2019年2月16日(土)無原罪の童貞聖マリアのルルドにおける御出現の随意ミサ
小野田神父説教
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2019年2月16日、聖母の土曜日ですが、随意ミサでもう一度、ルルドのマリア様の御出現のミサをしております。
今日このミサの感謝の祈りの後に、御聖体降福式を致しましょう。日本と世界の平和の為に、日本で聖ピオ十世会の修道院が確立される事ができますように、多くの召命が出ますように、またこの御聖体降福式の中で、マリア様への聖母の騎士としての奉献も致しましょう。
来月は3月の1・2・3・4と、初金・初土・主日・月曜日とミサがあります。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日、ルルドの聖母の御出現の随意ミサを捧げているので、
⑴ルルドでは一体どんな事があったのか?
⑵マリア様は一体、私たちに何を仰りたいとしていたのか?
⑶マリア様のお望みの為に、私たちは一体何をする事ができるのか?
⑷私たちは2019年の2月に、一体どのような遷善の決心を立てるのが良いのか?
を黙想致しましょう。
⑴皆さん、このルルドの話は非常に有名です。日本と非常に深い関わりがあります。これは、マリア様と日本がどれほど深く関わっているか、という事を雄弁に話す物語の一つです。
マリア様は、まだ日本が鎖国をしていて、キリスト教を迫害している1858年2月11日に、日本の建国記念日に、フランスのルルドで現れました。18回お現れになりました。2月11日から7月16日まで、この18回ご出現になった事を詳しく分析すると、最初の3回と、そして残りの15回に分けられて、そしてこの残りの15回は、ロザリオの15の玄義に相当する、という事が分かります。
マリア様がルルドで話された内容は、今日2019年2月16日に生きている私たちに、まさにピッタリと心に響きます。
ルルドでは聖ベルナデッタにお現れになりましたが、その聖ベルナデッタに修道女になるように、そして修道誓願を受けたのは何と、日本の再布告の為に日本をマリア様の汚れなき御心に奉献したフォルカード司教であって、その司教様をベルナデッタの元に引き寄せて、そして修道女として奉献させました。
世界中で司教様は何千人といました。ルルドでマリア様を見たこの乙女と、そして遠く
日本にまで行ったこの司教様を、一体なぜ天主様はここで引き合わせたのでしょうか?偶然ではありません。御摂理はそれを望みました。フォルカード司教様は実はアジアを去った後には、カリブ海にある西インド諸島のグアダルーペ島という所に司教として働くようになります。しかしその後フランスに戻りベルナデッタの元にいました。ベルナデッタが愛徳女子修道会に入会することを勧めました。天主はそうする事によって、日本との関わりを深く強調しています。
⑵マリア様が聖ベルナデッタを通して私たちに仰っている事は、いくつかあります。
その最初の言葉は、そのメッセージの内の核心の1つは、昨日の殉教者の聖ファウスティノとジョヴィタが私たちに伝えようとしたメッセージと同じです。つまり、マリア様は私たちに、幸せを約束する。ただしこの世ではなくて、後の世に、です。マリア様は1858年2月18日木曜日の三回目の御出現で初めてこのお言葉を口にします。
「私はあなたをこの世で幸せにするとはあなたに約束しませんが、しかし来世においてはそうします。」"Je ne vous promets pas de vous rendre heureuse en ce monde mais dans l'autre".
つまりマリア様は私たちに、永遠の至福の救霊を望んでおられて、その為に、天国からはるばる私たちの元にやって来た、という事です。「私たちの人生の究極の目的は、この世をエンジョイする事にはなくて、永遠の救いの為にある」という事です。
これは現代、非常に忘れられている真理です。「私たちの人生の目的は、永遠の命を得る事にある。私たちの報酬は、何億円の退職金をもらう事でも、何億円の給料をもらう事でもなく、この世の終わりに、最後に、天主様から、イエズス・キリスト様が私たちの為に勝ち取って下さった、一旦は失われたけれども御血を払って勝ち取って下さった、永遠の命を得る事にある。」「永遠の幸せ」という事です。
そしてそれをマリア様は私たちに約束して下さいます。この世での幸せはマリア様は約束するのは難しいかもしれないけれども、永遠の命は約束できる。これは私たち一人一人個人的に仰ったのではなく、「できるだけ多くの霊魂を救いたい」という母の心からでした。フランスのルルドの片田舎にお現れになりながら、マリア様は日本の、日本に住む多くの霊魂たちの救霊を考えていたに違いありません。
私たちはこの日本の、日本列島に、永遠の命を受ける為に作られ、生まれてきました。そして今、日本の地に太陽が上がるのも、そして雨が降るのも、これは「この地上での生活の後に、遂には永遠の命を得る」という目的の為です。日本の地に、是非とも正義の太陽であるイエズス・キリストが昇らなければなりません。イエズス・キリストによる御恵みが燦々と日本に降り注がなければなりません。永遠の命へと導かれなければなりません。マリア様はそれを私たちに、日本の全ての人々の為に望んでいます。
ルルドでマリア様は仰った事はまだあります、「償いをしなさい。償いをしなさい。償いをしなさい。罪人たちの為にお祈りをしなさい。」(第8回目1858年2月24日水曜日)でした。"Pénitence, pénitence, pénitence. Vous prierez Dieu pour les pêcheurs. Allez baiser la terre pour la conversion des pêcheurs.".
これを見るとマリア様は、罪人たちが哀れで、この罪人たちを救いたい、イエズス・キリストを知らない、イエズス・キリストに対して罪を犯している人たちを救いたい、彼らを許したい、天国に導きたい、との母の心で溢れています。
それで私たちにお願いするのは、聖ベルナデッタを通して私たちにお願いするのは、「この彼らの為にお祈りして下さい。この罪人たちがイエズス・キリストを知って、永遠の命に導かれるように助けて下さい。その為に、彼らに代わって罪の償いをして下さい、痛悔をして下さい」という事です。
そしてもしもマリア様が、「私は、この地上での生活の喜びをではなく、後の世の幸せを約束する。イエズス・キリストの命を約束する」と言ったのが喜びの玄義であり、「罪人の回心の為に祈りをしなさい。償いをしなさい」と言ったのが苦しみの玄義に相当するならば、マリア様は最後に、1858年3月25日に、御自分の名前を明かして、「私は無原罪の御孕りです」"Que soy era l'immaculada Concepciou" (je suis l'immaculée Conception).と言われました。これは栄えの玄義に相当します。
マリア様は聖霊の生けるイコンであって、聖霊と全く同一の、聖霊と同じ事を考え、同じ事をなさる、聖霊のお望みのままに生活される方です。ですからマリア様は私たちに、聖霊の御恵みを自由に、豊富に、満ち溢れるほど与えて下さる事ができます。
ルルドのマリア様に対して非常に深い信心を持っていた、マリア聖人、聖母信心の深い聖人がいます。その中でも特にマリア様に狂ったようになっていたのが、マキシミリアノ・コルベ神父様でした。ルルドの聖母の熱狂的な信心家でした。そのコルベ神父様はポーランド人で、ポーランドで大活躍をしますが、しかしこのコルベ神父様をマリア様は、そのポーランドから日本に送られました。これはマリア様が、ルルドのマリア様が日本をどれほどお愛しされていたか、というその証拠の1つでもあります。
そのコルベ神父様は、「ルルドのマリア様の仰っている事の核心はこれだ」と言います。「私たちの一人ひとりの人生の目的は、イエズス・キリストを通して、私たちが天主の命を受ける事、天主のようになる事。そしてイエズス・キリストと一致する為には、私たちはどうしてもマリア様を通さなければならない。マリア様がないところでは、イエズス・キリスト様は通らない。」これがコルベ神父様の確信でした。
マリア様はご生涯の時にあまりにもご謙遜で隠れておられ、そして目立たない方であったので、天主はマリア様のそのご謙遜を、遂にはこの地上で、特に世の終わりには、大きく現そうと御計画です。マリア様は天主様の、天国での栄光の傑作であり、この世においては聖寵の御恵みの業の大傑作でもあるからです。かつてマリア様は恵みに聖寵に充ち満ちておられたように、マリア様を通してこの地上において聖寵の充ち満ちた溢れを与えようと御計画です。マリア様を通して。
イエズス・キリストという正義の太陽が昇る為には、どうしても暁が必要です。曙が必要です。その日の出の象徴が必要です。そのしるしが、前兆が必要です。明の星が必要です。マリア様という曙がなければ、マリア様という暁が、明けの星がなければ、正義の太陽であるイエズス様が昇る事ができません。
ですから、イエズス・キリスト様が知られて愛される為には、どうしてもマリア様が知られ、愛されなければなりません。なぜかというと、かつてイエズス様がこの世に来られた道がマリア様だったように、私たちの霊魂に至る道は、イエズス様が私たちの霊魂に来る道は、マリア様であるからです。また世の終わりに、イエズス様がこの地上に来られるその道も、マリア様であるからです。
マリア様だけが唯一、イエズス様へと辿る、最も安全で、確実で、完全な、汚れの無い、真っ直ぐな道であるからです。マリア様は救霊の敵に対して戦う最高の力を持っており、またマリア様は霊魂たち、罪人たちを天主の元に戻す憐れみの力を持っており、また私たちが天主に対する業を行なう為に、御恵みの力を最高度に持っておられるからです。
最後に、サタンは悪魔は、人類の救いの敵はあまりにも傲慢であるので、謙遜なマリア様によって踏み砕かれる事を、天主から罰せられる事よりもより多く恐れているからです。なぜかというと、悪魔の傲慢がそれを許さないからです。しかしマリア様は、サタンが悪魔が傲慢によって失ったものを、謙遜によって勝ち取りました。エヴァが不従順によって失ったものを、従順によって勝ち取りました。マリア様は天主の大勝利を、サタンに対する屈辱を与える為に、マリア様をどうしても使わなければなりません。それが御計画であり、御望みであるからです。
以上が、マキシミリアノ・コルベ神父様がいつも師と仰いでいて、そしてそのご自分のマリア神学を研究するのに参照とした、グリニョン・ド・モンフォールの分析です。
⑶では私たちは、特にルルドのマリア様のお言葉を聞いて、ルルドのマリア様から送られたコルベ神父様の言葉を聞いて、特にこれほど愛された日本に住む私たちは、一体どうすれば良いのでしょうか?
聖マキシミリアノ・コルベ神父様のその尊い志を、どうしても継いで行かなければなりません。コルベ神父様は、マリア様の勝利の為に、多くの霊魂をイエズス・キリストの元に、唯一の宗教、唯一の天主、唯一の救い主であるイエズス様の元に連れ導く事をお望みでした。マリア様を通して。
コルベ神父様においては、エキュメニズムを、あるいは他の宗教との一緒になって世界の平和を築く、という考えは全くありませんでした。元々の、コルベ神父様が創立した無原罪の聖母の騎士の究極の目的は、「マリア様を通して、プロテスタントも、仏教徒も、異教徒も、イスラム教徒も、無神論者も、全てイエズス・キリストを知らない人も、イエズス・キリストの敵も、フリーメイソンも、イエズス・キリストの元に、イエズス・キリストを愛する者として導き、そして彼らにも永遠の命へと導きたい」というマリア様の願いを続ける事でした。
その為にコルベ神父様は、聖マキシミリアノ・コルベは、日本の方にマリア様の事を知らせよう、知らせようと、その事だけに熱中していました。長崎の無原罪の園にルルドの洞窟を造ったり、不思議のメダイを作ったり、あるいは小さなパンフレットを作ってマリア様の事を知らせたりしました。これこそ、もしも日本人の救霊を、永遠の命の事を本当に考えているのであれば、これこそが本物の愛国心であって、本物の隣人愛であって、本当に天主を愛する者です。
⑷では、私たちはどのような遷善の決心を取ったら良いでしょうか?
是非、このルルドの聖母のお言葉を聞いて、「私たちにとって一番大切なのは、永遠の命だ。私とその隣人にとって、兄妹姉妹にとって、永遠の命へと導く事が最も大切な使命だ」という事を再確認致しましょう。そしてマリア様もそれを望んでおられる、そしてその為にマリア様は私たちを使う事をお望みになっている、という事を確認致しましょう。
第2には、「マリア様は私たちという道具がどうしても必要だ」という事です。
ピアノがなければ、ピアニストは音楽を奏でる事ができませんし、バイオリンの棒がなければ、いくら素晴らしいバイオリン弾きでもバイオリンを弾く事ができませんし、素晴らしい書道家も筆がなければ、インクがなければ、何も書く事ができません。マリア様も私たちを使って、霊魂を、多くの霊魂をイエズス様へと導こうと、永遠の命へと導こうとお望みです。特に日本で。
ですから、その道具となる為に、ルルドのマリア様の言葉を聞いて下さい、「罪人の為に、お祈りをしなさい。償いをしなさい。償いをしなさい。償いをしなさい。」このこれが、私たちの心に導かれますように。
マリア様は御自分の事を知らせました、「私は無原罪の御孕りです。」
願わくは私たちも、マリア様の事を隣人に知らせる事ができますように。この御聖堂の入り口にはちょっとした、コルベ神父様のなさったような小さなパンフレットがあります、マリア様についての事です。私たちは別に、この聖伝のミサとか、信教の自由とか、あるいはエキュメニズムの問題点とか、あるいはこう三位一体の…等という難しい神学の論争点を皆さんに、あるいは隣人に、友人に説明し尽くす事はできません。あるいはしても、あまり効果がないかもしれません。
しかし、マリア様がどのような御方であるか、ルルドのマリア様はどういう方か、秋田のマリア様はどのような方か、あるいはグアダルーペのマリア様は何が起こったのか、ロザリオとは何か、あるいはスカプラリオとは何か、あるいはマリア様の特権、天主の御母とは何か、被昇天とは何か、無原罪の御孕りとは何か、あるいはマリア様は何で私たちの母なのか、等という事を簡単に説明する事は、どれほど霊魂、私たちの隣人にとって大きな利益になるでしょうか。マリア様を知れば知るほど、私たちはマリア様を愛するようになるからです。マリア様が私たちに知られれば知られるほど、イエズス様も知られる事になるからです。
ですから是非、マリア様の事を皆さん周りの方に知らせて下さい。もしも必要であれば、このパンフレットとか、マリア様に関するものを全部持って行って下さい。多くの方がマリア様を知って、愛する事ができますように。曙がなければ、正義の太陽が私たちに来る事ができないからです。
では、今日はルルドのマリア様に、特に日本の為に、日本に住む多くの全ての人々の為に、マリア様を通してイエズス様の御恵みがたくさんありますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
小野田神父説教
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2019年2月16日、聖母の土曜日ですが、随意ミサでもう一度、ルルドのマリア様の御出現のミサをしております。
今日このミサの感謝の祈りの後に、御聖体降福式を致しましょう。日本と世界の平和の為に、日本で聖ピオ十世会の修道院が確立される事ができますように、多くの召命が出ますように、またこの御聖体降福式の中で、マリア様への聖母の騎士としての奉献も致しましょう。
来月は3月の1・2・3・4と、初金・初土・主日・月曜日とミサがあります。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日、ルルドの聖母の御出現の随意ミサを捧げているので、
⑴ルルドでは一体どんな事があったのか?
⑵マリア様は一体、私たちに何を仰りたいとしていたのか?
⑶マリア様のお望みの為に、私たちは一体何をする事ができるのか?
⑷私たちは2019年の2月に、一体どのような遷善の決心を立てるのが良いのか?
を黙想致しましょう。
⑴皆さん、このルルドの話は非常に有名です。日本と非常に深い関わりがあります。これは、マリア様と日本がどれほど深く関わっているか、という事を雄弁に話す物語の一つです。
マリア様は、まだ日本が鎖国をしていて、キリスト教を迫害している1858年2月11日に、日本の建国記念日に、フランスのルルドで現れました。18回お現れになりました。2月11日から7月16日まで、この18回ご出現になった事を詳しく分析すると、最初の3回と、そして残りの15回に分けられて、そしてこの残りの15回は、ロザリオの15の玄義に相当する、という事が分かります。
マリア様がルルドで話された内容は、今日2019年2月16日に生きている私たちに、まさにピッタリと心に響きます。
ルルドでは聖ベルナデッタにお現れになりましたが、その聖ベルナデッタに修道女になるように、そして修道誓願を受けたのは何と、日本の再布告の為に日本をマリア様の汚れなき御心に奉献したフォルカード司教であって、その司教様をベルナデッタの元に引き寄せて、そして修道女として奉献させました。
世界中で司教様は何千人といました。ルルドでマリア様を見たこの乙女と、そして遠く
日本にまで行ったこの司教様を、一体なぜ天主様はここで引き合わせたのでしょうか?偶然ではありません。御摂理はそれを望みました。フォルカード司教様は実はアジアを去った後には、カリブ海にある西インド諸島のグアダルーペ島という所に司教として働くようになります。しかしその後フランスに戻りベルナデッタの元にいました。ベルナデッタが愛徳女子修道会に入会することを勧めました。天主はそうする事によって、日本との関わりを深く強調しています。
⑵マリア様が聖ベルナデッタを通して私たちに仰っている事は、いくつかあります。
その最初の言葉は、そのメッセージの内の核心の1つは、昨日の殉教者の聖ファウスティノとジョヴィタが私たちに伝えようとしたメッセージと同じです。つまり、マリア様は私たちに、幸せを約束する。ただしこの世ではなくて、後の世に、です。マリア様は1858年2月18日木曜日の三回目の御出現で初めてこのお言葉を口にします。
「私はあなたをこの世で幸せにするとはあなたに約束しませんが、しかし来世においてはそうします。」"Je ne vous promets pas de vous rendre heureuse en ce monde mais dans l'autre".
つまりマリア様は私たちに、永遠の至福の救霊を望んでおられて、その為に、天国からはるばる私たちの元にやって来た、という事です。「私たちの人生の究極の目的は、この世をエンジョイする事にはなくて、永遠の救いの為にある」という事です。
これは現代、非常に忘れられている真理です。「私たちの人生の目的は、永遠の命を得る事にある。私たちの報酬は、何億円の退職金をもらう事でも、何億円の給料をもらう事でもなく、この世の終わりに、最後に、天主様から、イエズス・キリスト様が私たちの為に勝ち取って下さった、一旦は失われたけれども御血を払って勝ち取って下さった、永遠の命を得る事にある。」「永遠の幸せ」という事です。
そしてそれをマリア様は私たちに約束して下さいます。この世での幸せはマリア様は約束するのは難しいかもしれないけれども、永遠の命は約束できる。これは私たち一人一人個人的に仰ったのではなく、「できるだけ多くの霊魂を救いたい」という母の心からでした。フランスのルルドの片田舎にお現れになりながら、マリア様は日本の、日本に住む多くの霊魂たちの救霊を考えていたに違いありません。
私たちはこの日本の、日本列島に、永遠の命を受ける為に作られ、生まれてきました。そして今、日本の地に太陽が上がるのも、そして雨が降るのも、これは「この地上での生活の後に、遂には永遠の命を得る」という目的の為です。日本の地に、是非とも正義の太陽であるイエズス・キリストが昇らなければなりません。イエズス・キリストによる御恵みが燦々と日本に降り注がなければなりません。永遠の命へと導かれなければなりません。マリア様はそれを私たちに、日本の全ての人々の為に望んでいます。
ルルドでマリア様は仰った事はまだあります、「償いをしなさい。償いをしなさい。償いをしなさい。罪人たちの為にお祈りをしなさい。」(第8回目1858年2月24日水曜日)でした。"Pénitence, pénitence, pénitence. Vous prierez Dieu pour les pêcheurs. Allez baiser la terre pour la conversion des pêcheurs.".
これを見るとマリア様は、罪人たちが哀れで、この罪人たちを救いたい、イエズス・キリストを知らない、イエズス・キリストに対して罪を犯している人たちを救いたい、彼らを許したい、天国に導きたい、との母の心で溢れています。
それで私たちにお願いするのは、聖ベルナデッタを通して私たちにお願いするのは、「この彼らの為にお祈りして下さい。この罪人たちがイエズス・キリストを知って、永遠の命に導かれるように助けて下さい。その為に、彼らに代わって罪の償いをして下さい、痛悔をして下さい」という事です。
そしてもしもマリア様が、「私は、この地上での生活の喜びをではなく、後の世の幸せを約束する。イエズス・キリストの命を約束する」と言ったのが喜びの玄義であり、「罪人の回心の為に祈りをしなさい。償いをしなさい」と言ったのが苦しみの玄義に相当するならば、マリア様は最後に、1858年3月25日に、御自分の名前を明かして、「私は無原罪の御孕りです」"Que soy era l'immaculada Concepciou" (je suis l'immaculée Conception).と言われました。これは栄えの玄義に相当します。
マリア様は聖霊の生けるイコンであって、聖霊と全く同一の、聖霊と同じ事を考え、同じ事をなさる、聖霊のお望みのままに生活される方です。ですからマリア様は私たちに、聖霊の御恵みを自由に、豊富に、満ち溢れるほど与えて下さる事ができます。
ルルドのマリア様に対して非常に深い信心を持っていた、マリア聖人、聖母信心の深い聖人がいます。その中でも特にマリア様に狂ったようになっていたのが、マキシミリアノ・コルベ神父様でした。ルルドの聖母の熱狂的な信心家でした。そのコルベ神父様はポーランド人で、ポーランドで大活躍をしますが、しかしこのコルベ神父様をマリア様は、そのポーランドから日本に送られました。これはマリア様が、ルルドのマリア様が日本をどれほどお愛しされていたか、というその証拠の1つでもあります。
そのコルベ神父様は、「ルルドのマリア様の仰っている事の核心はこれだ」と言います。「私たちの一人ひとりの人生の目的は、イエズス・キリストを通して、私たちが天主の命を受ける事、天主のようになる事。そしてイエズス・キリストと一致する為には、私たちはどうしてもマリア様を通さなければならない。マリア様がないところでは、イエズス・キリスト様は通らない。」これがコルベ神父様の確信でした。
マリア様はご生涯の時にあまりにもご謙遜で隠れておられ、そして目立たない方であったので、天主はマリア様のそのご謙遜を、遂にはこの地上で、特に世の終わりには、大きく現そうと御計画です。マリア様は天主様の、天国での栄光の傑作であり、この世においては聖寵の御恵みの業の大傑作でもあるからです。かつてマリア様は恵みに聖寵に充ち満ちておられたように、マリア様を通してこの地上において聖寵の充ち満ちた溢れを与えようと御計画です。マリア様を通して。
イエズス・キリストという正義の太陽が昇る為には、どうしても暁が必要です。曙が必要です。その日の出の象徴が必要です。そのしるしが、前兆が必要です。明の星が必要です。マリア様という曙がなければ、マリア様という暁が、明けの星がなければ、正義の太陽であるイエズス様が昇る事ができません。
ですから、イエズス・キリスト様が知られて愛される為には、どうしてもマリア様が知られ、愛されなければなりません。なぜかというと、かつてイエズス様がこの世に来られた道がマリア様だったように、私たちの霊魂に至る道は、イエズス様が私たちの霊魂に来る道は、マリア様であるからです。また世の終わりに、イエズス様がこの地上に来られるその道も、マリア様であるからです。
マリア様だけが唯一、イエズス様へと辿る、最も安全で、確実で、完全な、汚れの無い、真っ直ぐな道であるからです。マリア様は救霊の敵に対して戦う最高の力を持っており、またマリア様は霊魂たち、罪人たちを天主の元に戻す憐れみの力を持っており、また私たちが天主に対する業を行なう為に、御恵みの力を最高度に持っておられるからです。
最後に、サタンは悪魔は、人類の救いの敵はあまりにも傲慢であるので、謙遜なマリア様によって踏み砕かれる事を、天主から罰せられる事よりもより多く恐れているからです。なぜかというと、悪魔の傲慢がそれを許さないからです。しかしマリア様は、サタンが悪魔が傲慢によって失ったものを、謙遜によって勝ち取りました。エヴァが不従順によって失ったものを、従順によって勝ち取りました。マリア様は天主の大勝利を、サタンに対する屈辱を与える為に、マリア様をどうしても使わなければなりません。それが御計画であり、御望みであるからです。
以上が、マキシミリアノ・コルベ神父様がいつも師と仰いでいて、そしてそのご自分のマリア神学を研究するのに参照とした、グリニョン・ド・モンフォールの分析です。
⑶では私たちは、特にルルドのマリア様のお言葉を聞いて、ルルドのマリア様から送られたコルベ神父様の言葉を聞いて、特にこれほど愛された日本に住む私たちは、一体どうすれば良いのでしょうか?
聖マキシミリアノ・コルベ神父様のその尊い志を、どうしても継いで行かなければなりません。コルベ神父様は、マリア様の勝利の為に、多くの霊魂をイエズス・キリストの元に、唯一の宗教、唯一の天主、唯一の救い主であるイエズス様の元に連れ導く事をお望みでした。マリア様を通して。
コルベ神父様においては、エキュメニズムを、あるいは他の宗教との一緒になって世界の平和を築く、という考えは全くありませんでした。元々の、コルベ神父様が創立した無原罪の聖母の騎士の究極の目的は、「マリア様を通して、プロテスタントも、仏教徒も、異教徒も、イスラム教徒も、無神論者も、全てイエズス・キリストを知らない人も、イエズス・キリストの敵も、フリーメイソンも、イエズス・キリストの元に、イエズス・キリストを愛する者として導き、そして彼らにも永遠の命へと導きたい」というマリア様の願いを続ける事でした。
その為にコルベ神父様は、聖マキシミリアノ・コルベは、日本の方にマリア様の事を知らせよう、知らせようと、その事だけに熱中していました。長崎の無原罪の園にルルドの洞窟を造ったり、不思議のメダイを作ったり、あるいは小さなパンフレットを作ってマリア様の事を知らせたりしました。これこそ、もしも日本人の救霊を、永遠の命の事を本当に考えているのであれば、これこそが本物の愛国心であって、本物の隣人愛であって、本当に天主を愛する者です。
⑷では、私たちはどのような遷善の決心を取ったら良いでしょうか?
是非、このルルドの聖母のお言葉を聞いて、「私たちにとって一番大切なのは、永遠の命だ。私とその隣人にとって、兄妹姉妹にとって、永遠の命へと導く事が最も大切な使命だ」という事を再確認致しましょう。そしてマリア様もそれを望んでおられる、そしてその為にマリア様は私たちを使う事をお望みになっている、という事を確認致しましょう。
第2には、「マリア様は私たちという道具がどうしても必要だ」という事です。
ピアノがなければ、ピアニストは音楽を奏でる事ができませんし、バイオリンの棒がなければ、いくら素晴らしいバイオリン弾きでもバイオリンを弾く事ができませんし、素晴らしい書道家も筆がなければ、インクがなければ、何も書く事ができません。マリア様も私たちを使って、霊魂を、多くの霊魂をイエズス様へと導こうと、永遠の命へと導こうとお望みです。特に日本で。
ですから、その道具となる為に、ルルドのマリア様の言葉を聞いて下さい、「罪人の為に、お祈りをしなさい。償いをしなさい。償いをしなさい。償いをしなさい。」このこれが、私たちの心に導かれますように。
マリア様は御自分の事を知らせました、「私は無原罪の御孕りです。」
願わくは私たちも、マリア様の事を隣人に知らせる事ができますように。この御聖堂の入り口にはちょっとした、コルベ神父様のなさったような小さなパンフレットがあります、マリア様についての事です。私たちは別に、この聖伝のミサとか、信教の自由とか、あるいはエキュメニズムの問題点とか、あるいはこう三位一体の…等という難しい神学の論争点を皆さんに、あるいは隣人に、友人に説明し尽くす事はできません。あるいはしても、あまり効果がないかもしれません。
しかし、マリア様がどのような御方であるか、ルルドのマリア様はどういう方か、秋田のマリア様はどのような方か、あるいはグアダルーペのマリア様は何が起こったのか、ロザリオとは何か、あるいはスカプラリオとは何か、あるいはマリア様の特権、天主の御母とは何か、被昇天とは何か、無原罪の御孕りとは何か、あるいはマリア様は何で私たちの母なのか、等という事を簡単に説明する事は、どれほど霊魂、私たちの隣人にとって大きな利益になるでしょうか。マリア様を知れば知るほど、私たちはマリア様を愛するようになるからです。マリア様が私たちに知られれば知られるほど、イエズス様も知られる事になるからです。
ですから是非、マリア様の事を皆さん周りの方に知らせて下さい。もしも必要であれば、このパンフレットとか、マリア様に関するものを全部持って行って下さい。多くの方がマリア様を知って、愛する事ができますように。曙がなければ、正義の太陽が私たちに来る事ができないからです。
では、今日はルルドのマリア様に、特に日本の為に、日本に住む多くの全ての人々の為に、マリア様を通してイエズス様の御恵みがたくさんありますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。