2022年3月26日(土)四旬節第三主日後の土曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
四旬節も半ばに参りました。私たちの罪の痛悔の念をますます起こすように致しましょう。イエズス様は、私たちの罪の償いの為に受難にますます入ろうとしています。
今日のミサは非常に美しくて、涙を催さずに読むことができないものです。
旧約では、ダニエルは、罪が無くて訴えられた冤罪の女性を守りました。
福音では、オリベト山で、油の山で、つまりキリストの山で、現行犯で逮捕された女性を、モーゼの律法に従えば石殺しにされなければならない女性を助けます。この女性は、私たちの霊魂の象りです。これは史実ですけれども、ちょうど私たちの霊魂と同じことが起こりました。本来ならば永遠の地獄の火に燃やされるべき者でした。悪魔が私たちの霊魂を永遠の地獄の火に落とすべく、イエズス様に告発されるべき身でした。
私たちの主は御存知の通り、「罪の無い者から、まず石を投げよ」と仰います。すると、老人から始まって、一人一人、その場を立ち去って行きました。「婦人よ、お前を告発する人はいないのか?どこにいるのか?」「誰もいません。」「では、私も告発しない、断罪しない。罪をもう決して犯さないように。」
イエズス様は私たちに代わって、石殺しではなく、十字架の刑で、罪の償いを果たして下さいました。十字架の上で、聖父に祈ります。「彼らをお赦し下さい。」
イエズス様の憐れみと愛は、私たちに同じことを言います。「私も、お前を断罪しない。もう決して罪を犯すな。」
では私たちは、「あぁ、これで赦された。」だからケラケラと笑って、元の生活に戻るのでしょうか?いえ、この婦人がおそらくしたように、イエズス様の御言葉を倣って、遷善の決心を立て、そして「決して主を悲しませまいらすまい」と心に誓ったに違いありません。
ですから私たちも、その決心の心を乞い願いましょう。私たちはあまりにも弱いので、マリア様の御取り次ぎを乞い願いましょう。マリア様も、イエズス様と共に苦しまれた方です。マリア様の御力を乞い願いましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。