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【参考情報】カナダ先住民寄宿学校問題で事実無根の結論に飛びつく【REAL Women of Canada】

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【参考情報】カナダ先住民寄宿学校問題で事実無根の結論に飛びつく【REAL Women of Canada

Jumping to Conclusions Without the Facts in the Indigenous Residential Schools Question

オンタリオ州オタワ  2021年6月21日

REAL Women of Canada」は、サンダーベイにあるレイクヘッド大学の人類学者、スコット・ハミルトン博士(Dr. Scott Hamilton)の報告書を、会員とその関係者の皆さんに知っていただくべきだと考えています。ハミルトン博士は、「真実和解委員会」(Truth and Reconciliation Commission)の依頼を受け、先住民学校の墓地を再調査しました。博士はこれまで、215人の子どもが埋葬されたと報道されている旧カムループス寄宿学校を含む墓地の問題を広範囲に再調査してきました。

メディアはこの悲劇について、事実を調査せずに数多くの記事を書いていますが、その事実はこの状況に対する別の見方を明らかにしています。

スコット・ハミルトン博士の報告書の要約を添付します。

先住民寄宿学校問題で事実無根の結論に飛びつく

カナダの良識ある人々は、もはやメディアを信じることはできず、メディアから影響を受けることもあり得ません。メディアが信頼や尊敬に値しないことを自ら証明したからです。

メディアが情報操作しており不適切であることは、カムループスの寄宿学校の敷地内にある墓地に、無垢で無力な先住民の子どもたちが埋葬され、忘れ去られているという恐ろしい話で露呈しました。メディアの説明によると、この墓地は、寄宿学校でネグレクトされ、虐待され、捨てられ、その死を隠すために墓地に埋められた子どもたちの集団墓地(通常、戦争犯罪や虐殺を表す言葉)でした。本当だとしたら衝撃的な話になるでしょう。

しかし、オンタリオ州サンダーベイにあるレイクヘッド大学人類学部のスコット・ハミルトン博士は、真実和解委員会に依頼されて、寄宿学校に住み、学校の土地に埋められた亡くなった子どもたちの問題に取り組んできました。この問題に対する博士の調査は、メディアによって作られた認識とは全く異なる、驚くべき話を教えてくれます。以下に記す要約に疑問をお持ちの方は、次のサイトにあるハミルトン博士の44ページに及ぶ報告書そのものをお読みください。https://ehprnh2mwo3.exactdn.com/wp-content/uploads/2021/05/AAA-Hamilton-cemetery-FInal.pdf .

ハミルトン博士の報告書

ハミルトン博士は報告書の冒頭で、以下の理由で、答えを見つけるのが困難であることを説明しています。つまり、先住民寄宿学校の中には、同じ名前で各地に再建されたものがあるため、また、多くの場合、話が一世紀以上に及ぶため、物的証拠を見つけるのが難しいため、さらに、保存されている文書が必ずしも入手できるわけではないため、です。そのため、ハミルトン博士の作業は、現存する文書に焦点を当てました。博士の報告は、カナダにある150のインディアン寄宿学校の約100年にわたる運営についての驚くべき説明になっています。その調査が指摘しているのは、少なくとも3213人の子どもたちが、これらの寄宿学校で死亡したと報告されている、ということです。

アボリジニの死亡率

ハミルトン博士によると、19世紀から20世紀初頭にかけて、多くのアボリジニの人々が健康を害し死亡した主な原因は、伝染病でした。この期間、治療法のない結核が蔓延していたのです。この結核は、他のカナダ人よりもアボリジニの人々に大きな影響を与えました。先住民は、欧州からの新参者の病気に対して抵抗力に限界があったのです。寄宿学校内の生活環境が一般的に悪かったことも、この問題を大きくしたのでしょう。学校に行く前に、この病気に感染していた子どもたちもいたでしょうが、さまざまな教会によって建てられたのではなく、インディアン問題省によって建てられた、混雑し、粗末な寄宿学校の中で感染した子どもたちもいたのです。

1906年、インディアン問題担当最高医務官だったピーター・ブライス博士による連邦政府の年次報告書には、アボリジニの健康危機の程度が概説されています。彼はこう記しています。「カナダのインディアンの死亡率は全人口の2倍以上だった」。1909年の報告書では、ブライス博士が7校の寄宿学校の243人の生徒の詳細な調査を行い、すべての年齢層に結核が顕著に見られると結論付けています。同博士は、「平熱を示す子どもは一人もいなかった」と報告しています。このときの数年間の流行は、結核だけではなく、1918年のスペイン風邪の大流行など、他の病気もありました。この時はまだ、死を食い止めるための予防接種ができませんでした。また、そのころは、ペニシリンなどの抗菌薬や抗ウイルス薬、抗炎症薬もなく、使用できませんでした。1948年までに、学校における先住民の子どもたちの死亡率が大幅に減少したのは重要なことです。1948年以前は、生徒の病気や死亡が多く、その後の死亡率の低下は、医学の発展によるものと思われます。

寄宿学校

1883年以前、プロテスタントとカトリックの宣教師たちは、あらゆる年齢のアボリジニの人々の面倒を見るために、教会や学校、そして場合によっては病院を設立しました。これらの学校は、子どもたちが非アボリジニの社会的、宗教的価値観に順応するための基本的な読み書き能力を提供すること、また彼らがより容易に社会に同化できるようにするための職業訓練校を提供することを目的としていました。

1883年になって、カナダ政府はインディアン問題省の下で、「寄宿学校制度」として知られる、先住民の子どもたちのためのさらに大規模な施設を監督・設立しました。この施設では、ますます支配的になる欧州系カナダ人社会での彼らの雇用と統合を助ける目的で、学問と産業訓練の両方が提供されることになっていました。1920年のインディアン法の改正により、学齢期の先住民の子どもたちを昼間学校【通常の学校】や寄宿学校に送る権限がインディアン問題省に与えられました。その後、1970年代初頭になって、運営されていた寄宿学校の数は大きく減少し始め、1996年にようやく運営は終了しました。

インディアン問題省の埋葬政策について

全く驚くべきことに、インディアン問題省には、1958年まで、寄宿学校の子どもたちの埋葬に関する正式な文書による方針がなく、これは寄宿学校制度が急速に拡大してから、実に75年後のことでした。文書化されていなかったものの、同省の慣習として、長距離輸送の費用が生徒の死亡場所に埋葬する費用よりも低い場合、葬儀費用を支払わないというものがありました。これは、寄宿学校制度の全歴史を通じて行われてきた慣習、つまり、埋葬費を低く抑えておくことで、亡くなった生徒の遺体を故郷のコミュニティーに送り返そうという気持ちを起こさせないことと一致しています。インディアン問題省の長年の対応が示しているのは、通常の場合、学校で死亡した生徒の埋葬費用は学校が負担すると考えられていたことです。これを行う最も費用対効果の高い方法は、学校の敷地内にある墓地に埋葬することでした。この墓地には、生徒の遺体だけでなく、在職中に死亡した学校の教員や宗教関係者の遺体も多く埋葬されていました。時の経過とともに、墓地を囲むフェンスと同じように、墓を示す木製の十字架も劣化していきました。その結果、この墓地の一部は、時とともに失われてしまいました。もう一つの問題は、寄宿学校の墓地の維持管理です。インディアン問題省は、これらの墓地を維持する責任を認めませんでした。この責任は、不十分な政府資金でこれらの学校を運営していた宗教団体に降りかかってきました。また、これらの墓地は、近隣の自治体の住民の埋葬に使われるという問題もありましたが、自治体は墓地の維持管理には一切責任を認めませんでした。

まとめ

インディアン寄宿学校の歴史を通じて、亡くなった生徒を埋葬のために(出身地に)戻したり、学校近くの墓地を維持したりするのを妨げる、財政的な理由による手続きや障壁があったと思われます。墓に刻まれた木製の目印は時間とともに崩壊し、墓地を囲むフェンスも森林の植物で大きく覆われてしまいました。そのため、時の経過とともに、墓地の境界を決定したり、そこに埋葬されている人について知ったりすることも困難になりました。

これらの墓を隠そうとしたことを示す証拠は全くありません。さらに、長い間忘れられていたこれらの墓地に埋葬された子どもたちが、虐待やネグレクトで死亡したという兆候もありません。しかし、メディアの報道によって、そう信じるように誘導されます。寄宿学校の語は、さまざまな観点から心を痛めるものです。しかし、学校を運営したカトリック教会をはじめとする宗教団体が、子どもたちをネグレクトし、死に至らしめた無慈悲な振る舞いをしたと非難するのは、事実に基づけば妥当ではありません。もし過失があるとすれば、それは寄宿学校や子どもたち、そして墓地に十分な資金を提供しなかった連邦政府インディアン問題省にあります。メディアによれば、このカナダの悲劇は、カトリック教会や他の宗教団体の失敗とされています。このことは、宗教的な信仰を貶め、公共の場から宗教を追い出そうとするもう一つの試みです。寄宿学校は、その道具として使われているのです。

【追加の参考情報】
Les pensionnats autochtones au Canada (1)
https://fsspx.news/fr/news-events/news/les-pensionnats-autochtones-au-canada-1-73979

Les pensionnats autochtones au Canada (2)
https://fsspx.news/fr/news-events/news/les-pensionnats-autochtones-au-canada-2-73986

Photo Credit

 


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