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二〇一三年十月十三日、カンザス・シティでのフェレー司教の説教より(その1)

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アヴェ・マリア!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 昨日のフェレー司教様の講演の記事に「彼らが真実を述べる時、従って下さい。でも彼らが馬鹿げたことを言うなら、その論点には従ってはなりません。真実へのあらゆる従順は天主に関連していなければなりません。」という言葉がありましたが、今年の10月にティシエ・ド・マルレ司教様のお供をしてソウルやレイテ島で共に時間を過ごしたときのことを思い出しました。

 フランシスコ教皇様が、あまりにも俗っぽい行動をされていることを残念に思いつつも、ティシエ・ド・マルレ司教様は、フランシスコ教皇がシリアのために9月7日に祈りと断食とを呼びかけたとき、従順のためにその日は断食をしたことを教えてくださいました。さすが!

 ニュースによると、スンモールム・ポンティフィクムに従って聖伝のミサをしている修道会の創立者が左遷させられたこと、聖伝に対して迫害を始めたことがわかります。たとえば、Attack Against Franciscans of the Immaculate Because "Crypto-Lefebvrian, Anyways Traditional" 全くの不当な処置です。

 私たちは、しかし「天罰によって教会が改心するのを、待つほか無い」などと悲観するのではありません。私たちはすべてが天主に依存しているかのように祈り、同時にすべてが私たちの努力と知恵に依存しているかのように、行動しなければなりません。

 それでは、二〇一三年十月十三日、カンザス・シティでのフェレー司教の説教よりの抜粋(その1)をご紹介します。この日本語訳をしてくださった方には心から感謝します。

 この説教の中に出てくるフランシスコ教皇様のインタビューについては、「カトリック新聞」にも記事があります。

倫理より癒やしを:教皇インタビュー(上)
時間かけて改革:教皇インタビュー(下)

愛する兄弟姉妹の皆様の上に天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

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二〇一三年十月十三日、カンザス・シティでの
フェレー司教の説教よりの抜粋

原文はこちら

二〇一三年十月十三日、カンザス・シティでのフェレー司教の説教よりの抜粋


 フェレー司教は、教皇フランシスコががどれほど「本物の近代主義者」であるかを、教皇自身の言葉を引用して示し、信者たちに祈りを、特にロザリオの祈りを倍加させるよう熱心に勧めた。

 ここに、十月十三日日曜日、ミズーリ州カンザス・シティの聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ教会での、アンジェルス出版社の講演会において行われた、司教荘厳ミサにおけるベルナール・フェレー司教(聖ピオ十世会総長)による説教の一部を抜粋して紹介する。

 フェレー司教はファチマ、第三の秘密、二〇一二年のローマと聖ピオ十世会との関係に関して、論点を詳しく述べた。その後、教皇フランシスコにまつわる多くの深刻な問題について語った。

「最初から、私たちはこの教皇様に関して、何かがおかしいという印象を抱いていました。最初の時点から、教皇様は自らを他の教皇様たちとは違うのだと区別したがっておられました」

 私たちは、教会について、公会議について、教皇がどのように見ておられるか、彼の計画はなんであるかに目を向けなければならない、とフェレー司教は述べた。教皇フランシスコが、ひっきりなしの講話やインタビュー、電話をかけ始めたのは、今年七月下旬の世界青年の日の前後であった。

「私たちには今のところ全体像が見えていないかもしれませんが、それでも非常な恐れを抱くに十分です。」

教皇の矛盾した発言

 ピオ十世が「パッシェンディ」で警告したように、近代主義者に典型的なことであるが、近代主義者は時に異端的方法で語り、それから正統的流儀で語る。フェレー司教はこういった矛盾の一つの例を挙げた。司教は、教皇フランシスコがローマのラ・リバブリカ紙上で、無神論者のジャーナリスト、エウジェニオ・スカルファリを危険な相対主義へと導いているかのように思われる十月初めのインタビューについて語った。

スカルファリ: 教皇聖下、「善」について唯一の見方は存在しますか? そしてそれが何であるかを決めるのは誰でしょうか?

教皇フランシスコ: 私たち一人一人は善、そして悪についての見方を持っています。私たちは彼らが「善」であると考える方へと人々を動かすよう励まさなければなりません。

スカルファリ: 聖下、聖下は私への手紙の中でこう書かれました。良心は自律している、とおっしゃいましたね。そしてすべての人々は自分の良心に従わなければならないと。このお言葉は、教皇である方によって踏み出された勇気ある一歩の一つであると思います。

教皇フランシスコ: ここでもう一度先ほどの言葉を繰り返します。すべての人々は善悪について独自の思想を持っており、自分がそう考えるに従って、善に従うことを選び、悪と戦わなければなりません。世界をよりよい場所にするためにはこれで充分でしょう。

 非常に強調して、フェレー司教は教皇の回答についてこのように述べた。「これはまったくカトリックではありません! なぜなら、私の考えがどんなものであれ、それが現実に一致しないなら、それには何の価値もないからです。そして第一の現実とは、天主です!… 天主は唯一の善であり、すべての善に関連したお方です!……私たちには良心があります。けれど、私たちの良心が天主の鏡である限りにおいて、良心は私たちを天国へと導きます。良心は天主の法に従って形成されなければなりません」「ですから、"すべての人々が独自の思えに従うことができる"と主張することは、ナンセンスそのものです」「この言葉はカトリックの教えとは無関係です。まったくの相対主義です」と、フェレー司教は述べた。

 だが、このインタビューの数日後、教皇フランシスコは悪魔と戦う必要性、悪魔との最終的戦いについて述べた。それは、誰も悪魔と中途半端には戦えない、私たちは相対主義と戦わなければならないというものである。フランシスコはラ・リパブリカで述べたのとは正反対のことを述べた。「教皇は述べたばかりのことと矛盾したことを言ったのです!」

 教皇フランシスコは第二バチカン公会議についてどのような見方をしているのか?

 フェレー司教によれば、教皇フランシスコは「第二バチカン公会議は輝かしい成功をおさめたということを当然に思っている。公会議の主要なテーマとは何か? 近代文化の光に照らして信仰を読み返すことである」と述べている。「近代文化の光に照らして信仰を読み返すこと」とは「現代世界において福音を受肉化させること」と言えるかも知れません。フランシスコ教皇は「このことを大変幸せに思い、公会議は多くの善い実りを生んだ。最初の例は典礼──改革された典礼である。これは公会議のすばらしい実りである」と信じています。「これが教皇の言葉です。そして彼はこのことを大変幸せに思っているのです」

「フランシスコは私たちにこう告げています。『現代世界の中での福音を読み直すことは、後戻りできません。ですから私たちは引き返すつもりはありません』と。皆さんは私たちにどのようにして彼と同意せよというのでしょうか? 私たちは重要な戦いを目前にしているのです」

教皇フランシスコとミサ

 典礼と古いミサについて、フランシスコは「Vetus Ordo 古い司式」だと述べた。フランシスコは、おそらく、ベネディクト教皇が古いミサにまだ固執する人々のために、賢明な行為として古いミサを復興させようとしたと思っている。「しかし、フランシスコ教皇が、古いミサへと戻ってくるなどと期待してはなりません。たぶん、彼は古いミサを妨害することなく私たちに古いミサを執行させるでしょう。天主のみがご存じです。」

「しかし、フランシスコ教皇は「この古いミサには問題があると見て」います。"このミサをイデオロギー化する人々がいる"からです。彼の言う人々とは誰でしょうか? 多くを言う必要はありません。ということは、私たちに対して何が起こるのでしょうか?……私が思うに、教皇フランシスコは、過去に目を向けているこの人々について大きな強迫観念に取りつかれています。教皇様のお言葉を聞いてみましょう」

教皇フランシスコ: けれども、心配なことは「Vetus Ordo 旧典礼」のイデオロギー化の危険、そしてその悪利用です。もしもキリスト教徒が[過去の]復興者、法律主義者であるなら、すべてのものに明白さと確実性を望むなら、その人は何も見つけられないでしょう。伝統と過去の記憶は、天主への新しい領域を開くための勇気を与えてくれなければなりません。現代において、規律上の解決を常に求める人々、誇張された教義上の「確実性」を希求する人々、すでに存在していない過去を元通りにしようと固執する人々、彼らは静的で内的な方向に観点を持っています。このやり方では、信仰はその他のイデオロギーらの一つのイデオロギーになってしまいます。私の持っているドグマ的な確実性とはこれです。つまり、天主は全ての人々の生にましまし給うということです。

 フェレー司教はこう続ける。「現教皇について私たちが抱く印象は、教皇は『だいたい』『あいまい』に熱心だということです。非常に明確で確実なことからいかなる犠牲を払っても逃げたがっています。しかし、天主が明確で確実であるように、信仰とはそういうものです。教皇の考えはそうではありません」

(つづく)


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