の御恵みを求めよ!」と言いながら姿を現したのです。それを見たそのマルチェッロ神父は、その瞬間、病が治って、ケロリとして起きて、そしてイエズス会総長に言って、「日本に行く、日本に行って殉教する許可を求めます。」
実際にマルチェッロ神父様は日本にいらして、そして来るやいなや捕まり、日本では何の宣教の仕事も、あるいは洗礼も授けることなく、本も書くこともなく、ただ殉教する為だけに日本にやってきました。しかし聖フランシスコ・ザベリオが奇跡的に彼に殉教させたのです。
これを以って、「聖フランシスコ・ザベリオは今でも、天国で、必要なものを、必要な御恵みを与えながら、私たちを見守っている。そして必要な償い、あるいは祈り、あるいは犠牲を、私たちが受けることができるように計らって下さっている」ということです。
ぜひ、聖フランシスコ・ザベリオの御取り次ぎを求めましょう。私たちには第2、第3の聖フランシスコ・ザベリオが必要です。イエズス・キリストの教えをそのまま伝える宣教師が必要です。その宣教師が私たちに与えられますように、お祈り致しましょう。
聖母マリア様にお祈り致しましょう。聖フランシスコ・ザベリオは、特にマリア様に信心を持っていました。最初に宣教をする時に持っていたそのマリア様の御影が、まず鹿児島の島津のお殿様のお母様の心を動かして、マリア様の為に、宣教ができるようになりました。マリア様の御取り次ぎをお祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。