聖霊降臨―聡明の賜物
ワリエ神父 2024年5月19日
ヨハネ14章16-17節
私は父に願おう。そうすれば、父はほかの弁護者をあなたたちに与え、永遠にともにいさせてくださる。それは真理の霊である。
ヨハネ14章26節
弁護者、すなわち父が私の名によって送り給う聖霊は、すべてを教え、あなたたちの心に私の話したことをみな思いださせてくださるだろう。
ヨハネ16章7節
私が去るのはあなたたちにとって良いことである。私が去らぬなら、あなたたちには弁護者が来ないからである。しかし去ればそれを送る。
ヨハネ16章12-13節
私にはまだあなたたちに話したいことがたくさんあるが、今あなたたちはそれに耐えられぬ。だが、その方、つまり真理の霊の来るとき、霊はあなたたちにあらゆる真理を教えてくださるであろう。
私たちの主が地上におられたとき、使徒たちは「あさはか」だったのです。
→彼らは、この世の王国と、この世のメシアを期待していました。
→彼らは、主の御受難に関する私たちの主の預言の意味を理解することができませんでした。
聖霊降臨のとき、使徒たちは「聡明(理解)の賜物」を受けます。
聡明(理解)の賜物は、信仰の神秘についての深い洞察と鋭い直感を与えます。この賜物は、信仰の徳を完徳に至らせます。聖トマスによれば、「まさにこの世において、聡明の賜物によって霊の目が清められるとき、ある意味で、人は天主を見ることができる」(神学大全II-2部、第69問題)。
したがって、この賜物は、それを持つ人に三つの主な効果をもたらします。
1)その人は、啓示された真理について、その意味を完全に理解していなくとも、その核心にまで到達することができるようにされ、
2)啓示された天主の言葉への大きな確信を得ることによって、自分たちの信仰において固められ、
3)啓示された原理から多くの結論を引き出すことによって、さらに多くの真理を知るよう導かれます。
そこで、聖ペトロは、
→私たちの主の使命を「理解します」
(それはもう、「あなたがイスラエルに王国を復興されるのはいつですか?」ではありません。)
聖霊の影響の下で、ペトロは「あなたはキリスト、生ける天主の御子です」(マテオ16章16節)と言うことができたのです。
→預言
使徒行録2章16節 これは預言者ヨエルの言ったことである。(ヨエル2章28節)
2章17節 主はこう仰せられる。末の日になれば、私の霊をすべての人の上に注ごう。すると、おまえたちの息子たちや娘たちは預言するであろう。
使徒行録2章25節 実にダヴィドは彼について言っている。(…)(詩篇15篇10節)
2章27節 あなたは私の霊を死者の所に捨て置かず、あなたの聖なる者の腐敗するのをお許しにならぬ。
使徒行録2章34節 ダヴィドは天に昇りませんでしたが、「主は私の主に言われた。『私の右に座れ、
2章35節 私があなたの敵をあなたの足台にするまで』(詩篇109篇1節)」と言っています。
2章36節 したがって、イスラエルのすべての人は、あなたたちが十字架につけたそのイエズスを、天主が主としキリストとされたことを、しかと知らねばなりません。
私たちは洗礼のときこの賜物を受け、堅振のときにさらに多くを受けました。聖母のように、聖霊に素直になりましょう。そうすれば、聖霊は、「私たちにあらゆる真理を教えてくださ」り、私たちの主イエズス・キリストを通して御父に導いてくださるでしょう。
【この記事では聖霊の七つの賜物の一つ Intellectus (英語:understanding) の日本語の訳語として当てられている「聡明」を使っています。】