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無原罪の聖母の騎士会指導司祭の手紙第18号:救いの最後の手段

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無原罪の聖母の騎士会指導司祭の手紙第18号
カール・シュテーリン神父(無原罪の聖母の騎士会指導司祭)

By Fr Karl Stehlin, Director of the Militia Immaculatæ
Director’s Letter No. 18


「ご覧ください、どれほど多くの人が、まだ『マリアとは誰ですか? 無原罪の聖母とは誰ですか』と尋ねます…あわれなことです! 彼らは自分たちの母を知りません。彼らは、あなたが彼らをどれほど愛しているかを知りません! 彼らはそれについて考えもしません!…それにもかかわらず、このすべてにもかかわらず、あなたはまだ彼らを愛しておられ、彼らがあなたを知り、あなたを愛するようにと願っておられます…。」(聖マキシミリアノ・コルベ神父)

救いの最後の手段

親愛なる無原罪の聖母の騎士の皆さん、

80年前の1942年10月31日、教皇ピオ十二世は、世界をマリアの汚れなき御心に奉献しました。こうして、ピオ十二世は、汚れなき御心への奉献を行った最初の教皇でした。ファチマの聖母が要求なさったロシアの奉献ではなかったとはいえ、この奉献は有益であり、とりわけ第二次世界大戦という罰を軽減することにつながりました。この奉献の日から、戦争終結(1945年の聖母被昇天の祝日に終結しました)につながる重要な出来事は、すべてマリアの祝日に行われました。このようにして、無原罪の聖母は、天主から与えられた力をお見せになったのです。

この機会に、汚れなき御心への信心を深く掘り下げてみたいと思います。ファチマのシスター・ルチアによれば、この信心はロザリオと並んで、私たちの時代における救いの最後の手段です。私たち無原罪の聖母の騎士にとって、したがって、これは、私たち自身にとっても、私たちが聖母の道具として救いに貢献したいと願う霊魂たちにとっても、最高度に重要なことなのです。

シスター・ルチアは1957年の最後の公開されたインタビューで、フエンテス神父に対して、聖母は私たちが終末の時代に生きていることを自分に理解させられたと語りましたが、その理由は次のようなものでした。

「第一の理由は、悪魔が聖母に対して決定的な戦いを挑むつもりになっていると、聖母が私にお告げになったからです。そして、決定的な戦いとは、一方が勝利し、他方が敗北する最終決戦のことです。ですから、私たちはこれから、どちらかの側を選ばなければなりません。天主の側につくか、悪魔の側につくかのどちらかです。他の可能性はありません。

第二の理由は、聖母が私のいとこたちにも私自身にも、天主はこの世に二つの最後の救済策を与えておられる、と言われたからです。それは、聖なるロザリオとマリアの汚れなき御心への信心です。これらは最後の二つの救済策であり、他にはもう何もないという意味なのです」。

決定的な戦いは、生きるか死ぬかの問題ですから、ますます激しくなる性質があり、後退や先送りや交渉は選択肢にはなりません。では、私たちの周りで霊的な戦いが起こり、社会の腐敗が年々進行しているのを見て、私たちは驚くでしょうか? 優れた判断力のある現代人の多くも、このことをある程度は認識していますが、彼らはその霊的な背景も、可能な救済策も知りません。その結果、宿命論【あきらめ】だけが残り、それを極めてつまらない消費や気晴らしで抑えようとしているのです。

一方、私たちは、分不相応にも、個人としてだけでなく社会としても、この戦いに勝利し、好転をもたらすための霊的な基盤や手段を知るという特権を得ているのです。

世界中に、特に最近ですが、ロザリオを公に唱えることが広まっています。この公の祈りによって、世界中の善意の人々が団結し、ロザリオは敵【悪魔】に対する霊的な武器として、また現代の社会悪に打ち勝つ手段として姿を見せているのです。

ロザリオの他に、天主は、マリアの汚れなき御心を、悪があふれているために多くの人々の愛徳が冷えている時代における(マテオ24章12節参照)私たちの時代の救済手段とすることをお定めになりました。私たちの国から、私たちの社会から、イエズス・キリストを追放してしまったため、天主は、いわば、恐れおののきながら(シスター・ルチアの表現を使えば)、最後の解決策として御母を私たちに送ってくださったのです。聖母の母なる御心が私たちを動かし、私たちの冷たさを変容させてくださいますように。それゆえ、マリアは、愛とあわれみそのものである母なる御心を私たちに差し出され、こう語りかけられるのです。「私の子よ、この心に、あなたは避難所を見いだすでしょう。この私の心はあなたを救い、あなたの究極の目標である天主のもとへあなたを導くことができます。天主に導いていただきなさい。天主に自分自身を奉献しなさい」。

もしマリアの汚れなき御心が、いつの日かロシアを変革し、回心させ、教会の凱旋をもたらす力を持つとすれば、それはまた、私たちの心を引き上げ、さらには、しばしば汚物から自分を引き上げるという希望を失っている同胞たちの心を引き上げ、彼らを変革し、天主のもとに導くことができます。つまり、簡単に言えば、彼らを救うことができるのです。

ですから、今年の適切な日に、個人として、また家族あるいは小教区として一緒に、汚れなき御心に自分を奉献することを、私は心からお勧めしたいと思います。すでに教皇ピオ十二世は、この奉献を次の言葉で勧めています。

「したがって、機会があればいつでも、さまざまな教区と各小教区や家庭でこの奉献を行うことが、私の願いである。そして、この私的かつ公的な奉献から、天からの豊かな祝福と恩恵がほとばしり出ることを、私は確信する」(回勅「アウスペチア・クエダム」(Auspicia quaedam)、1948年5月1日)。

このため、「無原罪の聖母の騎士会」(M.I.)は、ピオ十二世が書いた奉献の祈りを含んだ新しい小冊子を、ファチマの精神に基づく9日間の準備とともに配布することになっています。この祈りは、主要な言語でPDFとして、無料でダウンロードすることも可能です。ぜひご活用いただき、できる限り配布してください。

この奉献は、いかなる形であれ、私たちがM.I.で行った無原罪の聖母への奉献と対立するものではなく、その反対に、それをさらに深めるのを助けてくれます。それはファチマの聖母のみ旨に適うものです。

マリアの汚れなき御心への信心を広めることによって、より多くの人々が、マリアが持っておられる最も奥深く、最も個人的で、最も貴重なもの、すなわち、マリアの御心そのものを自分たちに差し出してくださるという愛に満ちた母を持っているということを知るようになりますように。

マキシミリアノ・コルベは、この願いに満たされていました。「ご覧ください、どれほど多くの人がまだあなたを知らず、あなたをお愛ししていないでしょうか。ご覧ください、このあわれな地上において、どれほど多くの人が、まだ『マリアとは誰ですか? 無原罪の聖母とは誰ですか』と尋ねます…あわれなことです! 彼らは自分たちの母を知りません。彼らは、あなたが彼らをどれほど愛しているかを知りません! 彼らはそれについて考えもしません!…それにもかかわらず、このすべてにもかかわらず、あなたはまだ彼らを愛しておられ、彼らがあなたを知り、あなたを愛するようにと願っておられます…ですから、これらの人々はいつ、あなたを知り、あなたを愛し、あなたの平和と幸福で満たされるようになるのでしょうか?…悲しいかな、まだあなたのことを何も知らない霊魂が、どれほど多いことでしょうか!…いつになったら、全世界の生きているすべての霊魂が、あなたの御心の善意と愛を経験するのでしょうか? いつになったら、すべての霊魂が、つかの間の感情によるだけでなく、意志を完全にあなたにお委ねすることによって、あなたに熱烈な愛で報いることができるでしょうか? そうなれば、あなたがすべての人の心を支配し、すべての人の心を、あなたの天主なる御子イエズスの至聖なる聖心に倣うように作り変え、彼らに幸福を与え、彼らを天主のようにすることができるでしょう。このすべては、いつ実現するのでしょうか?…その瞬間を早めるために、私たちは自分自身を捧げましょう。つまり、まず何よりも、私たちの心を完全に聖母の所有物にしていただくことです。それは、聖母の汚れなき御手の道具になることで、祈りによって、また苦しみや仕事を捧げることによって、私たちの能力の限界まで、聖母のために最大の数の霊魂を獲得するためです。死の床で、無原罪の聖母を愛するために多くの疲労と苦しみを耐え忍んだと思えば、どんなに安らかで幸せなことでしょうか…」(「聖母の騎士」(Rycerz Niepokalanej)、1932年3月号)。

暁の星である聖母がおられなければ、私たちはみな方向を見失い、難破してしまうであろう、この困難な時代において、無原罪の聖母が、これまで以上に、皆さんの母、避難所、絶えざる御助けとなってくださいますように!

しかし、聖母の御心の中にいれば、私たちは何も恐れるものはありません。なぜなら、「最後には私の汚れなき御心が凱旋する」からです。最も暗い時にさえ仲間を励ました聖マキシミリアノ・コルベの例に倣って、このキリスト教的な希望を広めましょう。

無原罪の聖母の御心に一致して、皆さんに私の司祭としての祝福を送ります。

2022年6月27日、絶えざる御助けの聖母の祝日に、ワルシャワにて

カール・シュテーリン神父


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