2022年3月25日(金)童貞聖マリアの御告げの大祝日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は聖母マリア様の御告げの大祝日です。今日はこのミサの直後、私たちも教皇様のロシア奉献に参加して、司祭の退場の前にロシアの奉献の祈りを御捧げしたいと思います。私たちは聖ピオ十世会としての奉献の祈りを唱えます。ミサの後の感謝の祈りが終わりましたら、今日は四旬節の金曜日ですので、十字架の道行きを一緒に御捧げ致しましょう。特にこれを、私たちの罪の償いとして御捧げ致しましょう。
マリア様の汚れなき御心がロシアを受け取って下さって、この国(ロシア)を特別に祝福して下さって、イエズス・キリストとマリア様の聖心の王国として下さいますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄弟姉妹の皆様、御告げの祝日は私たちに、イエズス様のなさった二つのことを教えてくれています。
一つは、イエズス様のとてつもない無限の憐みの愛、私たちの霊魂を救いたいという、罪人である私たちを、それでも救おうとされる愛、極み難い愛、無限の憐れみを教えて下さいます。
そして第二に、イエズス様が天主の御言葉が、天主三位一体が聖母に対して持っておられる信頼を表しています。
先週の主日に、聖パウロが私たちに「天主を見倣うものであれ」と、私たちを励ましましたが、まさにこの二つの点において、私たちはイエズス様を見倣うことができるようにお祈り致しましょう。
1)全能の永遠の無限の天主。在りて在る御者。私たちは在らしめられて、生かされて、今こうやっている者です。しかし、もしも私たちを生かしめて下さる方がいなければ、在らしめて下さる方がいなければ、フッと無に帰してしまう、そんな無に等しいような何でもないものです。
しかし天主は、永遠の昔から永遠の未来に渡って、在りて在る御方です。御自分でましまし、誰にも制限されることなく、全く自由で、至福で、善に満ちていて、その喜びと善を、私たちに与えることを自由に御望みになる方です。
何の不足もない、永遠の最高の善、天主。この御方が、天主に逆らった哀れな被造物の私たちを救おうと、天主の愛のまどいに、永遠の命に招こうと、天主が小さな人間となられた。ここに、天主の無限の愛の憐れみが表れています。天主聖父の愛、天主聖子の愛、聖霊の愛が表れています。
2)同時にこの御告げは、三位一体が聖母に全く信頼していた、ということを表しています。天主聖子をマリア様に全てを御委ねになったそればかりか、マリア様の返事に、マリア様が「はい」と言うか否かによって、私たちの永遠の贖いが、救いが左右されることさえも委ねていました。マリア様が「はい」と仰れば、天主は人となって、贖いの業をすることができる。しかし、もしもマリア様が「嫌だ」と言えば、どうなっていたか分かりません。
その永遠の決定を、救いの決定を、マリア様に信頼して委ねた。そしてマリア様は応えました。
「私は主の婢女(つかいめ)なり。仰せの如く我になれかし。」
そこで、私たちも天主イエズス様に倣って、マリア様に私たちを全て委ねることに致しましょう。マリア様の汚れなき御心に、私たちを全て捧げ尽くすことに致しましょう。何故かというと、イエズス様はマリア様を通してのみ、私たちに来られるからです。イエズス様は私たちも、私たちの母として頂くように御恵みを準備されたからです。「マリア様の御手ほど安全なところはない」と「救いと、贖いの最も確実な道はない」とイエズス様が身を以って、模範を以って、示して下さるからです。
それと同時に、無限の憐みの愛と聖母への信頼とで、イエズス様はマリア様と共に贖いの業を果たされました。罪の償いを果たそうとされました。ファチマでやはりマリア様は、私たちにお願いに来ました。「この世はあまりにも多くの罪を犯してるので、天主はあまりにも侮辱され続けている。罪によって天主は犯され続けている。もしもあなた方が何か苦しみを捧げるならば、祈りを捧げるならば、『イエズスよ、これは御身を愛する為、罪人たちの回心の為、聖母の汚れなき御心に対して犯される罪を償う為、教皇聖下の為』と言って捧げなさい。」あるいは最後に10月には、「もうこれ以上、罪を犯すことがないように。」悲しいお顔で私たちに懇願されました。
天使をも最初にお送りになって、御聖体を見せながら、「恐ろしいほどまでに侮辱されている、イエズス・キリストの最も尊き御聖体を見よ」と「恩知らずの罪人たちの為に代わって、罪の償いをせよ」と、私たちに懇願しました。
ですから私たちも、イエズス様に倣って、マリア様を通して、罪の痛悔をすると共に罪の償いを致しましょう。今日の御聖体拝領を、イエズス様を受けたマリア様に倣って、罪の償いとして御捧げ致しましょう。聖母の汚れなき御心に対して犯される罪を償う為に、御捧げ致しましょう。
今日の十字架の道行きも、イエズス様がなさったその御苦しみは私たちの為であったことを思って、痛悔の念を頂くことができる特別の恵みを乞い求めましょう。私たちがマリア様の汚れなき御心に受け入れられるに相応しい者となることができますように、お祈り致しましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。