2022年12月23日 大阪 説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
二つお知らせがあります 。
一つは、今朝5時30分頃、イグナチオさんが、霊魂を天主にお返しになりました。お亡くなりになりました。皆さんのお祈りをお願いします。ロザリオを愛する祈りの霊魂で、終油の秘跡を授けることができました。Requiescat in pace.
もう一つは、明日はご降誕の前日で、聖伝によれば、大小斎を守る日です。義務はなくなってしまったのですけれども、もしもできればお捧げいたしましょう。
ついに、主の御降誕、あと二日です。おそらく昨日、ナザレトにおられたヨゼフ様とマリア様も、ローマ皇帝チベリウスの勅令を耳にしたことでしょう。
ローマの伝えが田舎のナザレトにも伝わって、各人自分の故郷に行って自分の名前を届け出なければならない、ローマ皇帝は自分の支配下にいる人々の全ての名前を知りたい、その人数を数えたいと思っている、世界支配がどれほど上手くいっているかを知りたい、ということでした。
異教のローマ皇帝が支配するユダヤの国、またユダヤの国もそれぞれ分国王が立てられて、そしてリトリア人が ヘロデが支配していた時でした。
その時、聖ヨゼフは何を思ったでしょうか。
この産気付いている私の妻マリア、天使のお告げによれば、救い主が宿っている。しかし、このマリアを連れて、この寒い白いものが降っている、ちらついている、風の強い今、長旅ができるだろうか。何日も、たとえロバに乗せて旅行するにしても、寒い冬に耐えられるだろうか。宿はどうだろうか。ここに、安全な家に残していた方がよいではないか。私は確かにベトレヘムにダヴィドの子孫として王家の子孫として名前を届けなければならないけれども、しかしマリアは今このような事態だから、私が代わりに届けるので良いのではないか。
非常に迷われたことだと思います。どうするべきなんだ。
マリア様にきっとご相談なさったことでしょう。
するとマリア様は、聖書の言葉を、預言をよく知っていました。「童貞が子供を産む。それはエンマヌエルと呼ばれるであろう。」また、生まれるメシアは、いつ、今この生まれる時が来ている。しかもベトレヘムで生まれなければならない。なぜならば、ダヴィドの街であるから。
だからといって、マリア様はその天主の御摂理に先走ったことはしませんでした。ナザレトにおられてずっと御旨を行うことを待っていました。すると、ローマ皇帝からの勅令が出て、名前を届けなければならない。おそらくマリア様はこれを主の御旨とだと思われたことでしょう。救い主は、なぜかと言うとベトレヘムで生まれなければならないからです。
そこでマリア様は、ヨゼフ様に仰ったに違いありません。
「ヨゼフ、天主の、主の御摂理を信じましょう。何も恐れないでください。私も行きます。一緒に行きましょう。」
「マリア、しかし、この寒い冬、大丈夫か。」
「ヨゼフ、何も心配しないでください。」
この二人の愛と尊敬に満ちた会話を想像いたしましょう。黙想いたしましょう。
主の御摂理を信頼して、旅に出るこのお二人、そのお二人は救い主を待ち望んでいました。天地の創造主、天主の御言葉、永遠の御言葉が人となって、マリア様の御胎内におられます。生ける御聖櫃、生ける契約の櫃となられたマリア様。私たちに救い主を与える、この使命を果たそうと、今ベトレヘムへと寒いなか、旅をされています。
マリア様はもちろん、この旅の時にお疲れになり、あるいはいろいろな心配もあったことでしょう。お金もなかったでしょうし、何が起こるか、どうすれば良いのか、しかしすべて主に任せていました。
ヨゼフ様とマリア様の心に合わせて、私たちも主の御降誕を準備いたしましょう。
主よ、私たちのために来られる主よ、私の心に来てください。私の貧しい胸に生まれてください。
マリア様、ヨゼフ様、イエズス様が私の心に生まれるのを手伝ってください。私のもとに来てください。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。