2022年12月24日 大阪 説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。御降誕の前日のミサを行っています。
今日このミサの直後に、今年最後の、ここでの御聖堂での最後の御聖体降福式があります。その後に洗礼式がある予定です。受洗者のためにお祈りください。
今日は夜の9時から朝課があります。イエズス様のご降誕の準備をお祝いします。真夜中にミサがあります。25日の真夜中、そして25日の夕方の6時にミサがあります。
26日の朝の6時半からもミサがあります。
今日は、イエズス様の御降誕の前日。ですから、マリア様とヨゼフ様に、私たちの思いを馳せることにいたしましょう。
天の王、全能の天主、天地の創造主、全宇宙の所有者、王の王、世界の皇帝、無限の永遠の天主が、今、私たちのために天から降りて、マリア様の御胎内におられ、今お生まれになろうとされています。
いまマリア様の御胎内におられる方がどのような方かということを、マリア様はよくご存知でした。聖ヨゼフ様もよくご存知でした。今日の福音にもあります。聖ヨゼフは天主からの告げを受けて、これは救い主、キリストと呼ばれる方である……と。この二人はよく知っていました。
ですから、この天主のために、御子キリスト、イエズスのために、最もふさわしい場所を、いま一生懸命探しておられます。寒いベトレヘムの夜、風の吹きすさむ外で、マリアさまはどれほど凍えておられたことでしょう。旅をして疲れて、もちろんシャワーもなければ、暖かい暖(だん)を取ることもできなかったこのお二人。いま、ご自分たちのことよりも、生まれてくるべき王について考えておられます。
聖母の胎内におられるイエズス様も、御自分が考えておられるのは、私たちのことでした。人類のために、ご自分の光と祝福と恵みを与えようとして、自分の富を与えようとして、来られようとします。目に見えない天主の愛は、こうやって目に見える形になりました。
もちろん、主は私たちを永遠の昔から愛しておられます。愛によってこの全宇宙を作りました。
しかし、この御降誕によって、主がどれほど愛しておられるかということが、私たちの目に見えるほどになりました。この主の愛を、聖母マリア様も聖ヨゼフも考えていたに違いありません。
天主の全能の愛は、私たちを無から有へと引き出しました。弱き小さき者となった全能の愛は、私たちが滅びないように、私たちを罪から引き出そうと、天主の至福へと導びき出そうとされます。
全能の愛は御言葉だけで私たちを創造しました。人間となられた天主の愛は、苦しみと労働と苦悩によって私たちを超自然の命へと再創造されます。
全能の愛は、御自分の強さにおいて私たちを創りあげました。同じ天主の愛は、御自分の弱さにおいて私たち探し求め愛そうとされます。
天主が人となって、私たちのためにお生まれになろうとする。
預言をすべて成就して、お生まれになる方は救い主キリストである。
全人類が待ち望んでいたその方が、いまお生まれになろうとする。
天使は、喜びの声を上げて歌を歌うことでしょう。
しかし残念ながら、人類は、人々は、この救い主を受け入れようとしませんでした。多くの人は知りませんでした。多くの人は知っていても、それを拒否しようとしていました。ベトレヘムの宿屋の家の持ち主たちは、みな、知りませんでした。イエズス様とその聖家族のために、その場所はありませんでした。
ヘロデは、イエズス・キリストがどなたかを知っていたにも関わらず、あえてそれを排除しようとしました。自分の都合が悪いと思ったからです。
あるいは、ポンシオ・ピラトもそうでした。弱さのために、罪なきイエズス・キリストを十字架に付けます。現代の人々はもう多くが、残念ながらイエズス様を知らないか、あるいは知っていても自分の都合が悪いとその愛を受けようとしません。
聖家族のマリア様と聖ヨゼフ様の御悲しみはどれほどでしょうか。イエズス様の悲しみはどれほどでしょうか。
ですから、愛する兄弟の皆さん、今日はぜひ聖家族のマリア様にヨゼフに「私の胸に来てください」とおっしゃってください。イエズス様にぜひ胸を大きく開けて、イエズス・キリストが私たちをどれほど愛しておられるかを黙想なさってください。
「イエズス様、どうぞ来てください。他の人々が信ぜず、礼拝せず、希望せず、愛さなかったとしても、私は御身を愛します。信じます。礼拝します。希望します。」
おっしゃってください。
マリア様に、ぜひイエズス様に私たちの愛を伝えてくださるようお祈りいたしましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。