お告げの三つの神秘:天主の御言葉が人間となられた、御言葉の御父への従順と聖母の従順、新約の完全な司祭職の成立
2023年3月25日(土曜日)修道院での説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日はお告げの大祝日です。三つのポイントがあります。
第一は、天主の御言葉が、今日この日に人間となられたという神秘です。
第二は、御子の御父への従順と聖母の従順です。
第三は、完全な司祭職が成立したことです。
第一のポイントは、天主の本性と人間の本性が、三位一体の第二のペルソナの位格において合体して、わかちがたく一つになったことです。天地創造は、無から、私たちが有へと創造されましたが、私たちにとってこれに匹敵するこれにも勝る偉大な出来事が、今日起こりました。それは人間の本性が天主の本性と一致した、そこで私たちも天主の本性に一致することができるようになった、という神秘です。
第二のポイントは、これはイエズス・キリストの御父への従順と、そしてマリア様の従順によって、この二つによってなされたということです。聖パウロによると、「イザヤの書の最初に”主のみ旨を果たすために私は来た”と書かれている」と、聖パウロが言っています。イエズス様が天主の御言葉が人となったのは、天主の御父のみ旨を果たすためでした。それだけでは足りませんでした。人類を代表してマリア様が「ハイ」と、「主のみ旨のとおり我になれかし」「あなたのお言葉のとおりに私になりますように」とおっしゃる必要がありました。
今日このマリア様が「ハイ」と言ったその瞬間、主のみ旨を受け入れた瞬間、天主御子は人と人間本性を取ることができるようになりました。
もちろんマリア様は、聖書の預言をよくご存じでした。天主の御母となることがどれほどの苦しみとあるいは苦悩をもたらすということをよくご存じでした。それにもかかわらずマリア様は「ハイ」と言いました。マリア様は童貞女でしたから、もしも童貞でありながら子供を身籠るということはどのようなことか、聖ヨゼフがどのような反応をするか、どのように疑われるか、もしかしたら石殺しになってしまうかもしれない…「仰せの如くわれになれかし」。マリア様はすべてのことを、主のみ旨として既に受け入れておられました。そのおかげで私たちには救い主が与えられました。
最後の点は、今日、天主の御子が人間となるということで、これは天と地を結ぶ大司祭が誕生したということです。旧約の司祭職が、新約のイエズス・キリストの大司祭によって完成させられたということです。そして新約のすべてのカトリック司祭たちは、イエズス・キリストの司祭職に与るものとなることができた、すべての司祭の源泉はこの御托身の瞬間に起こった、イエズス・キリストの司祭職にある、ということです。
今日この日にルフェーブル大司教様さまがお亡くなりになったというのも、非常に御摂理にかなうことです。なぜかというと、ルフェーブル大司教様はカトリックの司祭職を守るために、そしてカトリックの司祭が捧げなければならない生贄を守るために、ミサ聖祭を守るために一生を尽した方だったからです。
是非マリア様に御取次ぎを請い願いましょう。私たちの中から聖なる司祭たちがたくさん輩出しますように。そして私たちもイエズス様とマリア様に倣って主のみ旨を果たすことができますように。そして、これこそが聖徳の鍵であるということを、よく深く理解することができますように。私たちも、「仰せの如くわれになれかし」というこの言葉を生きることができますように、お祈りいたしましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。