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聖ピオ十世会 聖伝のミサ(トリエント・ミサ、ラテン語ミサ) 2015年8月2日 SSPX Latin Traditional Mass

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アヴェ・マリア・インマクラータ!

 愛する兄弟姉妹の皆様、少し遅れてしまいましたが、8月の第1主日の東京でのミサ聖祭のお説教をご紹介します。「祈り」と「痛悔」(改悛)について、お話ししました。

天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)



 2015年8月2日 聖霊降臨後第10主日

  小野田神父 説教

 聖なる日本の殉教者巡回教会にようこそ。今日は2015年8月2日、聖霊降臨後第10主日のミサをしております。今日この御ミサの後、14時30分から、いつものように公教要理の勉強、今日は、「第5戒 汝殺すなかれ」について。そして16時から第2晩課があります。明日は、朝の7時からミサがあります。

 8月の予定ですが、大阪では、8月15日の夕方の18時30分から、被昇天のミサがある事になりました。これは、今までの予定にはなかったのですけれども、都合で付け加える事になりました。そして8月16日には大阪で、朝の9時と10時30分から、午前中にミサがあります。8月11日から15日までは、黙想会を行います。聖イグナチオの霊操による黙想会で、参加者を募ったところ、満席になりました。どうぞ、実り豊かな黙想会の為にお祈り下さい。

 9月の最初の第1主日は、9月6日ですが、6月のように、13時30分からミサを予定しています。予定が変更になってしまった事を申し訳なく思います。9月6日は、午後の13時30分からです。

 また、お祈りのお願いですけれども、このミサに来られておられる、ピオ大関さんのお母様が、先月、私が病者の訪問と祝福に行って、祝福をしたのですけれども、残念ながら、その数日後に、天主様に霊魂を返されました。どうぞお母様の為にお祈り下さい。また、大阪の信徒会長のお母様も、先週の月曜日に亡くなられました。どうぞ、マリアさんの為にお祈り下さい。


 「天主よ、罪人である私を憐れんで下さい。」
 聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
 
 愛する兄弟の皆さん、今日は収税使、税吏人の回心、祈りの話が出ています。ファリザイ人の祈りと、収税人の祈りとを比較して、その収税人の祈りは聞き入れられた。そこで、私たちは今日、その祈りの為に、或いは聖徳の為に、聖化の為に必要な2つの要素をみる事に致します。そしてその要素をみると、まさにここにこそ天主様の憐れみ、本当の憐れみというのが何か分かります。そして、その天主様の憐れみにもかかわらず、その私たちがもしも、良い聖化をするならば、2つの要素をしなければなりません。それをもっと完成させる為に、憐れみをもっと頂く為に、私たちが何ができるか、そして最後に、いくつか具体的な遷善の決心を立てる事に致しましょう。
 
 第1の点は、聖徳の最も基本的な、重要な要素が2つあります。これは、この収税人の祈りをみると分かります。謙遜な祈りであって、痛悔の祈りであって、祈りの内における痛悔です。この収税人は、目を天に上げようともせずに、謙遜の内に、罪人である、という事を認めて祈っていました。「罪人である私を憐れみ下さい。」と、そして胸を打ちながら、その祈りの内に痛悔をしていました。
 
 これをみると明らかに、聖化の為に必要な、そして聖徳を構成する要素の2つが分かります。それは、「祈り」という事と、「痛悔」です。罪の償いという事です。

 この2つの要素があったが為に、十字架に付けられた、イエズス様と共に付けられた良き盗賊、ディスマスは、「主よ、御身が楽園に至る時に、私を思い出して下さい。」という祈りを以って、痛悔の祈りを以って、「汝、今日楽園に我と共にあらん。」という言葉を聞きました。
 
 イエズス様は、またある例えで、「一人の人が痛悔すればそれは、99人の痛悔を必要としない義人たちよりも更に、大きな喜びが天国にある。」と、言ったのと同じです。
 
 「祈り」と「痛悔」、これをこの今日の収税人は示していました。
 
 ところで第2のポイントは、イエズス様は天主は、その全能をどうやって私たちに示すか、という事を、今日の集祷文でいいます。これにも、2つの要素があります。天主の持つ真の憐れみというのは、罪人たちを、痛悔、悔悛、祈りへと呼びかけて、そしてもしも、その罪人たちが、その呼びかけに応えて痛悔するならば、第2の点に、彼らを喜んで受け入れて、そして彼らを義とする、という事です。私たちにとって必要なのは、まさにこの「痛悔する、私が罪人であるという事を認める」というその謙遜の心です、そしてそれと同時に、「私を、罪人である私を憐れんで下さい。」という祈りです。まさにその2つがあると、天主は私たちを憐れんで、私たちを聖化して下さいます。
 
 ですから今日、集祷文にも、「天主はその全能を、私たちを容赦して、そして私たちを憐れむ事によって、全能を最大に表す。“parcendo maxime et miserando manifestas.”」と、あります。
 
 ところで第3の点ですが、この私たちがその痛悔をする、この悔悛を、私たちが罪人である事を認める、という時には、多くの人にとって、それは、それさえもできずにいます。その罪を認める為に跪いて、そして胸を打つ、「私は罪を犯した。主に憐れみを求めなければならない。」という事さえも、拒む人がいます、多くの人々がいます。多くの御恵みを、私たちは頂いているにもかかわらず、それを認めようとしない人々がいます。
 
 ですから、集祷文では更にこう言います、「multiplica misericordiam tuam.“御身の憐れみをもっと増やして下さい”。」ですから私たちもその祈りをしなければなりません。
 
 では、どうやって祈りをしなければならないのでしょうか。それは、罪人、そのような方々の為に、私たちが進んで、罪の償いや犠牲を捧げる事です。そしてこれを、イエズス様が、イエズス様の聖心が私たちに求めています。マリア様も、ルルドで、或いはラサレットで、或いはファチマで、私たちに求めました。「悔悛。悔悛。悔悛。毎日、ロザリオを祈りなさい。そして天主様の栄光が表われるように、どうぞ小さなチャペルをここに造って下さい。」と、ルルドでも、ファチマでも仰りました。
 
 私たちはですから、祈りと償いを捧げなければなりません。私たちの為に、そして多くの方々の救霊の為に捧げなければなりません。
 
 では、結論に、何をどのような遷善の決心を取ったら良いでしょうか。
 
 この私たちの祈りと、そして謙遜のこの収税人の模範が、まさにこの全くこれの祈りをしている、最大の祈りが、まず聖伝のミサです。ミサを、この聖伝のミサには、多くの場所で、私たちが罪人である、という事を、そして私たちは主の憐れみを必要としている、という事を、罪を謙遜に告白させ、そして跪かせ、そして天主に憐れみを乞う祈りがたくさん、宝石の様な祈りが散りばめられています。どうぞこの聖伝のミサをよく、このミサによく与るようになさって下さい。
 
 第2には、私たちは日々、祈りと償いの業を捧げましょう。特に8月は、マリア様の被昇天や、日本の主要の第1の守護の聖人である、マリア様の汚れ無き御心の祝日がありますから、マリア様に対するロザリオの祈り、そしてマリア様に対して犯される罪の償いの為にも、たくさんの小さな犠牲と償いを捧げて下さい。この暑さを捧げたり、或いは、他の人から、嫌な事を受けても、それを捧げたりなさって下さい。或いは、テレビやコンピューターや、その他の娯楽を捧げたり、或いは犠牲を伴うような何か、或いは好きな食べ物を食べずに、それをイエズス様にマリア様に捧げたり等なさって下さい。
 
 最後に、有名なフェデリコ・バラルト (Federico Balart) が、詩の一節にこんな事を言っているのを紹介して、この説教を終わりたいと思います。

 「お前は、謙遜になるだけ、天主に近付く。
 お前が、跪く時ほど、偉大になる時はない。」

Mejor á Dios te elevas cuando te humillas:
¡Nunca es más grande el hombre que de rodillas !

(HUMILDAD in "Dolores: Poesías" by Federico Balart)

 聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。



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