聖シメオンと同じように、同じような心構えでロウソクの式にあずかろう
2024年2月2日 お潔(きよ)めのミサの前に、儀式の説明
愛する兄弟姉妹の皆様
ロウソクの祝別の儀式の始まる前に少しお話しさせてください。この儀式にどのような心構えで与るかということをお話しいたします。
今日のお潔めのミサの前には、ロウソクの祝別と、祝別されたロウソクの配布、それから受けたロウソクに火をともしてのロウソク行列があります。わたしたちはこれを持って一階に降りてこの駐車場のところをまわってロウソク行列を行います。その行列が終わりましたら、すぐにミサが始まります。
今日もしもロウソクを祝別したいという方がいらっしゃいましたら、この祭壇の近くの机の上に置いてください。今日の特別のお祈りで祝別いたします。
ではいったいどのような心構えでわたしたちはこのロウソクの行列の式に与るとよいのでしょうか。それは、私たちは聖シメオンと同じように、その聖シメオンがイエズス様と出会った、その時と同じような心構えです。その心でロウソクの式に与りましょう。
祝別されるロウソクは、世の光であるイエズス・キリストを象徴しています。私たちがロウソクを受けるというのは、ちょうどシメオンが主に会いたい、救い主が来ることを心待ちにしていた、あるいは一生かけて待ち望んでいたということです。
約束の救い主が、ちょうどマリア様がお潔めの式に神殿に昇られる時に、マリア様は普通の一般の女性のように見えるけれど、イエズスさまは普通の赤ちゃんのように見えるけれども、シメオンは聖霊によって、この方こそが、預言されていたメシアだと理解しました。
シメオンは、群衆の中をかき分けてマリア様に会いに行きました。おそらくマリア様にどうぞこの赤ちゃんを抱かして下さいとお願いしたに違いありません。待ちに待った救い主はこの方です、と。マリア様はおそらく少しは驚いたでしょうけれども、すぐに理解されて、救い主イエズス様をシメオンにお渡しします。シメオンと同じように、マリア様の手からロウソクを受けてください。
世の光がわたしたちについに与えられた。この赤子こそ異邦人を照らす光、またイスラエルの栄光である、とシメオンは歌います。
この子は、真理の光、誤りと罪の暗闇を追い払う光からの光、正義の太陽です。
この幼子こそ、本当の永遠の栄光です。この世が私たちに約束するはかないうつろな栄光ではなく、陰りのない果てしなき栄光です。
シメオンが歌ったように、わたしの目は主の救いを見たから、もうすぐにこの世を去ってもよい、という思いでこのロウソクを受けてください。そのあとではロウソクに本当に火をつける…世の光であるイエズス・キリストをわたしたちは受けます。真理の光を受けます。そしてその愛の熱を受けます。
ただ光を受けただけではなりません。教会はどうしてもこの世の光を教会の外に出して、行列を行って、多くの人にすべて人に、イエズス・キリストの光を受けるように、この光で照らされるように、愛によって暖められるように、と、望んでいます。
でもそのためにはわたしたちがキリストと一緒に外に出て、キリストの光をもたらさなければなりません。ですから、私たちはイエズス様と一緒にいるということを何もおそれないでください。イエズス・キリストこそが唯一の世の光であって、そしてイスラエルの栄光である。このほかには救いはありません。この光を世界にもたらすために、どうぞイエズス様に協力なさってください。
そして、わたしたちはこのお御堂に戻ってきて、ミサに与ります。考えても見てください。世の光、まことの救いをうけるお恵みが与えられたという特別のお恵みを、考えてください。全人類が何千年も待っていたその救い主がわたしたちに与えられました。そしてわたしたちはその光によって、道を照らされ、それからイエズス・キリストの御体さえも受けることができます。御聖体拝領、教えを受け、お恵みを受け、イエズス・キリストのそのすべてを受けることができます。この恵みに感謝いたしましょう。
このイエズス・キリストこそがわたしたちの栄光のもとであって、イスラエルの本当のわたしたちの栄光です。もしも人々の前で私のことを宣言するなら、わたしもお前たちのことを御父の前で宣言する。しかしもしもわたしのことを恥じるなら、わたしもお前たちのことを恥じる。わたしたちは栄光を誇りに思うことにいたしましょう。主が私たちに与える本当の栄光は、この世の栄光を受けるようなやり方では得ることができません。何故なら、イエズスの精神とこの世の精神は正反対だからです。
シメオンはイエズス様をマリア様に預言しました。この子どもは多くの人の救いと滅びのために立てられる逆らいのしるしなのだ、このイエズス・キリストによって、イエズス・キリストを受けとることによって多くの人は救われる。しかし、イエズス・キリストを拒否することで、キリストに反対することによって、人々は滅びてしまう。その逆らいの印となる。わたしたちは、わたしたちの愛する人々がイエズス・キリストを受け取ることができますように、お祈りいたしましょう。
マリア様にも仰います。あなたの心も剣(つるぎ)で貫かれるだろう、イエズス・キリストを愛すれば愛するほど、イエズス・キリストの苦しみにますます参与しなければならない。イエズス・キリストと似通ったものにならなければならない。マリア様は一番苦しむだろう。心は剣でグサグサに痛めつけられるだろう。
わたしたちも、このミサ、祈りをささげてマリア様の心をお慰めいたしましょう。
今日は初金曜日ですから、マリア様の御心を通してイエズス様の聖心に、今日のミサ・御聖体拝領をお捧げいたしましょう。ではいまから聖なる儀式が始まります。