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聖ピオ十世奉献修道女(オブレート・シスターズ)に関する質問への回答

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 いかがお過ごしでいらっしゃいますか? こちらフィリピンでは強い台風(22号)が襲ってきましたが、フィリピンの国民は皆でお祈りを捧げていました。私たちの教会では大きな被害はなく、天主様に感謝しております。

 今日は、グァダルーペの聖母マリア様の祝日でした。フィリピンの第2の守護の聖人です。

 さて、今回は、聖ピオ十世会の修道女会(Sisters of the SSPX)と、聖ピオ十世会奉献修道女(オブレート・シスター)とを先日ご紹介しました。今回は、後者のオブレート・シスター(奉献修道女)たちについていろいろなご質問に対する回答をご紹介します。

 聖ピオ十世会の修道女会(Sisters of the SSPX)と、聖ピオ十世会奉献修道女(オブレート・シスターズ)とは、極めて似ています。ほとんどそっくりです。外的な区別の仕方は、聖ピオ十世会の修道女会のシスターたちは、丸い聖ピオ十世のメダイを胸にかけています。奉献修道女は、聖ベネディクトのメダイのついた十字架をかけています。後は、ほとんど区別がつきません。

 見た目よりも目に見えない違いと言えば、聖ピオ十世会の修道女会は、聖ピオ十世司祭兄弟会とは法的に別の修道会で、別の総長を戴いています。(現在は、マザー・マリー・オーガスティンです。)

 奉献修道女は、聖ピオ十世司祭兄弟会の一部を成しており、奉献修道女の総長はフェレー司教様です。

 このような違いはありますが、両者とも聖ピオ十世会の司祭の働いている教会や学校の近くに修道院を持って、私たちの主イエズス・キリストのために、霊魂の救いのために、祈りと労働とによって、教会の活動を大きく支えてくださっています。

 このような素晴らしいシスター達のために、愛する兄弟姉妹の皆様のお祈りをお願いいたします。

天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

聖ピオ十世奉献修道女会(オブレート・シスターズ)に関する質問への回答

1.オブレートとはどういう意味でしょうか?

ラテン語の語源によれば、「oblata」とは捧げるという動詞から派生しています。oblateという言い回しは「捧げられたもの」表しています。この言葉は私たちの召命全体を要約し、表現しています。

事実、多くの修道会にある単なる名前以上のもの、オブレートという名前そのものの中に、みずからを完全な捧げものとせよという招きがあるのではないでしょうか?

これこそ、聖櫃の足元にひざまずき、共贖者なる聖母に一致して、天主なる生贄のご聖体とともに生贄として天主へみずからをお捧げるするその奉献の日に、すべての修練女が理解していなければならないことです。

「我は我が人格、我が人生、我が所有するすべて、我がすべてを、おお我が天主よ、御身のより大いなる栄光のため、我が霊魂の救いのため、すべての霊魂の救いのため、とりわけ司祭と未来の司祭の聖化のため、御身に捧げ奉る」

2. 奉献女と聖ピオ十世会の関係はどのようなものですか?

一九七三年、友人と恩人の皆様への手紙・第五号の中で、ルフェーブル大司教様は「聖ピオ十世会はいくつかのいろいろな共同体で構成されているのですか?」という質問を受けました。大司教様は「聖ピオ十世会は司祭と未来の司祭たち、それから補佐司教たち、奉献女たち、そしてまもなく、私たちの希望により[生まれるであろう]聖ピオ十世修道女会で構成されています……。最後に、天主のおん助けを当てにしつつ、聖ピオ十世会の霊的祝福を世間にいる平信者たちに広げようとしています」とお答えになりました。

一九八〇年、聖ピオ十世会の四つの共同体の中の一つとして大司教様が心に抱いていた第三会が誕生したことで、大司教様はご自分の事業の実現をご覧になることができました。

この事業から分かれた四つの枝を順に並べ上げていくとしたら、人間と物事を分類するにあたって常に必要な優先順位は、習慣として奉献修道女を三番目の共同体に位置づけます。一番目は司祭たち、修道士たち、神学生たち、二番目は聖ピオ十世修道女会、そして四番目は第三会です。

3, 創立者はどなたですか?

マルセル・ルフェーブル大司教様によって創立され、聖ピオ十世奉献修道女のこの共同体は一九七三年に誕生しました。

最初にエコンのドアを叩いたのは、不忠実になってしまった修道会を、良心上去らざるを得なくなったフランス人看護修道女、シスター・マリー・ベルナールでした。

同じような他の修道女たちがやって来るまで時間はかかりませんでした。こうして私たちの会は誕生しました。初めの頃の奉献修道女たちは、各自の修道会ときちんと話し合った結果、教会法的に義務から解放され、公会議後の崩壊から自分たちの修道生活を守ることを強く望んでいた修道女たちでした。

そう時間が経たないうちに、身分上の義務から自由になった熟年の人々や、聖ピオ十世会とコンタクトをとることで、また仕事を捧げることで、みずからを聖化することを強く望む人々が加わるようになりました。

現在でも教会内の危機は存続しており、新たなニーズを生み出しています。私たちは入会希望者の募集内容を変更する傾向にあります。つまり、新しい柔軟な仕組みを作ることで、召命を持つ他の人々が、与えられた才能を発揮できる場所を見つけられるようにすることです。

4. 独自のヒエラルキーがあるのですか?

いいえ、奉献修道女 (Oblates) にはヒエラルキーはありません。このことが、聖ピオ十世修道女会のような一般的な女子修道会と本会とを区別しています。聖ピオ十世修道女会 (Sisters of the SSPX) は、その呼称と霊性が聖ピオ十世会に強く結びついているにも関わらず、裁治権上は独立しています。

奉献修道女は、聖ピオ十世会の完全な一員として、本会の司祭や修道士のように、修道女たちの中から選ばれた総長をいただきません。聖ピオ十世会総長が、現在はベルナール・フェレー司教様が直接の私たちの総長です。聖ピオ十世会の求めに対する総長の自由な決定にお任せしつつ、総長の権威のもとに私たちは奉献の誓いをします。

それぞれの修道院では、そこの院長が奉献女たちの直接の長上です。

修道院内での奉献女のグループが三人以上であるなら、総長は院長と相談ののち、奉献女の長上を指名することがあります。

5. 修道女(nun)と奉献女はどう違うのですか?

一九八二年にルフェーブル大司教様によって書かれた私たちの会則の文字通りの言葉によれば、奉献修道女は「聖ピオ十世司祭兄弟会のように、(誓願ではなく)誓約(engagement, promise)」を立てます。

これはどういう意味ですか?

まず第一に、天主への捧げものと、ある人が本来の意味で自発的に自分の人生を捧げる行為と、その人の活動全体とを注意深く区別するべきです。

教会の歴史を辿ってみると、(定住と厳粛な誓願を伴う)一般的かつ伝統的な修道院生活の構想から、ごく最近の形式である「完徳の身分」に至るまでの発展を眺めることができます。

事実、時が経つにつれて、修道生活の伝統を何も放棄することなくその特権的位置を保っている、新しい修道者の共同体が、柔軟な組織作りの方法に従って次々と創設されています。外的様式──確かに非常に重要ではありますが必要不可欠なものではない──に捕らわれない、これら新しい修道生活の様式は、天主への完全奉献という生活の本質のみを保ち、教会によって受け入れられ承認されています。

ですから「厳密な意味での、教会法上の完徳の身分」──(荘厳誓願を立てるオルドと単律誓願を立てるコングレガツィオが属する)完徳の身分の完全なかたち──の傍らに、教会法は無誓願の共同生活を送る集団を「第二の教会法上の完徳の身分」であると定義しています。厳密な意味での教会法上の完徳の身分を構成する、法的に必要な本質──例えば、清貧、貞潔、従順の公式誓願など、いくつか欠けているものはありますが、それにも関わらずこれらの集団は完徳の生活の本質に属するその他の性質を有しています。

つまり、教会の規定によれば、これらの集団が厳密な意味での修道会でなく、その会員が聖職者でないにも関わらず、その集団は教会法の中に含まれ一致しているのです。

奉献女である私たちには、ルフェーブル大司教様が望まれたように、聖ピオ十世会と教会の中に明確に定義された場所があります。これは、例えば聖ヴィンセンシオ・ア・パウロが創設し、その明確な望みにより、教会法上の字義通りの意味では決して修道者ではなかった愛徳姉妹会によって、私たちのために用意された道ではなかったでしょうか?

6. 奉献修道女の霊性とは何ですか?

奉献女の霊性は、聖ピオ十世会の霊性です。聖ピオ十世会の霊性は教会の霊性そのものであり、教会の心臓は十字架の聖なる犠牲です。それは日々のミサ聖祭において祭壇上で新たに繰り返されています。

従って、ミサ聖祭は、私たちの霊性と修道生活の尽きることのない泉であります(会則)。

私たちの一日全体は、天主の子羊のおん血に浸され、十字架の足元でのそれぞれの奉献のままに釘づけられています。聖務日課──一時課、六時課、終課──、念禱、ロザリオ、霊的読書、そして個人の祈りを通してです。

「奉献女たちは十字架のみ足元に立つ共贖者なる聖母のように、聖主の犠牲にあずかることで幸福を得るだろう」(会則)

マリアの精神で十字架上のイエズスを観想すること──これこそが奉献女のまことの召命です。「奉献女は霊的生活の意向として、十字架上のイエズス・キリストのおん悲しみを自分のものとし、奉献女の保護者、共贖者なる聖母のお姿に一致して、特別のやり方で結びつけるだろう──霊魂の贖いのため、司祭たちの聖性のため、奉献女自身の聖化のためにである」(会則)

「司祭たちのため」──聖ピオ十世会会員の、その目的は司祭職であり、それに関係するすべてのこと──これこそ、何にもまして司祭たちのため、私たちが自らを聖なるものとしなければならない理由です。

事実、一九八一年四月十日、聖母の共同受難の祝日に、ルフェーブル大司教様がエコンの奉献修道女たちに呼びかけた際、奉献女の霊性について次のように説明されました。

「ですから、親愛なるシスターたちよ、司祭たちの助け手、あなた方の両手だけでなく、あなた方の霊魂、あなた方の精神でとともに司祭たちの助け手となりなさい。つまり、司祭職の、聖主イエズス・キリストの犠牲の、聖主の十字架の、聖主の統治の、聖主の愛を広げるための助け手です──こうして、あなた方は自分たちを特別なやり方で童貞マリアに一致させるのです」

「聖母のように、聖母の天主なるおん子に近づき、聖母の苦しみを自分のものとして苦しむでしょう。こうして、あなた方にできる限りで、み摂理が必要な恩寵を与えてくださる範囲で、霊魂の贖いに非常に効果的な方法で、同じく貢献するでしょう」

「そしてあなた方はこの方法で、司祭たちの司祭職に、より深遠に結びつけられるのです。あなた方が仕えるこの司祭たち、この神学生たちがまことの司祭になるよう、まことにもう一人のキリストになれるよう、彼らが聖主イエズス・キリストのご受難に、より深く、ますます完全な方法で一致するよう乞い願いなさい」

「それから、あなた方は至聖なる童貞マリアにこのことを乞い願うでしょう。聖主イエズス・キリストの統治を広げるために、あなた方の苦しみ、あなた方の犠牲をこの意向でお捧げしなさい」

教会内と司祭職の危機を迎えているこの時に、ルフェーブル大司教様が私たちの使命に含めることを望まれたもう一つの特別な、次のような意向があります。

「かつてないほどに、あまりにも多くの聖主に対する冒瀆、耐え難い遺棄が、特に天主に奉献された者たちによって犯されています。これこそ、私たちがあなた方に、あなた方の小さな試練、犠牲、困難、聖主があなた方にお許しになるが故に経験するすべての苦痛を、至聖なる童貞マリアのおん苦しみに一致して、これらすべての冒瀆を償うためにお捧げするようにと熱烈に勧める理由です」

私たちの霊性を要約するなら、あらゆることが私たちの奉献の誓い(Act of Oblation)の中で表現されていると言えるでしょう。従って、できるだけ頻繁にこの誓いを心の中で繰り返します。こうすることで、私たちはこれまで以上に実りある力強い生命を引き出すことになります。

7. 奉献女たちが送る生活はどのようなものですか?

使徒的役割と呼べるものかも知れません。奉献修道女は、聖母と聖なる婦人たちが聖主と使徒たちの傍らで果たした目立たない役割──天主のお望みによる──を、司祭たちの傍らで続けなければならないからです。

より柔軟な仕組みによる修道生活の枠組み内で(無誓願の共同生活を送る集団の特質──質問5を参照)、司祭たちの置かれる状況がどんなものであれ、私たちは彼らに仕えるために持ち場にいます。これは最も多様性に富んだ生活様式──会則の規定にはいかなる制限もありません──での活動的生活です。

8. 奉献女の共同体に入会するためには、誰にコンタクトを取るべきですか?

奉献修道女会に入会するためには、聖ピオ十世会の総長にコンタクトを取って下さい。

ですが、最初にご自分の管区の管区長に、その手続きを認めていただくことをお勧めします。

9. 奉献女になるために必要な能力は何ですか?

入会希望者の入会が認められるためには、彼女が共同体の助けになるか負担になるかを長上が判断しなければなりません。

奉献修道女は、聖ピオ十世会の事業に献身するので──例えば、神学校、修道院、あるいは学校であれ司祭たちを助けること──こういった観点から見てみますと、次のような能力が求められます。

 ─一般的なバランスのとれた性格。
 ─最低限の正しい判断力と常識。
 ─奉献女はあらゆる種類の状況に直面しなければならないので、円熟した、困難にも関わらずやり抜く強い意志を持っていなければならない。
 ─正常で、感情面で安定していることが特に必要。奉献女は仕事のために呼ばれ、従って司祭たちと接触することになるからである。
 ─共同生活に必要な社交性。

以上述べた適性を持っていることが、必ずしも召命があるしるしではないことを言っておきます。つまり、この能力を持っているすべての人々が修道生活へとことごとく召されているわけではありません。ですが、この能力を持ちあわせていない人は間違いなく召されてはいません。

奉献女会に加わるために、すでに修道会にいる状態での教会法上の障害が、必ずしも妨げにはならないことを同じく明記しておきます。それぞれのケースは総長の判断次第です。

すべての修道会と同じく、奉献女になるためにもっとも重要なことは、天主から呼ばれていること──つまり、召命があることです。

10. 特別な勉強や心構えを作っておくことが必要ですか? 年齢の下限と上限はありますか?

奉献女になるために求められる唯一の心構えは、聖伝に基づく純粋なキリスト教的生活です。

年齢には一定の決まりはありません……。会則によれば「聖ピオ十世修道女会に入会できない一定の年齢(三十歳以上)の者」が奉献女会への入会資格があてはまります。

ですが、入会志願者が聖ピオ十世修道女会に受け入れられることを妨げる、年齢以外の他の障害がある場合、例外が設けられます。

入会志願者が共同生活に順応でき、聖ピオ十世会への奉仕が可能な限り、年齢制限はありません。

11. 健康でなければなりませんか?

個々のケースによります。従順が呼び求めるそれぞれの能力に応じて、自分自身をお捧げし、お仕えすることができるよう、健康であることは間違いなく必要です。

ですが、虚弱であることや持病があったとしても、奉献女会に入会するための妨げになるとは限りません。

12. 修練院はいつ創設されたのですか?

一九九三年まで、入会志願者たちは私たちの修道院の一つ──特にフランスのビッチェの修道院──や、聖ピオ十世修道女会の修練院で養成されていました。修道女たちは私たちの修練女たちを養成してくれましたが、それは、続々と増えていく召命のために、奉献女の主な長上たちが自分たちの修練院──教会法上の厳密なものではなく、奉献修道女のための特別な養成ができる場所──が必要だと決定するまで続きました。

この計画は、一九九三年に、聖ピオ十世会総本部が、総長フランツ・シュミットバーガー神父様のもとで創設された時にメンツィンゲンで了承を得ました。

自分たちを捧げようという入会志願者たちが絶えずいたため、全員を収容するには総本部は小さすぎました。別のすみかを必要としました。

従って、フェレー司教様は一九九九年八月に、奉献修道女の修練院をスイスのエコンから二十五キロ離れたヴァレー州の小さな村、サルヴァンに移転させました。聖ピオ十世会はすでにそこに建物を所有しており、ルフェーブル大司教様がご存命中、男の子たちのための学校を開くつもりで購入したものでした。

13. 修練院での養成期間はどのようなものですか? この期間はどのように成り立っているのですか?

会則に述べられているように、修練は二年の期間、すなわち志願期の一年と修練院での一年で成り立っています。修練院での期間は着衣式ののちに始まります。(正確にいえば)着衣式は修練院への入会のしるしです──この期間は種まきに比較されるであろう訓練の時期です。

サルヴァンでの私たちの務めは何でしょうか?

実際のところ、私たちはなんでもやってみなければなりません。ほうき、芝刈り機、ペンキのはけ、そして電気ドリルの扱い方を学ばなければなりません! 経験不足のときはどこにいても、いろいろ工夫して試してみなければなりません! ですがこれが本質的なことではありません。

沈黙と孤独のうちに瞑想にふけることで、志願者と修練者は司祭たちの助け手となるための準備をします──助け手とは、前述したように、両手だけでなく、霊魂と精神とともにということです。

彼女たちは、活動生活の慌ただしさにはまだ巻き込まれずに、将来の生活の土台を組み立て、内的生活の秘密へと入り込みます──「天主へ奉献された者の『存在理由』」と会則に述べられているようにです。天主と一致したこの生活をいっそう深遠なものにしなければならないと、彼女たちは悟ります。なぜなら、もっと後になれば[修道院外へと出て行くことで]自分たちを守るものが減るからです。各々の状態に順応することで、聖ヴィンセンシオ・ア・パウロが霊的娘たちに伝えた、次のような言葉を自分たちにあてはめます。

「……彼女たちが、修道院や共同の家(あるいは学校や小修道院)を持つことなく、禁域に住む修道女たちに比べて、世間の中へ出て、罪の機会へと身をさらす以上、彼女たちの禁域とは従順であり、格子は天主への畏れです。彼女たちは、修道院で誓願を立てたかの如くに、それと同じほどの徳を身につけていなければなりません。世間のただ中にいると気づくときはいつでも、修道院で孤独にあるまことの修道女たちのように、よりいっそう瞑想にふけり、よりいっそう貞潔な心と肉体を持ち、よりいっそう被造物に無関心になり、よりいっそう心を鍛えてふるまわなければなりません」

これが修練院での二年間の膨大な養成ブログラムです。長過ぎるということはありません!

奉献女たちはそれぞれのレベルに応じて、午前と午後の講座に従います。カトリック教義と教会史は修道院付き司祭に学びます。修練長は霊性と修道生活を教えます。

典礼についての発見は、典礼暦のリズムの中へと直接溶け込みます。エコンがすぐ近くにありますので、ミサに出席し、祝日の壮麗な儀式をよく理解できるようになります。

毎日の聖書朗読に加え、霊的読書は霊魂を養い、精神を強めます。

学んだことを吸収し、より深めることができるよう、奉献女は必要に応じて勉強時間を取ります。

この霊的な養成に加えて、修練女たちは修道院の家事の切り盛り、料理、裁縫、洗濯、そして香部屋の仕事の実践指導を受けます──つまり、修道院生活を成り立たせるすべてのことを学ぶのです。

さらにその上、毎日三十分のグレゴリオ聖歌の練習、二回のレクリエーション、美しいスイスの山々に月に一回ハイキングに行く習慣です。

さて、これで、私たちが「幼きイエズスの聖テレジア修練院」で送る生活の全体像をある程度は把握なさったことと思います。

修練院では正式にはフランス語が話されますが、あらゆる国籍の志願者の入会を認めています。最近では英語圏からの召命がさらに増えているため、フランス語と同時に英語での指導も行われています。さしあたり、み摂理がさまざまな言語の国々で修練院を開くことをお許しくださるのを私たちは待っています。

14. 奉献女は誓願を立てるのですか?

準備期間の終わりに、修練女は、公式誓願を立てるのではなく、誓約の行為によってみずからの立場を明らかにします。奉献女はこの行為で、天主なる生贄とともに自分をお捧げし、会則を忠実に守ること──特に従順、清貧、そして貞潔の特に関して会則が指示すること──を約束します。

年に一回の誓約を六年間更新したのち、奉献女は三年間の誓約の更新を求めることができます。九年後、終生の誓約を願うことができます。

誓約の更新は、九月十五日の七つのおん悲しみの聖母の祝日に行われます。

教会法上、聖ピオ十世会は(清貧、貞潔、従順という3つのの公式誓願を立てる)修道会ではないにせよ、奉献女は修道者的徳を実践するよう努力し、霊的指導者の同意を得て、私的誓願を立てることができます。(会則)

15. 奉献女が自分を奉献する使徒職はどのようなものですか?
会則は、各々の才能に応じて聖ピオ十世会の事業に献身するという目的以外のことを規定していませんので、奉献女の使徒職は事業の内容に沿ってさまざまです。

修練の終わりに、新奉献女は修道院、学校、あるいは神学校に派遣されます。

現在では、奉献女たちのたいへんさまざまな、たいへん慎ましい、時には人目につくことのないこういった生活の枠組みの中で、奉献女はその才能に応じてさまざまな種類に富んだ仕事に就くことができます。家事、裁縫、事務仕事、秘書業務、公教要理、幼稚園あるいは小学校で教えること、病人の看護などです。

修道院での使徒職のさまざまな分野ではあるゆることが可能ですし、総長は天主のより大いなる栄光のために、各奉献女が個人の能力を最も適切に伸ばせる場所を見つけてくださいます。

どこに派遣されようと、奉献修道女はみずからを「仕えるため」に与えたのだということを忘れてはなりません。

16. 奉献女の一日のスケジュールを教えて下さい。

6:00 a.m.  起床
6:30 a.m. 念禱に続いて共同の祈り(一時課あるいは讃課)
7:15 a.m. ミサ聖祭
8:00 a.m. 朝食、自由時間、部屋の掃除
9:00 a.m. 仕事
12:00 p.m. 仕事終了
12:15 p.m. 六時課
12:30 p.m. 昼食、レクリエーション、自由時間、霊的読書
3:00 p.m. 仕事
4:15 p.m. 休憩時間
4:30 p.m. 仕事
6:00 p.m. 自由時間
6:15 p.m. ロザリオまたはベネディクション
7:30 p.m. 夕食、レクリエーション
8:45 p.m. 終課、大沈黙


修練院で過ごす間は、修練の必要性に合わせてスケジュールを一部変更しなければなりません。

17. 奉献女の修道服は何を示しているのですか?

すべての修道服と同じように、奉献女の修道服は世間との分離、そして私たちが完全に天主のものであるという事実を示しています。

聖ピオ十世修道女会との区別をつけるために、ルフェーブル大司教様は、聖ピオ十世修道女会のヴェールは先がとがった形に、私たちのヴェールは弧を描く形に、そして聖ピオ十世修道女会のスカプラリオの襟元を四角い形に、私たちの襟元は丸い形にすると決定しました。

[聖ピオ十世修道女会のシスターたちが身につける]聖ピオ十世のメダイの代わりに、私たちは聖ベネディクトの十字架をいただき、身につけます。こうすることで、私たちは共贖者なる聖母と一致して、それぞれの奉献を生きるようにとの絶えざる招きを受けるのではないでしょうか? 私たちはオブラータ、捧げられた者です……。


***

※訳者より──本記事の翻訳にあたり、以下の書籍を参考にさせていただきました。
 ・サクラ・ヴィルジニタス 聖なる童貞性について(中央出版社/ピオ十二世回勅・今道瑤子訳)
 ・在俗修道会(ドン・ボスコ社/野原清)
 ・神の国の証人たち 修道生活の入門(中央出版社/P・カルパンティエ・山下房三郎訳)
 ・聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ(中央出版社/岳野慶作)
 ・お告げのマリア 長崎・女部屋の修道女たち(聖母文庫/小坂井澄)


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この映画のダビングのために日本語訳を作り、録音してくださった声優の方々や、字幕を作ってくださった方々、すべての関係者の方々に感謝します。


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先日、シュテーリン神父様から日本語の良い公教要理のウェブ・サイトのリンク先を尋ねられましたので、次をご紹介しました。愛する兄弟姉妹の皆様にもご紹介します。


公教要理図解(ワグネル訳)
カトリック中央協議会編集の公教要理(1958年)
聖ピオ十世 公教要理詳解
ローマ公教要理 【使徒信経の部】



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