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聖母の汚れなき御心への奉献更新のため:イエツセの株よりの一の枝

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四日 イエツセの株よりの一の枝

イエツセの株(かぶ)より一の芽(め)出(い)で、其の芽より一つの枝生(は)えて実(み)を結(むす)ばん。
(イザヤ書一一。一)

これはイザヤが聖母に就いて予言した言葉であるが、ここに云う枝とは即ち童貞女、聖マリアを意味し、実(み)とはその御子イエズス・キリストを指(さ)すのである。
 天主は御独子(おんひとりご)を世に送り給う時、その肉身の母として、新たに罪の汚(よご)れに染(そ)まぬ婦人を創(つく)り給わず、却ってアダムの子孫の中から一人の少女を選び給うた。
 その訳は始め天主が人間を創造し給うには、何物をも待たず、全くその全能の力にのみより給うたのであるが、我等、人間を救い給う為にはその御事業に人間の与(あずか)る事を望(のぞ)み給うたからである。
 それ故(ゆえ)にまた救いの御事業を実現し給う時機も、世の人々の心の状態によって定め給うた。もしも世の始めの子孫が憐(あわ)れみ深い天主の聖(み)旨(むね)を悟(さと)り、早速それに従い身を慎(つつし)み徳に励み奉ったならば、人類は何も四千年の永い間、救いを待つ必要はなかったであろう。
 何となれば天主の御心には、最早、救い主の御母が選ばれて居り、その現世(このよ)に現れ給う時期は、唯、祖先の心がけと準備によって定まる筈であったからである。しかるにアダムとエワの子孫は、人(じん)祖(そ)と違ってかの楽園の幸福を忘れ、却って堕落(だらく)せる本性(ほんしょう)に従い、益々悪に奔(はし)り、憎むべき罪に溺(おぼ)れてしまう有様であったから、天主は救いを与え給うどころか、かの恐ろしい大洪水を以て義人ノエの一族を除く外(ほか)は、尽(ことごと)く滅(ほろ)ぼし給うの余儀なきに至ったのである。
 けれども救われたノエの子孫も、正しい道を踏み外(はず)したので、天主は更に其の中から義人アブラハムとその子孫とを選び、これに優(ゆう)渥(あく)な祝福を賜(たま)うた。この祝福こそイザヤ予言者に云われたイエツセの株(かぶ)である。
 罪に依って蛇の毒が人間の心に深く食い入っている間は、到底その血統から潔(きよ)き救い主の御母を起こす事は出来ない。それで天主はその祖先が先ず犠牲と罪の償(つぐな)いを献(ささ)げて、次第に心の病毒を減(へ)らし、その肉身を潔(きよ)くし、以て清浄(しょうじょう)無垢(むく)の少女(おとめ)の祖先(おや)として相応(ふさわ)しい者になるまでお待ちになる必要があった。
 その準備の整(ととの)うにつれ、人の心には救い主に対する憧憬(あこがれ)がいよいよ強くなり、アブラハムに与えられた祝福は漸次(ぜんじ)その効果を現(あらわ)し、神の聖寵(せいちょう)は恰(あたか)も最初一滴に過ぎぬ水が、やがて泉となり小川となるように、次第にその量を増し、聖母の御両親ヨアキム・アンナの時代には大河の如く漲(みなぎ)り、その御子聖マリアに至って遂に溢(あふ)れるばかりになったのである。
 故に大天使ガブリエルが彼女に現れて「めでたし聖寵(せいちょう)充満(みちみ)てるマリア!」と 挨拶されたのも決して褒(ほ)め過ぎの言葉ではない。ここに於いてイエツセの株(かぶ)より一つの芽(め)出(い)で、その芽より一つの枝が生(は)えた。この枝が約束せられた実(み)を結(むす)ぶのである。
 以上は人間の歴史に於ける救いの準備であるが、我々各自の救いも同様に犠牲に対する熱心な努力を必要とする。わが心に主イエズス・キリストを宿(やど)し参らせるには、どうしても悪(あく)慾(よく)を抑(おさ)え五官を慎(つつし)むなどの犠牲を献(ささ)げねばならぬ。
 洗礼の際、我等の心に植えられた成(せい)聖(せい)の聖寵(せいちょう)という枝は、今なお、青々と茂っているであろうか?或は見る影もなく枯れ果(は)ててしまったろうか?もし枯れ果(は)てたとすれば、我等に犠牲の精神が欠(か)けていた為ではないか。
 我等は今後、聖母を尊敬する為にも、もっと此の精神を盛んにしよう。何となれば聖母は祖先の犠牲の功徳(くどく)に依(よ)って世に現れ、御自分も犠牲の生涯を送って聖子(おんこ)の救世(きゅうせい)の事業を助けられたからである。

   祈   願

 ああ聖母よ、願わくは洗礼の時に我等の受けたる聖寵(せいちょう)の枝をいよいよ伸(の)び且つ栄(さか)えしめ、御身の実(み)なる主イエズス・キリストを我等の枝にも生(しょう)ぜしめ給え。
 亦、不幸にして既(すで)に枝の枯れたるものには、何卒(なにとぞ)その心の悪(あく)慾(よく)、汚(けが)れ等を去り、誘惑(ゆうわく)を絶(た)ち、之を助けて速(すみ)やかに蘇(よみがえ)らしめ給わん事を、恭(うやうや)しく天使祝詞(しゅくし)
三度繰(く)り返して願い奉る。

(天使祝詞 三度)


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