アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様、
タルチシオ菊地大司教様へのお手紙の最後を分かち合うことをゆるしてください。今回の事態を機会に教会共同体の意味を再考することを私たちに促してくださったことを、あらためて心から大司教様に感謝いたします。
大司教様のお言葉に従って、
一昨日は、最初の考察(1)「すべてのいのちを守る」ということの意味を一緒に考え
昨日は(2)「教会の共同体としての一致」の意味について考えました。
昨日は「教会の共同体としての一致」について、
信仰者がひざまずくことによって「使徒たちや殉教者たちと共に、宇宙全体と共に、イエズス・キリストご自身との一致のうちにとどまる」、ひざまずくことこそ「宇宙的典礼」「本当の"文化"」「真理の文化の核心」というベネディクト十六世の言葉も黙想しました。
それでは、最後の考察に移ります。
今回、教会法の究極の目的である「超自然の霊魂の救い」のために私たちは何をすべきか、信仰者としてのふさわしい判断とは何か、を考えています。
(3)終わりに
多くの人々が信仰を捨ててしまっている現代こそ、変わることのない信仰による、真の教会共同体の霊的一致を取り戻さなければなりません。そのためには、聖伝の信仰を取り戻すことがどうしても必要な急務であると、私どもは信じて行動しております。
大司教様は、ミサの公開を中止にするという緊急の措置に関して、「趣旨をご理解いただけず協力いただけなかったケースもいくつか報告されています。教会の霊的一致の観点からは残念なことでありました。」と書いておられます。
この「趣旨をご理解いただけず協力いただけなかった」信徒の方々は一体何を思っていらっしゃったのでしょうか?そのような信徒の方々は、ひょっとすると、ご自分の永遠の命を守るため、やむにやまれず永遠の命の糧であるミサの秘蹟を求めていらっしゃったのではないでしょうか?
タルシチオ菊地大司教様の守護聖人は御聖体の殉教者聖タルシチオでいらっしゃいますが、御聖体の尊厳を守ることに尽された聖人にならって、タルシチオ菊地大司教様も、たとえ仲間からは非難されるかもしれないとしても、日本でこれほどまで貶められてしまった御聖体の尊厳を取り戻すために、立派に働かれる大司教様であることを信じております。
大司教様は公示で、「信徒が同会のミサに参加することは、現時点で推奨することは出来ません」とおっしゃっておりますが、きっと大司教様も、信徒が私どもの聖伝のミサに参加することこそが良いことである、としてくださるにふさわしい時が来るものと信じております。何故なら、私どもは聖伝に従って教会がやり続けてきたことをそのまましているだけなので、カトリックの司教様が聖伝の御ミサに与る事を信徒に推奨するのが難しいとは、ありえないと確信するからです。
何故なら、聖伝のミサは廃止された、あるいは禁止された、という嘘が世の中に出回っていた時も、聖ピオ五世の勅令に基づいて聖伝のミサは決して廃止されることができないと私どもは確信しておりましたが、はたして、その通り、2007年にはベネディクト十六世がこの聖伝のミサがけっして廃止されたものではないことを確認されたからです。世界中で絶えることなく捧げられてきた聖伝のミサこそが、御聖体の尊厳を守るミサであり、真の教会共同体に霊的な一致をもたらすものであるということが全ての方々に正しく認識される日が必ず来ると信じているからです。
その時には、東京大司教区で超自然の命を守るために、聖伝のミサを捧げ続けてきたことを良くやったと、聖ピオ十世会にお褒めの言葉を下さるものと信じております。コロナ禍のさなかに、ミサの回数を増やして、多くの霊魂たちの霊的ケアをよくしてくれた、と喜んでくださり、聖ピオ十世会の聖伝のミサに与ることを選んだ信徒たち一人ひとりが信仰者としてのふさわしい判断をしていた、とお思いになることを信じております。
教会法の目的は救霊にあります。Salus animarum suprema lex. 自然のいのちを救った杉原がそうしたように、天主のお恵みにより、聖ピオ十世会も教会法の精神に従って、永遠の命の救いを最高の法として考えております。
最後に、教会共同体の意味を再考する機会を与えてくださった大司教様に感謝申し上げます。
永遠の命のための信仰という原点に立ち戻って考える機会が与えられたことを、天主に、そして聖母に感謝いたします。
大司教様の祝福を私どもの上にお願いしつつ、ここに筆をおきます。
良き聖なるロザリオの聖月をお過ごしください。
2020年10月7日
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)
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