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なぜ聖ピオ十世が、本会(聖ピオ十世会)の保護者なのか?

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 聖ピオ十世会アメリカ管区のウェブ・サイトに掲載された「なぜ本会の保護者は聖ピオ十世なのか?」の日本語訳をご紹介します。日本語訳を作ってくださった方に心から感謝します。

聖ピオ十世、我らのために祈り給え!

天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

原文はこちら

Why is St. Pius X the Society's patron?
なぜ本会の保護者は聖ピオ十世なのか?


二〇一四年八月二十五日
アメリカ管区

 マルセル・ルフェーブル大司教が司祭養成のために本会を創立したとき、なぜ聖ピオ十世を保護者に選んだのか?


 聖ピオ十世の帰天(dies natalis)──天国への生誕の日──百周年に際し、世界中の大勢の聖伝カトリック信者たちは、ルフェーブル大司教が聖ピオ十世会の保護聖人として彼を選んだ動機を知りたがるかも知れない。

 一九七〇年代初頭、聖ピオ十世会の揺籃期には、世界中の聖伝カトリック信者たちが、いわゆる「聖ピオ五世のミサ」を捧げるために、建物や納屋を聖伝信者たちの砦へと改造していたために、皆がその名を口にしていた。「永遠のミサにくくりつけられたエコンとローマとの格闘全体」が、ほどなくして明確になるにつれ、聖ピオ五世の名は広く行き渡っていった。

 しかしながら、新修道会の創立者は、会則の中ではっきりと聖ピオ十世について述べており、その理由を書面で表明していた。大司教はその書面上で聖ピオ十世会の活動目的を「司祭養成とそれに付随する諸々に不可欠な全職務」であると説明している。神学生たちは養成の「最重要目的、すなわち、充分な知識を伴う司祭の聖性を維持する」ことに注意を払わなければならない。これこそ、本会が聖ピオ十世の保護下に置かれた理由である。この聖なる教皇の根本的関心は、司祭職の完全性とそこから導き出される高潔さであった。[1]

 このこと【つまり司祭の聖性の養成と聖ピオ十世との関係】に関して、私たちの創立者は、古くからの司祭たちがすでに得ているので、繰り返す必要がないと考えたのではない限り、とりわけ強調しなかった。創立者は、新近代主義者の異端が存在する教会内の現在の危機について、確かに頻繁に言及しており、当時の近代主義に対して、見たところ壊滅的打撃を与えた「パッシェンディ」における聖ピオ十世の教えを展開させていた。この教会史上最後に列聖された教皇が、何度も再発しては現れる近代主義者の異端に対して精力的に戦い、特に他ならぬピオ十二世によって列聖された時、大司教の霊魂に深く響くこだまとなってよみがえったのは自然なことだった。

 主要な共産主義者たちでさえも、個人的なというより教皇としての聖ピオ十世の偉大さを認めざるを得なかった。共産主義新聞「リュマニテ」L’Humanité のジャン・ジョレスは、彼についてこう述べなければならなかった。

 彼の政治的意図は至極単純であった。すなわち、使徒的堅固さを武器に信仰に関するあらゆる価値を回復させること。彼はみずからの霊魂の単純さと諸徳の誠実さ──それは疑う余地はない──を与えつつ、権威をもってこの意図を全うした。どの方向から目を向けても、彼が偉大な教皇であったことに同意せざるを得ない。

 これこそ、教会が現在までに耐え忍んできた致命的異端に王手をかけることのできた、使徒的教皇の姿であった。

 この側面こそが、おそらくそれ以外の面にも増して、ルフェーブル大司教がジュゼッペ・サルトを自分の司祭修道会の保護聖人として選んだ理由を説明している。

Footnote
[1] マルセル・ルフェーブル、伝記、ベルナール・ティシエ・ド・マルレ司教、436ページ

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