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Channel: Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた
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「主よ、何故あなたは寝ているのですか?起きて下さい。私たちの苦しみを忘れてしまったのですか?さぁ、助けて下さい。」

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

2017年2月19日(主)に東京で聖伝のミサを捧げました。その時のお説教をご紹介いたします。

天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

2017年2月19日(主日)六旬節の主日のミサ
小野田神父 説教

聖なる日本の殉教者巡回教会にようこそ。

今日は2017年2月19日、 六旬節の主日のミサをしています。
2017年はファチマの100周年ですから、いつものように退堂の歌にはファチマのアヴェ・マリアを、そして聖体拝領の後のミサの後の祈りにはファチマの祈りを付け加える事に致しましょう。皆さんに一緒に声を合わせて唱えて下さい。

今日の午後14時30分からは、映画の「サイレンス-沈黙」の中に描かれなかった事実についてお話をしたいと思っています。16時からは主日の第2晩課があります。明日は朝の7時からミサがあります。

3月は第1主日・第3主日で、3月5日と19日です。

それから3月1日は灰の水曜です。カトリック教会の掟によれば、成人の21歳以上から59歳までの全ての健康な成人の男女は、この日に大小斎を守らなければなりません。また成人に達していない人でも、14歳以上はもちろん小斎を守らなければなりません。

この大小斎は昔は40日間ありましたが、今では何と灰の水曜日と聖金曜日の2日だけが義務です。どうぞこのせっかくのチャンスを見逃さないように、灰の水曜日の義務を、大小斎の義務をお捧げ下さい。3月1日、灰の水曜日です。


“Exsurge,quare obdormis,Domine? oblivisceris tribulationem nostram? ”
「主よ、何故あなたは寝ているのですか?起きて下さい。私たちの苦しみを忘れてしまったのですか?さぁ、助けて下さい。」

聖父と聖子と聖霊との御名よりて、アーメン。

愛する兄弟の皆さん、今日公教会は六旬節の主日を祝っています。実は新しい典礼では、この七旬節・六旬節・五旬節というのが無くなってしまって、四旬節がいきなりスタートします。

一体何故、その七旬節とか六旬節とか五旬節とかがあって、一体教会は私たちに何を求めているのでしょうか?今日のメインテーマは、教会が私たちに求めている事とは、伝えたいというメッセージは主要なメッセージは何でしょうか?

2つあります。それは、「四旬節が近寄って来ます、来ていますよ。さぁ準備をして下さい」という事と、あと「バーゲンセールですよ、大儲けの機会ですよ。さぁ機会を逃さないで下さい、大チャンスですよ」という2つのメッセージです。

そこでこのメッセージを皆さんに是非知ってもらいたいと思っています。この2つの教会の主要な中核のメッセージを黙想した後に、遷善の決心を立てる事にしましょう。

まず第1のポイントは「六旬節」、新しい典礼ではその言葉はなくて、聖伝のミサのこのカレンダーにはある。「一体何の為にあるのですか?」「一体何なのですかこれは?」「What’s this!?」

これは、公教会が典礼を有機的に、人々の信心のその燃え立ちに合わせて、その燃える信心を助けるように、長い歴史を通して徐々に付けられたものです。これは「イエズス・キリストの40日の祈りと断食に倣って、イエズス・キリストの花嫁である公教会も祈りと断食をしよう」と復活祭の前の40日間をその定めた時に、いきなりオリンピックの選手が、「さぁここがスタートラインだ、さぁ走れ、」と言われても走れないように、私たちにはその前に40日間のマラソンを、マラソンは42キロ走ると言いますけれども、40日間の長い長距離を走る為にはそれなりの準備が必要だ、という事がよく分かっていました。

そこで母親の心を以て、私たちをウォーミングアップして準備して、「さぁいいですか、今から」コーチがやって来て、「さぁ、ピピピピピ、皆さんいいですか、2017年の3月1日はスタートですよ。3月1日には皆さんこのラインに並んで、ボーンといったら走りますよ。 40日間あります。この目的地は、天国の朽ちない栄冠です。金メダルを取ります。この私たちの受けるべき栄冠は、単なる儚い、つまらない、惨めなおもちゃの様な物ではありませんよ。天主の御子が命をかけて、御血潮をかけて贖った、変える事のできない天の栄冠ですよ。それに向かって走ります。さぁ、スタートラインですよ、3月1日ですよ、いいですか、集まって下さい。」
「その前にウォーミングアップしましょう。さぁ服はいいですか、あまり重い服を着ていると、ハイヒールを履いていると、或いは重いドレスを着ていると走れませんよ。さぁ身軽になって下さい。柔軟体操をしますよ。ウォーミングアップで、はいジョギングをします、はい1、2、3、」とやって、「いいですか、体も心も準備をして下さい」というのが七旬節・六旬節・五旬節です。

どこに行くのか、どこに向かって、ゴールがどこなのか、というのを教えたのが七旬節でした。聖パウロは言っています、「私たちは、朽ちない王冠を得る為に走っているのだ。皆オリンピックの選手は金メダルを取る為に走っている。私たちも金メダルの為に走るのだ。」

見て下さい、日本の選手が銀メダルを取って泣いて泣いて、「金メダルを取れなかった、悔しい、金じゃなければ価値がない」と言ってるじゃないですか。聖パウロも言います、「そうです、天国に行かなければ価値がない。もしも天国に行けなかったら、この世でいくら成功しても全く価値がない。目指すは朽ちない冠だ、さぁいいか」と。

ちょうどこの七旬節・六旬節・五旬節が無くなってしまったというのは、新しいミサでは司祭の叙階式が全く変わってしまって、ガラリと変わってしまって、1世紀から、少なくとも記録に残ってあるには2世紀からあった叙階の秘跡の7つの段階、下級4級そして上級3級の秘跡、それが無くなってしまって、ただ助祭・副助祭だけになってしまって、神学生がスータンも着ずに、守門、祓魔師、或いは読師、或いは侍祭、それから副助祭、助祭、司祭というその7つの内その段階を経て心理的に、また霊的に訓練を受けて、徐々に司祭職を目指して、教会が少しずつ権能を与えていって準備させていったのが、いきなり無くなって、「さぁ、明日からいきなりあなたは助祭だ」「司祭だ」と言われた時に、残念ながら多くの司祭が途中で辞めてしまった、という話を聞きます。

何かそれと同じ様で、もしかしたら40日間、「あぁ灰の水曜日と聖金曜日だけ大斎を捧げれば良いんだから、そんなに何も大騒ぎしなくてもいいんじゃないか」と言って、もしかしたら準備の期間を切り取って、ウォーミングアップを切り取ってしまったのかもしれません。しかしその典礼委員会の博士が偉い人が、「あぁこれは無駄だ」と切ってしまったのかもしれません。

しかし、私たちの人間の心理と霊的な発展の必要をよく知っていた公教会は、2000年の歴史の権限をもって私たちに、「さぁ四旬節が来ますよ、準備はいいですか、準備をして下さい。あと10日ですよ。」と私たちに愛をもって、準備の招きをしています。


それで六旬節では、それのどんな霊的な、どんな心理的な準備が必要なのか、どんなコンディションで走ったら良いのか、どんなコンディションでやるべきなのか、その私たちのこの走る意義とは何かについて詳しく話そうとしています。

それが第2のポイントです。もしもこの準備がなかったとしたら、「さぁ」と、いきなりドーン!といったら、「え!?一体どこに向かって走るのか」「え!?何で走るの?この走って何の意味があるのか?」走りきれない可能性が多いからです。

では今日の、あと10日残る、今日の教会の第二のメッセージの核心とは何でしょうか?

それは、今日入祭誦でまず、出された疑問に聖パウロが答えるという形で答えています。福音ではイエズス様がまた別の形で答えるのですけれども、今日は特に聖パウロの話に注目致しましょう。入祭誦では一般の人のように口を借りて、「何故、主よあなたは眠っておられるのですか?何故私はこんなに苦しんでいるのでしょうか?私をどうか助けて下さい、救って下さい、さぁ早く起きて下さい。あなたは寝ているのですか?私の事を忘れてしまったのですか?さぁ、」

聖パウロは言います、「ちょっと待った。いいですか。私は今からとても大切な事を言いたい。私たちの人生の価値がどこにあるか、一番私たちの誇りとするべき栄光とするべきはどこにあるか言う、その秘密を教える。」

「それは、私たちの一番価値があるのは、たとえもしも天国に、私が天国に行って天主の天地創造の大秘密を見て、人間の言葉で言う事ができないような秘密を知ってしまって、そしてこの全宇宙の、そしてこの贖いの神秘の、そして天主の秘密の奥深くの奥義まで染み通って入って、染み込んで入って、そしてその事を理解して、人間の言葉では言う事ができないその奥義を会得した。それを私は誇らない、そんなのは何でもない。」

「何故かというとそれは、主が無償で下さった御恵みだから。たとえ私が全世界を行って何百万人に福音を告げ知らせて、そして回心させた。私はそれを誇らない、それが重要なのではない。私が誇るのは何か。イエズス・キリスト様の為にこれほど苦しんだ、何度船で遭難したか、何度飛行機で墜落しそうになった事か、泥棒に遭った事か、海で溺れそうになった、」その迫害の記録のレコードを、聖パウロは誇るのです。

「そしてイエズス様は、私が第3天に上げられて、天主と直接と会って、その秘密を知ってしまったという事を誇らないように、わざと棘が与えられた、肉体に棘が与えられた。『その棘を取って下さい』と言ったけれども、『いや、お前には私の聖寵でお恵みで十分だ』。」

聖パウロは言います、「私はこの自分の弱いところを誇る。私が苦しんでいるところを誇る。何故かというと、自分がこの弱いところに、キリストの力が現れるからだ。だからこそ私はこれを誇る。」

アシジの聖フランシスコがある時に、兄弟レオに言われました、「完全な喜びとはなんですか? 全世界がフランシスコ会になって、多くの人々が兄弟のもとを慕ってフランシスコ会になっています。その事は嬉しいですか?」
「いや、兄弟レオよ、そうではない。それが私の至福ではない。」
「それでは、兄弟が街中を歩いて多くの人がイエズス様の福音の事を知って、多くの人が回心している。それを至福だと思いますか?」
「兄弟レオよ、そうではない。」
そして色々な聖フランシスコが行なった奇跡や、或いは偉大な業を言います、「これがあなたの喜びですか?」
「おぉレオよ、そうではない。」
「おぉ兄弟フランシスコ、言って下さい、あなたにとって一番の幸せは何ですか?」
するとどうも数日前にあった、本当にあった話をフランシスコは言うようです。

「もしも私が宣教の為に仕事をして帰って、夜帰って来て、姉妹の分院の修道院に夜遅く行ってドアをノックする、ノックノック、『お~い、開けてくれ、私は兄弟フランシスコだ。今冬で凍えて寒い、どうぞ中に入れて下さい。』すると中から声が聞こえてくる、修道院長の声だ、『お前は誰か。』『私は兄弟のフランシスコです。』『嘘だ!おまえはここに入る事はできない。』、『いや、そんな事はありません、フランシスコです。』『いや、フランシスコはこんな夜中には入って来ない!出て行け!』そして仕事をして疲れた時に、兄弟から受け入れられずに、そして外の凍える所で、寒さに震えながら苦しむ。これが私の至福だ、兄弟よ」と言って、ニコッと笑ったそうです。

聖パウロも同じく、「イエズス・キリストの為に苦しんだ。これを誇りとする。何故かというと、ここにこそ価値があるからだ」と言うのです。

考えてもみて下さい、皆さんがご結婚なさる時に、将来奥さんになろうとする方に、「君の為にこれほどこうした、こうした。これほどこれはこうした。君の為に何千キロの道をやって来た。雨が降っているので傘を持って来て待っていてあげた。君の為にこんなに苦しんだ。ただそんな事は何でもない、さぁ全て君の為だ」と言うほどかっこいい言葉はないではないでしょうか。

「イエズス・キリストも私たちの為に、十字架の命を、十字架で御自分の命を血潮を流した。だから私たちも、この四旬節の間に、祈りと犠牲で、キリストの為に小さな苦しみを捧げる、私たちの十字架を捧げる、ここに価値がある。」「しかも四旬節には、私たちの十字架には祈りには、普通の時にはなかった特別の価値が付けられるバーゲンセールだ。本当ならこのような価値を、これほどの功徳を積む為には1万円払わなければならないところを、今回は100円で買えるという特別の時期が来ている。さぁ私たちも身を引き締めて聖パウロに倣おう」と教会は言っています。

では、第三に、私たちはどのような遷善の決心を立てたら良いでしょうか?

どうぞ宝くじを、或いは教会が、「さぁ、これこそが競馬の穴場だ、この馬が勝つ。これを買って下さい。誰も買っていないので今は安い、全財産を払ってもこれをこの馬を買って下さい、そうすれば何千倍になって戻ってきますよ」という時に是非その言葉を聞いて、その馬に賭けて下さい。

「四旬節で何百倍になって返って来ますよ。今の私たちの祈りと犠牲は、ものすごい価値が付きますよ。」どうぞそれに寛大に応えるようになさって下さい。この四旬節を、寛大に祈りと犠牲を以て過ごす事ができるように、心の準備をなさって下さい。

主は私たちの苦しみを忘れているのではありません。私たちに、苦しみをとおして、霊魂たちを救うように、多くの価値を得るように、主はお望みなのです。私たちはそのことを目覚めて理解しなければなりません。

第2に、特に今年はファチマ100周年ですので、皆さんにはマリア様の、ファチマのマリア様を通して、この四旬節を捧げて頂きたいと思っています。何故かというとイエズス様は、「マリア様の汚れなき御心は、私の愛と光が集まる焦点であって、全てがそこに集まっているからだ。また私の憐れみの恵みの生ける水の湧き出る泉であるから。」

ですから私たちはこの四旬節という特別の時期を、マリア様の焦点に合わせて、マリア様に合わせて捧げる事によって、更に効果を持たせる事ができます。ですから是非この最も効果的な、最も私たちにとって善徳に進歩する事ができる恵みの時を逃がさないようになさって下さい。

是非40日間完走するようになさって下さい。心の準備をうまくする事ができるように、マリア様の汚れなき御心にお願いする事に致しましょう。

「主よ、起きて下さい。何故寝ているのですか?私の苦しみを忘れてしまったのですか?」

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

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